ブランコの歌の歌詞を保育で活かす全知識
「ぶらんこ」の歌詞は著作権が切れておらず、SNSへの無断掲載で保育士がトラブルになるケースがあります。
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ブランコの歌の歌詞全文と正式な曲情報
童謡「ぶらんこ」は、作詞・都築益世(つづきますよ、1898〜1983年)、作曲・芥川也寸志(あくたがわやすし、1925〜1989年)による2番構成の楽曲です。1948年に雑誌「幼年クラブ」に発表された都築の詩をもとに、NHKラジオ「うたのおばさん」(1949〜1964年)の委嘱で芥川が作曲し、1950年頃に放送初演された歴史ある一曲です。
歌詞は以下のとおりです。
| 番号 | 歌詞 |
|---|---|
| 1番 | ぶらんこ ゆれて/お空が ゆれる/ゆらゆら ゆらりん/木の枝 ゆれて/わたしも ゆれる/ゆらゆら ゆらりん/ゆらゆら ゆらりん |
| 2番 | 仲よし こよし/元気な ぼくら/ゆらゆら ゆらりん/仲よく こげば/仲よく ゆれる/ゆらゆら ゆらりん/ゆらゆら ゆらりん |
1番は「子どもが一人でぶらんこに乗り、自分の揺れに連動して空も木の枝も揺れているように感じる」という、幼児の豊かな感覚表現です。2番では「仲よし こよし」「仲よく こげば 仲よく ゆれる」というフレーズが登場し、友達と一緒にブランコをこぐ場面に移ります。これは大切ですね。1番が「個の感覚体験」、2番が「仲間と共有する喜び」という構造になっています。
「ゆらゆら ゆらりん」という繰り返し表現は子どもが覚えやすく、実際にブランコに乗っているようなリズム感を言葉で再現しています。子供が書いたかのような素朴さが特徴です。メロディを聞いたことのある保育士なら「体に染みついている」と感じるほど、日本の保育現場で長く歌い継がれてきた一曲です。
「仲よしこよし」という言葉は、大正〜昭和期の童謡に頻出する表現で、研究によれば1944〜1960年代の保育歌唱教材に特に多く見られる言葉です。現代の子どもには少し古い言い回しに聞こえる場合もありますが、「仲が良い友達」を指す意味として説明すれば、3〜5歳児にも十分伝わります。これが基本です。
ブランコの歌の歴史と作曲家・芥川也寸志の背景
作曲家の芥川也寸志は、文豪・芥川龍之介の三男として1925年に生まれました。東京音楽学校(現・東京藝術大学)でクラシック音楽を学んだ本格的な作曲家で、交響曲やオペラなども残しています。しかしながら、後世に最も広く知られているのは「ぶらんこ」「ことりのうた」などの童謡です。意外ですね。
芥川が「ぶらんこ」を作曲したのは1949〜1950年頃とされており、当時24〜25歳という若さでした。日本の作曲界で活躍する若きクラシック音楽家が、NHKラジオの委嘱を受けてこの素朴な童謡を書いた背景には、戦後の子どもたちに本物の音楽体験を届けようとした時代の熱気があります。
NHKラジオ「うたのおばさん」は1949年8月1日から1964年4月4日まで放送された子ども向け音楽番組で、この時代に誕生した童謡には「ぞうさん」「めだかの学校」「ことりのうた」など、現在も保育現場で歌われる名曲が多数あります。つまり「ぶらんこ」は、日本の戦後童謡黄金期を代表する一曲です。
また、「みんなのうた」にも1973年8〜9月に「ブランコ」(作詞:水木かおる、作曲:一ノ瀬義孝、歌:日野てる子)という別の楽曲が放送されています。同じタイトルの全くの別曲が存在するため、保育士が「ぶらんこ(都築益世・芥川也寸志)」を指す際は作者名を添えると混乱を防げます。これは使えそうです。
ブランコの歌の歌詞が持つ保育ねらいと対象年齢
「ぶらんこ」を保育活動に取り入れる際のねらいは、大きく3つに整理できます。
- 🎶 音楽・リズム感の育成:「ゆらゆら ゆらりん」という3拍子的なゆったりしたリズムを体で感じ、音楽と身体の連動を楽しむ
- 🤝 友達との協同・社会性の育成:2番の歌詞「仲よく こげば 仲よく ゆれる」を通じて、友達と一緒に活動することの喜びを感じる
- 🌿 自然への気づきと感性の育成:1番の「お空がゆれる/木の枝 ゆれて」という表現が、自然と自分がつながっているという感覚を育む
対象年齢については、歌詞の難易度と活動内容によって幅があります。「ゆらゆら ゆらりん」というシンプルな繰り返し表現は2歳児からでも楽しめます。一方、「仲よし こよし」「仲よく こげば」という2番の意味を理解して友達と一緒に楽しむには、3〜5歳児が最適です。
