お月見の歌 歌詞と意味を保育士が子どもに伝えるコツ

お月見の歌 歌詞と子どもへの伝え方・年齢別活用ガイド

「十五夜お月さん」は全3番を歌ってはいけない、と知っていましたか?

🌕 この記事の3つのポイント
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定番お月見ソングの歌詞と意味を解説

「うさぎ」「つき」「十五夜お月さん」「十五夜さんのもちつき」など、保育現場で人気の4曲について歌詞の内容・意味・由来をわかりやすく整理します。

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「十五夜お月さん」歌詞に隠れた一家離散の背景

大正時代に作られたこの曲には「婆やは解雇」「妹は養子」「かかさんに逢いたい」という切ない物語が込められています。保育士として知っておくべき配慮ポイントを解説します。

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年齢別おすすめ曲と歌詞の伝え方ガイド

0〜2歳はリズム中心、3〜5歳は歌詞の意味を意識した選曲・伝え方のコツをまとめました。行事の導入にもすぐ使えます。


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お月見の歌「うさぎ」の歌詞と保育での使い方

 

「うさぎ うさぎ なに見てはねる 十五夜お月さま 見てはねる」——この短い一文がすべての歌詞、というのは意外と知られていません。わらべうた「うさぎ」は、歌詞がたったの1行しか存在しない、現存する日本の童謡のなかでも特異な曲です。作詞・作曲者不詳のこのわらべうたは、1892年(明治25年)の『小学唱歌』に初めて教材として掲載され、江戸時代から歌い継がれてきたと伝えられています。

シンプルな歌詞だからこそ、保育での活用幅が広いのが特徴です。

🌕 なぜうさぎは月を見てはねるの?という問いかけは、子どもの想像力を引き出す絶好の導入になります。月面にうさぎが見える(餅をついている)という伝承は、インドの仏教説話「ジャータカ神話」を起源にもち、日本には「今昔物語集」などを通じて広まりました。「月を見るとうさぎがいるよ」という一言で、夜空へ興味を向けるきっかけになります。

対象年齢 おすすめの遊び方
0〜1歳児 保育士が歌いながら子どもの手を優しくはずませる(触れ合い遊び)
2〜3歳児 ぴょんぴょんと跳ねる動作を入れた体遊び
4〜5歳児 「なぜはねるの?」と問いかけて、子ども自身が考えるきっかけに

歌詞が短い分、繰り返すことでリズム感が定着しやすく、乳児クラスから取り入れられる点が保育現場での大きな強みです。これが基本です。

お月見会の開会・閉会の歌としても使いやすく、全クラスで歌えることから多くの保育園が行事の定番曲に据えています。保育教材の楽譜集にも必ずといっていいほど収録されているので、ピアノが苦手な保育士でも弾き慣れた1曲として重宝します。

世界の民謡・童謡「うさぎ」——歌詞・由来・仏教説話との関係を解説

お月見の歌「つき(でたでた月が)」の歌詞と全文解説

「でたでた月が まるいまるい まんまるい 盆のような月が」——こちらは1911年(明治44年)刊行の『尋常小学唱歌』に掲載された文部省唱歌「つき」の歌詞です。作詞者不詳、全3番で構成されています。

歌詞の全文はこちらです。

歌詞 情景
1番 出た出た月が まるいまるい まんまるい 盆のような月が 満月が出た喜び
2番 隠れた雲に 黒い黒い 真っ黒い 墨のような雲に 月が雲に隠れる
3番 また出た月が まるいまるい まんまるい 盆のような月が 月が再び現れる喜び

「盆のような月」というのは、お盆(直径30〜40cm程度)に例えたもので、子どもにも視覚的に大きさが伝わりやすい表現です。

つまり満月→雲→また満月というシンプルな流れが歌詞に込められているということですね。

3番を通して歌うことで、物語のような流れが生まれます。2番の「墨のような雲」というフレーズを使って「雲ってどんな色?」「月が隠れたらどうなる?」と問いかけることで、お月見の夜空の変化を想像する力を育む導入にもなります。この曲は「十五夜お月さん」とは違って家族の別れといった重いテーマを含まないため、どの子どもも安心して歌える点が特徴です。

