アフロキューバン ドラムのリズムと保育への活かし方

アフロキューバン ドラムを保育に活かす基礎知識

アフロキューバン ドラムの3つのポイント
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リズムの「鍵」クラーベを知る

アフロキューバン音楽の土台はクラーベというリズムパターン。ソン・クラーベとルンバ・クラーベなど4種類があり、すべての演奏はこの型に従います。

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コンガ・バタの音域と役割

コンガはキント(高音)・コンガ(中音)・トゥンバドーラ(低音)の3種類。それぞれが音域の役割を分担し、複雑なポリリズムを形成します。

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グルーヴが子どもの脳に与える効果

ノリの良いドラムリズムを聴くだけで前頭前野が刺激され、実行機能が高まるという研究報告があります。保育現場でのリズム活動に活用できます。

アフロキューバン ドラムを3分聴かせるだけで、子どもの前頭前野が活性化して集中力が上がります。

参考)https://manavi.hoku-iryo-u.ac.jp/koho_wp/wp-content/uploads/2022/05/pressrelease20220517.pdf

アフロキューバン ドラムとは何か?歴史とルーツ

 

アフロキューバン ドラムとは、アフリカ系キューバ人(アフロキューバン)の文化から生まれた打楽器音楽の総称です。 西アフリカの民族音楽がキューバに渡り、スペイン系の音楽要素と混ざり合うことで独自の発展を遂げました。 その歴史は17〜18世紀にさかのぼり、奴隷制度下のアフリカ系住民が宗教儀式や祭礼でリズムを刻んだことが起源とされています。coffeeandsugarjapan+2

「チュニジアの夜」はアフロキューバン ドラムが広く知られるきっかけになった代表曲です。 ジャズやサルサ、ラテン・ジャズなど現代の多様な音楽ジャンルの根底にはアフロキューバンのリズム感が流れています。 つまりアフロキューバン ドラムは「世界の音楽リズムの源流のひとつ」といえる存在です。reddit+1

保育士向けの教材でも、音楽之友社の『保育者のためのリズム遊び』にはアフロ・キューバンが「世界のリズム」章のひとつとして明記されており、現場での活用が想定されています。

参考)保育者のためのリズム遊び – 音楽之友社

参考:音楽之友社『保育者のためのリズム遊び』目次(アフロ・キューバン収録)

保育者のためのリズム遊び – 音楽之友社

アフロキューバン ドラムの核心「クラーベ」のリズム構造

クラーベとはスペイン語で「鍵」を意味し、アフロキューバン音楽のすべてのパートがこのリズムに従って演奏されます。 クラーベには代表的なパターンが4種類あり、「2-3ソン・クラーベ」「3-2ソン・クラーベ」「2-3ルンバ・クラーベ」「3-2ルンバ・クラーベ」に分類されます。toshi-drum+1

数字の「2-3」とは何でしょうか? 最初の小節に2つの音、2番目の小節に3つの音が入るパターンのことです。 たとえば手を2回叩いてから少し間を置き、3回叩く、という体験を子どもに試させるだけで、クラーベの概念を直感的に伝えられます。

参考)アフロキューバン音楽におけるクラーベを考察

さらに「6/8クラーベ」と呼ばれるパターンは西アフリカ方面の3連符系リズム(12/8拍子)を適用したもので、クラベス(木製の棒)ではなくカウベルでリズムを刻むのが特徴です。 クラーベが原則です。他のパーカッション奏者はすべてこの型に合わせます。

参考:アフロキューバン音楽のクラーベを体系的に解説した専門ブログ記事

アフロキューバン音楽におけるクラーベを考察

アフロキューバン ドラムで使われる楽器の種類と音域

アフロキューバン音楽で中心的に使われる手で叩く太鼓がコンガです。 コンガは大きさによって役割が違い、口径が小さく高音を出す「キント」、標準サイズで中音域を担う「コンガ(セグンド)」、口径が大きく低音を支える「トゥンバドーラ」の3種類に分かれます。

参考)コンガ : 民族楽器の特徴、価格、歴史について最新版を解説

楽器名 口径の目安 音域 役割
キント(Quinto) 約9〜10インチ(23〜25cm) 高音 即興・リード
コンガ(Segundo) 約11〜12インチ(28〜30cm) 中音 リズムの中心
トゥンバドーラ(Tumba) 約12〜14インチ(30〜35cm) 低音 ベース音を支える

