節分の歌の歌詞を保育士が使える完全ガイド

節分の歌の歌詞と保育での活用ガイド

「豆まきの歌は全部教えればOK」と思っていると、4歳児クラスで1件の窒息事故リスクを見落とすことになります。

📌 この記事の3つのポイント
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定番2曲の完全歌詞

「まめまき(豆まき)」「鬼のパンツ」の歌詞を全文掲載。昭和初期の唱歌から、意外なイタリア発祥の曲まで由来も解説します。

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年齢別おすすめ曲の選び方

0歳児〜5歳児の発達段階に合った歌の選び方と手遊びのコツを紹介。乳児・幼児クラスで無理なく使えます。

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保育士が知っておくべき安全と豆知識

節分行事で保育士が見落としがちな安全上の注意点と、子どもが「えっ!」と目を輝かせる豆知識をセットで紹介します。


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節分の歌の歌詞①「まめまき(豆まき)」の全文と解説

 

節分の歌といえば、まず真っ先に思い浮かぶのが「まめまき(豆まき)」です。保育園ではほぼすべてのクラスで歌われる定番曲で、「おにはそと ふくはうち」のかけ声がそのまま歌詞になっているため、豆まき行事との連動がしやすい点が特徴です。

この曲が生まれたのは昭和6年(1931年)のこと。「えほん唱歌」という春・夏・秋・冬の4冊からなる児童・幼児向け唱歌集の「冬」号に収録されました。作詞・作曲者は「作者不詳」とされており、正確な名前は現在も特定されていません。誰が作ったのか分からない曲なのに、90年以上歌い続けられているというのは、なかなか興味深い事実ですね。

歌詞は以下の通りです。

歌詞全文
1番 おにはそと ふくはうち
ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱらっ まめのおと
おには こっそり にげていく
2番 おにはそと ふくはうち
ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱらっ まめのおと
はやく おはいり ふくのかみ

歌詞の構成をよく見ると、1番は「鬼が豆の音を聞いてこっそり逃げていく場面」、2番は「福の神を家に招き入れる場面」という2つの情景が描かれています。つまり豆まきの「鬼は外」と「福は内」の意味が、歌の流れの中でそのまま表現されているわけです。これが基本です。

「ぱらっ ぱらっ」という擬音は、豆がまかれる音をリズミカルに表現したもので、子どもたちが実際に豆をまくしぐさをしながら歌うと、行事への導入としてとても効果的です。保育での活用ポイントとして、「おにはそと」のときは外側に手を向け、「ふくはうち」のときは胸に向けて動作をつけると、0歳児・1歳児クラスでもリズムに合わせて身体を動かしやすくなります。

この曲は著作権保護期間が切れた「パブリックドメイン」の楽曲です。つまり楽譜の無料印刷や行事でのピアノ演奏・録音使用について、権利上の制約はありません。安心して使えます。

まめまき(豆まき)歌詞と解説 / World Folksong(童謡・唱歌の由来・解説サイト)

節分の歌の歌詞②「鬼のパンツ」の全文と驚きの原曲

「鬼のパンツ」は保育園の節分では「まめまき」と並ぶ二大定番曲です。「鬼のパンツはいいパンツ、つよいぞ つよいぞ♪」という元気なフレーズが子どもたちに大人気で、3歳児以上のクラスで特に盛り上がる曲として知られています。

ところが、この曲には意外な事実があります。実はイタリアの登山電車の宣伝ソングが原曲なのです。1880年に作曲された「フニクリ・フニクラ」というイタリアの大衆歌謡(カンツォーネ)がベースで、ヴェスヴィオ山の山頂までのケーブルカーの利用者を増やすために作られた宣伝曲でした。世界最古のコマーシャルソングとも呼ばれています。

鬼の歌が「登山電車のCM曲」とは、予想外ですね。「鬼のパンツ」はもともとNHKの子ども向け番組から広まった替え歌で、そのルーツをたどるとイタリアのナポリ民謡に行き着きます。作詞は加藤直さん、作曲はルイージ・デンツァさんです。

歌詞は以下の通りです。

パート 歌詞全文
Aメロ 鬼のパンツは いいパンツ
つよいぞ つよいぞ
トラの毛皮で できている
つよいぞ つよいぞ
5年はいても やぶれない
つよいぞ つよいぞ
10年はいても やぶれない
つよいぞ つよいぞ
サビ はこう はこう 鬼のパンツ
はこう はこう 鬼のパンツ
あなたも あなたも あなたも あなたも
みんなで はこう 鬼のパンツ

「鬼のパンツがトラの毛皮でできている」という描写は、鬼がやって来る方角とされる「丑寅(うしとら)」の方角(北東)に由来します。牛の角+虎の毛皮という組み合わせが、鬼の定番イメージになったのです。このエピソードは4〜5歳児クラスへの歌の導入として話すと、子どもたちが「なんで虎?」と目を輝かせて聞いてくれるはずです。これは使えそうです。

手遊びとして使う場合は、「つよいぞ つよいぞ」の部分でポーズを決めたり、「みんなで はこう」でサークルになって踊ったりするバリエーションが保育現場で人気です。3歳児クラスから取り入れる目安とされています。

「おにのパンツ」ピアノ楽譜と練習動画セット / ほいくis(保育士向け情報サイト)

節分の歌の歌詞③年齢別おすすめ曲と手遊びのポイント

保育の現場では、同じ「節分の歌」でも年齢によって適した曲が異なります。歌の難易度・テンポ・動作の複雑さを年齢の発達段階に合わせて選ぶことが、子どもたちの「楽しい!」につながります。以下に年齢別の目安をまとめました。

