アプリと保育と音楽と歌と著作権

アプリと保育と音楽

アプリと保育と音楽で歌を続けるコツ
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歌あそびの「導入」を短くする

アプリはBGMより「入り口づくり」に強い。1分で歌い出せる設計が現場と相性が良い。

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保育の目的に合う音楽機能を選ぶ

手遊び・リズム・ピアノ伴奏・音当てなど、同じ音楽アプリでも得意分野が違う。

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著作権の境界を先に決める

園内利用とWeb公開、DVD配布は扱いが別。先に「何をどこまで」するか決めると迷いが減る。

アプリと保育と音楽の歌あそび導入

 

保育園の「歌」は、うまく歌うことより、同じ時間を共有し、気持ちをそろえるための道具として機能します。そこでアプリ活用の第一歩は、名曲探しよりも「歌い出しまでの距離」を縮めることです。スマホ・タブレットの音楽アプリは、歌い出しの合図(カウント、伴奏の立ち上がり、テンポ提示)が速く、先生の準備負担を下げやすいのが利点です。

一方で、園の現場にそのまま持ち込むと失敗しやすいポイントもあります。たとえば「アプリの音が大きすぎて、子どもの声が消える」「テンポが固定で、子どもの呼吸に合わせられない」「画面が派手で、歌より操作に意識が向く」などです。だから導入は、次の3点だけ先に決めると安定します。

・目的:朝の会の切り替え/移動前の整列/行事の練習/自由あそびの音遊び

・出力:本体スピーカー/Bluetoothスピーカー/ピアノ代わりに小音量

・操作:先生だけ操作/子どもが交代で操作(ルール必須)

歌あそびで特に効くのは、「曲を流す」より「先生の声と合わせる」使い方です。アプリの伴奏をうっすら流し、先生はテンポと表情を担当する。すると、ピアノが得意でなくても“伴奏の土台”だけ借りられます。ピアノ系アプリには、音色や鍵盤表示で直感的に弾けるタイプがあり、外出時や短時間の導入にも使いやすいとされています。

また意外に見落とされがちですが、歌の導入は「拍(はく)」が整うと成功率が上がります。音楽表現の領域では拍感の育成が課題として扱われ、拍を遊びとして工夫する重要性が指摘されています。アプリ側でメトロノームやリズムガイドが出せるなら、「2拍だけ手拍子→歌へ」など、準備運動のように挟むだけで歌がそろいやすくなります。

アプリと保育と音楽の無料と課金

「無料で十分か?」は、保育の音楽アプリでは現実的な問いです。結論から言うと、園の歌あそびに限れば“無料で十分な領域”は広いです。ただし、無料であるほど広告表示や課金導線が強い傾向があるため、園の端末運用(勝手に購入しない設定、機内モード、ガイド付きアクセス等)とセットで考える必要があります。

無料で使える範囲を見極めるチェック項目は次の通りです。

✅広告:全画面広告が頻繁に出ないか

✅操作:子どもが触っても設定画面に入りにくいか

✅曲:童謡・手遊びなど定番の歌があるか(または伴奏だけで成立するか)

✅機能:テンポ変更、キー変更、繰り返し再生が可能か

✅オフライン:園の通信環境に依存しないか

課金が価値を生むのは「練習の効率」に直結する機能です。行事前は、同じ曲を短い範囲で繰り返す、テンポを落として歌詞を確認する、子どもが入りやすい高さ(キー)に合わせる、などの作業が発生します。ここに強いアプリは、先生の準備時間を削り、結果的に子どもと向き合う余裕を増やします。

なお、子ども向け音楽アプリには「楽器モード」「歌モード」「自動再生」「ヘルプ付きで弾く」といった複数モードを持つ例もあり、遊びながら集中力や創造性などの発達面をうたう説明が見られます。こうした“機能の多さ”は魅力ですが、園での使用では「使う機能を絞る」ことが、落ち着いた活動につながります。園内のルールとして「今日は歌モードだけ」など、場面とモードを固定すると、子どもも見通しを持ちやすくなります。

アプリと保育と音楽の著作権と行事

保育園で音楽を扱うとき、いちばん事故が起きやすいのが著作権です。ここは「何をするか」ではなく「どこまで外に出るか」で必要な手続きが変わります。教育現場の利用について、著作権法上の条件を満たす場合に手続きが不要なケースがある一方、複製・配布・公開になると手続きが必要になる、と整理されています。

園でありがちなケースを、判断しやすい形で分けます。

【手続きが問題になりにくい(園内で閉じる)】

・園内の無料イベントで歌う/演奏する(条件を満たす場合)