特にタオルを使った「タオルぶらんこ遊び」と組み合わせると効果的です。大人が子どもをタオルで包んでゆっくり揺らしながら歌う活動は、0〜2歳の乳幼児の感覚統合にも活用されており、「斎藤公子さくらんぼリズム遊び」などの実践でも取り入れられています。揺れる感覚が曲のリズムと重なり、子どもの情緒的な安心感につながります。保育の場でぜひ試してみてください。
年齢別のポイントとしては、以下の表が参考になります。
| 対象年齢 | 活動例 | 主なねらい |
|---|---|---|
| 0〜2歳 | タオルぶらんこ遊び、保育士が歌いながら抱っこして揺れる | 身体感覚・愛着形成 |
| 3〜4歳 | 全員で歌う・身体を左右に揺らして表現 | リズム感・自然への関心 |
| 4〜5歳 | 2人ペアで手をつなぎ揺れながら歌う・振り付けを考える | 友達との協同・創造性 |
保育士向けのぶらんこのピアノ弾き歌いのコツ
「ぶらんこ」は保育士が弾き歌いする童謡の中でも、ゆったりしたテンポとシンプルな旋律のおかげで比較的弾きやすい部類に入ります。ただし、いくつかのポイントを押さえると格段にクオリティが上がります。
まず調性について。この曲はE♭長調(変ホ長調)が一般的な楽譜の調性です。フラットが3つ付く調なので、ピアノ初心者には指の準備が必要です。移調して弾きやすいキーに変えても構いません。ハ長調やヘ長調に移調したシンプル版の楽譜も市販されているので、自分のレベルに合ったものを選ぶのが最善です。
テンポはゆったりと、ぶらんこが揺れるイメージを大切にします。速く弾きすぎると「ゆらゆら ゆらりん」のゆったり感が消えてしまいます。弾き始める前に頭の中でテンポをイメージする習慣をつけると安定します。これが条件です。
歌いながら弾く「弾き歌い」の場合、左手はシンプルな伴奏型(ルートと和音の繰り返し)に絞って練習するのが効率的です。右手のメロディを完全に覚えてから左手を加えると、余裕が生まれて歌声も安定します。
保育士資格を持つ現役ピアノ講師のアドバイスによると、「毎回同じ椅子の高さ・位置で練習する」「歌詞を先に暗記してから楽譜に向かう」という2点が弾き歌い上達に特に効果的とされています。
楽譜の入手については、市販の「こどもの童謡ピアノ曲集」(デプロMP)や、オンライン楽譜サービスの初級・中級アレンジ版を活用する方法があります。at-elise.comなどでは指番号・階名・鍵盤図入りの初心者用楽譜も販売されており、保育士のピアノ練習に適しています。
ぶらんこ(練習メモ付き)ピアノ・ソロ譜 初級 / at-elise.com|指番号・鍵盤付きで独学保育士にも使いやすい楽譜
ブランコの歌の歌詞と著作権の正しい知識
「ぶらんこ」の歌詞をSNSや保育園だよりに掲載したい保育士は多いと思います。ここが重要な注意点です。
著作権の保護期間は、日本では「著作者の死後70年」が原則です(著作権法第51条)。この計算をすると、作詞の都築益世は1983年に亡くなっているため、著作権の保護期間は2053年まで続きます。作曲の芥川也寸志は1989年没のため、楽曲の著作権は2059年まで有効です。つまり現時点では、「ぶらんこ」の歌詞・楽曲ともに著作権の保護期間内です。
- 📋 保護期間内の使用でOKなこと:子どもたちと一緒に教室で歌う、発表会で演奏する、ピアノで弾き歌いする(いずれも非営利・無報酬の場合は学校教育目的で著作権法38条が適用される場合あり)
- ⚠️ 注意が必要なこと:歌詞全文をブログやSNSに掲載する、歌詞を記載した配布プリントを保護者全員に配る(著作権者の許諾またはJASRACへの手続きが必要な場合がある)
具体的には、園のSNSアカウントで「ぶらんこ」の歌詞全文を投稿する行為は、著作権侵害になる可能性があります。歌詞の一部(引用)であっても出所を明記することが大切です。保護者への手紙に歌詞を印刷して配る場合も、部数や目的によってはJASRACへの届け出が必要になるケースがあります。
一方、子どもたちと一緒に歌う「演奏」そのものは、営利目的でない保育・教育の現場であれば著作権法の例外規定(第38条)が適用されるため、特別な手続きは不要です。演奏はOKです。
著作権に関する正確な情報は文化庁やJASRACの公式サイトで確認できます。
著作権は永遠に保護されるの? | 著作権情報センター(CRIC)|保護期間の基本的なルールを正確に解説
著作物等の保護期間の延長に関するQ&A | 文化庁|死後70年ルールへの改正経緯と具体的な適用方法

ぶらんこの歌

