アコーディオン折りで椅子を紙で作る保育製作の全知識
実は紙のアコーディオン折り椅子に子どもを座らせると、集中力が平均20%向上するという報告があります。
アコーディオン折りと椅子製作の基本:保育士が押さえたい基礎知識
アコーディオン折り(蛇腹折り)とは、紙を山折りと谷折りを交互に繰り返して折る技法のことです。その名の通り、楽器のアコーディオンのように伸び縮みする見た目が特徴で、立体的な形を作り出すのに非常に適しています。
保育現場でこの技法が重宝される理由は、単純な繰り返し動作で完成するにもかかわらず、仕上がりに立体感と達成感が生まれるからです。特に「椅子」の形は、子どもたちが日常生活の中でよく知っているモチーフなので、製作への動機づけが高まりやすいという利点があります。
アコーディオン折りで椅子を作る基本的な流れは以下の通りです。
- 📏 長方形の紙(A4またはB4サイズ)を用意する
- 🔁 幅1〜2cm程度の等間隔で山折り・谷折りを繰り返す
- ✂️ 折った紙の一端を背もたれ、もう一端を座面として形を整える
- 🖊️ テープや糊で固定し、脚部分を別紙で追加する
- 🎨 クレヨンや色鉛筆で装飾して完成
折り幅が均一になるほど完成度が上がります。これが基本です。
保育士として知っておきたいのは、アコーディオン折りは指先の巧緻性(こうちせい)を高める製作活動として、幼稚園・保育所等教育要領でも「表現」領域に関連する活動として位置づけられていることです。ただ楽しいだけでなく、子どもの発達支援という文脈でも根拠を持って取り組めます。
つまり製作活動と発達支援を同時に叶えられる、一石二鳥の活動ということですね。
アコーディオン椅子製作に使う紙の選び方:素材別メリット・デメリット
「どんな紙でもOK」と思っていると、製作が途中で崩れたり、子どもが折りにくくて集中力が切れたりすることがあります。紙の選択は、製作の成否を大きく左右します。
保育現場でよく使われる紙の種類と特徴を整理します。
| 紙の種類 | 折りやすさ | 強度 | おすすめ年齢 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 折り紙(15cm角) | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐ | 3歳〜 | サイズが小さく脚パーツが作りにくい |
| 画用紙(B4) | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ | 4歳〜 | 厚めなので折り線をしっかりつける必要あり |
| コピー用紙(A4) | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | 4歳〜 | 折り目がつきやすく扱いやすいが耐久性はやや低め |
| 新聞紙 | ⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 5歳〜 | インクで手が汚れることがある |
| 色画用紙 | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ | 4歳〜 | カラフルで仕上がりが華やか。発表会製作にも最適 |
3歳児クラスでは折り紙が基本です。
4歳以上になると、B4の色画用紙が最もバランスの良い選択肢です。折り目がきれいにつき、完成後も形が崩れにくく、飾っておいても見栄えがします。製作物を保護者へのプレゼントや保育室の装飾に使いたい場合は、特に色画用紙をおすすめします。
一方、2歳児クラスで取り組む場合は、保育士があらかじめ折り線を鉛筆で引いておくか、点線を印刷したシートを用意すると安心です。子どもが自分で折れた感覚を得ることが大切なので、補助は「最小限」にとどめましょう。
これは使えそうです。
アコーディオン椅子を紙で作る手順:保育士向け年齢別ステップガイド
製作手順は年齢によって大きく変える必要があります。同じ手順を全クラスに当てはめると、「できなかった」という挫折体験を与えてしまうリスクがあります。
以下に年齢別の進め方を示します。
🟡 2〜3歳児(乳児・低年齢児クラス向け)
この年齢では「折る」という動作そのものが目標です。アコーディオン折りの全工程を子どもだけで完成させることにこだわらず、保育士が蛇腹部分を作った土台に、子どもが色を塗って貼り付けるという参加型がおすすめです。
- 保育士があらかじめA4コピー用紙を1.5cm幅のアコーディオン折りにしておく
- 子どもは座面と背もたれになる画用紙にクレヨンで絵を描く
- 保育士がテープで蛇腹部分を接続し、椅子の形に仕上げる
- 子どもが「自分で作った」と感じられるよう、装飾の主役は子どもに任せる
🟠 4歳児(年中クラス向け)
折り紙やコピー用紙を自分でアコーディオン折りできるようになる時期です。ただし折り幅を均等にするのはまだ難しいため、1cm間隔で折り線の目印を先に引いておくと成功率が上がります。
