世界の童謡一覧で広がる保育の国際感覚と歌の力

世界の童謡一覧と保育への活かし方

保育士の多くは「日本の童謡だけで十分」と思っているかもしれませんが、実は保育園で毎日歌っているあの定番曲の7割以上が海外発祥の民謡や童謡です。

この記事の3つのポイント
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世界の童謡一覧と国別まとめ

イギリス・アメリカ・ドイツ・フランスなど国別に有名な童謡を整理し、保育現場で即使える曲を紹介します。

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実は海外発祥だった日本の定番童謡

「かえるの合唱」「ちょうちょう」「アルプス一万尺」など、保育士が日本の歌だと思っていた曲の本当のルーツを解説します。

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世界の童謡を保育に取り入れる効果と方法

言語発達・異文化理解・国際感覚など、世界の童謡を活用することで子どもたちの成長にどんな良い影響があるかを具体的に説明します。

世界の童謡一覧:国別おすすめ曲まとめ

 

世界の童謡は、地域ごとに特色のある音楽文化を反映しています。保育の場でも積極的に取り上げられる国々の代表曲を整理してみましょう。

まず英語圏の定番を押さえておくことが大切です。イギリス発祥の童謡・マザーグース(Mother Goose / Nursery Rhymes)は、700〜1000曲にのぼるとも言われています。その中でも保育現場でよく耳にする曲を以下にまとめました。

国・地域 曲名 特徴
🇬🇧 イギリス London Bridge Is Falling Down(ロンドン橋落ちた) 遊び歌として世界中で普及
🇬🇧 イギリス Twinkle Twinkle Little Star(きらきら星 1806年の英語詩が原曲。日本には大正時代に伝来
🇬🇧 イギリス Baa Baa Black Sheep(黒い羊さん) マザーグースの定番。数を学ぶ歌
🇺🇸 アメリカ Old MacDonald Had a Farm(ゆかいな牧場) 動物の鳴き声が登場する人気曲
🇺🇸 アメリカ If You’re Happy and You Know It(幸せなら手をたたこう) 坂本九のヒット曲の原曲。原曲はスペイン民謡とも
🇺🇸 アメリカ Yankee Doodle(アルプス一万尺) 独立戦争の愛国歌が手遊び歌に変化
🇩🇪 ドイツ Froschgesang(かえるの合唱 19世紀のドイツ童謡が日本で輪唱として定着
🇩🇪 ドイツ Hänschen Klein(ちょうちょう ドイツ発祥。日本には明治時代に伝わった
🇫🇷 フランス J’ai perdu le do(クラリネットをこわしちゃった サビはフランス語のまま日本で定着
🇷🇺 ロシア Калинка(カリンカ) 赤いカリナの木をテーマにした民謡
🇨🇿 チェコ/🇸🇰 スロバキア おお牧場はみどり 東ヨーロッパ起源。アメリカ経由で日本に伝来
🇮🇹 イタリア Funiculì, Funiculà(フニクリ・フニクラ) 1880年にヴェスビオス火山のロープウェーを記念して作られた
🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿 スコットランド Auld Lang Syne(蛍の光 年末の「蛍の光」の原曲。卒業式の定番
🇰🇪 ガーナ/アフリ チェッチェッコリ アフリカのリズムを感じる手遊び歌

つまり、保育で使われる曲の多くが世界各地から日本に伝わったものです。

これらの曲を「国際理解の教材」として意識的に活用するだけで、保育の内容がぐっと広がります。特に英語圏の曲は発音の面でも子どもたちに自然な英語のリズムを届けられるメリットがあります。

