ダンゴムシのポーズと保育園ダンス体操

ダンゴムシのポーズの保育園ダンス

ダンゴムシのポーズの保育園ダンス
🧩

ねらい

姿勢づくり・体幹・模倣・集団同調を、ダンスの流れで自然に育てます。

🛡️

安全

床・動線・周囲の落下物を事前に点検し、ぶつからない距離を確保します。

🎵

展開

「丸まる→ほどける→歩く→止まる」の反復で、短時間でも成立する構成にします。

ダンゴムシのポーズの保育園ダンスのねらい

 

保育園ダンスで「ダンゴムシのポーズ」を扱う最大の価値は、子どもが“意味のある姿勢”を遊びの中で繰り返し、体の使い方として覚えられる点にあります。慶應義塾大学の大木聖子研究室は、幼児〜小学校低学年を対象に、オリジナルミュージックとダンスを通じて「命を守る3つのポーズ」を学ぶ教材があることを示しています。特に「じしんダンゴムシ体操」は、ポーズそのものだけでなく「慌てない」「騒がない」「物が落ちてこない、倒れてこない場所を見つける」といった“取る前の確認事項”も歌に入れて流れで学べる点が特徴です。

保育のねらいとしては、次のように言語化すると上司チェックでも通りやすくなります。

  • 🧠模倣・自己調整:保育者の合図で「丸める」「ほどく」「止まる」を切り替える。
  • 🦴姿勢・体幹:ひじとひざ、足の甲を床につける形は体幹の安定を促す。
  • 👀注意の向け方:安全な場所に移動してからポーズ、という順序で“周りを見る”経験を積む。
  • 🤝集団:同じ合図で一斉に動くことで、運動会発表会の基礎になる。

意外と効くのが「だんごむし=ただ丸い」ではなく、“おしりを危険に向ける”という方向づけです。大木聖子研究室の説明では、ダンゴムシのポーズは「大きな危険にお尻を向け、ひじとひざ、足の甲を床につけ、手で水をすくう形にして頭を守る」とされています。ダンスの振付にするときも、この“向き”が入ると、単なる体操ではなく意味のある動きとして残ります。

参考:ダンス教材の概要(幼児向け/ポーズの前の確認事項も含む)

さるさるサンバ・じしんダンゴムシ体操 | 大木聖子研究室

ダンゴムシのポーズの保育園ダンス体操のやり方

ここでは、保育園ダンスとして成立しやすい「短い反復型」のやり方を提案します。ポイントは“難しい振付”ではなく、同じ型を繰り返して上手になれる構造にすることです。加えて、地震時の行動としての考え方も混ぜる場合は「ポーズが目的にならない」ことが重要だと大木聖子研究室は注意を促しています。

基本の型(30〜60秒でも回せる)

  1. 🎵歩く:音に合わせて小さく歩く(走らない)。
  2. ✋合図で止まる:保育者が手を上げて“ピタ”。
  3. 🛡️安全チェック(ひとこと)。
  • 「落ちてこない?」
  • 「倒れてこない?」
  • 「動いてこない?」

    この「3つの『ない』」は、落下・転倒・移動の危険がない場所に移動してからポーズを取る必要があるという説明に沿っています。

  1. 🟤ダンゴムシのポーズ:ひじ・ひざ・足の甲を床につけ、手は“水をすくう形”で頭を守る。
  2. 🌱ほどける:ゆっくり顔を上げて、周りを見てから立つ。

“机がある・ない”を混ぜる展開も、保育園では教材化しやすいです。大木聖子研究室は、机があるときは「サルのポーズ」、机がないときは「ダンゴムシのポーズ」と整理しており、机の中でダンゴムシのポーズをするのは適切でないと明記しています。保育園ダンスの題材にするなら、椅子を少し置いて「机(代わり)が近いゾーン」「何もないゾーン」を作り、音が止まった場所で近いほうのポーズを選ぶ“ゲーム型”にすると盛り上がります(椅子取りのような応用にできる旨も紹介されています)。

参考:ダンゴムシ/サルのポーズの考え方(対象年齢、机の有無、注意点)

ダンゴムシのポーズ & サルのポーズ | 大木聖子研究室

ダンゴムシのポーズの保育園ダンスの安全

保育園ダンスは「楽しい」が先に立つほど、準備不足の小さな事故が起きやすくなります。特にダンゴムシのポーズは床に体を近づけるため、衛生とぶつかりの両面での安全設計が必要です。

安全設計のチェックリスト(現場でそのまま使える形)

  • 🧹床:砂・小石・玩具の欠片を除去し、滑りやすい場所は避ける。
  • 📏間隔:子ども同士の間は“寝転べる幅”を目安に確保する(丸まる動作で肘が外に出る子もいる)。
  • 🧱落下・転倒:上から落ちる物、倒れる棚、移動する台車が近くにない空間を選ぶ。これは「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」場所に移動してからポーズを取るという大原則に直結します。
  • 🧑‍🏫保育者の立ち位置:全体を見渡せる位置に立ち、合図は短く統一(例:「ピタ」「まる」「ほどく」)。
  • 🩹皮膚・衛生:屋外でダンゴムシ観察と組み合わせる日は、手洗いを活動の“終わりの儀式”にしてしまう(歌の終わり=手洗い)。

