中国語の歌有名な童謡と名曲を保育に活かす方法

中国語の歌で有名な曲を保育士が知っておくべき理由と活用法

中国語の歌として有名な「小星星(きらきら星)」は、実は中国語が起源ではなく18世紀フランスのシャンソンが元ネタで、今も保育現場で誤解したまま教えている人が少なくありません。

この記事でわかること
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有名な中国語童謡の全体像

小星星・両只老虎など、保育現場でよく使われる曲の歌詞・ピンイン・起源まで丁寧に解説します。

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テレサ・テンなど名曲の背景

「月亮代表我的心」など中華圏で最も有名な曲の誕生秘話と、保育士として知っておくべきポイントを紹介します。

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多文化保育での具体的な活用法

外国籍の子どもが過去最多の322万人時代に、中国語の歌を使って関係性を深める実践的な取り組みを解説します。

中国語の歌で有名な童謡「小星星(小星星/xiǎo xīng xīng)」とは

 

保育の現場で中国語の歌を紹介するとき、まず真っ先に候補に挙がるのが「小星星(シャオ シン シン)」です。日本でいう「きらきら星」の中国語バージョンで、歌詞の出だしは「一闪一闪亮晶晶(イーシャン イーシャン リャンジンジン)」。発音のリズムが自然で、子どもたちが口ずさみやすい点が特徴です。

この曲の起源を知ると、少し驚くかもしれません。実は「きらきら星」のメロディは18世紀のフランスで流行したシャンソン「Ah ! Vous dirai-je, Maman(ああ、話したいのママ)」が原曲とされており、作曲はフランスのバロック音楽家ジャン・フィリップ・ラモーによるものとされています。つまり中国の歌でも英語の歌でもなく、フランス生まれのメロディなのです。意外ですね。

このメロディに英国の詩人ジェーン・テイラーが1806年に英語詩をあてはめ、それが世界中に広まり、中国語版「小星星」として定着しました。日本・中国・韓国・英語圏と3ヶ国語以上で歌い継がれるこの曲は、文化の橋渡し役として非常に優秀です。

保育活動での使い方として、歌詞の意味をざっくり伝えるだけでも十分です。「一闪一闪(イーシャン イーシャン)=きらきら」「亮晶晶(リャンジンジン)=光っている」という対訳を絵カードに書いておくと、外国籍の子どもと日本人の子どもが一緒に意味を確認しながら歌えます。発音が難しければ、カタカナ読みでもまず歌い出すことが大切です。

中国語 ピンイン 日本語訳
一闪一闪亮晶晶 Yī shǎn yī shǎn liàng jīng jīng きらきら光っている
满天都是小星星 Mǎn tiān dōu shì xiǎo xīng xīng 空一面の小さな星たち
挂在天上放光明 Guà zài tiān shàng fàng guāng míng 空に輝いている
好像许多小眼睛 Hǎo xiàng xǔ duō xiǎo yǎn jīng まるでたくさんの小さな目のようだ

「小星星が基本です。」保育活動で最初に中国語の歌を試すなら、この1曲を選べばまず外れません。YouTubeには「小星星」で検索できる無料動画が多数公開されており、繰り返し流すだけで子どもたちが自然と口ずさみ始めます。

同志社女子大学の教員コラムでは「きらきら星はフランス由来のシャンソンがルーツ」という事実が紹介されており、保護者への説明にも使えます。

中国語の歌で有名な「两只老虎(リャンヂーラオフー)」と保育への応用

もう一つ、保育士なら必ず押さえておきたい有名曲が「两只老虎(liǎng zhī lǎo hǔ)」です。日本語に訳すと「二匹の虎」。保育士の方々にとっては、メロディを聴いた瞬間「これ知ってる!」と思うはずです。実は日本の手遊び歌「グーチョキパーでなにつくろう」とまったく同じメロディで、両方ともフランス民謡「フレール・ジャック(Frère Jacques)」が起源なのです。これは使えそうです。

歌詞の内容は「二匹の虎がいる。走るのが速い。一匹は目がない。もう一匹は尻尾がない。本当に奇妙だ」という、不思議でユーモラスな内容です。中国の子どもたちに長年愛されてきた理由は、繰り返しフレーズが多く覚えやすいこと、そして最後の「真奇怪(zhēn qí guài=本当に奇妙だ)」というオチがあることです。

