大根の歌 歌詞と遊び方を保育士が知っておきたいこと
「大根の歌の歌詞は1種類だけ」と思っているなら、子どもが笑える場面を毎日2〜3回見逃しています。
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大根の歌 歌詞の全バリエーションを一覧でチェック
「大根の歌」と一口に言っても、保育現場でよく使われるものだけで3〜4種類の歌詞が存在します。わらべうたは作詞・作曲者が不明な「自然発生的な伝承歌」であるため、地域や保育園によって歌詞が少しずつ異なるのが特徴です。つまり「どれが正しい」という正解は存在しません。
まず最もポピュラーなのが、ふれあい遊び「だいこんいっぽん」です。
| 歌詞 | 動作の目安 |
|---|---|
| だいこんいっぽん こうてきて | 子どもの体全体を軽くなでる |
| てあしをしばって しおふって | 手首・足首をやさしく握る/塩をふる仕草 |
| もんで もんで よくもんで | 腕や脚をゆっくりもむ |
| なえたらうえからちょんぎって | 頭の上から手刀でトントン |
| おいしいとこから たべちゃうぞ | おなか・ほっぺをくすぐる🎵 |
次に人気なのが「だいこんきって きりすぎて」です。腕を大根に見立て、包丁で切る仕草から始まるのが特徴です。
| 歌詞 | 動作の目安 |
|---|---|
| だいこんきって きりすぎて | 腕の上を手でトントン(切る仕草) |
| だいこんきって きりすぎて | 同上(繰り返し) |
| たたいて つまんで なでなでて | 軽くたたく→つまむ→なでる |
| ばんそこはってもいいですか? | 「いいですよ」と返しながら貼る仕草 |
| いいですよ こちょこちょこちょこちょ~ | くすぐりタイム! |
3つ目が「だいこんつけ」で、長崎地方を中心に伝わるわらべうたです。
> ♪ だいこんつけ だいこんつけ うらがやし
> ♪ だいこんつけ だいこんつけ おもてがやし
子どもを仰向けにして両サイドに「ゆらゆら」転がす動きが基本です。歌に合わせて裏返したり元に戻したりする動きが、平衡感覚の刺激になります。これは使えそうです。
歌詞ごとの難易度と対象年齢をまとめておくと、現場での選びやすさが格段に上がります。
| 歌のタイトル | 対象月齢・年齢 | 特徴 |
|---|---|---|
| だいこんいっぽん | 0歳〜(ねんね期〜) | 寝かせた状態で行うマッサージ系ふれあい遊び |
| だいこんきって | 1歳〜3歳 | 腕を使ったやりとり系。「いいですか?」の問いかけが楽しい |
| だいこんつけ | 0歳〜2歳 | 体を揺らす平衡感覚系。ひとり遊びにも少人数でも使える |
参考として、「だいこんいっぽん」の動作解説と歌詞が確認できる一次資料はこちらです。
金城学院大学KIDSセンターによるわらべうたあそびの解説・動画ページ(2021年2月24日公開)。
金城学院大学 KIDSセンター|わらべうたあそび「だいこんいっぽん」
大根の歌の歌詞が地域によって違う理由と保育士が知っておきたい背景
「大根の歌」を含むわらべうたは、作曲家・作詞家が存在しない「民族音楽的な伝承歌」です。これが歌詞の地域差が生まれる最大の理由です。
名古屋短期大学保育科の山下直樹教授(臨床心理士・公認心理師)は、「わらべうたには厳密なルールがなく、環境や風土に合わせて自由に楽しむもの」と明言しています。同じ「大根の歌」でも、京都・長崎・関東ではメロディーや歌詞の一部が異なります。歌詞のバリエーションが生まれるのが原則です。
これは保育士にとって大きなメリットになります。正解の歌詞を覚える必要がなく、子どもの反応に合わせてアレンジしても問題ない、ということだからです。「たたいて」の部分を「さすって」に変える、「こちょこちょ」を長くするなど、目の前の子どもが喜ぶ形に変えてしまって大丈夫です。
また、わらべうたは著作権が発生しない「パブリックドメイン」の扱いになります。著作権料の心配なし、というのは保育現場で大きな安心材料ですね。動画撮影して保護者に共有したり、園だよりに歌詞を記載したりする際も、わらべうたであればJASRACへの申請は不要です(ただしオリジナルアレンジを商用販売する場合は別途確認が必要です)。
