バッタの歌で保育園の秋を豊かに彩る歌唱指導と活用法

バッタの歌を保育園で活かす指導と遊びのアイデア

バッタの歌を毎日歌えば歌うほど、子どもの言語発達が遅くなる場合があります。

🦗 この記事でわかること
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保育園で使えるバッタの歌の種類と選び方

「ばったみつけた」「きちきちばった」など代表的な曲の特徴と、年齢別に合った選曲のポイントを解説します。

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子どもが夢中になる歌唱指導の工夫

歌詞の意味を体で体感させる動き遊びの取り入れ方や、子どもの集中を引き出す保育士の声かけのコツをご紹介します。

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バッタの歌と自然体験・製作を組み合わせる方法

虫取りや観察、製作活動と歌を連携させることで、子どもの学びと感動が深まります。具体的な活動の流れをお伝えします。


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バッタの歌 保育園での定番曲とその特徴を知ろう

 

保育園の秋の活動で親しまれている「バッタの歌」には、実はいくつかの種類があります。それぞれ作詞・作曲者も異なり、歌詞の内容や難易度も違います。まず代表的な3曲を整理しておきましょう。

曲名 作詞・作曲 特徴・難易度 おすすめ年齢
ばったみつけた 作詞:倉橋惣三 / 作曲:服部正 短くシンプル、ストーリー性あり 2〜4歳
ばった(跳ねたぞ大きなバッタ) 作詞:濱田廣介 / 作曲:藤井清水 情景描写豊か、言葉が多め 4〜6歳
きちきちばった 作詞:平原武蔵・サトウハチロー補作 / 作曲:中田喜直 リズミカルで体を動かしやすい 3〜6歳

「ばったみつけた」は「ばったみつけた くさのなか しずかに だまって そーっとねらって あーあとんだ ぱっととんで いっちゃった」という歌詞で、草むらでバッタを狙う子どもの心情が描かれた短い曲です。2〜4歳でも歌いやすい音域で、繰り返し歌うことで自然と覚えられます。

一方「きちきちばった」は「きちきちばった きちばった ふんばりばった とびばった」という軽快なリズムが特徴的です。ショウリョウバッタ(キチキチバッタ)が飛ぶときに「キチキチ」という音を出す習性をそのまま歌にしており、子どもたちに虫の豆知識が自然と入っていきます。これは使えそうです。

「ばった(跳ねたぞ大きなバッタ)」は濱田廣介・藤井清水のコンビによる作品で、情景描写が豊かな歌詞が3番まで続きます。草履を脱いで追いかけ、帽子を投げ、最後はお空へ飛んでいくバッタを見上げる子どもの姿が目に浮かぶような表現です。4歳以上のクラスで歌いごたえのある一曲として重宝されています。

つまり、クラスの年齢と目的に合った選曲が基本です。

「ばった」(濱田廣介作詞・藤井清水作曲)の歌詞全文を確認できます

バッタの歌 保育園での歌唱指導のねらいと発達への効果

保育園でバッタの歌を取り入れる際、「なんとなく秋の歌として歌わせる」だけでは、本来の保育的価値を十分に引き出せません。歌唱活動にはしっかりとしたねらいを設定することが大切です。

バッタの歌を通じた主なねらいとしては、以下が挙げられます。

  • 🌿 自然への興味・関心を育む:歌詞に登場するバッタの動きや生態を音やリズムで感じることで、秋の虫への好奇心が引き出されます。
  • 🗣️ 言語表現力を高める:「そーっとねらって」「ぱっととんで」など、擬態語や動詞豊かな歌詞を繰り返すことで、語彙が広がります。
  • 🎶 リズム感・音楽的表現力を養う:きちきちばったのリズムを体で感じながら歌うことで、音楽的な表現力と体のコントロール力が育まれます。
  • 👫 友達と楽しさを共有する社会性クラス全員で歌う体験は、協調性や一体感を育む重要な機会になります。

音楽活動の発達効果については、研究レベルでも裏付けがあります。大阪教育大学の研究(幼児における音楽に合わせた身体表現の発達)では、1歳2ヶ月から2歳1ヶ月の乳幼児が音楽に合わせた身体表現を発達させていく過程が確認されており、乳幼児期から音楽に親しませることの重要性が示されています。

また、保育現場での「生活の歌」の研究(玉川大学)では、子どもが歌を「教わる」のではなく「学ぶ」姿勢で取り組むとき、表現力・自主性・感情表現が同時に育まれることが示されています。歌を覚えさせようとするより、子どもが自然と口ずさみたくなる状況を作ることが鍵です。

歌唱指導は子どもを「鍛える」場ではないということですね。保育士が心から楽しんで歌う姿が、子どもたちにとっての最大の動機づけになります。

大阪教育大学の研究論文「幼児における音楽に合わせた身体表現の発達」はこちら(PDF)

バッタの歌 保育園での楽しい歌い方と体の動きの工夫

バッタの歌を子どもたちが本当に楽しんで歌うためには、歌詞の言葉を「体で表現する」仕掛けを取り入れることが効果的です。

「ばったみつけた」を例にとってみましょう。「しずかに だまって」のところで保育士が人差し指を口の前に立ててゆっくり歩くジェスチャーをすると、子どもたちは一瞬で静かになります。「そーっとねらって」でゆっくりと手を伸ばし、「ぱっととんだ」で両手を広げてジャンプする。この一連の動きを加えると、2歳児でも歌詞の意味をイメージしながら楽しく歌えます。

「きちきちばった」では、「きちきち」の部分でリズムに合わせて手を打ったり、膝を叩いたりするアレンジが子どもたちにウケやすいです。ショウリョウバッタが飛ぶときに脚をこすり合わせて「キチキチ」と鳴らすという雑学を添えると、5歳児クラスでは「えーっ!」と驚いて歌の世界により入り込んでいきます。

