キツネの歌と手遊びを保育で活かす全知識
「コンコンきつね」を歌うだけで、子どもの脳の発達が変わることを知らない保育士が8割以上います。
キツネの歌「コンコンきつね」の歌詞と基本の振り付き
「コンコンきつね」は、保育現場で最も使われているキツネの手遊び歌のひとつです。もとはアメリカの童謡「Little Cabin in the Wood(やまごやいっけん)」を原曲とする替え歌で、日本の保育園や幼稚園向けに定着した曲です。
歌詞はシンプルで覚えやすく、以下のような構成になっています。
| 場面 | 歌詞 | 鳴き方 |
|---|---|---|
| ① | こっちからきつねがやってきて かわいくなきました | コンコン(かわいく) |
| ② | こっちからきつねがやってきて かっこよくなきました | コンコン(かっこよく) |
| ③ | りょうほうからきつねがやってきて しずかになきました | コンコン(しずかに) |
| ④ | これからおはなし はじまるよ ランラランラ… | てはおひざ |
振り付きの基本動作はとてもシンプルです。親指・中指・薬指を合わせてキツネの口の形を作り、きらきら星のように振りながら前に出します。「コンコン」のときは指をパクパクと動かしてキツネが鳴いているように表現します。つまり、道具はなにも要りません。
最後の「てはおひざ」で両手を膝に置く流れが完成すると、子どもたちは自然と着座姿勢になります。これが、読み聞かせや次の活動への「導入歌」として保育士から高く評価されているポイントです。
歌の難易度は低く、乳児(0〜1歳)から幼児(5歳)まで幅広い年齢に対応できます。つまり、クラスを問わず使えるのが最大の強みです。
振り付きの詳細動画や解説については、以下のリンクが参考になります。
HoiClue「コンコンきつね〜導入などにも楽しめる簡単手遊び〜」では振り付けの全ステップと動画が確認できます。
キツネの歌が子どもの脳発達に与える驚きの効果
手遊びは脳の発達に良いとよく言われますが、その理由を正確に理解している保育士は意外と少ないものです。
手は「外部の脳」とも呼ばれ、脳の大部分を刺激する器官です。「コンコンきつね」のようなキツネの手遊び歌では、左右の手を交互に・あるいは同時に動かすため、左脳と右脳の両方を活性化させる効果があります。このことは、国士舘大学の論文「手遊び歌の使用法における一考察」でも確認されており、脳の働き・手指の感覚の発達促進が主要な効果として挙げられています。
また、「歌いながら手を動かす」という2つのことを同時にこなす行為は、マルチタスク能力の基礎を作ります。これは大人でも難しいことで、幼児期から繰り返すことで自然と身につく能力です。
さらに、梅花女子大学の研究(越中康治ら)では、「導入としての手遊びが保育活動中の幼児の集中力に対して有益な効果をもたらす」という結果が示されています。絵本の読み聞かせやお集まりの前に「コンコンきつね」を1曲歌うだけで、その後の活動への子どもの集中度が高まるという実践的な成果です。
これは使えそうです。
加えて、手遊び歌は言語発達の観点からも注目されています。繰り返しのある歌詞・リズムは言葉のパターンを学ぶのに最適で、「かわいく」「かっこよく」「しずかに」という形容詞を歌の中で自然に覚えることができます。東京大学の研究でも「音楽と動作を組み合わせた活動は、幼児の語彙習得を促進する」という結果が出ています。
手遊び歌の効果に関する詳細は、大阪芸術大学の論文「保育における手遊びの効果」にも詳述されています。
https://www.osaka-geidai.ac.jp/files/2021geikyou5_2.pdf
キツネの歌を使った年齢別の保育での活用法と導入のコツ
「コンコンきつね」は幅広い年齢に対応できる手遊びですが、年齢に合わせた使い方を意識することで効果が格段に上がります。
🍼 0〜1歳児(乳児クラス)
この時期の子どもには、保育士が膝の上に乗せながらゆっくりと歌ってあげることがポイントです。スキンシップを伴う手遊びにより、「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンが分泌され、子どもと保育士の間に安心感と信頼感が生まれます。歌のテンポはゆっくりめにして、キツネの口(パクパク)の動作を子どもの目の前でゆっくり見せましょう。
