リスの歌・童謡を保育で活かす全まとめ
「りすりすこりす」は昭和ではなく大正7年(1918年)の歌で、あなたが思うより100年以上も前から子どもに歌われてきた曲です。
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リスの歌・童謡「りすりすこりす」の歌詞と由来
「りすりすこりす」は、作詞が北原白秋・作曲が成田為三による日本の童謡です。1918年(大正7年)に創刊されたばかりの童謡雑誌「赤い鳥」の創刊号、しかも巻頭に掲載されたという、歴史的にも重要な一曲です。
ここで少し驚くのは、「赤い鳥」創刊号の巻頭という最も目立つ位置に選ばれたのが、この「りすりすこりす」だったという点です。当時は芥川龍之介がはじめての童話「蜘蛛の糸」を同じ創刊号に掲載しており、まさに日本の児童文化が一斉に花開いた時代の産物といえます。
歌詞は3番まであり、小リスに話しかけるような優しい内容が続きます。
| 番 | 歌詞のテーマ | 歌いだし |
|---|---|---|
| 1番 | あんずの実を食べなさい | りす りす こりす ちょろちょろ こりす |
| 2番 | 山椒の露を飲みなさい | りす りす こりす ちょろちょろ こりす |
| 3番 | ぶどうの花を揺らしなさい | りす りす こりす ちょろちょろ こりす |
「ちょろちょろ」というオノマトペが、リスの素早い動きをリズミカルに表現しています。それが原則です。この言葉の響き自体が子どもの耳に心地よく、繰り返し歌いたくなる仕掛けになっています。
保育での活かし方として、歌詞に出てくる「あんずの実」「山椒の露」「ぶどうの花」などの言葉は、秋の自然観察と連動させるとより効果的です。どんぐり拾いや木の実の観察を行った日の振り返りとして、この歌を取り入れてみましょう。
参考リンク:「りすりすこりす」の歌詞全文・由来・解説(童謡雑誌「赤い鳥」への掲載についても詳しく説明されています)
りす りす こりす 童謡 北原白秋 – World Folksong
リスの歌・童謡「山の音楽家」の歌詞と保育での使い方
「山の音楽家」は「わたしゃ おんがくか やまの こりす」という歌いだしで始まる童謡です。原曲はドイツ民謡で、日本語詞は水田詩仙が手がけました。保育園・幼稚園でほぼ必ずといっていいほど歌われる定番曲のひとつです。
歌詞には、バイオリンを弾くこりす・ピアノを弾くうさぎ・フルートを吹く鳥・太鼓をたたくたぬきが登場します。本来の歌詞は5番まであるのですが、保育現場では1〜2番だけ使われることが多いのが実情です。
手遊び・振付のポイントをまとめると次のとおりです。
- 🎻 こりす(バイオリン):両手をあご下に当て、弓を弾く真似をする
- 🎹 うさぎ(ピアノ):指を鍵盤の上で動かす真似をする
- 🎵 鳥(フルート):横笛を吹く真似をする
- 🥁 たぬき(太鼓):バチで太鼓をたたく真似をする
それぞれの動物になりきって楽器の真似をするため、子どもが「自分がリスになった気分」で楽しめます。これは使えそうです。
特に3〜5歳の幼児クラスでは、歌と動作の連動が確立してくる時期であるため、ただ手遊びをするだけでなく「次はどの動物の番かな?」と問いかけながら進めると、子どもの予測する力・記憶する力も自然に養われます。
また、この曲は10月の月の歌として設定している保育園も多く、秋の音楽発表会の演目候補にもなります。歌詞に合わせた壁面製作(こりすのバイオリン奏者など)と組み合わせると、視覚的にも豊かな活動になります。
参考リンク:「山の音楽家」に関連するリズム遊びの発展アイデアを紹介しています
リスの歌・童謡「りすはあなほり」の歌詞と振付のやり方
「りすはあなほり」は、秋の手遊び歌として特に人気の高い一曲です。リスがどんぐりを土に埋め、やがてどんぐりが成長してどんぐりの木になる——という一連のストーリーが歌詞に込められています。
歌詞の流れをざっくり整理するとこうなります。
| ストーリーの段階 | 内容 |
|---|---|
| ① どんぐりを埋める | りすは穴を掘り、どんぐりを隠す |
| ② 雨が降る | 雨がたっぷり降り注ぐ |
| ③ 芽が出る | 土からひょっこり芽が顔を出す |
| ④ 木に育つ | どんどん大きな木に育っていく |
つまり、自然のサイクルを1曲で体感できる歌ということです。これは保育での「自然への気づき」をテーマにした活動にそのままつながります。
振付のポイントは、土を掘る動作・雨が降る動作・芽が伸びる動作と、曲が進むにつれて動きも「成長」していく点が特徴です。子どもが体全体を使って表現できるため、ただの手遊びにとどまらず全身運動にもなります。歌詞が長めなので、最初は2番まで練習して、慣れてきたら3番以降へ進めると無理がありません。
