大中恩 島よ
島の合唱曲を保育園で歌うのは違反です。
大中恩「島よ」の成り立ちと受賞歴
「島よ」は1970年に誕生した混声合唱組曲で、ニッポン放送の委嘱により作曲されました。作詞は伊藤海彦が担当し、同年度の文化庁芸術祭に参加して優秀賞を獲得しています。panamusica+2
放送初演は大中恩自身が指揮を執り、東京混声合唱団が合唱、三浦洋一がピアノを担当しました。
つまり作曲家本人が初演に深く関わった作品です。
参考)https://ameblo.jp/crystalwind2011/entry-12817583438.html
この曲は当初混声合唱版として発表され、後に女声合唱版(1999年)と男声合唱版(2003年)にも編曲されています。大中は当初、混声合唱曲の男声合唱編曲を拒んでいましたが、やむを得ない事情で女声版を編曲し、最終的に男声版も作曲しました。wikipedia+1
楽譜はカワイ出版から出版されており、現在も多くの合唱団が演奏する定番レパートリーとなっています。大中恩の合唱作品の中でもモニュメント的な大作として位置づけられています。item.rakuten+1
大中恩の作曲家としての二つの顔
大中恩は「サッちゃん」「いぬのおまわりさん」「おなかのへるうた」といった童謡で広く知られる作曲家です。これらの童謡は幼稚園や保育園で現在も歌い継がれており、保育士にとって馴染み深い曲ばかりです。ne+1
父親は「椰子の実」を作曲した大中寅二で、作詞家の阪田寛夫は従兄弟という音楽一家に育ちました。早稲田大学文学部を卒業後、童謡だけでなく合唱曲の作曲にも力を注ぎ、1982年には「現代こどものうた秀作選・大中恩選集」で日本童謡大賞を受賞しています。chichi.co+1
合唱曲の分野では「島よ」(1970年)のほか、女声合唱組曲「愛の風船」(1966年)、男声合唱曲「走れわが心」(1968年)でも芸術祭優秀賞を受賞しました。
これは芸術性の高さを示す実績です。
参考)「サッちゃん」「いぬのおまわりさん」を作曲した大中恩の生き方…
大中の作風は、日本語の美しい語感を生かしたメロディとリズム、詩のイメージに即した和声が特徴で、「童謡だからと安易な曲作りはしない」という厳しい姿勢が貫かれています。童謡作家と芸術的合唱曲作家という二つの顔を持つ、稀有な存在でした。
島よの歌詞に込められた男の宿命
混声版の出版譜の前書きで大中は、「人間の、特に私達『男』の宿命を全て担っているかのように見える”島”をうたいあげることは、むずかしいことではありましたが、たいへん書き甲斐のあることでもありました」と述べています。wikipedia+1
孤独に浮かぶ島の影に、男の宿命ともいえるような姿を見出し、それを骨太にねばっこく表現した作品です。雄渾で骨太な大人の歌として評価されています。panamusica+2
この曲の舞台となった「島」がどの島であるかは明らかではありません。作詩者の伊藤海彦は大中との雑談の中で、「あれは何かの雑誌で見た航空写真からの印象なんだよ」と語っており、特定の島ではなく抽象化されたイメージが元になっています。ameblo+1
歌詞の内容が難解だという声も多く、Yahoo!知恵袋などで意味を尋ねる質問が寄せられています。哲学的で象徴的な表現が多いため、一読しただけでは理解しにくいところが特徴です。
参考)大中恩さんの合唱曲「島よ」の歌詞が難しくてはっきりした意味が…
大中恩作品と保育士養成課程での学び
保育士養成課程では音楽関係の科目が必修となっており、「音楽Ⅰ」「音楽Ⅱ」といった科目で保育の表現技術やピアノ演奏を学びます。大中恩の童謡は保育士養成の教材として頻繁に取り上げられています。ndl+2
保育士養成課程向けの楽譜集『ポケットいっぱいのうた』や『こどもの歌93弾き歌いベスト曲集』には、大中恩作曲の童謡が複数収録されています。保育士が現場で使いやすい簡易伴奏を中心に構成されており、実践的な内容です。kyogei+1
令和7年度保育士試験の課題曲には含まれていませんが、大中恩の童謡は保育現場で長年愛されている定番曲です。「サッちゃん」「いぬのおまわりさん」「トマト」などは、今も幼稚園や保育園で人気の曲として歌われています。shimamura+1
保育士にとって大中恩は、日常的に接する童謡の作曲家として身近な存在です。一方、「島よ」のような芸術性の高い合唱曲は、保育士養成課程で音楽教養として学ぶ機会があるかもしれませんが、保育現場で直接活用する機会は少ないでしょう。
島よを歌う意義と合唱の魅力
「島よ」は合唱曲として長いため、詩に応じて6つに区切られています。各部分に「枯れ木と太陽の歌」のような個別のタイトルはありませんが、内容によって構成が分かれています。
参考)https://male-chorus-history.amebaownd.com/posts/6844126/
混声合唱、男声合唱、女声合唱のいずれの編成でも演奏可能で、それぞれの声部の特性を生かした編曲がなされています。合唱団にとって演奏のしがいのある大作として位置づけられています。ameblo+1
過去には千葉県のアミュゼ柏クリスタルホールなどで演奏会が開催され、大中恩の大曲「島よ」と誰もが耳にしたことのある「サッちゃん」を並べて、混声合唱の魅力をたっぷりと届けるプログラムが組まれました。
つまり童謡と芸術曲の両方が楽しめます。
YouTubeには北海道教育大学札幌校混声合唱団やCP合唱団による演奏動画がアップロードされており、実際の演奏を聴くことができます。合唱練習の参考として、コンピューターが楽譜通りに歌う音源も公開されています。
合唱団京都エコーの演奏会では、浅井敬壹の指揮、久邇之宜のピアノで演奏され、京都コンサートホールで聴衆を魅了しました。このように「島よ」は日本各地の合唱団に愛され続けている作品です。
保育士が知っておきたい大中恩作品の活用法
保育現場では、大中恩の童謡を季節の歌や日常の活動に取り入れることができます。「サッちゃん」は親しみやすいメロディで、子どもたちがすぐに覚えられる曲です。ne+1
「いぬのおまわりさん」は動物が登場する歌として、ごっこ遊びや劇遊びにも応用できます。「おなかのへるうた」は食育の一環として給食前に歌うなど、生活の場面と結びつけやすい特徴があります。ne+1
保育士向けの音楽教材には、大中恩の作品が多数収録されており、簡易伴奏の楽譜が用意されています。ピアノが得意でない保育士でも弾きやすい編曲になっているため、現場で活用しやすいです。editionkawai+1
人気保育士てぃ先生が監修した音の出る絵本『あそんで にっこり てあそびうた』には、手遊び歌の図解や実演のポイントが掲載されています。大中恩の作品ではありませんが、こうした教材を参考にしながら、童謡を遊びと結びつける工夫ができます。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000609.000031579.html
保育士が大中恩の合唱曲「島よ」を知ることで、作曲家の幅広い活動や音楽性への理解が深まります。童謡だけでなく芸術性の高い作品も手がけた作曲家として、保育士自身の音楽教養を豊かにすることにつながるでしょう。
参考リンク(大中恩の作品一覧と童謡の背景が詳しく解説されています):
参考リンク(混声合唱曲「島よ」の楽譜情報と作品解説):
参考リンク(保育士養成課程での音楽表現技術についての研究論文):


