盆踊りの歌の歌詞を保育で活かす方法と定番曲ガイド
炭坑節の歌詞「月が出た出た」の「月」は、地下の炭鉱から出てきてはじめて月を見上げた労働者の喜びを歌っています。
<% index %>
盆踊りの歌の歌詞を教える前に知っておきたい「由来」
盆踊りは、約500年前に始まった「念仏踊り」がルーツです。お盆に帰ってくるご先祖様を踊りでおもてなしする、という日本の伝統文化が背景にあります。最初は念仏を唱えながら踊っていたものが、やがて唱える人と踊る人が別々になり、各地の民俗芸能が混じり合って現在の盆踊りのスタイルが完成しました。
保育士が歌詞の意味を教える前に、この「なぜ踊るのか」という背景を把握しておくと、子どもへの説明がぐっと豊かになります。「お盆には亡くなったおじいちゃんやおばあちゃんが帰ってくるんだよ。みんなで楽しく踊って、おかえりって歓迎するんだよ」という一言が、子どもの記憶に残る導入になります。
夏祭りのシーズンが近づいたら、絵本を活用するのも効果的です。お盆や盆踊りをテーマにした絵本を読み聞かせてから踊りの練習に入ると、子どもが「意味のある踊り」として受け取れるようになります。つまり「歌詞を教える前に物語を作る」ことが基本です。
保育所保育指針の「身近な文化・伝統への興味・関心」という観点からも、盆踊りの歌詞の由来を伝える活動には保育的な意義があります。単なる踊りの練習にとどまらず、日本文化を肌で感じる体験として位置づけてみましょう。
参考:盆踊りの本来の意味と由来についてわかりやすく解説されています。
日本人でも意外に知らない?盆踊りの由来や基本、楽しみ方|にほんご日和
保育園で使う盆踊りの歌の歌詞:定番曲を年齢別に整理
保育園には0歳児から5歳児まで幅広い年齢の子どもが通っています。発達の差が大きい中で全員が楽しめる盆踊りにするには、年齢ごとに曲を選び分けることが大切です。
乳児クラス(0〜1歳)向け定番曲
| 曲名 | 特徴 | 歌詞のポイント |
|---|---|---|
| アンパンマン音頭 | 難易度★ / 手拍子だけでも参加できる | 「アンパンチ」など既知のフレーズが入っていて親しみやすい |
| ひよこ音頭 | 難易度★ / 膝の上で踊れる | 「ピヨピヨピー」と擬音語が多く、言葉の発達を促す |
| 月夜のポンチャラリン | 難易度★ / シンプルな繰り返し動作 | 「ポンチャラリン♪」という響きが耳に残る |
0〜1歳の子には、歌詞の意味を理解させることよりも「楽しい音・楽しいリズム」を体で感じさせることが最優先です。保護者と一緒に膝の上で揺れるだけでも立派な盆踊り体験になります。
幼児クラス(2〜3歳)向け定番曲
| 曲名 | 特徴 | 歌詞のポイント |
|---|---|---|
| エビカニクス音頭 | 難易度★★ / 保育体操の曲が音頭になったので子どもに馴染みがある | 「エビカニクス」という造語が楽しく、歌詞が覚えやすい |
| もったいないばあさん音頭 | 難易度★★ / 絵本と連動して導入できる | 「もったいないことしてないかい〜♪」の問いかけが子どもに刺さる |
| 炭坑節 | 難易度★★ / 全国共通で保護者も一緒に踊れる | 「月が出た出た」「サノヨイヨイ」など聞き慣れない言葉が疑問を生む |
幼児クラス(4〜5歳)向け定番曲
| 曲名 | 特徴 | 歌詞のポイント |
|---|---|---|
| くわがた音頭 | 難易度★★★ / 全身を使う動きが多い | 「ガッシガシ!」というフレーズで盛り上がる |
| 東京音頭 | 難易度★★ / 1932年誕生の定番中の定番 | 歌詞に「ヤットナー」「ソレ」などのはやし言葉がある |
| うみのおまつりおんど | 難易度★★★ / イカ・タコ・サメなど生き物ポーズが登場 | 海の生き物の名前が歌詞に次々と出てきて生活語彙が増える |
これらの曲は動画サイトでも振り付き練習動画が公開されており、保育士が事前に予習するのに役立ちます。年齢別に曲を分けておくことが条件です。
保育士必見!盆踊りの歌の歌詞で子どもが必ず聞く「ナゾの言葉」
子どもは正直です。歌詞の中に知らない言葉があると、すぐに「先生、これ何の意味?」と聞いてきます。保育士が答えに詰まると、子どもの集中がぐっと下がってしまいます。よく聞かれる言葉を事前に整理しておきましょう。
🎵 炭坑節でよく聞かれる言葉
- 「サノヨイヨイ」:意味のないかけ声(はやし言葉)。「よいしょ!」と同じようなもの、と伝えると子どもにも伝わります。
- 「サマちゃん」:好きな人への呼びかけ。「好きな人のことを呼んでいる言葉だよ」と一言添えれば十分です。
- 「黒ダイヤ」:石炭のこと。「昔、石炭はダイヤモンドみたいに大切なものだったんだよ」と教えると子どもが驚きます。
- 「ヨイヨイ」:囃子詞。「みんなで一緒に盛り上がるための掛け声だよ」という説明がわかりやすいです。
🎵 東京音頭でよく聞かれる言葉