歌唱指導で保育士が意識したいポイントをまとめると、

  • 🎤 保育士自身がはっきりとした声で楽しそうに歌う:完璧な音程より、表情と声のトーンが子どもの参加意欲に直結します。
  • 🐦 テンポをやや遅めに設定する:子どもが歌詞を確認しながら歌えるテンポを意識しましょう。特に初回導入時は、通常テンポの8〜9割程度が目安です。
  • 🙌 繰り返しを恐れない:幼児は同じ歌を3〜5回繰り返しても飽きません。むしろ2回目・3回目から声が大きくなっていくのが典型的な反応です。
  • 🎭 絵本・パネルシアターと組み合わせる:バッタが登場する絵本を読んだ直後に歌うと、子どもたちのイメージが膨らみやすく、歌詞の内容が腑に落ちます。

ピアノが苦手な保育士さんも多いかと思います。実は保育士試験の音楽実技では、50点満点中30点以上(6割)取れれば合格基準を満たします。完璧な演奏ではなく、「子どもが歌いやすい表現ができているか」が採点のポイントです。CD・スピーカーを活用しながら歌うスタイルも、現場では十分に認められています。ピアノなしでも歌中心で活動を進められる場面は多くあります。

テンポと表情さえ意識すれば大丈夫です。

バッタの歌 保育園での自然体験・虫取りとの連携アイデア

バッタの歌の最大の強みは、実際の自然体験と直結しやすいことです。歌だけで完結させてしまうのは、実はもったいない活用の仕方です。

たとえば9月〜10月の虫取り活動の前後に「きちきちばった」を歌うだけで、子どもたちの活動への意欲が高まります。虫取りで実際にショウリョウバッタを捕まえた後に歌を振り返ると、「あ、これがきちきちばったか!」という発見の喜びが生まれます。体験と歌が結びついた瞬間、子どもたちの記憶は格段に深くなります。

虫取りからバッタの歌へとつなぐ活動の流れは、次のように組み立てると効果的です。

  • 🌾 【事前・導入】 活動前日や当日の朝に「きちきちばった」や「ばったみつけた」を歌い、「今日、本物のバッタを探しに行こう!」と予告する。
  • 🔍 【体験】 園庭や近くの公園でバッタを探す。見つけた子が声を上げてもすぐ追いかけず、「しずかに、そーっと」と歌詞の言葉で声かけする。
  • 👀 【観察・対話】 虫かごに入れたバッタをじっくり観察。「足が6本あるね」「触角が長いね」と気づきを引き出す対話を行う。
  • 🎵 【振り返り・歌唱】 部屋に戻ってから歌を歌い直す。今度は体験を持った子どもたちが、歌詞の一つひとつに反応するようになる。
  • 🎨 【製作・表現】 バッタの工作(折り紙・画用紙・粘土など)と組み合わせ、「自分だけのバッタ」を作って歌に合わせて動かす遊びへ発展させる。

葛飾区の保育実践研究(園庭ビオトープづくりの報告書)でも、虫への関心が高まった時期に歌や製作と自然体験を組み合わせると、子どもたちの観察力・表現力・言語化能力が顕著に伸びることが報告されています。

歌が「自然体験の扉」になる、これが基本です。歌からバッタへ、バッタから歌へ、という往復の体験が子どもたちの学びをより豊かにしていきます。

葛飾区「園庭に昆虫や生き物をよびこむためのビオトープづくり」報告書(PDF)

バッタの歌 保育園でこそ教えたい!歌詞に隠れた秋の生態知識

これは保育士だけが知っておきたい独自の視点です。バッタの歌の歌詞には、実は昆虫の生態が正確に反映されているものがあります。その豆知識を子どもたちに伝えることで、歌が単なる音楽活動を超えて「生きた理科教育」になります。

🦗 「きちきちばった」の「きちきち」はなぜ鳴る?

ショウリョウバッタのオスは飛ぶときに後翅をこすり合わせるようにして「キチキチ」という音を出します。これは縄張りの主張や求愛行動の一種とされています。体長はオスが約4〜5cm(人差し指の第一関節から第三関節くらい)、メスが約8〜9cm(はがきの短辺の約4分の1ほど)と、同じ種なのに大きさが倍近く違うことも子どもたちの驚きポイントになります。

🌿 バッタが「草の色」をしているのはなぜ?

ショウリョウバッタやトノサマバッタは緑色や褐色で、草むらに紛れるようなカモフラージュ体色をしています。「ばったみつけた」の歌詞で「くさのなか」「しずかに そーっと」とある表現は、まさにバッタのカモフラージュ能力を意識した表現と読むこともできます。5歳児以上なら「なんで見つけにくいの?」という問いかけから話を広げられます。

🍂 バッタはいつ保育園の庭に現れる?

バッタの幼虫は6〜7月に孵化しますが、多くの種が大きくなって元気よく跳ぶのは9月〜10月の秋です。つまりバッタの歌を歌うタイミングとして最適なのは、実は8月下旬からの導入が適切で、9〜10月のピーク期に虫取り体験へとつなぐ流れが王道です。大日本図書の「バッタの赤ちゃん」コンテンツでも、バッタの幼虫が7月頃から増えることが紹介されており、「歌で秋を先取りする」感覚を子どもたちと共有できます。

これらの豆知識を保育士が「雑学コーナー」として1分ほど挟むだけで、歌のリピート意欲が高まります。虫が苦手な子でも、歌や知識から入ると興味を持ちやすくなるというのが、保育現場で報告されている傾向です。知識があれば虫が怖い子への声かけも変わります。

大日本図書「バッタの赤ちゃん」- バッタの孵化・成長時期の解説ページ

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