代表作 童謡 作詞
代表作 童謡 作詞家の頻出と代表作
保育園で歌われる童謡を「作詞」で見直すと、同じ名前が何度も出てくることに気づきます。大正期の童謡黎明期には、児童雑誌『赤い鳥』を起点に、詩人・作家が子ども向けの言葉を競い合うように書き、作品が広がっていきました。大正期に生まれた名曲として《かなりや》(西条八十・作詞/成田為三・作曲)や、《赤い鳥、小鳥》(北原白秋・作詞/成田為三・作曲)、《十五夜お月さん》(野口雨情・作詞/本居長世・作曲)などが整理されています。
検索上位のまとめ系記事では、「作詞者別」「作曲者別」の索引型ページが強く、保育者が“曲名→作詞”を逆引きできる形で読まれている傾向があります。たとえば野口雨情は『赤い靴』『シャボン玉』『七つの子』、北原白秋は『からたちの花』『あめふり』『この道』『ゆりかごのうた』といった形で、代表作がまとめられています。
ここで大事なのは、作詞家名を「暗記対象」にしないことです。保育実践では「この歌詞の言い回しは、なぜこうなんだろう?」と立ち止まったときに、作詞家の作風(短い語彙で情景を立ち上げる/会話のように語りかける/昔の言葉を残す等)を参照できるようにするのが実用的です。
・童謡の基本の見取り図(作品名の由来や代表曲の一覧を探したいときの入口)
代表作 童謡 作詞と赤い鳥
童謡の流れを語るとき、外せないのが『赤い鳥』です。大正期の解説記事では、当時の「教育」が国威高揚に寄りやすく、子どもの感性に寄り添う歌が少なかった状況の中で、「子どもに良いものを与えたい」という思いから鈴木三重吉が児童雑誌『赤い鳥』を創刊し、そこから童謡の歴史が始まったと説明されています。
この文脈で「作詞」は単なる言葉の担当ではなく、“子どもを子どもとして扱う視点を社会に持ち込む行為”にもなります。たとえば《赤い鳥、小鳥》は、創刊号にまず詞が掲載され、のちに曲がついたという流れが紹介されており、「歌になる前に“詩”があった」ことが分かります。
参考)大正時代に作られた童謡~歌えるプレイリスト(歌詞つき!)|音…
保育園の歌選びでは、季節曲・行事曲などの実用面が先に立ちますが、赤い鳥系の作品は「子どもが感じる不思議」を肯定する言葉づかいが特徴です。歌う前に“言葉の映像”を共有すると、同じ歌でもクラスの集中の質が変わります(例:「赤い実」「白い実」「青い実」を絵カードで見せ、子どもの連想を先に引き出す)。
・童謡黎明期の名曲と、作詞の背景(大正期の代表曲とその解説の参照に)
大正時代に作られた童謡の代表曲と作詞の背景解説(赤い鳥・作家・歌詞の読みどころ)
代表作 童謡 作詞の保育園のねらい
保育で童謡を取り入れるねらいとして、音感やリズム感だけでなく、歌詞の意味を考えイメージする力や表現力を養うこと、季節や行事に興味をもつことなどが挙げられています。
この説明は実務的で、「歌う」活動を“情緒の時間”に閉じず、言語活動として位置づけられるのがポイントです。
ここに「作詞」を足すと、指導案が一段組み立てやすくなります。作詞家の言葉の癖(擬音、反復、余韻の残る語尾)を見れば、子どもがどこで声を出しやすいか、どこで言葉に詰まりやすいかを予測できます。さらに、同じ季節歌でも「情景中心」「行動中心」「感情中心」で言葉の設計が異なるため、クラスの発達段階や雰囲気に合わせた微調整が可能になります。
おすすめの運用は、歌を「導入→歌唱→言葉遊び」に分け、歌詞のキーフレーズだけを拾って短い会話にする方法です。
✅例(どの童謡にも応用可能)
・導入:絵や実物で情景を共有
・歌唱:1番だけ、テンポを落として歌詞を明瞭に
・言葉遊び:歌詞の中の名詞・動詞を1~2語だけ変えて遊ぶ(子どもが提案)
この流れなら、「歌が得意な子」だけが活躍する時間になりにくく、発語が少ない子も“選ぶ”“指さす”で参加できます。
代表作 童謡 作詞の歌詞の意外な裏話
「保育園でよく歌う曲=昔の童謡」だけではありません。現場で歌われ続ける“新しめの子どもの歌”にも、作詞の工夫や制作過程のドラマがあります。たとえば一般社団法人日本童謡協会のページでは、新沢としひこが「世界中のこどもたちが」の制作過程を語り、当初は「世界中のこどもが」という詩だったものが、作曲家・中川ひろたかの提案で「こどもたちが」に変え、さらに「ラララ」やBメロの追加で“朗読向きの詩”が“みんなで歌うメッセージの歌”へ変化した経緯が具体的に述べられています。
この話は、保育の歌に直結します。つまり「歌詞は最初から完成しているもの」と決めつけず、メロディーや集団で歌う場面に合わせて言葉が変わることがある、という実例です。
保育園の歌の時間でも、歌詞の一部(固有名詞や季節語)をクラスの体験に合わせて差し替えたくなる場面がありますが、そのときに“替え歌=雑”ではなく、“場に合わせて言葉が育つ”という視点を持てます。
✅現場で使える、歌詞の見方(替え歌の品質を上げるチェック)
・母音が続きすぎて歌いにくくならないか(「あ・お・う」の連続など)
・子どもが発音しにくい子音(さ行・ら行)が連続していないか
・一息で言える長さか(ブレス位置が自然か)
・クラスの体験(散歩、行事、制作)に接続できる名詞が入っているか
・「詩」から「詞」へ変わる実例(作詞と作曲の共同作業、言葉が変化する理由の参照に)
新沢としひこが語る代表作の制作過程(歌詞が変わる理由、作曲家とのやり取り)
代表作 童謡 作詞の独自視点の読み解き
検索上位の記事は「作詞家一覧」「代表作一覧」「歌いやすい曲」など“便利な答え”をくれます。一方、保育園で効くのは、答えが一つに定まらない歌詞を「会話の装置」にする視点です。その代表例として、大正期童謡の紹介記事では《七つの子》の「七つ」が“7歳なのか、7羽なのか”などの論争がある、といった「謎解き童謡」としての紹介がされています。
この「曖昧さ」は、幼児にとって弱点ではなく強みになります。子どもは“正解”より先に“自分の見え方”を話したがるので、歌のあとに質問を1つだけ置くと、発言が自然に増えます。
🎤投げかけ例(答えを決めない)
・「“七つ”って、なにが七つだと思う?」
・「カラスは、なんで“かわいい”って言ってるのかな?」
・「この歌の中で、いちばん好きな言葉はどれ?」
さらに、作詞という観点で見ると、こうした曖昧さは“余白”として設計されている場合があります。子どもの生活経験はクラスごとに違うため、余白がある歌ほど、その場での発話が生まれ、歌が「みんなの歌」になりやすいからです。
最後に、職員間の共有用に、歌の選定メモをテンプレ化すると運用が安定します。
📌「作詞」視点の選曲メモ(1曲1分で書ける)
・作詞:____
・子どもが言いやすいフレーズ:____
・難しい語(置き換え候補):____
・導入に使う実物/写真:____
・歌のあとに聞く質問:____
この型があると、行事前の忙しい時期でも「歌を増やす」より「歌を深める」方向へ舵を切れます。


