白雪姫 実写の評価と保育士が知るべき見どころ徹底解説

白雪姫の実写を評価するなら保育士として知っておきたいこと

この映画を「面白くない」と思った子どもの方が、実は感受性が豊かなサインです。

📽️ 実写版『白雪姫』3つのポイント
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公開・制作情報

2025年3月21日公開。監督はマーク・ウェブ、主演はレイチェル・ゼグラー。制作費約2億7,000万ドル(約395億円)の超大作。

評価の現実

Rotten Tomatoesでは批評家スコア約39〜44%と低評価。一方、観客スコアは71〜74%とやや高め。評価が大きく二分された作品です。

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興行と配信

世界興行収入は約2億500万ドルで赤字。約165億円の損失との報道も。ただし2025年6月のDisney+配信後は視聴ランキングNo.1を獲得。

白雪姫の実写版はどんな映画?基本情報とあらすじを確認

 

ディズニーの実写版『白雪姫』は、2025年3月21日に日本でも公開されたミュージカル映画です。監督は『アメイジング・スパイダーマン』シリーズや『(500)日のサマー』で知られるマーク・ウェブが務め、脚本は『バービー』を手がけたグレタ・ガーウィグとエリン・クレシダ・ウィルソンの共同執筆です。

白雪姫役を演じるのは、コロンビア系ラテン系アメリカ人の俳優レイチェル・ゼグラー。邪悪な女王役には、『ワンダーウーマン』で世界的人気を誇るガル・ガドットがキャスティングされています。制作費は約2億7,000万ドル(当時のレートで約395億円)とされ、ディズニーの実写作品の中でも超大型プロジェクトでした。

原作であるディズニーの名作アニメ(1937年)をベースにしつつも、多くの点が現代的な価値観に合わせて再構成されています。たとえば「白雪姫」という名前の由来が「肌が白い」から「吹雪の日に生まれた」へと変更されており、原作の「雪のように白い肌」という設定は採用されていません。また、物語の主軸となる「白馬の王子様」は登場せず、代わりに盗賊の青年ジョナサン(アンドリュー・バーナップ)が重要な役割を担っています。

つまり「アニメと同じ白雪姫」ではありません。

ストーリーとしては、王国を暗闇に染めようとする邪悪な女王に追い詰められた白雪姫が、7人のこびとたちや仲間たちとともに立ち上がるという内容です。白雪姫が「守られる存在」から「自ら立ち向かうリーダー」へと変化している点が、本作の最大の特徴といえます。上映時間は約1時間49分と、子どもと一緒に観やすいコンパクトな長さです。

音楽は「グレイテスト・ショーマン」でおなじみのベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当。アニメ版の名曲もいくつか使われており、映像の美しさとともに音楽のクオリティは多くのレビューで高く評価されています。

ディズニー公式「白雪姫」作品ページ(あらすじ・キャスト情報)

白雪姫の実写評価が賛否両論になった6つの理由

本作がこれほどまでに賛否両論を呼んだ背景には、複数の要因が重なっています。映画単体の出来よりも「公開前からすでに炎上状態だった」という点が評価を大きく左右しました。これは理解しておくべき前提です。

まず大きな火種になったのが、主演のレイチェル・ゼグラーによる発言です。彼女は2022年に1937年のオリジナル版アニメについて「奇妙なラブストーリー」「王子はストーカー」と表現し、「時代遅れ」と語ったことで大炎上しました。「白雪姫を演じる俳優が原作を批判している」という状況が、公開前から多くの反感を呼んでいます。

次に、原作からの大幅な改変が議論になりました。「いつか王子様が」などのオリジナル名曲が使われない点、「小人」という呼称の廃止、そして7人のこびとをCGキャラクターで表現したことが物議を醸しました。CGの小人については「小人症の俳優から仕事の機会を奪った」という批判が上がる一方、「リアルな人物を小人として描くことへの偏見を助長する」という逆の批判もあり、制作側はどちらを選んでも批判を受けるという難しい立場に置かれていました。

