寝かしつけの歌の歌詞と保育士が使うコツ

寝かしつけの歌の歌詞と保育士が押さえるべき活用術

上手に歌えない保育士ほど、子どもが早く眠りにつく。

この記事のポイント
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定番歌詞を歌詞ごと把握

ゆりかごのうた・ねんねんころりよ・シューベルトの子守唄など、保育士が現場でよく使う曲の歌詞を全文で確認できます。

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研究データで裏付ける効果

生後17か月未満には「肉声」が「録音」より笑いを引き出しやすいという研究があります。録音頼みのリスクも整理します。

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現場で使えるテクと環境づくり

声量・テンポ・ハミングへの移行タイミング、担任間の「歌い分け分担」など、クラスに明日から応用できる実践的な方法を解説します。


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寝かしつけの歌の歌詞①「ゆりかごのうた」全文と意味

 

ゆりかごのうた」は、保育者の間での人気ランキングでも堂々の1位に輝く定番の寝かしつけの歌です。詩人・北原白秋が作詞し、草川信が作曲したこの童謡は、1921年(大正10年)に雑誌『小学女生』8月号で発表されて以来、約100年以上にわたって保育の現場で歌い継がれています。保育士試験の実技課題曲(令和3年)にも選ばれた実績のある、信頼度の高い一曲です。

歌詞の全文は以下のとおりです。

歌詞
1番 ゆりかごの うたを カナリヤが うたうよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
2番 ゆりかごの うえに びわの実が ゆれるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
3番 ゆりかごの つなを 木ねずみが ゆするよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ
4番 ゆりかごの ゆめに 黄色い月が かかるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

各番の情景を追うと、カナリヤの歌声→びわの実の揺れ→木ねずみが縄を揺する→黄色い月という流れで、赤ちゃんが徐々に夢の世界へ引き込まれていく様子が描かれています。「ねんねこよ」という繰り返しフレーズは、江戸時代から使われてきた「ねんねこ=眠れ」を意味する幼児語で、単純な反復が子どもの安心感につながります。

保育現場でこの曲が好まれる理由は、歌詞の意味よりも”構造”にあります。つまり、音域が狭く担任間で歌い方を統一しやすい点、各番の文字数がほぼ揃っていてテンポが崩れにくい点が現場向きです。これが基本です。

歌詞を全番歌う必要はありません。子どもの呼吸が深くなったら「ねんねこ ねんねこ ねんねこよ」のフレーズだけをハミングに切り替え、徐々に音量を落としていく使い方がおすすめです。

保育is|ゆりかごのうた・ピアノ弾き歌い楽譜・保育士試験課題曲として解説

寝かしつけの歌の歌詞②「ねんねんころりよ(江戸子守唄)」の全文と歴史

「ねんねんころりよ」は、江戸時代中期に生まれたとされる日本最古クラスの子守唄です。全国4,000を超えると言われる子守唄(北原白秋が昭和18年に収集した『日本伝承童謡集成』による)の中でも、最もよく知られた一曲とされています。意外なことに、この歌は特定の作詞者がいない民間伝承の歌です。

東京バージョンの歌詞はこちらです。

フレーズ
ねんねんころりよ おころりよ
坊やはよい子だ ねんねしな
坊やのお守は どこへ行った
あの山こえて 里へ行った
里のみやげに なにもろた
でんでん太鼓に 笙の笛
起き上がり小法師に 豆太鼓

「でんでん太鼓」は棒を回して音を出す子どもの民芸玩具、「笙の笛」は伊勢神宮の門前で売られていた竹笛のことです。江戸時代の伊勢参りのお土産として全国に広まったとされています。現代の子どもには馴染みがない言葉ですが、歌詞をそのまま伝えながら「昔のおもちゃだよ」と一言添えるだけで、文化的な背景を伝える機会にもなります。

また、「ねんねん」は「寝む寝む(眠れ眠れ)」、「ころり」は「子らよ」に由来するという説があります。つまり「眠れ眠れ、子よ」という愛情表現がそのまま歌になったわけです。意外ですね。

この歌が母親視点で書かれているのも注目ポイントです。当時は子守奉公の少女が雇われ、実の母が子守から離れることも多かった時代です。その奉公人が里帰りしている間、母親が直接子どもを抱きながら歌ったのがこの曲とも言われています。保育の本質が、時代を超えて歌詞に刻み込まれているとも言えます。

