アルファベットの歌の歌詞を保育士が正しく理解して子どもに伝えるコツ

アルファベットの歌の歌詞を保育士が正しく教えるための完全ガイド

「LMNOP」の部分を旧バージョンで歌い続けると、子どもがアルファベットを正しく習得できない可能性があります。

📖 この記事のポイント
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歌詞のバージョンが世代で違う

保育士世代が覚えた旧バージョンと、今の子どもが保育園で覚える新バージョン(アメリカ式)は歌詞も区切り方も異なります。違いを把握しておくことが重要です。

⚠️

LMNOPの区切りで子どもが混乱する

旧バージョンの「HIJKLMNOP」という区切りは、子どもがLからPまでを”1文字”と誤認識する原因になると言われています。現在は改善された歌い方が普及中です。

フォニックスとの使い分けが大切

アルファベットの歌は”文字の名前と順番”を覚えるためのもの。発音(音)を教えるフォニックスとは目的が別なので、保育現場では両者を意識して使い分けましょう。


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アルファベットの歌の歌詞:旧バージョンと新バージョンの違いを把握する

 

アルファベットの歌の歌詞には、大きく分けて「旧バージョン(日本式)」と「新バージョン(アメリカ式)」の2種類があります。

現在30代以上の保育士の多くが子ども時代に覚えたのは、次のような日本式の歌詞です。

旧バージョン(日本式)
1行目 A B C D E F G
2行目 H I J K L M N
3行目 O P Q R S T U
4行目 V W, X Y Z
5・6行目 A〜Nを繰り返す

この旧バージョンの特徴は「1文字に対して1拍」という均一なリズムです。日本語の発音構造(母音を明確に発音する)に合わせた歌い方で、歌いやすさを重視した結果でした。

一方、現在の保育園・幼稚園・英会話教室で主流となっているのは、アメリカ式の歌詞です。

新バージョン(アメリカ式)
1行目 A B C D E F G
2行目 H I J K L M N O P(LMNOPを一気に歌う)
3行目 Q R S, T U V(SとTの間に休符
4行目 W — X — Y and Z(WとXを2拍ずつ伸ばす)
5行目
6行目 next time won’t you sing with me?

アメリカ式の特徴は、2行目の「LMNOP(エレメノピー)」を一気に歌う点です。

日本語では1文字ずつ「エル・エム・エヌ・オー・ピー」と発音しますが、英語では母音を伸ばさず「el・em・en・o・p」と子音で終わるため、テンポよく繋げて歌えます。この違いが「日本式では歌いやすく、アメリカ式は難しく感じる」という体感に直結しています。

つまり歌詞の違いではなく、発音構造の違いということですね。

また、5・6行目が英語のフレーズになっていることも重要なポイントです。「

Chiik!! – 現代版「ABCの歌」の歌詞とは?今と昔の違いと歌い方のコツ

(旧バージョンと新バージョンの詳しい歌詞比較と、アメリカ式が普及した背景について解説されています)

アルファベットの歌のLMNOP:保育士が知っておくべき「LMNOP問題」

アルファベットの歌のLMNOPのパートは、英語教育の現場で長年議論を呼んできた箇所です。これは単なる「歌いにくい」という問題にとどまりません。

アメリカの読み書き教育の専門家であるレイチェル・プラット氏がTikTokに投稿した解説動画は、2024年に600万回以上再生されて世界中で話題となりました。

彼女が問題点として指摘したのは次の2点です。

  • 旧バージョンの「HIJKLMNOP」という区切りでは、テンポが速すぎてLからPまでを1文字と誤認識する子どもがいる
  • 「Y and Z」の「and」を1文字だと思い込む子どもも存在し、読み書き学習の妨げになる

これは保育士にとって無視できない情報です。

そのため、現在アメリカでは次のような新しい区切り方が使われています。

  • 旧:A B C D E F G / H I J K L M N O P / Q R S / T U V / W X Y Z
  • 新:A B C D E F G / H I J K L M N / O P Q / R S T / U V W / X Y Z

新しい区切り方では「LMNOP」をまとめて歌わず、1文字ずつ認識しやすいリズムに変えています。これが原則です。

ただし日本の保育現場では、現時点でどちらの区切りが使われているかは施設によって異なります。重要なのは、どちらのバージョンを使うにしても、子どもに「アルファベットは26文字ある」という認識を明確に持たせることです。

歌を覚えることと、文字を理解することは別の話ということですね。

保育士が実践できる具体的な対応としては、歌を歌い終えたあとにアルファベット表を指さしながら1文字ずつ確認する、という活動を追加するだけでも大きな効果があります。歌に任せっきりにしないのが基本です。

BuzzFeed Japan – 「ABCD…」でおなじみの”あの歌”に異変。教師の告白にネット衝撃

(LMNOPの問題点と、現場の教師が語る新しい歌い方の背景が詳しく紹介されています)

アルファベットの歌とフォニックスの歌詞の違い:保育士が混同しがちな2つの概念

アルファベットの歌の歌詞を子どもに教えるとき、「フォニックス」との違いを意識しておくことが非常に重要です。この2つを混同してしまうと、子どもが英語を学ぶときに混乱の原因になります。

アルファベットの歌が教えるのは「文字の名前と順番」です。たとえば「B」は「ビー」、「C」は「スィー」という名前(文字名)を覚えることが目的です。

フォニックスが教えるのは「文字が実際に発音する音(フォニクス音)」です。たとえば「B」は語中では「ブ」という音、「C」は「ク」または「ス」という音を出します。この文字名と発音音の違いが、英語学習者をつまずかせる最大のポイントです。

