ヘビの歌0655を保育士が知って活用する方法
ヘビーメタルの歌を保育士が使うと、子どもが静かになる。
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ヘビの歌0655「DAPPI」とはどんな曲?基本情報まとめ
NHK Eテレ『0655』は、2010年3月29日から毎週月曜日〜金曜日の朝6時55分から放送されている5分間のミニ番組です。「テレビで生活のリズムを刻む」をコンセプトに、「日めくりアニメ」「おはようソング」などのコーナーで構成されており、放送開始から15年以上にわたって視聴者に愛され続けています。
その中でも毎年大きな話題を呼ぶのが、年の初めに公開される「干支ソング」です。その年の十二支にまつわるオリジナル楽曲で、毎回ユニークなアーティストとテーマが設定されることで知られています。
2025年(巳年)の干支ソングとして登場したのが、「DAPPI(脱皮)」です。短い。そしてインパクトが強い。
この曲の歌唱を担当したのは、ロック・メタル界を代表するアーティスト「大槻ケンヂ」。言わずと知れた筋肉少女帯のボーカルです。Eテレの朝番組に、ヘビーメタルが採用されたという事実だけでも十分驚きですが、さらに注目すべきはそのコンセプトです。「脱皮」するヘビの特性にちなんで、「過去の自分から脱皮し、新しい自分に生まれ変わろう」という前向きなメッセージが全編に込められています。これは使えそうです。
曲中には「NYO-RO NYO-RO NYO-RO」「脱皮 脱皮 DAPPI」といった繰り返しのかけ声が登場し、子どもでも口ずさみやすいリズム構造になっています。リリース直後から大槻ケンヂ本人も「想像もしなかったものすごい評判をいただいた」とコメントしたほどの大反響で、YouTubeの公式動画は2025年内に37万回超の再生数を記録しました。
さらに2025年11月には第二弾「DASOKU(蛇足)」もリリースされています。こちらは中国の古典的故事「蛇足」をテーマに、「余分なものが世界を面白くする」という逆転の発想を歌った楽曲です。DAPPIのメロディをベースに新たな歌詞が加わり、HEBIDETHというメタルバンドの設定でMV展開もされているなど、0655の制作スタッフの遊び心が随所に光っています。意外ですね。
【日本コロムビア公式】Eテレ0655/2355「DAPPI」リリース情報ページ
ヘビの歌0655の歌詞に込められた教育的メッセージを読み解く
「DAPPI(脱皮)」の歌詞の中心テーマは、「変化を恐れず、新しい自分へと成長していく」という姿勢の肯定です。ヘビが古い皮を脱ぎ捨て新しい皮になるという生物学的な事実を、人間の心の成長に重ねて表現しています。
特に保育の観点から注目したい部分は、この「脱皮」という概念が子どもたちの日々の生活に直接つながっていることです。子どもたちは毎日、できなかったことができるようになり、怖かったことが怖くなくなり、少しずつ「古い自分」を脱いで成長しています。つまり子どもの成長は、まさに日々の脱皮です。
歌詞の中に登場する「ヘービー(ヘービー)にょろにょろ にょろにょろ」というフレーズは、音の繰り返しが楽しく、2〜3歳児でも声に出しやすい構造です。音の模倣遊びは、言語発達の初期段階において非常に重要とされており、擬音語を繰り返す行為そのものが語彙力や発音の練習になります。
第二弾「DASOKU」でも保育に役立つメッセージが満載です。「余分なものが世界を面白くする」という考え方は、子どもが「うまくできなかった部分」や「失敗」をポジティブに捉える心の土台を作るのに役立ちます。保育の現場では、子どもが「間違えた」「うまくいかなかった」と落ち込む場面が頻繁にあります。そういった瞬間に、「蛇足があったからこそ面白い」という視点を保育士が子どもに伝えられると、失敗を楽しむ力=レジリエンスの育成につながります。
DAPPIとDASOKUの両曲は、Spotify・Apple Music・LINE MUSICなどのサブスクサービスにて配信中です。保育室のBGMとして朝の準備時間に流すだけでも、子どもたちが自然に歌い始めるほどキャッチーな曲調です。朝の会の導入BGMとして1曲(3分程度)かけておくだけで、室内の雰囲気が変わります。これは使えそうです。
【ナタリー】大槻ケンヂが歌う「DAPPI」配信開始の詳細記事
ヘビの歌0655を保育士が朝の会に活用する具体的な手順
「DAPPI」を保育の朝の会に取り入れる方法は、大きく3ステップで考えると整理しやすいです。難しいことはありません。
ステップ1:BGMとして聞かせる(0〜1週間目)
最初は子どもたちに「聞かせる」だけで十分です。朝の着替えや荷物整理のタイミングで、タブレットやBluetoothスピーカーからDAPPIを流します。子どもたちは最初、「なんか変な音!」「面白い!」といった反応を示します。これが興味のスイッチです。
無理に「この歌を歌いましょう」と誘わなくて大丈夫です。まずは耳に馴染ませることが基本です。繰り返し聴くうちに、「NYO-RO」や「脱皮脱皮」というフレーズを口ずさむ子が自然に現れてきます。
ステップ2:体の動きをつける(2〜3週間目)