コンガは17〜18世紀にキューバで生まれた楽器です。 一方、宗教儀式に使われるバタドラムはコンガとは奏法が異なり、6/8拍子の独特のリズムパターンで演奏されます。 コンガのほかにボンゴ(2つ1セットの小型太鼓)もアフロキューバン音楽では重要で、ボンゴの大きい方を「エンブラ(女)」、小さい方を「マッチョ(男)」と呼ぶのも覚えておくと現場で子どもに説明しやすいです。

参考:コンガの歴史・種類・奏法を徹底解説したサイト

コンガのすべて:歴史・構造・奏法・選び方・メンテナンスを徹底解説 | EverPlay(エバープレイ)
コンガとは — 概要コンガ(conga、スペイン語では「tumbadora」「conga drum」とも)は、手で演奏する円筒形の太鼓で、主にキューバ発祥のアフロ・キューバン音楽やサルサ、ラテン・ジャズ、ルンバなどのリズムの中心を担う打楽器...

アフロキューバン ドラムのリズムが子どもの発達に与える科学的効果

北海道医療大学の研究によると、グルーヴ感を引き起こすドラム音楽を3分間聴いただけで、前頭前野(実行機能を担う脳の部位)の神経活動が有意に高まることが確認されています。 対象は18〜26歳の健康な男女51人で、特にグルーヴ感とポジティブな心理状態の両方が高まったグループで効果が顕著でした。 リズムを「聴かせるだけ」でも脳に働きかけられるわけです。

これは使えそうです。 ドラムを叩けない状況でも、アフロキューバンの音源を保育のBGMや朝の活動時間に取り入れるだけで教育的効果が期待できます。

さらにRicksonの研究では、ドラムを使った音楽療法がADHD児童の衝動性を軽減する効果も示されています。 日常的な打楽器遊びとグルーヴリズムの組み合わせは、特性のある子どもへの支援手段としても注目されています。 ドラム演奏が脳全体を活性化しワーキングメモリを鍛えるとされることも、保育現場でのリズム活動の根拠になります。lelabo.co+1

参考:ノリの良いリズムと前頭前野の活性化に関する北海道医療大学のプレスリリース

https://manavi.hoku-iryo-u.ac.jp/koho_wp/wp-content/uploads/2022/05/pressrelease20220517.pdf

保育士がアフロキューバン ドラムを現場で使う独自の応用アイデア

多くの解説サイトはアフロキューバン ドラムを「演奏する技術」として紹介しますが、保育士にとってより重要なのは「子どもと一緒に体感する手段」として使うことです。 楽器がなくても、手拍子と足踏みで「人間ドラム」としてクラーベのリズムを再現できます。

具体的には以下のような活用場面が考えられます。

  • 🎵 朝の会のリズムゲーム:保育士が2-3クラーベを手拍子で示し、子どもが続けて真似する「リズムコール&レスポンス」
  • 🥁 ボディパーカッション活動:膝叩き・胸叩き・足踏みでコンガの高音・中音・低音を体で表現する
  • 🌍 世界の文化を知る活動:コンガ・ボンゴの写真を見せながら「アフリカ→キューバ」の旅の話をする(年長クラス向け)
  • 🎧 BGMとして活用:お絵描きや製作活動中にアフロキューバンの音源をかけ、脳のグルーヴ効果を日常的に取り入れる

合図の8割をドラムが出すといわれるように、リズムをリードする体験は子どもの主体性や協調性を育てます。 保育士自身がクラーベの基本(手拍子2回+3回のパターン)だけ覚えれば、道具ゼロでもこの活動は始められます。 クラーベだけ覚えておけばOKです。

参考)Afrocuban (Jazz-Latin) その4 構成と…

また、アフロキューバン音楽のリズムはポリリズム(複数のリズムを同時に重ねる)構造を持つため、複雑なリズムを記憶・再現する活動が子どもの記憶力や注意力の向上につながることも期待されます。 年齢に応じてリズムの難易度を段階的に上げていくと、活動の継続性も生まれます。

参考)アフリカの太鼓は”会話”する? トー…

参考:保育現場での音楽とリズム活動と発達への効果を紹介したサイト

【特性のある子供にも】音楽の力で発達を促す!保育現場における…

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