コオロギの歌MASHの歌詞と、その背景に宿る意味
「コオロギの歌」を子どもに聴かせると、虫に怖がっていた子が3日で自ら虫を手に取るようになった保育士の報告があります。
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コオロギの歌の歌詞が生まれた場所──石川県・金沢と金石港
「コオロギの歌」は、2026年1月7日に配信リリースされたMASHのデビュー20周年記念シングルです。制作のきっかけは、石川県金沢市の金石港に隣接する「石川メッキ工業」から映像・楽曲制作の依頼を受けたことでした。MASHは依頼を受けてすぐに書き上げたわけではなく、複数回にわたって現地を訪れています。
日本海の風、空を舞うトンビ、広がる田園風景。そうした土地の空気と人々の営みを全身で受け取り、丁寧に音と言葉へ昇華させていきました。MASHが語ったコメントには「コオロギは小さな羽を震わせて歌う。僕らもまた、気づかぬうちに自分の人生が誰かに影響を与え、響き合いながら生きている」という言葉があります。
これは重要な視点です。コオロギの鳴き声は、秋になれば当然のように聞こえてくる音ですが、実はその小さな羽を懸命に震わせた結果として生まれる音なのです。
私たちが「当たり前」と感じている景色にも、誰かの見えない努力や時間が積み重なっています。つまりこの歌は、「当たり前」の再発見を促す一曲といえます。
金石の風景はMASH自身の故郷・愛知県春日井市の記憶とも静かに重なり合い、楽曲に郷愁を与えています。楽曲の舞台が特定の土地でありながら、多くの人の「故郷」に届く普遍性を持つのはそのためです。
音楽ナタリーによるリリース情報記事でも、この曲について「特別な出来事ではなく、いくつもの必然が重なった先に”今”があるということ、そして今日という一日を大切に生きることの尊さを、静かに教えてくれる一曲」と評されています。
音楽ナタリー:MASHのデビュー20周年新曲「コオロギの歌」リリース詳細記事
コオロギの歌の歌詞を全フレーズで読み解く
歌詞全体を通じて、いくつかの重要なテーマが浮かび上がります。まず冒頭の「海が見える街に生まれた人たちは それが当たり前 山の麓に生まれたから 僕にはそれが憧れだよ」というフレーズに注目してください。
これは「ないものねだり」という人間の心理を、地理的な対比で鮮明に描いています。海辺の人は海を「当たり前」と感じ、山あいの人は海を「憧れ」として見る。この非対称な感覚こそが、人が幸せを見失う一因だとMASHは歌います。
「ないものねだりが出しゃばれば 幸せはいつも逃げていく」という一節は核心をついています。
続く「夜風に吹かれて雲が形変えれば 隠れた丸い月が顔を出すよ」というサビは、楽曲全体に繰り返し登場するモチーフです。月は隠れても消えたわけではなく、雲が流れれば自然と姿を現す。困難な状況でも本質的な美しさは変わらない、というメッセージと読み取れます。
「コオロギ 嬉しそうにバイオリンを弾くよ」というフレーズは、現実の自然描写と童話的な比喩が溶け合う、この楽曲のもっとも印象的な表現です。コオロギの鳴き声を「バイオリンを弾く」と表現することで、秋の夜の情景が音楽的・絵画的に立ち上がります。
「冷たい雨に打たれている 田んぼのカカシはかわいそう 優しい子には聴こえる歌 どうか忘れずにいておくれ」という2番の歌詞は、感性の大切さを子どもへ呼びかけるような内容です。「優しい子には聴こえる歌」という表現は、聴く側の感性と想像力に訴えかけています。保育士が子どもに読み聞かせる絵本のような、温かみのある言葉の選び方といえます。
そしてラストの「『おかえり』『ただいま』優しい声がするよ 僕らは生きてく かけがえのない日々」というフレーズで歌は締めくくられます。日常の「おかえり」「ただいま」という言葉が、実は”帰る場所”の存在を象徴していて、それこそがかけがえのないものだと気づかせてくれます。
歌詞の全文はこちらで確認できます。
MASHとはどんなアーティスト?コオロギの歌に至る20年間
MASH(本名:増田憲一)は1979年7月11日生まれ、愛知県春日井市出身のシンガーソングライターです。1998年からバンドのMCとして名古屋を中心に音楽活動をスタートし、2006年11月にミニアルバム「情熱のばか」でソロデビューを果たしました。
デビューの翌年2007年にはcutting edge(avex)よりメジャーデビュー。2009年にリリースした両A面シングル「僕がいた/Boys~光り輝く明日へ~」は、「僕がいた」がUSEN総合チャートで16週連続ランクインという記録を達成します。これはUSEN史上最長チャートイン記録となり、フジテレビ「めざましテレビ」でも取り上げられました。
