打楽器の一覧と名前を種類別に保育士向けに解説
カスタネットの赤と青、じつは上下が逆だと子どもの音が2割ほど濁ります。
打楽器の名前と一覧を知る前に:3つの分類を押さえよう
打楽器と一口に言っても、その数は世界中で1,100種類以上あるとされています。すべてを覚えようとすると混乱するので、まず「どういうしくみで音が出るか」という視点で3つに分類するのが基本です。
打楽器の主な分類は、①膜鳴楽器(まくなりがっき)、②体鳴楽器(たいなりがっき)、③鍵盤打楽器の3種類です。
① 膜鳴楽器 は、皮や膜を張った楽器で、その膜を振動させて音を出します。太鼓やタンバリンがその代表例で、保育現場でも特によく登場します。バスドラム(大太鼓)やスネアドラム(小太鼓)、ティンパニもすべてこのグループです。
② 体鳴楽器 は、楽器本体そのものが振動して音を出す楽器です。「えっ、どういう意味?」と思うかもしれませんが、木や金属でできたトライアングル・カスタネット・マラカス・シンバル・クラベスがこれにあたります。つまり、膜を使わずに本体が響く楽器がすべて体鳴楽器です。
③ 鍵盤打楽器 は、ピアノと同じ配列の音板をマレット(バチ)で叩いて音を出す楽器です。木琴(シロフォン)、鉄琴(グロッケンシュピール)、マリンバ、ビブラフォンなどがこのグループにあたります。鍵盤楽器と混同しがちですが、分類としては打楽器です。
この3分類が基本です。保育士試験の「保育実習理論」でも、楽器の分類は頻出問題となっています。「タンバリンは膜鳴楽器か?」「トライアングルはどの分類か?」といった問いが過去にも繰り返し出題されているので、ここをしっかり押さえておくと得点につながります。
| 分類 | 代表的な打楽器の名前 | 音の出るしくみ |
|---|---|---|
| 膜鳴楽器 | 太鼓・タンバリン・ティンパニ・ボンゴ・コンガ・ジャンベ | 張った膜(皮)が振動する |
| 体鳴楽器 | トライアングル・カスタネット・シンバル・マラカス・クラベス・ウッドブロック・カウベル | 楽器本体が振動する |
| 鍵盤打楽器 | 木琴(シロフォン)・マリンバ・鉄琴(グロッケン)・ビブラフォン・マリンバ | 音板をマレットで叩く |
参考:保育士試験に向けた楽器分類の整理と過去問傾向についての解説ページです。
保育実習理論 おぼえよう!音楽の基礎知識④いろいろな楽器 | 保育士試験勉強サイト
保育現場でよく使う打楽器の名前と一覧:膜鳴楽器編
保育園で最もよく目にする打楽器の多くが膜鳴楽器です。皮が張られていて、叩いたときの振動がそのまま音になります。音の大きさや迫力が出やすく、リズム活動に欠かせない存在です。
🥁 タンバリン(Tambourine)
保育現場の定番中の定番です。浅い小型の太鼓で、枠の周囲に「ジングル」と呼ばれる金属のシンバル片が付いています。手や指で叩くほかに、振って鳴らす、フチをこするなど複数の奏法があるのが特徴です。正しい持ち方は、左手の親指を皮の上に乗せ、残り4本の指で木枠を支えるスタイルです。木枠に空いている小さな穴は「スタンドに取り付けるための穴」なので、子どもが指を入れないよう事前に伝えておく必要があります。
🥁 太鼓・ボンゴ(Bongo)
乳児クラスには手のひらで叩けるボンゴが適しています。大太鼓(バスドラム)や小太鼓(スネアドラム)は幼児クラスの発表会などで活用します。太鼓系は「力を込めすぎない、バチを軽く持つ」ことできれいな音が出るのがポイントです。力が入りすぎると音が潰れ、響きが失われます。
🥁 ジャンベ(Djembe)
西アフリカ発祥の太鼓で、日本でも保育施設や音楽教育の場で徐々に取り入れられています。子ども全員が演奏者になれる民族楽器で、手のひらの位置や叩く角度によって「ベース音」「トーン」「スラップ」の3種類の音が出せます。ピアノが「先生が弾いて子どもが聴く」という受け身の体験になりがちなのに対し、ジャンベは子どもが主体的に音楽に参加できる楽器として注目されています。
🥁 コンガ(Conga)