  • 🐯 两只老虎(liǎng zhī lǎo hǔ)=二匹の虎
  • 🏃 跑得快(pǎo de kuài)=走るのが速い
  • 👁️ 一只没有眼睛(yī zhī méi yǒu yǎn jīng)=一匹は目がない
  • 🦊 一只没有尾巴(yī zhī méi yǒu wěi bā)=もう一匹は尻尾がない
  • 😲 真奇怪(zhēn qí guài)=本当に奇妙だ

保育活動での活用ポイントとして、この曲はすでにメロディを子どもたちが知っているため、「同じメロディで歌詞が違うだけ」というアプローチが通用します。まず「グーチョキパー」を歌って「これと同じ曲だよ」と伝えてから「两只老虎」を歌うと、子どもたちが格段に乗ってきます。外国籍の中国語話者の子どもにとっても、知っている曲が流れることで一気に場の雰囲気が和らぐ効果があります。

また、「量詞(りょうし)」という中国語の文法も自然に学べます。「两只(liǎng zhī)」の「只(zhī)」は動物を数える際の助数詞で、日本語の「匹」に相当します。こうした豆知識を保護者に伝えるだけで「この先生は中国語のことをちゃんと知っている」という信頼感につながります。信頼感が条件です。

テレサ・テンの有名な中国語の歌「月亮代表我的心」の深い背景

保育士が中国語の歌について保護者と話す機会があるとき、子ども向けの歌だけでなく大人にも知られる名曲を1曲知っていると会話が弾みます。その最有力候補が「月亮代表我的心(ユエリャン ダイビャオ ウォーダーシン)」です。テレサ・テン(鄧麗君)が歌い、中華圏全土で知らない人がいないほどのスタンダードナンバーとされています。New York Timesも「最もよく知られたチャイニーズポップ」と紹介したほどです。

「月亮代表我的心」という名前の意味は直訳すると「月が私の心を代表する(代弁する)」です。作詞は孫儀、作曲は翁清溪(湯尼)によるもので、1973年頃に陳芬蘭(チェン・フェンラン)がオリジナルを歌い、その後テレサ・テンが1977年にカバーして世界的な名曲となりました。つまり「月亮代表我的心=テレサ・テンの曲」と思われがちですが、正確にはカバー曲なのです。意外ですね。

テレサ・テン(1953年生まれ)は日本でも「時の流れに身をまかせ」「つぐない」で大ヒットを記録した台湾出身のアーティストで、残念ながら1995年にわずか42歳で逝去しています。しかし彼女の歌声は今も中華圏の人々に深く愛されており、中国語圏の保護者の方々にこの曲名を出すだけで「知ってる!大好き!」という反応が返ってくることが多いです。

保育の現場でこの曲をどう活かすかというと、直接子どもに歌わせるというよりも、外国籍の保護者との対話のきっかけとして使うのが効果的です。「月亮代表我的心、ご存知ですか?」と一言添えるだけで、保護者が「あ、知ってる!」と心を開いてくれる場面が生まれます。文化を通じた信頼構築の道具として、保育士の引き出しに入れておく価値は十分あります。

中国語の歌 名曲12選 – LTL言語スクール(テレサ・テン、Jay Chouなど中国語名曲の背景と聴きどころを日本語で解説)

中国語の歌で有名な「小苹果(シャオ ピングオ)」と外国籍の子どもとの距離の縮め方

近年、保育士が知っておくと役立つ中国語の曲として「小苹果(xiǎo píng guǒ、リトル・アップル)」があります。筷子兄弟(クァイズィ シオンディー=チョップスティック・ブラザーズ)が2014年にリリースし、中国本土のカラオケ・SNSを中心に爆発的なヒットを記録しました。2014年の全米音楽賞(AMA)でインターナショナル・ソング賞を受賞するなど、世界的な注目も集めています。

「小苹果」の特徴は、テンポよく繰り返されるサビと、覚えやすいダンスです。中国では年配の人々が広場で踊る「広場舞(ひろばダンス)」の定番曲となり、世代を超えて愛されました。歌詞の意味は「あなたは私の小さなリンゴ、どれだけ愛しても愛し足りない」という愛の歌で、テンポが明るいので子どもたちとの音楽活動にも取り入れやすいです。