2022年には、TBS「この歌詞が刺さった!グッとフレーズ」で平野紫耀が「僕がいた」を自身を励ます歌として紹介。それを機に各主要配信サイトで10位以内にチャートインする再ブームが起きます。同年12月には、JFA公式YouTubeでサッカー日本代表がカタールW杯スペイン戦の歴史的勝利後に「僕がいた」を聴く様子が配信され、大きな話題となりました。これは偶然の一致ではなく、MASHの楽曲が持つ「日常の中の強さ」というテーマが多くの人の心に刻まれていた証明といえます。
2013年には地元名古屋に自主レーベル「Bluestar Records」を設立し、以降は活動の軸足を自分のペースと信念に置きながら音楽を届け続けています。デビューから約20年が経った今も、ひとつひとつの現場を大切にした活動スタイルは変わっていません。
「コオロギの歌」は、そんなMASHの20年間が結実した一曲です。MASHのプロフィール詳細はWikipediaでも確認できます。
Wikipedia:MASH(ミュージシャン)プロフィール・ディスコグラフィ
コオロギの歌の歌詞と保育──「感性の窓」を開くための使い方
保育士の仕事のなかで「歌」は特別な役割を担います。厚生労働省の「保育所保育指針」でも、うたや音楽は「表現」の領域に位置づけられており、季節や風景への想像力を高め、自己表現を育むことが大きなねらいとされています。
「コオロギの歌」の歌詞には、保育の現場で活用できる要素が複数あります。まず「夜風に吹かれて雲が形変えれば」という表現は、空や天気に興味を持ち始める3〜5歳児が聴いたとき、ありありとした情景をイメージしやすい言葉です。「コオロギ 嬉しそうにバイオリンを弾くよ」という比喩は、虫が単なる「生き物」から「音楽家」として感じられるようになる、感性の転換点になりえます。
実際、虫の声を使った秋の保育実践は多くの現場で取り入れられています。愛知・熊本など各地の保育園で「遠くから聞こえるコオロギの声に耳を傾けながら」という自然体験活動が行われており、子どもたちの五感を刺激する取り組みとして評価されています。これは使えそうです。
歌詞の「優しい子には聴こえる歌」というフレーズは、子どもに「聴く力」を大切にしていい、と伝えるメッセージとして読み聞かせに組み込むこともできます。例えば、秋の戸外活動の前後にこの曲を流すことで、「コオロギの声が聴こえた?」という会話が生まれやすくなります。
また、「おかえり」「ただいま」という言葉は、保育園の降園時間に自然とつながるフレーズです。子どもが帰り支度をしながらこの曲を耳にすれば、家に帰ることへの温かい気持ちが育まれます。
秋の保育活動でのコオロギ観察に役立つ知識として、保育コレクションの「秋の虫のお話」記事も参考になります。
保育コレクション:9月の保育ネタ、秋の虫の雑学と子どもへの伝え方
コオロギの歌の歌詞が教えてくれる「当たり前」への気づき方──保育士が子どもに届けるヒント
この曲のテーマである「当たり前だと思っていたものへの気づき」は、保育士にとっても深く刺さるメッセージです。子どもたちは毎日「今日もいた」「また会えた」という当たり前の積み重ねの中で成長します。その小さな積み重ねが、実は「かけがえのない日々」だということを、大人が先に感じておくことが大切です。
MASHは現地・金石の人々の姿に触れながらこの曲を書きました。さらに2025年12月には「奥能登音楽祭」に参加し、能登半島地震で未だ復興途上にある地域へ足を運んでいます。タテタカコや永山愛樹(TURTLE ISLAND)らとともに被災地で歌を届けた経験は、「当たり前の日々」の脆さと尊さをより深く実感させるものになったといいます。歌詞に込められた重さは、こうした現実の体験から来ているのです。
保育士が日々の保育の中でこの曲を知っておくことには、もう一つ意味があります。「忘れないように書いておこう 歌が僕たちの道しるべ」という一節のように、子どもとの何気ない一日の記録を大切にする気持ちを後押ししてくれます。
写真を撮る、言葉を書き留める、その日あった小さな「いいこと」を声にするだけでも、保育の記録は豊かになります。
子どもにとっての「おかえり」「ただいま」は、保育園でいえば「今日も来てくれたね」「また明日ね」という言葉と同じです。それが毎日続くこと自体、かけがえのない時間なのだという意識を持って現場に立てると、子どもとの関わり方もわずかに変わってきます。つまり「コオロギの歌」は、保育士自身の視点を豊かにしてくれる歌でもあるのです。
「コオロギの歌」はSpotifyやApple Music、YouTube等の各種音楽配信サービスで2026年1月7日より配信中です。Bluestar RecordsよりリリースされたMASHの20周年記念シングルとして、ぜひ一度通勤途中や休憩時間に耳を傾けてみてください。
BIG UP!:MASH「コオロギの歌」各種配信サービスのリンクまとめ

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