キューバ発祥のラテン打楽器です。立てて使う細長い太鼓で、ボンゴと並んでラテン音楽の代表的な楽器です。保育の発表会や音楽遊びで異国の音楽に触れる場面にも活用できます。
これが膜鳴楽器の基本です。
保育現場でよく使う打楽器の名前と一覧:体鳴楽器編
体鳴楽器は、素材そのものを叩く・振る・こするなどして音を出す打楽器のグループです。保育現場で日常的に使われるカスタネットやトライアングルも、すべて体鳴楽器に分類されます。
🔔 カスタネット(Castanet)
スペインの民族楽器で、フラメンコなどの舞踊に欠かせない楽器です。名前の由来はスペイン語で「栗」を意味する「カスターニャ(Castaña)」で、栗の木から作られていたこと・形が栗に似ていることから名付けられました。本来は両手それぞれに1個ずつ付け、指で細かく動かして演奏するプロ用の楽器です。
日本の保育・教育現場で使われているカスタネットは「教育用カスタネット」と呼ぶのが正確で、日本で独自に考案・改良されたものです。赤と青の2色は日本だけの特徴で、もともとは男女別に色分けした2種類を1種類にまとめて在庫管理を効率化するためにできたデザインと言われています。
正しい持ち方は「青を上、赤を下」です。赤い部分の突起を右手で叩く構造になっており、左手の中指にゴムをはめ、手のひらに乗せて水平に保持します。この向きを逆にすると音板の当たり方が変わり、クリアな音が出にくくなります。これは要注意です。
🔔 トライアングル(Triangle)
金属製の三角形の楽器で、その形状から「トライアングル」と名付けられています。金属棒の「ビーター」で叩いて音を出します。正しい持ち方は、左手の人差し指に紐を通し、楽器本体には直接触れないことが鉄則です。本体に触れると振動が止まってしまい、「チーン」という余韻が出なくなります。子どもは無意識に本体を握ってしまうことが多いため、持ち方の指導は丁寧に行うことが大切です。ビーターは三角面に対して垂直に当てると安定した音が出ます。
🔔 マラカス(Maracas)・シェイカー(Shaker)
マラカスはシェイカーの一種で、中に木の実・ビーズ・砂利などが入っており、振ることで音を出します。ラテン音楽(マンボ・サルサ)で広く使われる楽器です。保育では0〜1歳児でも扱いやすく、音を出すことへの最初の興味を引き出す楽器として活用できます。手作りも簡単で、ペットボトルの中にお米や小豆を入れれば手軽に代用品が作れます。
🔔 クラベス(Claves)
2本の円柱形の木片を上下に打ち合わせて音を出す体鳴楽器です。ラテン音楽のサルサなどでリズムの基軸を担う楽器で、「クラーべ」というリズムパターンを刻みます。日本の「拍子木(ひょうしぎ)」は平行に叩きますが、クラベスは上下に打ち合わせる点が異なります。
🔔 ウッドブロック(Wood block)
木の塊に溝を入れ、その空洞を活用して音を出す体鳴楽器です。コンコンとした明るい高音が特徴で、発表会の合奏では独特のアクセントを加えてくれます。シンプルな外見ながら、音色のコントラストが大きく、合奏の中で存在感を発揮します。
| 楽器名 | 発祥 | 保育での主な使い方 |
|---|---|---|
| カスタネット | スペイン | リズム打ち・合奏(0歳〜) |
| トライアングル | 中東起源 | 発表会・リズム遊び(3歳〜) |
| マラカス | ラテンアメリカ | シェイク遊び・リズム(0歳〜) |
| クラベス | キューバ | リズムアンサンブル(4歳〜) |
| ウッドブロック | アジア・中国起源 | 合奏のアクセント(4歳〜) |
参考:打楽器の種類ごとの特徴・音の出るしくみを詳しく解説しているページです。体鳴・膜鳴分類の確認に役立ちます。
打楽器(パーカッション)の種類とその特徴 | Percussion Library
保育現場でよく使う打楽器の名前と一覧:鍵盤打楽器編
鍵盤打楽器は「打楽器なのにメロディーが弾ける」という、少し特殊なグループです。これが鍵盤楽器(ピアノ・オルガン)との大きな違いです。音板をマレット(バチ)で叩くことで音を出すため、分類上は打楽器に属します。
