バリトン楽器のマーチング指導を保育士が学ぶ
バリトンホーンを園のマーチング活動で使うと、子どものリズム感が吹奏楽経験のない子より平均2倍速く育つという報告があります。
バリトン楽器とはマーチングバンドで何をする楽器か
マーチングバリトンは、フロントベル(前向きベル)を持つBb管の金管楽器です。ユーフォニアムと同じ音域を持ちながら、より明るく芯のある中音域の響きを出すのが特徴とされています 。コンサート吹奏楽で使うユーフォニアムとの最大の違いは、ベルの向きにあります。
参考)https://www.nonaka.com/marchingbrass/family.jsp
通常のユーフォニアムはベルが斜め上を向いていますが、マーチングバリトンはベルを前向きに構える設計になっています。これにより、行進しながら演奏しても観客席へ音が届きやすくなります 。つまり音の「飛び」が設計段階から考えられているということですね。
参考)https://jp.yamaha.com/products/contents/marching/navi/brass/index.html
マーチングバリトンの本体重量は一般的に3〜4kg程度です。これはA4コピー用紙500枚(約2.5kg)をさらに上回る重さで、長時間保持するには一定の筋力が必要です。保育士が楽器の重さを正しく把握しておくことが、子どもへの適切な指導に直結します 。
バリトンとユーフォニアムのマーチングでの違いを保育士が比較する
マーチングバリトンとマーチングユーフォニアムは、同じ音域でも性格が異なる楽器です。下の表で主な違いを整理します 。nonaka+1
| 比較項目 | マーチングバリトン | マーチングユーフォニアム |
|---|---|---|
| 管の太さ | 細め | 太め(一回り大きい) |
| 音色 | 明るく芯がある | 深みがあり重厚 |
| 音量 | やや小さい | より大きい |
| 重量 | 比較的軽め | 重め |
| 役割 | 中音域の輪郭・厚み | 豊かな響きで全体を支える |
この違いを知っておくと、園の保護者から「どんな楽器ですか?」と聞かれたときに自信を持って説明できます。これは使えそうです。
バリトンはバンド全体の「音の輪郭と厚みを増す」役割を担います 。単に音量を出すだけでなく、他の楽器が奏でるハーモニーの隙間を埋める縁の下の力持ちです。保育士がこの「役割」を子どもに伝えられると、担当する子が楽器に誇りを持つようになります 。ongaku-shidou+1
保育園マーチングにバリトン系楽器を導入する適正年齢と注意点
園でのマーチング導入について研究では、子どもの発育状況を考慮すると早くて3歳児下半期から、概ね4歳児以降が無難とされています 。バリトン系のような重量がある楽器は、さらに慎重な判断が必要です。
重量が3kg以上の楽器を幼児に長時間持たせると、肩や腕への負担が大きくなります。バリトンサックスで比較すると、本体だけで4.5〜6kgになり 、これは年長児(6歳)の平均体重(約20〜21kg)の約4分の1に相当します。体重の25%近い重さを肩で支え続けることになる計算ですね。
参考)バリトンサックスの重さはどれくらい?本体・ケース別の目安と負…
マーチングバンドで実際に使うマーチングバリトンホーンや、金管系バリトン系楽器を幼児に扱わせる場合は、演奏時間を1回15〜20分以内に区切る、持ち方をこまめに確認するなどの配慮が求められます。楽器の重さへの理解が条件です。
参考:保育士が幼児の合奏指導について基本を確認できるサイト
保育園での合奏指導の進め方。導入や子どもへの教え方 | 保育士バンク!コラム
バリトン楽器マーチングが保育活動にもたらす教育的効果
幼児期のマーチングバンド活動が持つ教育的意義は、複数の研究によって以下のように整理されています 。
参考)http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/3879/1/0185_006_020.pdf
- 🎵 音楽的感性の発達:リズム感・音感を自然な形で育てる
- 🤝 社会性・協調性の育成:パート内・バンド全体で息を合わせる経験
- 🧠 集中力・忍耐力の向上:通し練習や本番に向けた反復練習を通じて
- 🏆 達成感・自己肯定感:本番の舞台で成し遂げた喜びを全員で共有
- 💡 知的能力への波及:楽譜を読む、動きを覚えるなど多面的な認知活動
マーチング活動は「音楽だけを教える場」ではありません。協力して目標を達成する体験の場として、保育所保育指針が重視する「協同性」や「道徳性・規範意識の芽生え」とも深く連動しています 。バンド全体が一つということですね。
特にバリトンなどの中音域パートを担当する子は、「自分が音を出さないとハーモニーが崩れる」という責任感を自然に学びます。目立ちにくいパートだからこそ、担当した子の自己有用感につながりやすい点は、保育士として注目したい点です 。
参考:幼児期のマーチング活動の意義についての学術的考察(PDF)
幼児期のマーチングバンド活動の意義に関する言説の考察(京都女子大学リポジトリ)
保育士だけが気づける「バリトン担当の子」への声かけ術
バリトンパートは中音域の「縁の下」担当です。トランペットや打楽器のように目立ちにくいため、担当になった子が「地味なパートでつまらない」と感じるケースがあります。厳しいところですね。
この課題への対処は、声かけの内容を変えるだけで解決できます。「よく頑張ったね」ではなく、「あなたがバリトンを吹いてくれたから、みんなの音がまとまったよ」という「役割の明確な承認」を伝えるのがポイントです。子どもが自分のパートの意味を理解することで、練習への意欲が変わります 。
保育士が声かけを実践する際には、以下の3ステップが有効です。
- 練習前:「今日はバリトンがいるから、バンドのサウンドが安定するよ」と予告する
- 練習中:他のパートの音との「重なり」が感じられた瞬間を具体的に褒める
- 練習後:「あの場面のバリトンが一番よかった」とピンポイントで伝える
この「役割承認型の声かけ」は、バリトン担当に限らず、目立ちにくいパート全般に応用できます。保育士のちょっとした言葉が、子どもの楽器への向き合い方を大きく変えるということですね 。
参考)https://ameblo.jp/stepsupportststem/entry-12605395610.html
参考:保育でのマーチング活動における保育士の役割と指導観
「マーチングごっこ」のススメ ~園児のタフマインド~ | Ameblo

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