世界の民謡・童謡の国別まとめは、専門サイトを参照するとさらに詳しく調べられます。

世界の民謡・童謡 国別まとめ(歌詞・和訳・YouTube動画付き)- 世界の民謡・童謡

世界の童謡で「実は日本の歌じゃなかった」驚きの一覧

「かえるの合唱」はずっと日本の童謡だと思っていた、という保育士の方は多いでしょう。これは基本的な知識として整理しておいて損はありません。

実は保育現場でよく使われる童謡の中には、海外発祥のものがとても多く含まれています。代表的なものを確認しておきましょう。

  • 🐸 かえるの合唱:19世紀のドイツ童謡「Froschgesang(カエルの歌)」が原曲。1930年にスイスの教育者ツィンメルマン博士が玉川学園で伝えたことが日本への入口でした。
  • 🦋 ちょうちょう:ドイツの民謡「Hänschen Klein(ハンスよ小さな)」が原曲。明治時代に日本語の歌詞をつけて普及しました。
  • 🏔️ アルプス一万尺:アメリカ独立戦争の愛国歌「Yankee Doodle(ヤンキー・ドゥードゥル)」が原曲。手遊び歌として子どもたちに親しまれています。
  • 🕰️ 大きな古時計:アメリカ人ヘンリー・クレイ・ワークが1876年に作った歌が原曲。日本語訳が定着しました。
  • 🌿 おお牧場はみどり:チェコ・スロバキアのボヘミア地方の民謡が原曲。アメリカ経由で日本に入り、独自の日本語詞がつけられました。
  • 🎵 幸せなら手をたたこう:坂本九がヒットさせた曲ですが、原曲はスペイン民謡に由来する「If You’re Happy and You Know It」です。
  • 🦊 こぎつねドイツ民謡「Fuchs, du hast die Gans gestohlen(キツネよ、お前はガチョウを盗んだ)」が原曲。原曲は「キツネに向かって鉄砲で撃つぞ」という物騒な内容です。
  • 🌟 きらきら星:1806年の英語詩「The Star」をもとにした「Twinkle Twinkle Little Star」が原曲。日本には1968年のNHK「みんなのうた」で広まりました。

海外発祥の事実を子どもたちに伝えると、「この歌はドイツから来たんだよ」という一言が世界地図や異文化への興味につながることがあります。これは使えそうです。

保育士としては、単に歌を歌うだけでなく「どの国から来た歌か」という背景を添えるだけで、活動の教育的価値が大きく変わります。子どもたちが「どんな国なんだろう」と想像を膨らませるきっかけにもなりますね。

海外発祥の童謡についてさらに詳しく確認したい方は以下のリンクが参考になります。

【びっくり!】海外発祥の童謡。なじみ深いあの童謡も実は – RAG MUSIC

世界の童謡を保育に取り入れることで得られる言語発達の効果

「英語の歌は英語教育向けのもの」と限定的に考えていると、もったいない機会を逃してしまいます。

大阪教育大学の研究では、多文化共生保育における音楽活動が「言語を伝えるためのツール」「伝統や文化を理解するためのツール」「仲間関係を作るためのツール」として非常に有効であることが示されています。世界の童謡は、英語学習のためだけでなく、子どもの発達全般に働きかける素材なのです。

言語発達への影響に絞ってみると、具体的に3つの経路が確認されています。

まず第一に、リズムと音韻意識の発達です。「Head, Shoulders, Knees and Toes(頭・肩・ひざ・つま先)」のような英語の手遊び歌は、日本語にはない音の連なり(英語特有のリズムパターン)を耳と体で学べます。これにより、将来的な英語習得のベースとなる「音への敏感さ(音韻意識)」が自然に育ちます。音韻意識が高い子どもは、読み書きの習得が早いという研究報告もあります。

第二に、語彙の拡張です。「Old MacDonald Had a Farm」で動物の名前を英語で覚えたり、「Twinkle Twinkle Little Star」で星・光などの概念を英語と結びつけて覚えたりすることで、日本語だけでは届かない語彙の地平が広がります。これは単なる英単語の習得にとどまらず、概念形成そのものに寄与します。

第三に、繰り返し構造による言語パターンの習得です。童謡の多くは「繰り返し(リフレイン)」を持っています。この構造が子どもの脳にとって心地よく、自然に言語パターンを記憶させます。繰り返しが基本です。

岐阜大学の教育学部による研究でも、手遊び歌は単に幼児を惹きつけるだけの教材にとどまらず、保育者の教材研究や保育計画によって教育的効果を一層高められることが明記されています。保育士が「どんな意図でその歌を取り上げるか」を意識することが、活動の質を左右します。