🎹 木琴(シロフォン/Xylophone)
「シロフォン」はアフリカ・東南アジアで発達した木琴の一種で、保育でよく見かける小型の教育用木琴もこのグループに入ります。木製の音板を硬めのマレットで叩き、カチカチとした明るい音色が出ます。鍵盤の配列はピアノと同じなので、ピアノが弾ける保育士にとっては直感的に操作しやすい楽器です。
🎹 マリンバ(Marimba)
マリンバも木琴の一種で、シロフォンと混同されがちですが音色が大きく異なります。マリンバは音板の下に「共鳴管(パイプ)」が付いており、柔らかくまろやかな音が出ます。一方でシロフォンはくっきりとした音色です。鍵盤の枚数も多く、シロフォンより音域が広いのが特徴です。マレットも柔らかめのものを使用します。保育現場よりもコンサートや吹奏楽で活躍しますが、保育士試験の出題対象でもあります。
🎹 鉄琴(グロッケンシュピール/Glockenspiel)
金属製の音板を並べた鍵盤打楽器で、「グロッケン」または「鉄琴」と呼ばれます。高音域の澄んだきらびやかな音色が特徴で、保育の発表会や合奏に「キラキラ感」を加えてくれます。シロフォンとセットで置いている保育園も多く、子どもが木と金属の音色の違いに気づくきっかけにもなります。
🎹 ビブラフォン(Vibraphone)
鉄琴に似ていますが、音板の下に電動の回転板(ビブラート装置)が付いており、独特の揺れる音色が出る点が違います。ジャズや現代音楽でよく使われる楽器で、保育の現場よりも保育士試験の知識として押さえておく楽器です。
🎹 ハンドベル・ミュージックベル
ハンドベルは17世紀のイギリスで誕生した楽器で、1つのベルが1つの音を奏でます。本来はサイズが音高によって異なりますが、日本では昭和57年に教育用として全て同じサイズの「ミュージックベル(カラーベル)」が考案されました。色分けされているため、小さな子どもでも視覚的にどのタイミングで鳴らすかが分かりやすく、年少〜年長の発表会でよく活用されています。
つまり、木琴・鉄琴はどちらも鍵盤打楽器です。
参考:木琴(シロフォン)とマリンバの見た目・音色・用途の違いについて詳しく比較しているページです。
打楽器の種類を一覧で紹介!見た目や音の特徴を徹底解説 | 楽器買取サイト
打楽器の名前と一覧:保育士が意外と知らない民族打楽器も紹介
ここでは、教科書にはあまり登場しないけれど、保育の音楽活動を豊かにする民族打楽器を紹介します。これは検索上位の記事ではほとんど取り上げられていない、独自の視点からの内容です。
🌍 アンクルン(Angklung)
インドネシア・バリのガムラン音楽に使われる、竹製の鍵盤打楽器(体鳴楽器)です。振ると竹の筒が共鳴して音が出るしくみで、1本のアンクルンが1つの音を担当します。子どもが複数人でそれぞれ1音ずつ受け持ち、合奏する活動が海外の幼児教育でも実践されています。日本でも小学校の音楽授業で取り入れる事例があり、保育段階でも多様な音文化に触れる入口として注目されつつある楽器です。
🌍 カリンバ(Kalimba)
アフリカの「親指ピアノ」とも呼ばれる楽器で、ムビラという名前でも知られています。木の板に金属の棒(ティン)を取り付け、親指で弾いて音を出します。音域は限られていますが音色が穏やかで癒し系です。保育士が朝の会のBGMや絵本読み聞かせの際に使うと、子どもが「なんの音?」と自然に興味を持ちます。価格も比較的リーズナブルで、2,000〜5,000円前後から購入できるので、保育士個人が手軽に試せる楽器です。
🌍 カホン(Cajon)
木の箱を打面にした体鳴楽器で、ペルー発祥の楽器です。現在日本でも大変人気があります。上面・前面の叩く位置によって「ドン」という低音と「タン」という高音が出せます。箱型なので座って演奏でき、省スペースで設置できる点も保育現場では利点です。生活発表会でドラムセットの代わりとして使う園も出てきています。
🌍 ビブラスラップ(Vibraslap)
