朝の会 保育園 歌ネタ
朝の会の歌ネタの目的:挨拶・導入・見通し
朝の会は、登園後の自由遊びから主活動へ移る“切り替え”のタイミングに置かれることが多く、歌はそのスイッチとして働きます。
園の一般的な流れでは「朝の挨拶→朝の歌→出欠確認→当番(カレンダー・天気)→今日の活動」などが紹介されており、歌ネタは挨拶と導入を兼ねる位置づけにしやすいです。
また、朝の会の目的として「安心して一日をスタート」「一日の見通し」「出欠・健康状態の確認」などが挙げられているため、歌ネタは“楽しく始める”だけでなく“落ち着いて次へ進む”ところまで設計すると失敗しにくいです。
歌ネタを選ぶ前に、まずはクラスの朝の状態を3つに分類します。
- 眠そう・不安定:ゆったり系(短い・繰り返し)で安心を優先。
- 元気すぎ・散らばる:手遊びで注意を一点に集める。
- まとまっている:季節・言葉が豊かな歌で“今日のテーマ”へつなぐ。
「歌ネタ=歌詞を覚えさせる時間」になりすぎると、朝の会全体が長くなりがちです。朝の会は“見通し”を作る場なので、歌ネタは1〜2曲に絞り、次の活動へ自然につながる終わり方(例:手はおひざ、姿勢づくり)まで決めておくと運用が安定します。
朝の会の歌ネタ 定番:おはようのうた・はじまるよ
「おはようのうた」は「せんせいおはよう♪みなさんおはよう♪」で始まる、保育園・幼稚園でよく歌われる朝の定番として紹介されています。
「はじまるよはじまるよ」は手遊びとしても人気で、朝の歌として使うと“1日が始まる雰囲気”を作れるとされています。
朝の会の前後で集中が切れやすい場面では、手遊びや絵本などを用意して注意を引きつける工夫が有効とされており、歌ネタを“手遊び付き”に寄せるのは合理的です。
実務で使いやすい「定番歌ネタの型」を3つ置いておきます。
- 型A(挨拶直結):おはようのうた→「おはようございます」→着席。
- 型B(集中回収):はじまるよ(手遊び)→「手はおひざ」→話を聞く。
- 型C(観察につなぐ):天気の手遊び→窓を見る→当番へ。
“意外と効く小ワザ”は、歌ネタのテンポを「最初だけ少しゆっくり」にすることです。登園直後は呼吸が整っていない子や気持ちが追いついていない子もいるので、1番の出だしを落として、2番から通常テンポに戻すと、全体の声が揃いやすくなります(結果的にクラスの一体感が出ます)。
もう一つは、同じ歌でも“毎回ねらいを変える”方法です。今日は声を出す日、明日は手の動きを揃える日、明後日は最後に静かに止まる日、というように焦点を変えると、マンネリを抑えつつ定番を維持できます。
参考:朝の会の流れ・目的、朝の歌、手遊びネタ(はじまるよ等)

朝の会の歌ネタ 年齢別:0〜1歳 2〜3歳 4〜5歳
0〜1歳児は、言葉の意味理解が難しいため、ゆったりテンポや触れ合いを重視し、短い歌詞や同じフレーズを繰り返す歌が向くとされています。
2〜3歳児は、まねっこやリズムに合わせた動きが活発になるため、体を使える歌・掛け合いのある歌が気持ちの切り替えにもつながるとされています。
4〜5歳児は、言葉の理解が深まり季節や生活テーマの歌、歌詞が長めの歌が合い、振り付けや歌詞のアレンジも楽しめるとされています。
ここで「朝の会の歌ネタ」を年齢別に“運用”で落とし込みます(準備が増えない設計)。
- 0〜1歳:同じ歌を毎日でもOK(安心が価値)、終わりを一定にする。
- 2〜3歳:手遊び2種をローテ(覚えたら入れ替え)、動きの成功体験を増やす。
- 4〜5歳:当番や天気、今日の活動と接続(歌→言葉→役割へ)。
「乳児クラスでも朝の会は成立する」という視点も重要です。園によっては3歳以上で必ず行うことが多い一方、乳児では“集まって名前を呼び、手遊びを楽しむだけでも立派な朝の会”になると説明されています。
つまり歌ネタは“フルセットの朝の会”を前提にせず、乳児は短い成功を積み上げる設計が安全です。
参考:年齢別の朝の歌の選び方、朝の歌の役割、マンネリ対策の工夫
朝の会の歌ネタ 困りごと:歌わない・ピアノがない
歌いたくない子には無理に歌わせず、「聴くことも参加」と捉えて安心させる対応が推奨されています。
ピアノ伴奏は必須ではなく、声だけ、手拍子、リズム楽器、CDやアプリなどでも運用できるとされています。
また、毎朝同じ歌だと飽きる可能性があるため、「今月のうた」「今日は何を歌いたい?」などでマンネリ化を防ぐ工夫が紹介されています。
現場で起こりやすいのは、「歌わない子」よりも「歌い始めるタイミングが揃わない」「立つ・座るがバラバラ」「途中で離席」が連鎖して、朝の会が長引くパターンです。ここは歌ネタの“開始合図”と“終了合図”を固定すると改善しやすいです。
- 開始合図:一定のフレーズ(例:はじまるよの出だし)で必ず始める。
- 終了合図:最後は一言(例:「手はおひざ」)に着地させる。
- 参加の幅:歌う/手だけ動かす/聴く、の3段階を最初から許可する。
ピアノがない・弾けない場合は、あえて“リズム一択”に寄せるのがコツです。手拍子・タンバリンなどでテンポを一定にすると、歌詞の曖昧さがあっても活動として成立しやすく、保育者側の負担も増えにくいです。
加えて、朝の会前にトイレを促しておくと、途中離席による集中の崩れを減らせるとされているため、歌ネタ以前の環境調整も効きます。
朝の会の歌ネタ 独自視点:出欠確認 どこでしょう
朝の会の出欠確認は、一人ひとりの目を見てフルネームで呼び、体調や表情の変化を観察する場として説明されています。
その出欠確認を“歌ネタ化”する方法として、歌遊び「どこでしょう」は乳児クラスの出席確認にぴったりで、「○○ちゃんはどこでしょう」と呼びかけ、順番に手を挙げて楽しめると紹介されています。
朝の会の待ち時間や集中が切れた場面でも、手遊び・ゲームで注意を引きつけられるため、出欠確認と歌ネタを一体化させるのは時間短縮にもつながります。
この歌ネタの“意外な強み”は、個別最適と集団を同時に満たせる点です。名前を呼ばれるのが苦手な子には、手を挙げる代わりに「目で合図」「座ったままうなずく」でも成立し、集団の流れも止まりにくくなります(歌っている間は“順番待ち”が遊びになるからです)。
さらに、フルネームで呼ぶ運用を続けると、呼び名の揺れが減り、保護者対応や記録の一貫性にも地味に効いてきます(朝の会が“情報の入口”になる)。
「歌ネタは盛り上げるもの」という固定観念を外し、健康観察・出欠確認・見通しづくりに直結する歌ネタを1つ持っておくと、忙しい朝ほど助かります。