地域によっては山形・新潟・島根・熊本など全く異なる歌詞が存在し、「ねんねんころりよ」のメロディーに土地の風景が乗せられてきたことも、この歌の文化的豊かさを示しています。

INTO JAPAN WARAKU|「ねんねんころりよ」歌詞の続き・意味・江戸時代の背景を詳しく解説

寝かしつけの歌の歌詞③「シューベルトの子守唄」「ブラームスの子守唄」

保育現場では、西洋クラシック由来の子守唄も定番として使われています。乳児院職員の投票ランキングでは「シューベルトの子守唄」が第3位にランクインしており、「歌に合わせて優しくからだをマッサージするとうっとりする」という現場の声もあります。

シューベルトの子守唄の日本語歌詞はこちらです。

歌詞
1番 ねむれ ねむれ 母のむねに
ねむれ ねむれ 母の手に
こころよき 歌声に
むすばずや たのしゆめ

作曲家フランツ・シューベルトが19歳のときに書いたとされるこの曲には、「15歳で亡くなった母を思った曲」「生まれてまもなく亡くなった赤ちゃんへのレクイエム」という複数の説があります。楽曲の背景に深い感情が込められているからこそ、メロディーに自然な哀愁と温かさが共存しているのかもしれません。

ブラームスの子守唄の日本語歌詞はこちらです。

歌詞
ねんねんころり 母のひざは
夢を誘う ゆりかごよ

ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームスが指導していた合唱団員への出産祝いとして作った「5つの歌曲」の第4番が、この曲の原曲です。元々はドイツ語の歌ですが、日本語訳詞で親しまれています。

この2曲に共通するのは、メロディーの音域が狭く、一定の調子で繰り返しが作りやすい点です。これが使えそうです。

保育現場での活用ポイントとして、シューベルトの子守唄は「優しくマッサージしながら歌う」という組み合わせが効果的とされています。背骨のラインを撫でる・ふくらはぎを温めるなどの手技と組み合わせると、触覚と聴覚の両面から子どもの緊張をほぐすことができます。

保育園の歌|シューベルトの子守歌の歌と歌詞を保育士が活かす方法・肉声効果データも解説

寝かしつけの歌の歌詞④「きらきら星」の意外な真実と保育での使い方

「きらきら星」は保育現場でのランキング第2位にも入る人気曲で、子どもが日頃から慣れ親しんでいる歌です。日本の歌詞はこちらです。

歌詞
1番 きらきら光る お空の星よ
瞬きしては みんなをみてる
きらきら光る お空の星よ

ここで一つ、知っておくと役に立つ豆知識があります。「きらきら星」は日本発祥の歌ではなく、フランスで生まれた曲です。原題は「Ah! Vous dirais-je, Maman(あのね、お母さん)」といい、フランスでの歌詞内容はなんと「恋愛の歌」でした。つまり、日本の子どもが毎日歌っている「きらきら星」の原曲は恋愛ソングだったわけです。保護者や同僚との会話のネタとしても使えます。

さらに、この曲のメロディーはモーツァルトが主題として使った「12の変奏曲(K. 265)」でも有名で、世界規模で広まったことで各国語の歌詞がつけられてきました。

保育での寝かしつけに使う際のポイントは、「歌詞ありで歌う→ハミングに移行」の流れです。子どもが歌詞を知っている分、「歌いたい!」と一緒に口を動かして覚醒してしまうリスクがあります。覚醒を防ぐためには、歌詞を省いてハミングから始めるか、2番以降をハミングに切り替える工夫が有効です。

「きらきら星」はドレミが演奏しやすい構成なので、ピアノが苦手な保育士でもコードを2〜3つ覚えれば弾き歌いに使えます。実技での活用も検討している方は、無料楽譜の探し方や弾き方動画を保育系サイトでチェックしてみてください。

DELLA BLOG|世界の寝かしつけ音楽5選・きらきら星の原曲がフランスの恋愛ソングである件も解説

寝かしつけの歌の歌詞と「肉声」効果を保育士が知るべき理由

「上手に歌わなきゃ」と思うあまり、録音音楽やスマホに頼りがちな保育士は少なくありません。しかし、これは重要な落とし穴です。

2008年に発表された小児保健研究(黒石・梶川)では、0〜35か月児の母親261名を対象とした質問紙調査で以下のことが明らかになっています。

  • 🔬 生後17か月頃までの寝かしつけには「肉声形式」の子守歌がよく使われている
  • 😊 子どもの「笑い」の反応は、肉声形式でよく見られる(録音形式より有意に多い)
  • 💤 寝つく・体を動かす反応は、両形式でほぼ同程度