・授業(保育)の流れで必要な範囲で使う

・保護者が家庭で個人的に撮影し、家庭内で見る

【手続きが必要になりやすい(複製・配布・公開)】

・発表会や行事の動画を編集してDVDで配布する

・園のホームページやSNSでBGM付き動画を公開する

・歌詞や楽譜を配布物やWebに掲載する

特に「卒園・卒業の記念DVD」は、善意でやるほど落とし穴が多い分野です。記念DVDに楽曲を使う場合、JASRACへの利用許諾申請が必要になること、また減額が適用される場合がある一方で、手続き自体は骨が折れる、という体験談が報道されています。園としては、年度末にバタつく前に「誰が」「いつ」「どの曲を」「何分使うか」「配布数は何個か」を先に確定し、申請の見積もりを取るだけでも負担が減ります。

さらに意外なポイントが「著作隣接権」です。市販CD音源やカラオケ音源をそのまま使うと、著作権とは別の許諾が必要になる場合があり、金額が大きくなる可能性があります。現場では、先生や子どもの歌・ピアノ伴奏を録音して使う方が、権利処理と費用面で現実的になることがあります(ただしこの場合も“配布”なら著作権手続きが必要になり得ます)。

参考:学校・教育機関での音楽利用の「手続きが必要/不要」の考え方(園内利用、複製、Web公開の違い)

学校で音楽を使うときには

参考:卒園記念DVDでの許諾申請の流れ、減額の話、現場で起きる手続きの詰まりどころ

https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/hoiku/84108/

アプリと保育と音楽のピアノと練習

保育の音楽で、先生が最もプレッシャーを感じやすいのがピアノ伴奏です。けれど現場の本質は「正しく弾く」ではなく「子どもが歌える場を作る」ことにあります。ピアノが得意でなくても、アプリで伴奏の音を出し、先生は声かけと表情とテンポの調整に集中する、という分業が成立します。

ピアノ系アプリを園で使うなら、次の観点で選ぶと失敗しにくいです。

・鍵盤が大きい:片手でも押しやすい

・音色が柔らかい:電子音が強いと子どもが疲れる

・曲の自動再生:導入が速い

・練習ガイド:弾く場所が示される(先生の時短になる)

・録音:あとでテンポ確認ができる(行事前に便利)

また、練習の段取りもアプリ前提に変えると効率が上がります。たとえば行事曲は、いきなり通し練習をせず、「サビだけ」「出だし2行だけ」など短い単位で繰り返します。アプリで“同じ範囲を何度も”回せると、先生のピアノ負担が減り、子どもは成功体験を積みやすくなります。

加えて、音楽表現の授業・研究では、拍感が不十分な学習者に対して「拍」を育てる遊びの工夫が課題として示されています。ここを園の歌に落とすなら、歌の前に「一定の手拍子」「足踏み」「膝タップ」など“拍を身体で共有する”時間を30秒入れるだけで、歌のまとまりが変わります。アプリのメトロノームやリズム機能は、子どもに見せるためではなく、先生側のテンポ基準として使うと効果的です。

アプリと保育と音楽の独自視点と運用

検索上位は「おすすめアプリ紹介」になりがちですが、実際に園で差が出るのは“運用設計”です。ここでは独自視点として、アプリ導入を「曲選び」ではなく「園内オペレーション」として設計する方法を提案します。ポイントは、端末・音・ルール・記録を最初に固めることです。

【園で回る運用ルール例】

・端末は1台に集約:個人スマホ持ち込みを基本にしない(情報管理の観点でも有利)

・音量は固定:最大にしない、スピーカー位置を毎回同じにする

・使用時間を決める:1回3分、朝は2曲まで、など上限を作る

・画面は見せない:歌に集中させたい場面は“聴く”に寄せる

・ログを残す:人気曲、反応が良いテンポ、難しかった歌詞をメモする

この“ログ”が意外に強力です。年度が替わると、歌の引き継ぎが属人化しがちですが、アプリ運用とセットで残すと、次年度の先生が迷いません。「3歳はこのテンポ」「この曲は移動前に効く」「ここで止まると歌える」など、現場知が蓄積します。アプリはコンテンツそのものより、再現性のある保育を支える道具として使うほうが成果が出やすいです。

最後に、著作権リスクの面でも運用設計が効きます。園内で閉じるのか、DVD配布するのか、Web公開するのかを決めておけば、必要な手続きと不要な手続きを切り分けられます。現場では「とりあえず動画を撮って、あとで考える」が一番危険なので、音楽を入れる前に“出口”を決めるのが安全です。

・📝チェックリスト(年度末に効く)

✅行事動画は園外に出す?(DVD配布・Web公開)

✅使う曲は誰が管理?(曲名・分数・配布数)

✅音源は何?(先生の演奏/市販CD/カラオケ)

✅手続き担当は誰?(保護者・園・業者)

この4つが固まると、「アプリ 保育 音楽」の取り組みが、単発の便利ワザではなく、園の資産として積み上がっていきます。


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