外国籍の中国語話者の子どもや保護者との距離を縮める場面では、この曲が強力な橋渡し役になります。たとえばお楽しみ会や運動会のBGMにさりげなく流すだけで、中国語話者の子どもが「この曲知ってる!」と顔を輝かせる場面が生まれることがあります。子どもにとって、自分の文化・言語が認められると感じる経験は、自己肯定感の向上にも関係します。これは保育の核心です。

また、「小苹果」はYouTubeで公式ミュージックビデオが無料で視聴でき、歌詞付き動画も豊富に存在します。保育士自身が事前に1〜2回聴くだけでもサビのフレーズは自然に頭に残るので、特別な語学学習なしに取り入れられます。難しそうと感じたら、まず聴くだけでOKです。

曲名 ピンイン 特徴 保育活用シーン
小苹果 Xiǎo píng guǒ 明るいテンポ・覚えやすいダンス お楽しみ会BGM、運動会
小星星 Xiǎo xīng xīng きらきら星の中国語版 お昼寝前、朝の会
两只老虎 Liǎng zhī lǎo hǔ グーチョキパーと同じメロディ 手遊び、朝の会
月亮代表我的心 Yuèliàng dàibiǎo wǒ de xīn 中華圏の大定番バラード 保護者との対話、文化理解

保育士だけが知っておきたい、中国語の歌を使う上での独自視点と注意点

中国語の歌を保育活動で使う際に、多くの記事では「歌詞を覚えよう」「楽しもう」という方向性が多いです。しかし保育士として外国籍の子どもと関わる現場では、もう一歩踏み込んだ視点が求められます。ここでは、あまり語られない注意点と独自の活用法を紹介します。

声調(四声)と歌の関係について知っておく

中国語の最大の特徴は「声調(四声)」です。同じ「ma」という音でも声調によって「妈(māカア=お母さん)」「马(mǎマァ=馬)」「骂(màマァ=罵る)」とまったく意味が変わります。これがリスニングにも発音にも影響します。

ところが、歌の中では声調がメロディに引っ張られて崩れることが多いとされています。千葉大学の研究論文でも「中国語の歌は歌のメロディの影響により声調(四声)がみだれる傾向がある」と指摘されています。つまり、歌で中国語を覚えようとすると、正しい声調とは異なる発音が身についてしまうリスクがあります。

「歌だけで発音を完璧にしようとするのは禁物です。」保育士として中国語の発音の正確さを目指す必要はありませんが、外国籍の保護者や子どもと話す際に「歌では覚えたけど、会話では違う発音になる」という混乱が起きることがあります。これを知っているだけで、保育士として余裕を持った対応ができます。

中国語授業における歌の活用の有効性について – 千葉大学(歌と声調の関係、保育・教育現場での注意点が学術的に解説されています)

外国ルーツの子どもが約13万人超・保育現場は多文化化が進行中

文部科学省の統計によると、公立学校に在籍する外国人児童生徒数はこの10年間で約6.2万人増加し、約13.9万人に達しています。また法務省のデータでは2024年時点の在留外国人数は約322万人と過去最多を更新しており、そのうち0〜6歳の外国人乳幼児は13万人超です。保育現場でも「クラスに外国籍の子どもが1人はいる」という時代はすでに到来しています。

つまり、中国語の歌を知っておくことは単なる文化的教養ではなく、現場で使えるコミュニケーションのスキルです。「今日も来てくれたね」という一言を中国語で言うよりも、その子の知っている歌を口ずさむほうが、子どもの心に届くことがあります。

保育士向けの研修や多文化共生の資料を使う

現場での多文化対応に困ったとき、厚生労働省や子ども家庭庁が発行する「外国籍等の子どもへの保育に関する調査研究報告書」には、中国語・英語・ポルトガル語等での手遊びや歌を通じた多文化理解の取り組み事例が紹介されています。無料でPDF公開されているので、園の研修資料としても活用できます。「報告書は無料です。」自治体によっては通訳派遣制度も利用できるため、一度確認してみることをおすすめします。

外国籍等の子どもへの保育に関する調査研究 – 子ども家庭庁(外国籍の子どもへの保育実践事例・多言語活動の具体的取り組みが無料で参照できます)

中国 vs 日本 : 決勝 (HLに大岩監督、荒木、市原、大関、佐藤、横山のINTVあり)