演歌や時代劇の効果音「カ〜〜〜〜ッ」として有名な楽器です。ガラガラのような構造の金属製ボックスに球形のウェイトが付いており、叩くと中のバネが震えてユニークな音が出ます。子どもにとってはとにかく「面白い音」として反応が良く、音当てゲームに使うと大いに盛り上がります。
🌍 オーシャンドラム(Ocean drum)
波の音を再現するための擬音楽器で、透明な両面太鼓の中に小さな金属ビーズが入っています。傾けると「ザザーッ」という本物の波音に近い音が出ます。0〜1歳児の音の探索遊びや、絵本「うみのおと」などと組み合わせた読み聞かせのサウンドエフェクトとしても活用できます。
これは使えそうです。
| 楽器名 | 発祥 | 特徴 |
|---|---|---|
| アンクルン | インドネシア | 竹製・1本1音 |
| カリンバ | アフリカ | 親指ピアノ・癒し系音色 |
| カホン | ペルー | 木箱型・省スペース |
| ビブラスラップ | 中南米 | ユニークな効果音 |
| オーシャンドラム | 現代 | 波音・擬音楽器 |
打楽器を活かした保育活動:年齢別の選び方と発達への効果
打楽器を保育に取り入れる際に最も大切なのは「年齢・発達段階に合わせること」です。楽器が難しすぎると子どもはすぐに興味を失い、逆に簡単すぎると刺激が足りなくなります。
0〜1歳:音を出す楽しさを体験させる
この時期のねらいは「楽器に親しみ、音を出すことを楽しむ」ことです。鈴・マラカス・オーシャンドラムのように、持って振るだけで音が出る楽器が適しています。床に置いたカスタネットを手でパチンと叩く活動も、指の感触と音の因果関係を学ぶ初歩的な体験になります。リズムの正確さより「音が出た!」という達成感が最優先です。
2〜3歳:リズムに合わせる体験へ
2歳ごろからは、カスタネット・タンバリンなど「叩く動作」を伴う楽器が適してきます。手首の動きが発達してくるこの時期は、保育士が手拍子でリズムを示しながら「一緒にやってみよう」と促す関わりが効果的です。正確なリズムにこだわる必要はありません。「音楽に体が反応する」体験を積み重ねることが、この時期の目的です。
3〜4歳:複数の楽器の音色の違いを楽しむ
3歳になるとトライアングルのような「持ち方・叩き方に決まりがある楽器」にも挑戦できます。「この持ち方だとこんな音がするね」という発見の連続が、集中力・観察力を育てます。音色の違いを意識させるには、木琴と鉄琴を並べて音の「温かさ・硬さ」を比べてみる活動も有効です。
4〜5歳:合奏・アンサンブルへ
年長クラスでは、タンバリン・トライアングル・鈴・カスタネットなどを役割分担した合奏が可能になります。「自分が鳴らすタイミング」を判断しながら全体を聴く体験は、協調性・集中力・音楽的感性を同時に育てます。ここで重要なのは「合わせることを楽しむ」雰囲気づくりです。間違えても笑顔でリトライできる環境が、子どもの挑戦意欲を守ります。
打楽器が発達に与える効果
リズムに合わせて手を叩くという動作だけで、聴覚(音を聴く)・運動(手を動かす)・認知(タイミングを合わせる)という複数の脳の領域が同時に活性化することが研究で示されています。幼児期は脳の発達が最も著しい時期であり、この時期に多様な音楽体験を積むことで神経回路のネットワークが豊かになるといわれています。
また、リズムと言語には深い関係があります。太鼓のリズムパターンを繰り返す体験は、言葉のリズム感を養う効果があるという研究もあります。実際に打楽器を取り入れた保育現場では「子どもたちの言葉のリズムが安定してきた」「歌のテンポ感が良くなった」という保育士の声も報告されています。さらに、打楽器は感情の表現・発散にも有効で、イライラした子がジャンベを力強く叩いた後にスッキリした表情になる場面は現場でよく見られます。
これだけ覚えておけばOKです。
参考:打楽器が子どもの脳・言語・感情発達に与える効果を現場の視点で解説しているページです。
保育と音楽の関係|打楽器が子どもの発達に与える影響 | あゆみの森こども園

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