春の訪れ 歌詞と春の歌
春の訪れ 歌詞で春が来たの情景を読み取る
保育園で「春の訪れ」を歌で伝えるとき、いちばん強いのは“情景の共有”です。たとえば童謡「春が来た」は、春が来る場所を「山」「里」「野」と段階的に示すタイプの歌で、子どもたちの生活圏(園庭・散歩道・近所の畑や公園)に置き換えると理解が一気に進みます。実際、保育士向けの春の歌紹介でも「春が来た」は春の自然(花・風など)を感じる導入として取り上げられています。
ここでのポイントは「歌詞=暗記」ではなく、「歌詞=観察の視点」に変換することです。歌う前に、次のような“春探しの予告”を入れると、歌詞が行動のヒントになります。
・🌿「山・里・野」みたいに、春はどこから来ると思う?
・🌬️ 風はあったかい?つめたい?(散歩の前に一言)
・🌼 花は“咲いてる”だけじゃなく“つぼみ”も春だよね
また「春の訪れ」の歌詞は、単語がやさしくても抽象度が高い場合があります。そんなときは、歌詞に出る名詞を“実物”に寄せるのが効果的です。園庭にタンポポがなくても、散歩で見た梅のつぼみ、給食の菜の花、卒園製作の桜の壁面…何でも「春の証拠」になります。子どもにとっては、歌詞は「今ここ」の出来事に接続された瞬間に“自分の歌”へ変わります。
春の訪れ 歌詞と保育園で人気の童謡の選び方
「春の歌」は多く、保育園では定番が固定化しがちです。だからこそ、選び方に小さな基準を置くと、クラスの発達やその年の子どもの雰囲気に合った曲が選べます。春の歌・童謡を保育園向けにまとめた記事では、「春が来た」「春よ来い」などの春の定番曲が複数紹介されており、現場で繰り返し使われていることが分かります。
選曲の軸は、次の4つだけでも十分実用的です。
・👶 0〜2歳:繰り返しが多い/擬音がある/動きに変換しやすい
・🧒 3〜5歳:情景が浮かぶ/“待つ・気づく”など心の動きがある/歌詞に季節語がある
・🕒 行事:入園・進級直後は「安心感」、園外散歩が増える時期は「自然語彙」
・👂 音域:声が出しやすい高さか(無理に張り上げる曲は避ける)
「春の訪れ」をテーマにするなら、次のような“役割”で曲を配置すると、同じ春でもマンネリ化しにくいです。
・🌸 春の到来を宣言:春が来た(季節の始まりの合図)
・👟 春を待つ気持ち:春よ来い(「待つ」感情を扱える)
・🦋 生き物の動き:ちょうちょ(動作化しやすい)
・🌷 色・形の認知:チューリップ(色の歌詞に広げやすい)
特に4月は生活が大きく変わる月で、歌の役割が「季節」だけでなく「安心」「見通し」にもなります。4月の保育園の歌として、季節の童謡だけでなく挨拶や生活に寄り添う歌も定番として紹介されています。つまり春の歌は、季節教材であると同時に“生活教材”でもある、という視点が大切です。
春の訪れ 歌詞を使う導入と手遊びのコツ
保育園の歌は「歌う」だけで完結しません。導入で歌詞の意味が立ち上がると、子どもの集中は長く続きます。4月の歌の紹介記事でも、童謡に動きを加える(手をひらひらさせる、飛ぶまねをする等)工夫が提案されており、歌と身体表現の相性の良さが示されています。
導入を強くするコツは、歌詞の中から“動詞”を拾うことです。名詞(花、虫)よりも、動詞(咲く、飛ぶ、ふくらむ、待つ)のほうが、身体化しやすいからです。
おすすめの導入例(そのまま使える形):
・🦋「ちょうちょ」:飛ぶ→止まる→逃げる、の3動作で遊ぶ
・🌱「春よ来い」:つぼみがふくらむ→手をぎゅっと→ぱっと開く
・🌬️ 春が来た系:風が吹く→頬をさわる→「今日はあったかい?」
そして、意外と効くのが“歌詞の順番をいじらない”ことです。子どもは歌詞の流れを覚えると、次の言葉を予測して安心します。ここに保育のねらい(見通し・予測・順序)が自然に入ります。特に進級直後は、音楽を「安心のルーティン」にするだけでクラス運営が安定することがあります。
さらに、歌詞の理解を深める簡単な問いかけを混ぜると、幼児クラスでは会話が広がります。
・「この歌の春は“どこ”に来たって言ってる?」