- 「ヤットナー」「ソレ」:はやし言葉。意味はなく、踊りを盛り上げるための掛け声であることを伝えましょう。
- 「花の都」:東京の古い呼び名。「昔は東京のことをお花がいっぱいの都って呼んでいたんだよ」とイメージしやすく説明できます。
🎵 アンパンマン音頭でよく聞かれる言葉
この曲は歌詞のほとんどがアニメキャラクターの名前と「アンパンチ!」などのわかりやすいフレーズなので、子どもが言葉に詰まることはほぼありません。導入曲として最適です。これは使えそうです。
ポイントは「難しく説明しすぎないこと」です。子どもが「なんとなく分かった!」と感じるレベルで説明すれば十分。詳しすぎる解説は逆に踊る意欲を下げてしまうこともあります。歌詞の説明は「一言プラスアルファ」が原則です。
参考:炭坑節の歌詞に登場する言葉の意味と保育活動への活かし方が詳しく解説されています。
保育士だけが知っておきたい!盆踊りの歌の歌詞「複数バージョン問題」
「先生、この歌詞うちで歌ってるのと違う!」という子どもや保護者からの指摘に困ったことはないでしょうか。実は炭坑節をはじめ、定番の盆踊りの歌の歌詞には複数のバージョンが存在します。これを知らずに指導すると、思わぬ混乱が生まれる場合があります。
炭坑節の歌詞バージョン比較
| バージョン名 | 冒頭歌詞 | 特徴 |
|---|---|---|
| 三池炭坑版 | 月が出た出た、三池炭坑の上に出た | 昭和23年に赤坂小梅が歌って全国に普及した最も一般的なバージョン |
| 正調炭坑節(田川版) | 香春岳から見下ろせば、伊田の竪坑が真正面 | 発祥地・福岡県田川市が正式に伝承するオリジナルバージョン |
| うちのお山版 | 月が出た出た、うちのお山の上に出た | 地名を省略した全国普及向けバージョン。学校現場でも使われる |
炭坑節の発祥は福岡県田川市です。明治40年頃に炭坑で働く選炭婦(せんたんふ)が仕事中に口ずさんでいた「伊田場打選炭唄」が原型で、1932年(昭和7年)に初めてレコード化されました。「三池炭坑」の歌詞は後から加えられたものなので、発祥の地は三池ではなく田川市が正しいことになります。意外ですね。
保育の現場では、地域の夏祭りで実際に流れる曲のバージョンを事前に確認しておくことが重要です。保育園が位置する地域によって流れる音頭のバージョンが異なることがあるため、「地域によって歌詞が少し違うことがある」と子どもに一言伝えておくだけで、当日の混乱を防げます。
また、炭坑節にはもともと大人向けの艶のある歌詞も存在します。保育の場で指導する際は、広く知られている1番・2番の歌詞に絞って教えるのが安心です。歌詞の選択には注意が必要です。
参考:炭坑節の発祥と正調バージョンの詳細は、発祥地である田川市の公式ページに詳しく記載されています。
盆踊りの歌の歌詞を使った「振り付け指導をもっと楽しくする」保育活動アイデア
歌詞の意味を知ると、振り付け指導がまったく変わります。「手をこうして、足をこうして」という型の指導だけでは子どもの集中は続きません。歌詞と動きをストーリーでつなぐことで、踊りの質も楽しさも大きく上がります。
炭坑節の振り付けにストーリーを加える
炭坑節の振り付けは、炭鉱作業の流れそのものです。一つひとつの動作に意味があります。
- 🪨 「掘って掘って、また掘って」:スコップで石炭をすくい上げる動き
- 🧺 「かついで、かついで」:掘り出した石炭を籠に詰める動き
- 👀 「ながめて、ながめて」:炭坑の奥を確認する動き
- 🚜 「押して、押して」:石炭を積んだトロッコを人力で押す動き
- 🎉 「開いて、チョチョンガチョン」:トロッコの荷箱をひっくり返して石炭を下ろす動き+締めの手拍子
夏祭り前に「みんながやっている踊りの動きは、昔の人のお仕事の動きを真似したものなんだよ」と説明するだけで、子どもたちは驚くほど集中して踊るようになります。
砂場と連動させる「掘る体験」導入アイデア
炭坑節を踊る前に、砂場や感触遊びコーナーで「掘る」動作を体験させてみましょう。「昔のお仕事ごっこ」として導入すると、振り付けの「掘って掘って」が自分の体験と重なり、格段に理解が深まります。4〜5歳クラスで特に効果的な方法です。
「黒ダイヤ」クイズで興味を引く導入アイデア
「昔、とっても大切にされていた黒い石の名前はなんでしょう?」というクイズ形式の導入も効果的です。「石炭!」という答えを引き出してから炭坑節を踊ると、「黒ダイヤ」という歌詞が出てきたときに子どもが自然と反応します。踊りの中に発見がある構造を作るのがコツです。
キャラクター音頭の歌詞は「キャラクター紹介」として使う
アンパンマン音頭やすみっコぐらし音頭は、歌詞の中にキャラクターの名前が次々と登場します。歌詞カードを使って「誰が出てくるかな?」とクイズ形式で確認するだけで、子どもが歌詞を自然に覚えていきます。歌詞カードを手作りするのも一つの活動として取り入れられます。
参考:炭坑節の振り付けの意味と指導への活かし方の詳細はこちらが参考になります。