つまり、生後17か月未満の子に対して録音の子守唄を流しているだけでは、笑顔を引き出す機会を逃している可能性があるということです。これは見逃せない情報です。

録音音楽が有効な場面ももちろんあります。複数の子どもを同時に担当するとき、保育士の声が疲れているとき、入眠後の維持場面などでは録音の静かな音楽が環境音として機能します。大切なのは「使い分け」です。

現場での実践ポイントとして以下を参考にしてください。

  • 🎤 0〜1歳クラスの入眠導入は、できる限り保育士の肉声から始める
  • 🔊 録音音楽は「維持」フェーズ(入眠後〜継続睡眠)に使うのが合理的
  • 📱 録音を使う場合でも、最初の一節だけ肉声で歌ってから切り替える方法が折衷として有効

また、「さんぽ」(となりのトトロ)のようなアップテンポの曲でも、テンポをゆっくり落として「あ〜る〜こ〜」と伸ばして歌うことで寝かしつけに使えるという保育士の実践例もあります(小学館アカデミー保育士談)。歌の「曲目」よりも「テンポと声量」が入眠を左右するということです。

さらに、認可保育所を対象とした別の研究では、動画解析により「寝かしつけに有効」と判定された音楽と保育士が「普段より寝付きが良くなった」と記録した音楽の一致率が約90%に達したという報告もあります。保育士の肌感覚は科学的にも信頼できるということです。

小児保健研究(2008)|現代の家庭育児における子守歌の機能・肉声形式とオーディオ形式の比較研究PDF
PRTimes|認可保育所での寝かしつけ音楽データ解析・保育士記録との一致率約90%の研究発表

寝かしつけの歌の歌詞を活かす「声量・テンポ・ハミング移行」の実践テクニック

子守唄の効果は、歌詞の良し悪しよりも「どう歌うか」で大きく変わります。これが原則です。

まず、声量については「部屋の端にいる子に届く最小限」が基本です。大きな声は刺激となり、起きかけの子の覚醒レベルを上げてしまいます。歌い手が「少し足りないかな?」と感じるくらいの音量がちょうど良い目安です。

次にテンポです。子どもの安静時の心拍数は1分間に約70〜90回(小学校就学前)ですが、入眠を促す音楽のテンポは60〜80BPM程度が目安とされています。これは大人の歩行ペース(= 1秒に1歩)よりわずか遅いくらいです。意識するのはこの一点だけで大丈夫です。

ハミングへの移行は、入眠の核心的なテクニックです。子どもの呼吸が深くなり始めたタイミングで、歌詞からハミング(ん〜ん〜)に変えると、聴覚情報量が一気に減って覚醒を妨げにくくなります。

  • 🎵 Step 1 導入:歌詞ありで1番を一定のテンポで歌う
  • 🎵 Step 2 移行:2番以降は母音(あ〜、う〜)中心に変えていく
  • 🎵 Step 3 フェードアウト:ハミングへ移行し、音量を徐々に下げる
  • 🎵 Step 4 静寂:眠った子が増えたら、沈黙を主役にする

また、保育士自身が歌う前に「ゆっくり一息吐く」だけで声が落ち着き、結果として子どもに伝わる刺激が減ります。これは使えそうです。

複数担任の場合は、担任ごとに「A先生は歌詞あり1番担当」「B先生はハミング担当」と役割を固定することで、クラスの音環境が安定します。全員が同じ曲を完璧に歌えなくても、「最初の一節」を共通合図にすれば、子どもは「ねんねの時間だ」と予測できるようになります。

なお、覚醒しやすい子への追加声かけ(「早く寝て」「目つむって」)は逆効果になりやすいことに注意が必要です。言葉を増やすより、子守歌の同じフレーズを繰り返す方が「変化がない=安全な時間」と伝えられます。

保育園の歌|子守歌と午睡・保育士目線の歌い方・環境づくり・ルーティン化の実践まとめ

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