🌱 2〜3歳児(低年齢クラス)
この時期になると、保育士の動きを見てまねする楽しさが生まれます。「かわいく」「かっこよく」という言葉を声に出しながら、大げさな表情で歌うのが効果的です。表情が豊かなほど子どもは笑い、何度でも「もう一回!」とリクエストしてくれます。繰り返しこそが言語習得の鍵です。
🎨 4〜5歳児(幼児クラス)
この年齢では、子どもたちが自分でアレンジを考える楽しさが加わります。「驚いて」「笑って」「眠そうに」など、鳴き方のバリエーションを子どもたちに考えてもらうとクラスが大いに盛り上がります。子ども自身が主体となって遊びを作る経験は、創造力と自己表現力の発達につながります。
また、読み聞かせや絵本の前に使う場合は、最後の「てはおひざ」で終わる版を選ぶことが大切です。このセットで使えば、わざわざ「静かにして」と声を荒げずに済みます。保育士のストレスも減り、一石二鳥です。
HoiClueには保育士が実際に活用しているキツネの手遊びのポイントが詳しくまとめられています。
キツネの歌の替え歌アレンジで飽きを防ぐ保育士の工夫
「コンコンきつね」は替え歌への応用力が高い手遊び歌です。このことが、保育現場で何年も使い続けられている理由のひとつになっています。
替え歌が成立するのは、原曲「やまごやいっけん」の汎用性の高いメロディが使われているからです。同じメロディで歌われる替え歌として有名なのは以下のものです。
- 🐰 こっちからウサギ:「ぴくぴく」と耳を動かす動作が追加され、乳児にも人気が高いバージョン
- ⚡ こっちからピカチュウ:「ピカチュウ」という鳴き声に差し替えるだけで子どもたちが大喜び
- 🍞 パン工場がありました(アンパンマン):キャラクター絵本の前の導入として最適
替え歌を作るルールはシンプルで、動物の名前と鳴き声(または特徴的な動き)を変えるだけです。たとえば「こっちからライオンがやってきて、力強くなきました ガオー」とすることもできます。歌詞を一から作る必要はなく、保育士のちょっとしたアレンジだけで子どもたちに新鮮な驚きを届けられます。
アレンジのコツは3点です。動物の名前・鳴き声・動きの特徴を変えること、子どもが知っているキャラクターや動物を使うこと、最後の「てはおひざ」だけは変えずに残すことです。最後のルールを守ることで、導入としての機能を失わずに楽しませることができます。
替え歌でも動きは変えられます。たとえばウサギ版では耳をぴくぴくさせる動作が加わり、指先の細かい動きが増えるため、幼児の微細運動発達の練習にもなります。
保育士のアイデア次第でアレンジは無限大です。
worldfolksong.comでは「コンコンきつね」の歌詞バリエーションとその他の関連手遊び歌が詳しくまとめられています。

キツネの歌「こぎつね」:保育士が知っておきたい季節と活用ポイント
「キツネの歌」といえば、もうひとつ忘れてはならないのが童謡「こぎつね(こぎつねコンコン)」です。手遊び歌の「コンコンきつね」とは異なり、こちらは情景豊かな文部省唱歌として長く歌い継がれてきた名曲です。
歌詞の内容を確認しておきましょう。
- 🍂 1番:こぎつねコンコン やまのなか くさのみつぶして おけしょうしたり もみじのかんざし つげのくし
- ❄️ 2番:こぎつねコンコン ふゆのやま かれはのきものじゃ さむかろな…
1番は秋(もみじ・くさのみ)、2番は冬(かれは・ゆき)の情景が描かれています。そのため、この曲を保育で活用するのに最も適した時期は10月〜12月前後です。
保育での活用価値は高く、秋の製作(落ち葉・どんぐり・もみじなど)と組み合わせると、子どもの季節感覚や情緒が豊かに育まれます。また、「もみじのかんざし」「つげのくし」などの詩的な表現は、日本語の美しさに触れる絶好の機会でもあります。
「こぎつね」には手遊びバージョンも存在し、歌詞に合わせてキツネのしぐさを表現する振り付きもあります。4〜5歳児クラスであれば、この童謡の世界観を使った劇遊びやペープサートに発展させることもできます。
童謡の歌詞が与える情操教育的な効果は、ただリズムを楽しむ手遊び歌とは異なるものがあります。両方を使い分けることで、保育の音楽活動がより豊かになるということですね。
10月の秋の歌の年齢別活用法については、ほいくisが詳しく紹介しています。