- B5サイズの色画用紙に1.5cm間隔で鉛筆の線を引いておく(保育士が準備)
- 子どもが線に合わせて山折り・谷折りを交互に繰り返す
- 蛇腹の一端を折り返して座面を作る
- 背もたれ用の長方形を別途折り、糊やテープで接続する
- シールや色鉛筆でデコレーションして完成
🔴 5歳児(年長クラス向け)
自分で折り幅を測って均等に折ることに挑戦できます。定規で1.5cm間隔を自分で測り、鉛筆で印をつけてから折ることで、算数的思考の経験にもなります。
- B4の色画用紙を横向きに置き、1.5cmごとに定規で印をつける
- 山折り・谷折りを交互に行い、蛇腹を完成させる
- 蛇腹の端2〜3山分を折り上げて座面を形成する
- 残り部分を立て、背もたれとして固定する
- 脚を別紙で4本作り、糊・テープで取り付ける
- ハサミで細部を整え、装飾を加えて完成
年齢に合わせた難易度調整が原則です。
アコーディオン椅子製作の安全管理と保育士が犯しがちなミス
製作活動中の安全管理は、楽しさと同じくらい重要です。特にハサミや糊テープを使う工程では、毎年全国の保育施設でけがの報告が上がっています。
保育士が製作活動中に犯しがちなミスは以下の通りです。
- ✂️ ハサミを机上に放置する:子どもが取って走り出すリスクがある。使わないときは必ずケースに戻す
- 📌 ホチキスを低年齢児クラスで使用する:3歳以下では針が外れて誤飲する危険がある。3歳以下ではテープで代替する
- 🖊️ 油性マジックを乳児クラスで使う:誤って口に入れると毒性があるため、水性マーカーか安全クレヨンを使用すること
- 📏 折り線の準備なしで複雑な折りをさせる:途中でうまくいかず、製作が嫌いになる原因になる
- 🗑️ 切りくずの管理を怠る:小さな紙切れは誤飲の原因になる。製作後はすぐに片付けルールを設ける
特に見落とされがちなのが「切りくずの管理」です。製作活動が終わった後、机の端や床に散らばった小さな紙片が、0〜2歳児の誤飲事故の原因になることがあります。全国の保育事故情報を集計した「内閣府 教育・保育施設等における事故報告集計」によれば、誤飲事故の約15%が「紙・シール類」によるものです。
誤飲リスクは見えないところに潜んでいます。
製作後は保育士が必ず目視でフロアを確認する習慣をつけましょう。製作スペースに「片付けチェックシート」を貼り、子どもたちと一緒に確認するルーティンを作ることも有効です。子どもが自分で安全に気づく力を育てることにもつながります。
参考:内閣府「教育・保育施設等における事故報告集計」(最新版)では、製作活動中の事故事例と予防策が掲載されています。
内閣府:教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン
アコーディオン椅子製作をごっこ遊びや行事に発展させる独自アイデア
ここで紹介するのは、検索上位記事ではあまり取り上げられない、実践的な「製作後の展開アイデア」です。製作活動は「作って終わり」にするより、遊びや行事に結びつけると保育の質が格段に高まります。
アコーディオン折りで作った紙の椅子は、そのまま「人形遊び」「おままごと」「ミニチュア家具製作」へと展開できます。
🏠 ミニチュアの家を作る「紙の街プロジェクト」
椅子を皮切りに、テーブル・ベッド・棚と家具シリーズを順番に作っていくと、最終的に子どもたちの「紙の家」が完成します。製作期間を2〜3週間に設定し、週ごとに違う家具を追加していく構成です。年長クラスであれば、各自が「自分の部屋」をデザインするテーマにしても盛り上がります。
このプロジェクト型製作は、就学前の「系列的思考力(シリーズを理解する力)」を高める活動として、モンテッソーリ教育の視点からも有効性が認められています。
🎭 発表会・展示向けのジオラマ製作
運動会や発表会の時期に合わせて、「劇の舞台セット」として紙家具を製作するアイデアもあります。例えば「3匹のくま」の劇では、くまの家の椅子を子どもたちが自分で作り、実際の劇で使用します。観客(保護者)への説明に「自分たちで作った椅子を使っています」と伝えるだけで、製作活動の価値が可視化されます。
これは保護者からの評価も上がりやすいです。
📐 図形・算数への接続(5歳〜1年生の橋渡し)
アコーディオン折りは「等間隔」「対称」という数学的概念の導入に最適です。折り幅を測る活動を「算数遊び」と呼んで取り組むことで、小学1年生の「長さ」の単元への接続がスムーズになります。文部科学省の「幼保小接続カリキュラム」でも、幼児期の図形・数量感覚の育成が就学後の学習に与える影響が指摘されています。
参考:幼保小接続の考え方については文部科学省の資料が参考になります。
製作活動を「一回限りのイベント」にしないことが、保育の質を高める秘訣です。アコーディオン折りで作った椅子は、子どもの遊び・学び・表現のすべてに橋渡しできる万能な製作テーマと言えます。結論は「製作後の展開設計」が保育士の腕の見せどころです。

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