子どもたちが歌に慣れてきたら、簡単な体の動作を加えましょう。「NYO-RO NYO-RO」の部分では、両手を合わせてくねくねとヘビの動きを真似するだけです。3〜5歳児なら腕全体でうねうねと表現したり、立って体全体をくねらせたりすることもできます。
「脱皮 脱皮 DAPPI!」の部分では、両腕を広げてジャンプするなど「生まれ変わり」をイメージした動作をつけると盛り上がります。子どもたちは自分で動きを考えてくる子も出てくるので、「じゃあ○○ちゃんの動きでやってみよう!」と取り上げることで参加意欲がさらに高まります。
ステップ3:言葉の意味を会話に落とす(1ヶ月後〜)
子どもたちが曲に十分親しんできたら、「脱皮ってどういうことだと思う?」と問いかけてみましょう。「ヘビがぬけがらを脱ぐ」という答えが返ってきたら大正解です。そこから「みんなも毎日脱皮してるね、できなかったことができるようになるのが脱皮だよ」と伝えることで、歌のメッセージが子どもの言葉の中に自然に入っていきます。
自己肯定感の育成は保育の重要な柱の一つですが、難しい言葉を使わなくても、「DAPPI」の歌と一緒に伝えると子どもたちに届きやすくなります。歌と意味がセットで記憶されるのが、音楽教育の強みです。
【NHK公式】Eテレ0655番組情報ページ(最新の放送スケジュール確認に)
ヘビの歌0655「DAPPI」が保育士に向いている4つの理由
「ヘビメタの曲なんて保育現場には向かないのでは?」と思う方も多いでしょう。しかし実際には、DAPPIが持つ特徴が保育の現場と非常に相性が良いのです。厳しいところですね、最初の印象は。でも実態は違います。
理由1:NHK公式コンテンツである安心感
DAPPIはNHK Eテレが制作・放送している公式番組のコンテンツです。保育現場で音楽を使う際、著作権の観点や保護者への説明のしやすさという点で「NHKの番組の曲」という肩書きは非常に有効です。保護者からクレームが入る心配がほぼなく、むしろ「Eテレの干支ソングを使っているんですよ」と伝えると好印象を持たれることが多いです。
理由2:繰り返しフレーズが豊富で記憶に残りやすい
音楽の記憶定着において、繰り返しの構造(リフレイン)は非常に効果的です。DAPPIは「NYO-RO NYO-RO」「DAPPI DAPPI」「脱皮 脱皮」のように同じ言葉を繰り返すフレーズが多く、子どもたちが歌詞を自然に覚えやすい構成になっています。
理由3:曲の長さがちょうどいい
DAPPIの曲尺は約3分程度です。朝の会の導入や、活動の切り替えのタイミングにちょうどよい長さです。長すぎず短すぎず、子どもたちの集中力が途切れる前に終わる設計になっています。
理由4:歌詞のメッセージが保育目標と合致している
「過去の自分を脱ぎ捨てて新しい自分へ」という脱皮のテーマは、保育目標の中でも「自己肯定感の育成」「チャレンジする心の醸成」と直結しています。音楽活動を通じて情操を育てるという保育の基本方針とも完全に一致しています。歌が保育目標と一致しているのが条件です。
【東京藝術大学】子どもの心を育む音楽活動に関する研究資料(音楽と発達の関係を詳しく解説)
ヘビの歌0655を保育士がもっと深く楽しむ独自視点|「蛇足」の哲学を子どもと考えてみる
DAPPIと第二弾DASKOUを続けて使うことで、保育士だからこそできる「哲学的な問いかけ保育」が生まれます。これは他の記事ではあまり取り上げられていない視点です。
「DASOKU(蛇足)」の歌詞には、こんな一節があります。「蛇足を辞書で引いたら 必要ない余分なもの ヘビに足はいらないが、余分なものが世界を面白くする」。この「余分なもの」を肯定するテーマは、保育の世界で言う「無駄に見えるけれど実は大切な遊び時間」や「寄り道や探索」と同じ考え方です。
子どもが砂場でひたすら穴を掘る、泥団子を100個作る、虫をずっと眺めている、こういった行動は大人から見れば「蛇足」のように見えることもあります。しかし保育学の観点では、こういった「無駄に見える遊び」の中にこそ、子どもの創造性や集中力の根っこが育まれているとされています。
5歳児クラスであれば、DASOKUを聴いた後に「蛇足って何だと思う?余分なものって本当にいらないの?」と輪になって話し合う活動を組むことができます。「虫が好きすぎてずっと見てるのは蛇足?」「絵を描く時に色をたくさん使いすぎるのは蛇足?」こういった問いが子どもから出てきたとき、その会話そのものが豊かな言語活動になります。
また、この曲のキャラクター設定(ヘビメタバンド「HEBIDETH」のメンバーが昼間は高校教師・研究員・ケーキ屋さんなど全く違う顔を持つという設定)も、子どもたちに「人にはいろんな面がある」という多様性の概念を遊び感覚で伝えるきっかけになります。
DASOKUの曲とキャラクター設定は、0655のNHK公式ページや日本コロムビアの公式サイトで確認できます。YouTubeの公式動画を保育室のモニターに映しながら「このお兄さんたち、どんな人だと思う?」と問いかけると、子どもたちの想像力が大いに刺激されます。
| 曲名 | テーマ | 保育活用のポイント |
|---|---|---|
| DAPPI(脱皮) | 変化・成長・自己肯定 | 朝の会の導入、「できたこと発表」とセットで使う |
| DASOKU(蛇足) | 余分なものの肯定・多様性 | 5歳児の話し合い活動、失敗を笑い飛ばす場面に |