意外ですね。

具体的な例を挙げると、「E」という文字の名前は「イー」ですが、”egg”(卵)の中では「エ」と発音します。「fed(フェッド)」という単語を、アルファベットの名前読みで「フィード」と誤読してしまう子どもが出てくる可能性があります。これはアルファベットの名前読みをそのまま単語読みに応用してしまうことで起きるミスです。

フォニックス専門家のアドバイスによると、初期の段階では「文字の音」に集中させ、アルファベットの名前(= 歌の歌詞)は文字の音を自動的に想起できるようになってから導入するのが理想とされています。

  • 🎵 アルファベットの歌:文字の名前と順番を楽しく覚えるためのもの
  • 📚 フォニックス:文字が実際の単語の中でどんな音を出すかを学ぶもの

この2つは目的が異なるので、段階的に使い分けることが大切です。保育現場では「まずアルファベットの歌で26文字の名前と順番に親しませ、その後フォニックスへ橋渡しする」という流れが理想的です。

フォニックスの導入に興味がある保育士には、「mpi松香フォニックス」が提供している「フォニックスアルファベット・ジングル」(A /a/, /a/, apple のように文字名・音・単語をセットで覚えるもの)を参考にするのもひとつの選択肢です。

Natural English – ABCの歌はフォニックス学習には不向きです

(ABCの歌とフォニックスの役割の違い、日本の子どもが混乱しやすい理由が具体例とともに解説されています)

アルファベットの歌の起源:きらきら星と同じメロディである理由を子どもに伝えるコツ

「先生、アルファベットの歌って、きらきら星と同じ曲じゃないの?」と子どもに言われたとき、すぐに答えられますか?これは保育士がぜひ知っておきたい豆知識です。

結論から言うと、まったく正しいです。

アルファベットの歌(ABC Song)と「きらきら星(Twinkle Twinkle Little Star)」は、同じメロディを共有しています。その起源はフランスにあり、18世紀に生まれた「Ah! vous dirais-je, Maman(ああ、お母さん、聞いて)」というシャンソンが元になっています。あの大作曲家モーツァルトが1778年に「きらきら星変奏曲(K.265)」として編曲したことで広く知られるようになったメロディです。

ABCの歌としての誕生は1835年で、アメリカのボストンにあるチャールズ・ブラッドリー社(Charles Bradlee)が「アルファベットを覚えるための教材」として出版したのが始まりです。日本へ最初に持ち込んだのは、あのジョン万次郎(中浜万次郎)で、江戸末期のことでした。

つまり1曲のメロディが、フランス民謡 → きらきら星 → ABCの歌 → 日本へと約200年かけて旅してきたということです。

この話を子どもにどう伝えるかがポイントです。

「きらきら星と同じ曲を使ってアルファベットを歌にしたんだよ。賢い人が考えたんだね」と一言伝えるだけで、子どもの「なぜ」という好奇心に応えつつ、歌をより意味のあるものとして受け取ってもらえます。保育士がこうした背景知識を持っているかどうかで、子どもへの伝え方の深みが変わってきます。

また「きらきら星」「アルファベットの歌」「Baa Baa Black Sheep(メェメェ黒い羊)」の3曲が同じメロディを使っていることを知っておくと、英語活動の中での豆知識として活用できます。これは使えそうです。

(きらきら星のメロディがフランスから日本へ伝わった歴史、ジョン万次郎とABCの歌の関係が詳述されています)

保育士だからこそ使いこなしたいアルファベットの歌の活動アイデア【現場実践編】

アルファベットの歌の歌詞を子どもに覚えてもらうだけでなく、保育活動として効果的に展開する方法を知っておくと、日常の英語活動のクオリティが格段に上がります。

まず前提として押さえておきたいのは、幼児期の英語活動のねらいは「英語を話せるようにする」ことではなく、「英語に親しみ、楽しいと感じる体験を積む」ことだという点です。これが原則です。

アルファベットの歌を活用した実践アイデアをいくつか紹介します。

  • 🖐️ ポインティングゲーム:アルファベット表を壁に貼り、歌いながら1文字ずつ指さす。視覚・聴覚・体の動きを同時に使うため定着しやすい。
  • 🃏 カードめくり遊び:アルファベットカードをテーブルに並べ、歌が止まったときに指さされたカードを覚えるゲーム。年長クラスから取り入れやすい。
  • 🎤 スローテンポ唱:通常の半分のスピードで歌うことで、LMNOPの部分の1文字ずつを意識させやすくなる。苦手な子に特に有効。
  • 🎨 アルファベット塗り絵と組み合わせ:歌を流しながら該当する文字の塗り絵を楽しむ。活動の「音」と「形」を同時体験させる工夫。

活動設計のときに大切なのが「くり返しの頻度」です。厚みのある定着には、1日1回でも毎日継続することが最も効果的とされています。特別な英語タイムを設けなくても、朝のサークルタイムの頭に30秒歌うだけで十分です。短くて毎日が基本です。

また、保育士が「先生も上手に歌えないから一緒に練習しよう!」と正直に言える場面を作ることも大切です。大人が失敗する姿を見せることで、子どもは「間違えてもいいんだ」と感じ、安心して声を出せるようになります。これはよく使える心理的安全性のアプローチです。

英語の歌を継続的に保育に取り入れたい場合、YouTubeの「ボンボンアカデミー」や「すく♪いく(キングレコード)」などのチャンネルは、歌詞付きで視聴できるため保育士が発音を確認する際にも役立ちます。

Bilingual Science – 英語の音遊びは、読む力を養うか?

(音韻認識トレーニングが未就学児の読み能力に与える効果について、研究結果をもとに解説されています)


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