一方で注意点もひとつあります。「歌詞が違う」と感じた保護者や先輩保育士から指摘されることがあるかもしれませんが、それはどちらも「正しい歌詞」です。地域伝承ゆえの自然な差異だと説明できると、現場でのコミュニケーションがスムーズになります。
大根の歌 歌詞を使った年齢別ふれあい遊びの実践ポイント
大根の歌の歌詞は覚えやすいですが、どの月齢にどう使うかで効果が大きく変わります。年齢ごとのポイントを整理しておきます。
【0歳〜寝返り前】「だいこんいっぽん」の寝かせ遊び
赤ちゃんを仰向けに寝かせ、保育士がゆったりと歌いながら体に触れる遊びです。「てあしをしばって」では手首・足首をやさしく両手で包むように握り、「もんで もんで」では腕や脚を軽くもみほぐします。この段階ではスキンシップが最優先です。
力を入れすぎないことが条件です。筋肉をほぐすイメージではなく、「大切に扱っている」という感覚が赤ちゃんに伝わるような、包み込む触れ方を意識してください。
最後の「たべちゃうぞ」でお腹や頬をくすぐると、ほぼ確実に笑顔が引き出せます。「おいしいとこ」を変えながら複数回繰り返せるため、個別対応の時間にも使いやすい歌です。
【1〜2歳】「だいこんきって きりすぎて」のやりとり遊び
子どもが座れるようになってきたら、「だいこんきって」が向いています。腕を差し出す→切られる→なでられる→くすぐられる、という流れに「ばんそこはってもいいですか?」の問いかけが入るのがポイントです。
「いいですよ」と子ども自身が返事をするやりとりが生まれ、言葉の発達や社会性のきっかけになります。まだ言葉が出ない子でも、うなずく・腕を差し出すなどの反応で参加できるため、月齢差のあるクラスでも取り入れやすいですね。
「どこに貼る?」と問いかけると、子どもが自分で貼ってほしい場所を教えてくれることがあります。これは独自の遊びへの発展になり、子どもの主体性を引き出す好機です。
【2〜3歳】集団での「だいこんつけ」と「大根抜き」への発展
2〜3歳になると、集団でのわらべうた遊びへ発展させることができます。複数の子どもが順番に「大根役」になる「大根抜き」遊びもここから派生しています。「だいこんいっぽんお〜くれ」と言いながら足を引っ張る遊びは、体幹や握力のトレーニングになります。
少人数(1〜3人)で深く触れ合うほうが、子どもの情緒や心身の発達によい影響を与えるという点は、基本として押さえておきたいです。大人数で一斉に行うよりも、朝のおはよう時間や午睡前のひとときに個別で歌いかける使い方が、大根の歌の本来の良さを引き出します。
大根の歌 歌詞から学べる発達効果と保育のねらいの書き方
保育指導案を書く際、「大根の歌を使った遊びのねらい」をどう記載するか迷う保育士は多いです。実際の発達効果から逆算すると、ねらいの文章が作りやすくなります。
名古屋短期大学の山下直樹教授は、わらべうたが子どもの発達の土台となる4つの感覚を育てると述べています。
- 触覚:抱きしめたり触れ合ったりすることで、親子・保育者との安心感・信頼関係を育む
- 生命感覚:歌遊びのリズムが生活リズムを整え、自律神経の安定につながる
- 運動感覚:体を動かすことで自分の体の大きさや動かし方を理解し、筋肉・関節のコントロール力が育つ
- 平衡感覚:揺らす・転がすなどの動きで、空間の中での自分の位置関係を感知する力が育つ
これを指導案のねらいに落とし込むと、以下のように書けます。
| 発達の観点 | ねらいの例文 |
|---|---|
| 情緒・信頼関係 | 保育者の声や手の温もりを感じ、安心感の中で楽しむ |
| 身体発達 | 全身に触れる遊びを通して、自分の体への気づきを深める |
| 言語・コミュニケーション | 「いいですか?」「いいですよ」のやりとりを通じて、言葉のリズムや応答の楽しさを知る |
| 社会性 | 順番を待ったり役割を交代したりしながら、友だちとの関わり方を学ぶ(2〜3歳向け) |
スキンシップを通じて分泌される「オキシトシン」は、子どもの不安を減らし情緒を安定させる効果があることも研究で示されています。大根の歌のようなふれあい遊びが「楽しいだけの活動」ではなく、脳・神経・情緒の発達に直接働きかける実践だと理解しておくと、保護者への説明にも説得力が生まれます。
わらべうたの保育効果に関する学術的な解説は、以下の記事が詳しいです。
