さよならぼくたちのほいくえん歌の魅力と保育士が知るべき全知識

さよならぼくたちのほいくえん歌を保育士が深く知るための完全ガイド

この曲を「なんとなく毎年歌っている」だけでは、保護者からの感動が半減します。

📋 この記事でわかること
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曲の成り立ちと歌詞の深い意味

作詞家・新沢としひこが元保育士として経験を込めた制作秘話と、親御さんが号泣する本当の理由を解説します。

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ピアノ弾き歌いの練習ポイントと楽譜情報

難易度・間違えやすい箇所・無料楽譜の入手先など、保育士が本番で失敗しないための実践的な情報をまとめています。

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子どもへの歌の指導法と手話・振り付けの取り入れ方

子どもが自然と歌詞を覚え、感情を乗せて歌えるようになる具体的な指導ステップを紹介します。

「さよならぼくたちのほいくえん」歌の誕生と作詞家・新沢としひこの制作秘話

 

「さよならぼくたちのほいくえん」は、シンガーソングライターで元保育士でもある新沢としひこ(1963年生まれ)が作詞し、島筒英夫が作曲した楽曲です。もともとは保育者向けの雑誌『幼児の指導』(学研)に掲載されたのが最初の発表で、その後1996年7月7日にアルバム『SEASON』(アスク・ミュージック)の収録曲として世に出ました。音源としてのリリースはおよそ30年前ということになります。

新沢さんは、この歌を作るにあたって「なぜ卒園式で親御さんはあんなに泣くのか」を真剣に考えたと語っています。そこで気づいたのが、保育園・幼稚園は子どもだけでなく、親も毎日通う場所だという事実でした。「私は仕事に行くから、今日もここで頑張ってね」と子どもを預けて旅立つ。その繰り返しが何百日、何千日と積み重なって、卒園という日に一気にあふれ出す。その視点が歌詞の底流に流れているのです。

曲の長さは約4分27秒で、保育士の目線から見ると「比較的長め」の部類に入ります。しかしその長さを感じさせないほど、歌詞の各フレーズが子どもの日常と重なって聴く者の胸に刺さります。最初は保育者向け雑誌への掲載だったこの曲が、口コミだけで全国の保育園・幼稚園に広がっていったという事実は、それだけ現場の保育士の心にも深く響いた証拠だといえるでしょう。

2011年3月30日には、日本テレビ系列で芦田愛菜さん主演のスペシャルドラマ「さよならぼくたちのようちえん」が放映され、この曲はさらに多くの人に知られることになりました。脚本は「Mother」の坂元裕二さんが担当し、当時6歳だった芦田愛菜さんの歌声が話題を呼んだことで、今の定番曲としての地位が確立されたとも言えます。

また、この歌の歌詞に合わせた絵本『さよならぼくたちの ようちえん ほいくえん』(新沢としひこ文・みやにしたつや絵、金の星社、2022年)も出版されており、卒園前の読み聞かせとしてもおすすめです。絵本を使って導入することで、子どもたちが歌詞の情景をイメージしやすくなるという効果が現場で報告されています。

なお「ほいくえん」「ようちえん」「こどもえん」の違いは歌詞の一部分だけで、旋律・構成はまったく同じです。自園の名称に合わせて歌えるのも、この曲が多くの園で採用される理由のひとつです。

参考リンク:作詞家・新沢としひこ本人へのインタビュー(制作秘話や卒園ソングへの思いが詳しく語られています)

「さよならぼくたちのほいくえん」を生み出した新沢さんの考える卒園式 – HoiClue

「さよならぼくたちのほいくえん」歌詞が保護者・保育士を号泣させる本当の理由

この歌を卒園式で聴いた保護者が泣く場面は、もはや恒例といっていいほどです。毎年のように「涙で子どもたちの姿が見えなかった」「メイクが崩れてしまった」という声が上がり、担任の保育士までもらい泣きしてしまうという現場の声も後を絶ちません。では、なぜこれほどまでに人の心を動かすのでしょうか。

理由の第一は、歌詞が子どもの「リアルな日常」をそのまま描いているところです。「何度笑って、何度泣いて、何度風邪をひいて」という歌詞は、実際に子どもを育てた経験のある人なら誰もが「そうだった」と思い返せる具体的な描写です。新沢さん自身も「子どもが無邪気に歌うことで、親は『そうよ、あんたは何度も風邪をひいたのよ!』という記憶が走馬灯のように浮かぶ」と語っています。

第二は、歌詞が子どもの目線で書かれている一方、その言葉が保護者や保育士の感情にも二重写しのように重なる構造になっていることです。「たくさんの毎日をここで過ごしてきたね」というフレーズを子どもが歌うとき、保護者は自分自身が毎朝子どもを送り届けた日々を思い出します。保育士は、その子の入園当初の姿と今の姿を重ね合わせます。一つの歌詞が複数の立場の人の記憶と結びつくという点で、この曲は非常に稀なつくりになっています。