・「まだ来てない春って、何が“待ってる”のかな?」
・「春のにおいって、何のにおい?」(答えは自由でOK)
春の訪れ 歌詞と著作権と歌詞カードの注意点
保育園で歌を扱うとき、現場で混乱が起きやすいのが「歌詞の配布・掲示」です。保育向けの歌詞カード配布に関する記事でも、著作権が存続している楽曲が含まれる可能性があること、作詞・作曲者名を記載すること、教育目的での使用に限る旨が書かれています。つまり“保育で使う=何でも自由”ではなく、利用の形によって配慮が必要です。
まず現場で整理しておきたいのは、次の切り分けです。
・🎤 歌う(園内の活動として):比較的問題になりにくい
・📄 歌詞を印刷して配る/壁に貼る:取り扱い注意(曲によって権利が異なる)
・📰 園だより・ブログに全文掲載:特に慎重(公開性が高い)
・🎥 動画投稿:別次元の確認が必要(音源・歌詞・映像すべて関係)
このとき便利なのが「歌詞は全部載せない」設計です。たとえばブログ記事では、歌詞全文ではなく、保育でのねらい・導入・年齢別アレンジ・活動例を中心にするだけで、読者の役立ち度は高く、権利面のリスクも下げられます。どうしても歌詞に触れたい場合は、フレーズの“引用”の範囲に留め、出典を明記し、主従関係(解説が主、引用が従)を崩さない運用が安全です。
歌詞カードを作る場合の実務的な工夫:
・🧾 全文ではなく「キーワードカード」(例:つぼみ/かぜ/ちょうちょ)にする
・🖍️ ひらがな中心にし、絵(イラスト)で意味を支える
・🔖 作詞・作曲者名の記載をテンプレ化する(毎回の漏れ防止)
保育園の現場は忙しいので、ルールを「調べる」より「ミスしにくい仕組み」にするほうが長期的に効きます。春の歌は毎年使う資産になるため、最初に整える価値が高い領域です。
参考:著作権が残る楽曲を含む可能性、作詞・作曲者名の記載、教育目的での使用に限る旨の注意点
https://hoikusinoblog.com/archives/513
春の訪れ 歌詞と季節の言葉の育ち(独自視点)
検索上位では「春の歌まとめ」「4月の定番曲」のような一覧が多い一方で、あまり語られないのが「歌詞が“季節の言葉”の獲得装置になっている」という視点です。春の歌の歌詞には、春そのものより先に“春を示すサイン”が詰め込まれています。これは、子どもが季節を理解する順序(体感→発見→命名)と相性が良い点が見逃されがちです。
具体的には、春の訪れを示す言葉は次の3層に分けられます。
・🌡️ 体感語:あたたかい、ぽかぽか、うらら
・👀 観察語:つぼみ、若葉、ちょうちょ、そよ風
・🧠 時間語:もうすぐ、はやく、はじめて、新しい
この3層を、保育の活動に1つずつ足すだけで、歌が「行事のBGM」から「言葉の教材」に変わります。たとえば“観察語”を拾う日は、散歩中に「つぼみ探偵」をして、見つけたら歌に戻って“歌詞の言葉が本当にあった”を確認します。こうすると、歌詞は暗記対象ではなく、世界を説明する語彙として定着します。
さらに面白いのは、同じ春でも地域や園環境で“春の証拠”が変わることです。都市園なら「公園の花壇」「上着を脱ぐ日」、郊外なら「畑のにおい」「用水路の生き物」など、歌詞に出てこない春もたくさんあります。そこで「歌詞にない春」をあえて集めて、クラスの“春のことば図鑑”を作ると、子どもは「歌の中の春」と「自分の春」を往復し始めます。
活動の具体例(歌詞×言葉育ち):
・📘 春のことば図鑑:毎日1語だけ追加(つぼみ/若葉/そよ風 など)
・🧩 春の証拠ビンゴ:園庭・散歩で見つけたらシール
・🎤 歌詞の入れ替え遊び:最後の1語だけ自分の春に差し替える(例:「風」→「給食の匂い」)
この「差し替え」は創作に見えますが、ねらいは“言葉の意味の輪郭”を太くすることです。歌詞は完成品なので、子どもは安心して真似できます。そこから少しだけ自分の言葉を足すと、表現のハードルが下がり、クラスの言葉が豊かになります。春の訪れを歌うことは、季節の行事以上に「言葉の芽を出す」営みでもあります。