「炭坑節」の「月が出た出た 月が出た〜」と歌い出しが似ているため混同されることがありますが、両者はまったく別の曲です。保育士として両曲を知っておくと、子どもや保護者からの「どっちの歌?」という質問にも答えられます。意外ですね。

世界の民謡・童謡「月(つき)」——文部省唱歌の歌詞と「炭坑節」との違いを解説

お月見の歌「十五夜お月さん」の歌詞が悲しい理由と保育での配慮

「十五夜お月さん」は1920年(大正9年)、野口雨情の作詞、本居長世の作曲で生まれた童謡です。発表当初のタイトルは「十五夜お月」でした。雑誌「金の船」の誌上で公開されるや大きな反響を呼び、作曲者・本居長世の長女みどりが同曲を歌ったことで日本初の童謡歌手が誕生したという歴史的な背景もあります。

この曲の歌詞は全3番で構成されています。

歌詞 意味
1番 十五夜お月さん ごきげんさん 婆やはお暇とりました 雇っていた女性使用人が解雇された
2番 十五夜お月さん 妹は 田舎へ貰られてゆきました 妹が他の家に養子・奉公に出された
3番 十五夜お月さん かかさんに も一度わたしはあいたいな 家族と離れ、母親に会いたいと願う

「婆や」とは年配の女性使用人を指し、「お暇とりました」は解雇を意味します。「貰われて」は方言で養子・奉公として引き取られることです。つまり家業の破産により使用人が解雇され、妹は他家に出され、母親とも離れ離れになった少女が、十五夜の月に向かって気持ちを打ち明けるという構図です。

野口雨情本人が離婚を経験しており、残された子どもたちが母親を恋しがる姿を目の当たりにしたことが、この歌詞の根底にあるとされています。

保育士として知っておくべき配慮が3点あります。

  • 🌙 3歳未満の子ども:歌詞の意味を説明する必要はなく、メロディとリズムを楽しむ段階として扱う
  • 🌙 4〜5歳児が「婆やって何?」と聞いた場合:「昔の言葉で、お手伝いをしてくれた人がお休みをとったんだよ」など家族の離散を強調しない説明をする
  • 🌙 クラスにひとり親・施設入所の子がいる場合:歌詞によって傷つく可能性があるため、「うさぎ」や「つき」など明るい代替曲を選ぶことも検討する

全3番を通して歌う必要はありません。

1番だけを繰り返し歌う形にすれば「お月さまにごあいさつする歌」として子どもたちは自然に受け入れます。悲しい歌詞を前面に出すのではなく、十五夜という行事と月の美しさに焦点を当てるのが保育現場での正しい使い方です。選曲と説明の工夫が重要です。

保育園の歌「十五夜お月さん」——悲しい歌詞の理由と保育での配慮ポイント
なっとく童謡・唱歌(池田小百合氏)——「十五夜お月さん」の発表経緯と歴史的背景

お月見の手遊び歌「十五夜さんのもちつき」の歌詞と振り付き解説

「じゅうごやさんのもちつきは トーントーントッテッタ」というリズムが特徴の「十五夜さんのもちつき」は、作詞・作曲ともに「わらべうた」とされる古くからの手遊び歌です。もちをつく役とこねる役の2人で向かい合って遊ぶスタイルが基本で、3〜5歳児が友だちと一緒に楽しめる活動として人気があります。

歌詞全文はこのようになっています。

  • じゅうごやさんのもちつきは / トーントーントッテッタ
  • トーントーントッテッタ / トッテ トッテ トッテッタ
  • おっこねた おっこねた おっこねたんだ