第三は、子どもたちが「意味を理解した上で一生懸命歌っている」という点です。音程が完璧でなくても、声が揃っていなくても、それがかえって感動を呼ぶ。上手に音程をとった歌い方より、子どもらしく一生懸命歌っている姿が心に染みるというのは、多くの保育士が現場で実感していることです。技術よりも「気持ち」が伝わる歌であるという事実は、指導の方向性を決める上でも重要なポイントになります。

さらに補足として、卒園式という場の特性も大きく作用しています。それまで毎日通い続けた場所への「最後のさようなら」という文脈の中でこの歌が流れることで、普段は抑えている感情のダムが一気に決壊するのです。つまり曲単体の力だけでなく、場の空気との掛け合わせで感動が最大化されます。保育士としては、この相乗効果を意識した上で式の流れを組み立てることが、保護者の心に残る卒園式づくりへの近道といえます。

なぜ泣けるのか ポイント
歌詞がリアルな日常を描いている 「風邪をひいた」など具体的な体験と記憶が結びつく
子ども・親・保育士の3つの視点が重なる それぞれの立場の「思い出」が歌詞に投影される
子どもが意味を理解して歌っている 技術より「気持ち」が伝わる歌である
卒園式という場の特性との掛け合わせ 「最後のさようなら」という文脈が感動を増幅する

「さよならぼくたちのほいくえん」歌のピアノ弾き歌い練習と楽譜活用のポイント

この曲のピアノ弾き歌いに取り組む保育士が最初に知っておくべきことは、この曲の難易度が「中級〜やや高め」に位置するという点です。保育士向けYouTube動画では「難易度4(やや難しい)」と紹介されることが多く、公務員保育士の方が「卒園式のピアノ伴奏は楽譜が意外と難易度高い。式となると普段とは全然違う緊張感がある」と語るほど、本番でのプレッシャーも大きい曲の一つです。

曲の構成上の特徴を押さえておきましょう。楽譜は全3ページ、歌の長さは4分強です。音の高低差が大きく、リズムに少し独特な部分があります。特に注意が必要な箇所は以下の2点です。

  • 🎵 5小節目の「ん」:口を閉じてしまうと音がこもって小さくなります。口を閉じずに眉間から声を出すイメージで歌いましょう。
  • 🎵 20小節目の「高音レ」裏声を響かせる必要があります。直前の8分休符でしっかりブレスをとることが必須です。
  • 🎵 「ここですごしてきた(7小節目)」と「ここであそんできた(15小節目)」:メロディラインが同一で歌詞だけが違うため、混乱しやすいポイントです。
  • 🎵 「花びらふる頃、遊びに来る時(26小節目)」:似た言葉が並ぶため、特に注意が必要です。

伴奏面では、歌の最初(5小節目まで)はあえて左手を簡単にして、後半のサビへの盛り上がりを演出する構成になっています。終わり(46小節目以降)はだんだんゆっくりと弾くと、優しい余韻が残り感動的なフィナーレになります。

音の跳躍が多い楽曲なので、自分が弾きやすい指番号を決めて楽譜に書き込んでおくことを強くおすすめします。テンポが乱れやすい部分はメトロノームを使って練習しましょう。また、1曲を通して弾くだけでなく、間違えやすい箇所だけを取り出して集中練習する方法が効果的です。

無料で使える楽譜リソースとして、保育士向けメディア「ほいくis」では無料会員登録(無料)でダウンロードできるオリジナル弾き歌い楽譜を提供しています。ドレミ付きの初心者向け楽譜を探している場合は「ピアノ塾(kokomu)」などのサービスも活用できます。有料で本格的な楽譜が必要な場合は、ヤマハ「ぷりんと楽譜」(1曲あたり275〜550円程度)やPiascore(275円〜)から購入可能です。

参考リンク:保育士向けオリジナル弾き歌い楽譜と練習動画(歌・ピアノ両面の詳しいアドバイスが掲載されています)

『さよならぼくたちのほいくえん』ピアノ楽譜と練習動画 – ほいくis

「さよならぼくたちのほいくえん」歌を子どもたちに教える指導法と手話・振り付けの取り入れ方

この曲は4分超えという長さもあり、子どもたちが全体を覚えるのに時間がかかる曲でもあります。だからこそ、指導の順序と方法に工夫が必要です。現場で効果が確認されている指導ステップをご紹介します。

まず最初のステップとして、先生自身が笑顔で楽しそうに歌いながら子どもたちに聴かせることが大切です。先生が心を込めて歌っている姿を見ることで、子どもたちは「自分も歌ってみたい」という気持ちになります。これが全ての指導の土台です。

次に、歌詞の情景を視覚的に伝えましょう。絵やペープサートを使って「ここで走って、ここで転んで」という場面を見せながら歌うと、年少〜年中の子どもでも理解が早まります。歌詞を書いた紙を壁に貼っておくだけでも、子どもが自然と目で確認しながら覚えていきます。これが効果的なのは、人間が耳で聞くより目で見た方が情報を記憶しやすいという認知の特性を活かしているからです。

長い曲は一度に覚えさせようとしないことが原則です。まずサビから入り、慣れてきたら1番を覚え、最後に2番へと広げていくのが現場での定石です。そのためには、曲導入の時期を少なくとも6〜8週間前に設定するのが望ましいでしょう。