どんぐり拾いのお散歩を行った日の帰りのサークルタイムに「りすはあなほり」を歌うと、体験と歌詞がリンクして子どもの理解がぐっと深まります。どんぐりを拾った直後に歌うのが基本です。また、11月ごろのどんぐりや秋の実をテーマにした製作活動の導入としても、場の雰囲気を整えるのに役立ちます。
参考リンク:「りすはあなほり」の歌詞全文・動画・振付解説
【動画】手遊びでどんぐりが育つ様子を楽しもう!りすはあなほり – 保育士バンク
リスの歌・童謡「コンコンクシャンのうた」歌詞と手遊びの演じ方
「コンコンクシャンのうた」は、1961年(昭和36年)に発表された童謡です。作詞は香山美子・作曲は湯山昭によるもので、マスクをした動物たちが「コンコンコンコン クシャン」とくしゃみをするという愉快な内容です。
曲に登場する動物は、リス・ツル・ブタ・カバ・ゾウの5種類で、それぞれの体の特徴に合わせて個性的なマスクを着けているというストーリーになっています。
| 動物 | マスクの特徴 |
|---|---|
| リス 🐿️ | ちいさいちいさいマスク |
| ツル 🦢 | ほそいほそいマスク |
| ブタ 🐷 | まるいまるいマスク |
| カバ 🦛 | おおきいおおきいマスク |
| ゾウ 🐘 | なが~いなが~いマスク |
演じる際の最大のポイントは、動物ごとにキャラクターを変えることです。リスは高い声で小さく、カバ・ゾウは声を低くして大きく表現すると、子どもたちがぐっと引き込まれます。厳しいところですね——とはならず、慣れると保育士の「演じ力」が自然と上がっていく曲です。
対象年齢は主に3〜5歳ですが、1〜2歳でも繰り返しのメロディに親しみやすいため、乳幼児クラスから幅広く使えます。冬の保健衛生の活動(手洗い・マスクの指導など)の導入として取り入れると、ただのルール説明より何十倍も子どもに伝わりやすくなります。
ほいくisでは保育士による実演動画やペープサート・スケッチブックシアター用の無料ダウンロード素材も公開されています。無料素材は必須です。実際に手を動かしながら演じるハードルを下げてくれるので、特に経験の浅い保育士にとっては心強い教材になります。
参考リンク:「こんこんクシャンのうた」保育士による実演動画・素材ダウンロード情報
リスの歌・童謡がもたらす発達効果と、保育士だけが知る活用の深み
リスをテーマにした童謡や手遊び歌は「かわいい歌を歌う時間」で終わらせるには少々もったいない素材です。実際、指先と音楽を同時に使う手遊びには、子どもの発達を後押しする具体的なメカニズムがあります。
鹿児島大学の研究(幼稚園における手遊び歌に関する実践的研究)によると、保育における手遊びの有用性として「指先を使うことで知能の発達に有効であること」「集団活動時の導入として効果的であること」が実証的に示されています。特に指先を動かす遊びは、脳の広い範囲を刺激するとされており、これはてのひらサイズの活動が子どもの認知発達に直接かかわっていることを意味します。
リスの歌・童謡を活かした発達効果を整理するとこうなります。
- 🧠 認知・記憶力:繰り返しのフレーズ(「ちょろちょろ こりす」など)が記憶の定着を促す
- 👅 言語発達:歌詞に含まれる「あんず」「山椒」「ぶどう」などの豊かな語彙が語彙力を広げる
- ✋ 微細運動:振付の中での指先・手首の動きが手の器用さを育む
- 🎵 リズム感:一定のテンポを体で感じる経験が、のちの楽器演奏・運動全般の基礎になる
- 🤝 社会性:先生を見て真似る、隣の友達と動きを合わせるといった場面で協調性が培われる
ここで独自の視点として一つ付け加えると、「りすりすこりす」のような”大人が子どもに語りかける構造の歌”は、歌いかけ(シンギング・トゥ)の実践として捉えることができます。単に歌詞を覚えさせるのではなく、保育士が子どもの目を見ながら「ちょろちょろ こりす」とゆっくり歌いかけることで、子どもは言葉のリズムと声のトーンをセットで受け取ります。これが言語発達の面で極めて豊かな刺激になるというわけです。
保育士が「歌が苦手」と感じている場合でも、音程より「表情」と「テンポの安定感」を意識するだけで子どもへの伝わり方が大きく変わります。音程よりも表情が条件です。曲を完璧に歌いこなすよりも、楽しそうに歌う大人の姿が、子どもを音楽に引き込む最大の要因になります。
参考リンク:手遊び歌の脳への効果や発達支援への応用について詳しく解説されています
脳の発達を促す効果あり?!保育中に使える子どもが喜ぶ「手遊び歌」 – グローバルアスカグループ

トレマリスの歌術師 (2)