英語の歌が言語発達に与える具体的なメカニズムについては以下のリンクも参考になります。

世界の童謡を保育活動に取り入れる際の独自視点:選曲と導入のコツ

世界の童謡を保育に取り入れようとしたとき、「どれを選べばいいかわからない」と感じることがあるかもしれません。そこで重要になるのが「選曲の軸」です。

闇雲にいろいろな国の曲を取り入れようとすると、子どもたちの混乱を招くことがあります。曲数より深さが条件です。1ヶ月に1〜2曲、「今月の世界の歌」のように絞り込んで丁寧に取り上げるほうが、子どもの記憶に残りやすく、言語感覚も育ちやすいことがわかっています。

選曲には以下の3つの基準が有効です。

  • 🎯 繰り返しが多い曲:「Bingo」「Five Little Ducks」など、サビが何度も繰り返される構造のものは、子どもが覚えやすく自発的に歌い始めることが多いです。
  • 🙌 体を動かせる曲:「Head, Shoulders, Knees and Toes」「If You’re Happy and You Know It」など、動作を伴う曲は、言葉と体の感覚が結びつき、記憶の定着率が高まります。
  • 🌏 既存の保育テーマと結びつく曲:動物をテーマにした週なら「Old MacDonald Had a Farm」、季節の行事なら「Jingle Bells」など、保育計画のテーマに沿って選ぶと自然な文脈で取り入れられます。

また、導入の際に「この歌はどこの国の歌か」をひと言添えることが大切です。たとえば「今日はイギリスから来た歌を歌うよ」と言うだけで、子どもの中に「世界にはいろんな国がある」という意識が芽生えます。これが国際理解の意識の芽生えにつながります。

さらに、外国にルーツを持つ子どもが在園している場合、その子どもの母国の歌を取り上げることで自己肯定感が高まり、クラス全体の文化的感受性も育ちます。多文化共生保育の観点からも、世界の童謡は非常に有効な教材と言えるでしょう。

保育士が英語のスキルを活かしながら童謡を取り入れる際の参考情報はこちら。

保育士が英語を学ぶメリット – 保育士ONE

世界の童謡一覧:アジア・アフリカ・南米の注目曲も知っておこう

世界の童謡というと英語圏やヨーロッパに目が向きがちですが、アジア・アフリカ・南米にも保育で活かせる魅力的な曲が数多くあります。意外ですね。

これらの地域の曲を取り上げることは、子どもたちの多様性への理解を広げる上で特に意味があります。以下に注目の曲をまとめました。

国・地域 曲名 保育での活用ポイント
🇰🇪 ガーナ(アフリカ) チェッチェッコリ 独特のリズムと動作が子どもの体幹を刺激。合唱ゲームとしても使いやすい
🇮🇱 イスラエル マイム・マイム 「水」をテーマにした民謡。運動会発表会でも使われる活発なダンス
🇮🇩 インドネシア ブンガワン・ソロ 川の美しさを歌った曲。絵本「川」との組み合わせで情操教育に活用できる
🇲🇽 メキシコ Dale Dale Dale(ポサダの歌) クリスマスシーズンに使えるラテン系の明るいリズム
🇨🇳 中国 茉莉花(モーリーファ) ジャスミンの花を歌った民謡。ゆったりした旋律で落ち着いた活動に向く
🇰🇿 カザフスタン周辺 ドナドナ イディッシュ語由来の曲で、ユダヤ系移民を通して世界に広まった。日本でも親しまれている

これだけ覚えておけばOKです。英語圏以外の曲を1つだけでも取り上げてみると、子どもたちの反応が新鮮なことが多く、普段の保育に刺激と彩りが生まれます。

特にアフリカのチェッチェッコリは、手と体を使うゲーム感覚の歌なので、子どもたちが非常に喜びやすいことで知られています。歌詞の意味よりも音とリズムで楽しめるため、言語の壁なく導入できるのも大きなメリットです。

また、中国の茉莉花(モーリーファ)は、2008年北京オリンピックのテーマにも使われた曲で、知っている保護者も多く、家庭との連携のきっかけにもなります。

世界の国別民謡一覧でアジア・アフリカの曲も調べたい方はこちら。

国別まとめ 世界各国の有名な民謡・童謡 – 世界の民謡・童謡

歌の絵本(2) 世界の唱歌より (講談社の創作絵本)