間違えても途中で止めないことも重要なポイントです。歌の楽しさを守ることが最優先で、ミスは後でまとめて修正します。そして少しでも上手くなったら必ず褒める。叱るより褒めることで、子どもは「歌うことが好き」という感情を育てます。歌の上手さよりも、歌うことが好きになることを優先するのが指導の基本です。

手話や振り付けの導入については、作詞者の新沢としひこさん本人が手話で歌う動画が公式チャンネルで公開されており、正確な手話表現の参考として非常に有用です。手話を取り入れることで、聴覚に障害を持つ保護者にも「ありがとう」の気持ちが伝わる卒園式を実現できます。また子どもたちにとっても、体を動かしながら覚えることで歌詞の定着が早まるというメリットがあります。

  • 👁️ ステップ1:先生が歌いながら聴かせる(笑顔・楽しさを見せる)
  • 🖼️ ステップ2:絵やペープサートで歌詞の情景を視覚化する
  • 🎵 ステップ3:サビから覚え始め、1番→2番の順で広げる
  • ステップ4:手話・振り付けを加えて体全体で覚える
  • 🌟 ステップ5:間違えても止めず、最後まで歌わせて必ず褒める

子どもの集中力が切れているときは無理に練習を続けず、一度中断することも立派な指導判断です。短時間で集中して練習する方が、長時間だらだらと続けるより圧倒的に効率的です。これが原則です。

参考リンク:卒園ソングの歌の指導法・子どもへの指導ポイントが詳しく解説されています

【卒園式の曲】現場で本当に泣けた!保護者が感動する卒園ソング – あつまれ!せんせいのこども園

「さよならぼくたちのほいくえん」歌だけでは終わらない:保育士が卒園式全体をプロデュースする視点

卒園ソングの選曲と指導は、保育士の仕事のほんの一部です。しかし「さよならぼくたちのほいくえん」というこの曲を深く理解することは、卒園式そのものをプロデュースする視点と直結しています。なぜなら、この曲は「子ども・親・保育士の三者が同じ空間で異なる感情を重ね合わせる」という、他の卒園ソングにはなかなか見られない特性を持つからです。

まず押さえておきたいのは、「保護者が泣ける」ことと「子どもが気持ちよく歌える」ことは別の課題だということです。保護者の感動を引き出したいからといって、子どもに「感情を込めて歌いなさい」と大人のように指導すると、子どもらしい自然な歌声が失われてしまいます。感動を作るのは子どもの「一生懸命さ」であり、先生の役割はその一生懸命さを引き出すことです。

また、曲の選択について、作詞家の新沢さん自身が語っているように「目の前の子どもたちの姿に合った曲を選ぶ」ことが最も大切です。毎年同じ曲を惰性で使うのではなく、その年の子どもたちの個性を観察して選曲することで、保育士としての専門性が発揮されます。「さよならぼくたちのほいくえん」はその柔軟性(ほいくえん・ようちえん・こどもえんと歌い替えができること)も含めて、非常に汎用性の高い曲です。

保育士のランキング調査(ほいくis掲載)によると、「卒園式に歌いたい歌」アンケートで「さよならぼくたちのほいくえん・ようちえん」は1位を獲得し、集計票数は25票でした。2位以下の「おおきくなったよ」「ね」「ビリーブ」がそれぞれ7票であることを考えると、この曲がいかに群を抜いた存在であるかが数字で裏付けられています。

さらに踏み込んで考えると、卒園式における歌は「保護者への感謝の手紙」としての機能も持ちます。子どもが「たくさんの毎日をここで過ごしてきたね」と歌う瞬間は、保護者が5〜6年間、毎朝園に子どもを送り出してきた日々への最大の「ありがとう」でもある。その意味を保育士自身が理解して子どもたちを指導しているかどうかで、式全体の温度感は大きく変わります。

最後に一つ、独自視点として付け加えたいことがあります。それは「保育士自身がこの曲で泣いてしまっていいのか」という問いです。現場では「先生が泣いていると子どもが不安になる」という意見もある一方、「先生が泣いているから子どもたちも感動の場だと気づく」という意見もあります。どちらが正解というわけではありませんが、事前に「自分がどこで感情が揺れるか」を練習の中で把握しておくことは、本番での安定したピアノ伴奏・指揮のために欠かせない準備です。涙もプロとしてコントロールする意識を持ちながら、それでも心の奥では子どもたちとともに感動できる保育士でいることが、この歌に込められた精神と一番響き合うのかもしれません。

  • 🏆 卒園式ソング保育士投票1位:「さよならぼくたちのほいくえん」は25票を獲得(2位以下は7票)
  • 📖 関連絵本あり:『さよならぼくたちの ようちえん ほいくえん』(金の星社、2022年)は事前の読み聞かせに最適
  • 🎭 手話バージョンあり:作詞者・新沢としひこさん本人の手話動画が公式公開済み
  • 📅 練習開始時期:卒園式の6〜8週間前からスタートするのが現場の目安

参考リンク:卒園式の定番ソングの特徴・歌詞の背景・活用情報が詳しくまとめられています


さよならぼくたちの ようちえんほいくえん