年齢 おすすめ曲 活用ポイント
0〜2歳(乳児) まめまき(豆まき)
オニさんパラッ
リズムに合わせて身体を揺らすだけでOK。スキンシップを交えて歌う。
3〜4歳(幼児前期) 鬼のパンツ
赤鬼と青鬼のタンゴ
元気よく身体を動かしながら歌う。振り付けを覚えることも楽しみのひとつ。
4〜5歳(幼児後期) おにはうちでひきうけた
鬼のパンツ(グループ発表)
歌詞の意味を理解しながら歌う。「鬼が友達になれるかも」という視点を広げる。

乳児クラスの場合は、歌詞を正確に覚えることよりも「リズムを楽しむ」ことが目的です。「まめまき」はゆったりとしたテンポで歌詞が短く覚えやすいため、乳児にとって最も取り組みやすい曲といえます。0歳児であれば保育士が身体を揺らしてあげるだけでも十分な関わりになります。

幼児クラスになると、歌詞の内容に意味を見出せるようになります。「鬼のパンツ」を歌う際に「なぜトラの毛皮なの?」という問いかけをするだけで、子どもたちの興味が一気に広がります。「おにはうちでひきうけた」は、怖い鬼ではなく「仲良くなれる鬼」という視点の歌で、4〜5歳児クラスで多様な価値観に触れさせるのに適しています。

「赤鬼と青鬼のタンゴ」は作詞・加藤直、作曲・福田和禾子によるNHK「みんなのうた」の楽曲で、歌詞に「秋風の忘れもの」という情景描写が入る、やや詩的な内容です。テンポがタンゴのリズムで独特なため、3〜4歳以上で体を使ったダンスと組み合わせると盛り上がります。年齢に合わせた選曲が基本です。

節分の歌の歌詞にまつわる意外な豆知識

保育士として節分の歌を子どもたちに教えるとき、歌詞の背景を少し知っておくだけで、導入トークが格段に豊かになります。ここではあまり知られていない豆知識をいくつか紹介します。

まず「まめまき」の歌詞にある「鬼は外」という表現ですが、実は全国すべての場所でこのかけ声を使うわけではありません。千葉県・成田山新勝寺では「鬼は外」を一切言わず、「福は内!」だけで豆まきをします。不動明王のご慈悲の力が強く、鬼も改心して福を招く存在になるという考え方によるものです。東京・浅草寺でも「鬼は外」とは言わず、「千秋万歳 福は内」という独自のかけ声を使います。観音様の前には鬼は現れないという信仰からきています。

つまり「おにはそと ふくはうち」という歌詞は、あくまでも一般的な豆まきのスタイルであり、地域や寺社によって異なるということです。「鬼は外」を言わない場所が、全国に複数存在するということですね。

次に、「鬼がトラのパンツをはいている理由」についてです。先述の通り、鬼の角は牛(丑)、パンツは虎(寅)の毛皮から来ています。これは鬼がやってくる方角とされる「鬼門=丑寅(北東)の方向」と結びついた俗説です。歌の歌詞には日本の陰陽道の考え方が色濃く反映されているわけです。5歳児クラスで「なぜ虎のパンツ?」と聞いてみると、子どもたちの観察力を引き出す問いかけになります。

また、「節分の歌」として歌われる「まめまき」は、もともと「えほん唱歌」の「冬」号に収録されていた曲ですが、この唱歌集に収録されている他の曲はほとんど現在では歌われていません。「まめまき」だけが90年以上にわたり生き残った理由として、節分という行事そのものと歌詞が直結していること・短くてシンプルであることの2点が大きいと考えられています。意外ですね。

このような背景情報を保護者向けの節分だよりや、保育参観での子どもへのトークに取り入れると、活動の深みが増します。

「鬼は外」を言わない節分の豆まき / World Folksong(成田山・浅草寺の事例解説)

節分の歌の歌詞を使う際の保育士が知るべき安全の注意点

節分の歌を楽しく歌うことと、豆まき行事そのものの安全管理はセットで考える必要があります。これは保育士にとって見落とせない重要な視点です。

2020年2月3日、島根県松江市の認定こども園で節分の行事中に4歳の男児が豆を喉に詰まらせて窒息死するという事故が起きました。当園では3歳未満の子には新聞紙を丸めた代用品を使っていましたが、4歳以上には本物の大豆を使用していたことが事故の背景にありました。この悲劇は保育業界に大きな衝撃を与えています。

消費者庁と日本小児科学会は「5歳以下の子どもには節分の豆を食べさせない」よう繰り返し注意喚起を行っています。大豆は奥歯が生えそろっていない幼児にとって咀嚼が難しく、誤嚥・窒息のリスクが成人より大幅に高いためです。歌を歌いながら豆まきをする場面では特に、子どもが口に入れないよう目を配る必要があります。

豆の代替品として、新聞紙を丸めたボール・ポンポンなどが広く使われるようになっています。歌を歌いながら代替品を投げるだけでも、節分の雰囲気と行事の意味は十分に伝えられます。行事の楽しさと安全は両立が条件です。

また、大豆アレルギーを持つ子への配慮も必要です。豆をまく場合は前日までに家庭からのアレルギー情報を再確認し、該当児のそばに豆が近づかないよう配置を工夫しましょう。歌で行事を盛り上げながら、環境面の安全設計を同時に整える。これが保育士としての専門性といえます。

「節分の歌だけ準備できれば行事は大丈夫」ではありません。歌と同時に安全対策も準備に組み込む、という意識が現場では必要です。行事前には職員間でリスク確認の時間を設けることをおすすめします。


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