意外と見落としがちなのが「止まる前にスピードが上がる」ことです。盛り上がると走りたくなるので、音楽選びや声かけで抑えます。例えば「歩くのは“だんごむし散歩”」と名付け、走ったら“甲羅が割れちゃう”というイメージで速度を落とすと、叱責よりも効きます(意味のある比喩で子どもが自分で調整しやすくなる)。

また、防災の文脈で扱う場合は、ポーズの反復だけで終わらせず「どこが安全かな?」の問いを毎回1回入れるのがコツです。大木聖子研究室も、教える立場が“ポーズを取ること自体が目的にならないよう注意”する必要を述べています。ダンスの気持ちよさに防災の判断を1滴混ぜる、というイメージが最も運用しやすいでしょう。

ダンゴムシのポーズの保育園ダンスの声かけ

ダンゴムシのポーズを保育園ダンスにするとき、成否は「声かけの短さ」と「同じ言葉の反復」で決まります。子どもは複雑な説明で混乱しやすい一方、合図が短いほど一斉に動けて達成感が出ます。

使いやすい声かけ例(合図+意味が残る)

  • 🎵開始前:「今日は“まる”が上手になるダンス。ぶつからない距離、できてる?」
  • ✋止まる:「ピタ!」(止まれたら即ほめ)
  • 👀場所を見る:「落ちてこない?倒れてこない?動いてこない?」
  • 🛡️ポーズ:「おしりを危険のほうに、手はお水の形で頭ガード」
  • 🌱終了:「顔を上げて、周りを見て、ゆっくり立つ」

「手はお水の形」という言い方は、大木聖子研究室がダンゴムシのポーズを「手で水をすくう形にして頭を守る」と説明している点と相性が良く、幼児にもイメージが伝わります。さらに「おしりを危険に向ける」も、方向づけの言葉として有効です(丸まるだけだと“どっち向きでもいい”になりやすい)。

褒め方もルール化すると、集団が安定します。

  • 🌟ほめポイント。
  • 「ピタが早い」
  • 「手がお水の形」
  • 「静かにできた」
  • 「ほどく時がゆっくり」

    この4つだけに絞ると、保育者間で評価軸が一致して指導がぶれません。

ダンゴムシのポーズの保育園ダンスの独自視点

検索上位は「防災としてのダンゴムシのポーズ」や「体操動画の紹介」に寄りやすい一方で、保育の現場では“生活・科学・表現”を一つに束ねると活動が強くなります。そこで独自視点として、「ダンゴムシの生態の意外性」を少しだけ入れ、子どもの表現を深めるやり方を提案します。

意外な小ネタ①:ダンゴムシは“陸に適応した甲殻類”で、腹部の器官で空気呼吸もする

大阪市立自然史博物館のQ&Aでは、ダンゴムシを含むワラジムシ類は腹肢に“擬気管(白体)”が発達して空気呼吸を営み、皮膚呼吸も行うとされています。東京大学の研究紹介でも、ダンゴムシやワラジムシなどの陸生等脚類が腹部の腹肢に“肺”と呼ばれる空気呼吸器官を持つことが述べられています。

→これを保育園ダンスに落とすと、「おなか(腹)で息してる気分で、静かにまるくなってみよう」という“呼吸の遊び”に変換できます。丸まる=息を止める子が出やすいので、むしろ「静かに息」を入れると安全にもつながります。

意外な小ネタ②:丸くなる仕組みは“節のつなぎ目が薄い”ことが関係する

学研の「なぜなぜ110番」では、甲羅の節と節の間は薄い皮でつながっていて、体を内側に縮めると自然に丸くなる、と説明されています。

→これを表現遊びにすると、「節(ふし)ダンス」になります。

  • 🦴“ふし”を意識:ひじ・ひざ・足首を曲げる/伸ばすを音で遊ぶ
  • 🎵音の合図:太鼓=丸まる、鈴=ほどける、など

    “節を曲げる”を遊びにすると、単なる模倣より運動の質が上がり、年齢差にも対応しやすいです。

※保育者向けの注意として、防災のポーズを扱うときは「耐震性のある建物内」「上から落ちてくる・倒れてくる物がない環境が前提」と大木聖子研究室は明記しています。ダンスとして取り入れる場合でも、環境設定とセットで実施してください。

参考:ダンゴムシが丸くなる仕組み(節のつなぎ目の説明)

ダンゴムシはどうして丸くなるの | 学研キッズネット

参考:ダンゴムシの呼吸(擬気管・皮膚呼吸の説明)

大阪市立自然史博物館 質問コーナー(ダンゴムシの呼吸)

参考:陸生等脚類の呼吸器官(腹肢の肺)

東京大学 理学部・理学系研究科(ワラジムシ類の肺の研究紹介)

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