保育学・心理学視点でわらべうたの発達効果を専門家が解説した記事(山下直樹教授インタビュー)。
大根の歌 歌詞に添えるスキンシップで子どもの反応が変わる意外な事実
多くの保育士は「歌いながら触る」と意識していますが、実は「触り方の質」が子どもの笑顔の回数を左右します。これは意外な盲点です。
山下直樹教授が特に強調するのが「正しく歌える自信がないからスマホで流す」という保育者・保護者の行動です。しかし、スマホで音楽を流しても、子どもに届くのは音だけです。保育者の生声から届く体の温もり・呼吸・声の揺らぎ、そういった要素が失われてしまいます。実際、「大好きな人の安心できる声で歌ってもらうことが何より大切」という金城学院KIDSセンターの服部昭子さんの言葉にも、同じ主旨が込められています。
つまり、音程が外れていても、歌詞を少し間違えても、関係ありません。保育者が自分の声で歌い、直接触れること自体に意味があります。
スキンシップの質という点では、次の3点が特に効果を高めます。
- 圧力のかけ方:「なでる」よりも「しっかり包むように触れる」ほうが安心感を与える。表面をさらっと触れるより、ゆっくり体重を乗せるように触れる方が、触覚への刺激として子どもに届きやすいです。
- スピード:「もんで もんで」はゆっくり、「こちょこちょ」は素早く。緩急のコントラストが子どもの笑いを引き出します。これが基本です。
- 予告と「間」:「たべちゃうぞ…」の「…」の間を0.5〜1秒空けると、子どもが「くる!くる!」と期待して体を縮める反応が出やすくなります。この「予告→期待→くすぐり」の流れが笑いの連鎖を生みます。
月齢が低い子ほど、激しい揺らしや強い刺激には注意が必要です。ねんね期の赤ちゃんには、「もんで もんで」を腕や脚の軽いなでさすりに置き換えるアレンジで十分な刺激になります。体重が5kg前後の赤ちゃんは、大人が感じる「軽い刺激」でも十分な情報量になるということですね。
また、「だいこんきって きりすぎて」では、ばんそこを貼る仕草のあとに「どこに貼ってほしい?」と子どもに聞いてみる応用があります。言葉が出始めた1歳半〜2歳の子どもに特に有効で、子ども自身が「ここ!」と体の部位を指さすことで、身体部位の名称を自然に学べます。これは既存の指導書にはあまり載っていない独自の活用方法です。
大根の歌 歌詞を保育実習・指導案で使うときの注意点まとめ
保育実習や指導案で「大根の歌」を使う際には、いくつかの実務的な注意点があります。あらかじめ押さえておくと、実習中に慌てずに済みます。
歌詞が複数あることを事前に把握しておく
実習先の保育園では、地域独自の歌詞が使われている場合があります。事前に担当保育士に「どの歌詞を使っていますか?」と確認しておくことが大切です。違う歌詞を歌い始めて子どもが混乱するケースも稀ではありません。これに注意すれば大丈夫です。
個別対応か集団かを事前に決めておく
「だいこんいっぽん」は基本的に1対1のふれあい遊びです。集団保育での一斉活動には向かず、自由遊び時間や朝のサークルタイムに小グループで行うのが適切です。指導案に「活動形態:個別・小グループ(1〜3名)」と明記しておくと評価されやすいです。
触れ方の安全配慮を明記する
指導案の「配慮事項」欄には、「体の揺らしは月齢に応じて力を加減する」「嫌がるサインがあれば即座に中止する」などを記載します。大根の歌は体を動かすふれあい遊びのため、強い揺らしや急激な動作が乳児には負担になる可能性があります。特に0歳児クラスでの実践では必須の記載事項です。
歌に慣れていない子どもへの対応
わらべうたに初めて触れる子どもは、最初の1〜2回は様子を見ながら参加することがほとんどです。無理に引き込もうとせず、まず保育士と別の子どもが遊んでいる様子を見せる「モデル提示」から始めると、自然に興味を持って寄ってきます。この順番が原則です。
指導案作成の参考として、わらべうた保育の実践事例が豊富な資料はこちらです。
大阪市立大学紀要に掲載された「大阪市立保育所におけるわらべうたの実態」(1972年)。わらべうたの歌詞の地域差・伝承変化に関する学術資料。
大阪市立大学学術リポジトリ|わらべうたの実態研究PDF

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