「おっこねた」とはおもちを「こねた」という意味で、昔の言い回しです。

年齢 遊び方のポイント
0〜1歳児(未満児) 寝かせた子どもの手足をリズムに合わせて優しく動かす触れ合い遊び
2〜3歳児 保育士と向かい合い、手拍子のリズムを一緒に楽しむ
4〜5歳児 子ども同士でペアになり「つく役」「こねる役」を交代して遊ぶ

「なぜ十五夜にもちをつくの?」という疑問に答えるのも保育士の楽しい仕事です。

満月を意味する「望月(もちづき)」という言葉から餅が連想されたという説や、月でうさぎが餅をついているという伝説、収穫期に五穀豊穣を祈って搗くという農耕文化的な説など複数の解釈があります。5歳児クラスであれば「月とうさぎと餅はどんなつながりがあるんだろう?」と問いかけるだけで、子どもたちが自分なりに考え始める探求の入り口になります。これは使えそうです。

お月見会当日の活動では、段ボールを使った手作り太鼓や紙コップマラカスと組み合わせて「もちつきリズム遊び」に発展させる保育士も多くいます。制作→演奏→歌という流れを作ることで、活動がスムーズにつながり、長い時間子どもたちの集中が続きやすくなります。

世界の民謡・童謡「十五夜さんのもちつき」——歌詞と遊び方・手遊び解説

保育士だけが知っておくべき「お月見の歌 歌詞」選曲と年間計画のコツ

お月見の行事は毎年9月中旬の十五夜前後に行われますが、保育士としての選曲は6〜7月の年間計画作成時点で決めておくことが理想です。歌は一夜漬けで覚えられるものではなく、行事の2〜4週間前から継続的に歌い慣らすことで、本番のお月見会で子どもたちが自然に口ずさめるようになります。計画的な準備が原則です。

年齢別の選曲目安はこちらです。

  • 🐣 0〜1歳児:「うさぎ」(わらべうた)——短くシンプルなので保育士が語りかけるように歌い、触れ合い遊びに使う
  • 🐰 2歳児:「うさぎ」「ぽんぽこたぬき」——体を動かす遊びと組み合わせてリズム感を育む
  • 🌙 3〜4歳児:「つき(でたでた月が)」「十五夜さんのもちつき」——歌詞の情景を語りながら歌い、友だちとの手遊びにも発展させる
  • 5歳児:「十五夜お月さん(1番のみ)」「つき」——歌詞の意味を問いかけ形式で深める/劇遊びやリズムあそびへの発展も可

行事の導入に歌を使う際は、「歌→絵本→お月見団子製作」という流れが定番ですが、逆に「絵本→歌→歌詞の意味の話」という順番にすると、絵本の世界観が頭にある状態で歌詞に触れるため、言葉の意味が伝わりやすくなるという利点があります。この視点を知っている保育士は意外と少ない実情があります。

もう一点、見落としがちなのが「月見のうた」を誰の前で歌うかという文脈の違いです。クラスでの日常保育の中で歌うのか、保護者も参加するお月見会で披露するのかによって、選曲と説明の深さを変える必要があります。特に保護者参加型の行事では、「十五夜お月さん」を選んだ場合、歌詞の背景について保護者への説明資料(おたよりなど)に一文を添えておくと、保護者が子どもに質問された際に困らずに済みます。

日常保育で歌い慣らした曲と、行事で披露する曲を分けて計画する場合は、保育記録や指導案にその意図を明記しておくと、後任の保育士やクラス担任間の引き継ぎがスムーズになります。保育士としての記録は未来の自分と後輩を助ける財産です。

指導計画に迷ったときは、各都道府県の保育士向け研修資料や、文部科学省・厚生労働省の保育所保育指針解説書を参考にするのがおすすめです。音楽活動に関する「ねらい」と「内容」の整理に役立ちます。

保育しのブログ「お月見に歌いたい♪子どもと楽しむ秋のうた&リズムあそび」——年齢別の楽しみ方と活動の流れを詳しく解説

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