厳しいところですね。

さらに、女王役のガル・ガドットがイスラエル出身であることから、映画とは直接関係のない政治的圧力も影響したとされています。ガル・ガドット自身も「興行不振の一因はイスラエル批判の圧力だった」とコメントしています。こうした映画の中身とは無関係な要素が評価に影響したことは、純粋な映画評価として見る際に注意が必要なポイントです。

批評家スコアがRotten Tomatoesで約39〜44%と低かったのに対し、実際に映画館に足を運んだ観客のスコアは71〜74%と大きく異なります。批評家は「炎上ありきで視聴」のケースも多かったとされており、純粋に映画を楽しんだ観客層の評価はそれほど低くありませんでした。意外ですね。

シネマスコアの出口調査では、観客の約70%が女性であり、彼女たちからは「A-」という安定した評価が得られています。特に子ども連れの女性ファン層にとっては、エンターテインメントとして十分楽しめた作品であるという評価が少なくありません。

ハフポスト「ディズニー実写版『白雪姫』がこれほど物議を醸す6つの理由」(炎上の背景を詳しく解説)

白雪姫の実写で評価が高い見どころと好意的な口コミ

酷評ばかりが目立つ本作ですが、実際に観た人々の中には純粋に楽しんだ声も多く存在します。保育士として子どもと一緒に観ることを検討している場合、好意的な評価のポイントを知っておくことは大切です。

まず多くのレビューで共通して高く評価されているのが、映像の美しさです。特に森林の景色や王国の描写は目を見張るものがあるとされており、子どもの視覚的な興味を引き付けるシーンが随所にあります。ドルビーシネマでの上映で観た人からは「音声も映像も圧倒的なクオリティ」との声があがっています。

音楽のクオリティも高い評価を受けています。パセック&ポールが手掛けた楽曲は独自の魅力があり、特にレイチェル・ゼグラーの歌声とガル・ガドットのソロ曲に対する評価は高めです。アニメ版の名曲「口笛を吹いて働こう」なども登場し、親世代が懐かしさを感じられる場面もあります。

これは使えそうです。

ガル・ガドット演じる女王は、本作で最も高い評価を受けているキャラクターです。圧倒的な存在感と美しさ、そして「魔法の鏡よ」のシーンは視覚的なインパクトが強く、多くの観客の記憶に残りました。「女王が出るたびに美しいと思いながら観ていた」という感想が多く見られます。

また、本作に込められたメッセージ、「kindness(優しさ)」と「他者への愛」というテーマは、保育現場で子どもたちに伝えたい価値観と重なります。レイチェル・ゼグラー自身も「白雪姫は優しい心と愛が大切だと伝えている」とコメントしています。難しいポリコレ論争を脇に置けば、子ども向けのテーマ設定として丁寧に作られている部分は確かにあります。

テンポが良く中だるみが少ないという評価も多く、約1時間49分という上映時間は、集中力が続きにくい子どもと一緒に観るうえでもプラスに働く要素です。ただし内容は3〜4歳児よりも、ある程度ストーリーを理解できる5歳以上の子どもに向いていると考えた方が無難です。

2025年6月11日にDisney+での配信が始まると、アメリカをはじめ日本・イギリス・香港など世界各国のデイリーランキングでNo.1を獲得しました。劇場では「炎上ありき」で敬遠されていた層が、配信で改めて視聴し評価を見直すというケースも多かったようです。

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白雪姫の実写と原作アニメの違い|保育士が子どもに説明するポイント

保育士として子どもたちと白雪姫の話をするとき、実写版と1937年のアニメ版、さらにグリム童話の原作との違いを整理しておくことは非常に役に立ちます。比較することで、子どもたちの「なぜ?」という疑問に丁寧に答えられるからです。

まず、1937年のアニメ版との最大の違いは「白雪姫の役割の変化」です。アニメ版の白雪姫は、ふわふわとした愛らしいヒロインとして描かれており、王子様に救われる存在でした。実写版では白雪姫が自ら立ち上がり、王国を救うリーダーとして描かれています。現代の子どもたちに「主体的に行動することの大切さ」を伝えたいのであれば、実写版のメッセージの方がストレートに響くかもしれません。

これが原則です。

グリム童話の「原作」を知っておくのもポイントです。グリム童話版では、白雪姫はお妃(継母)に3回も命を狙われており、物語の結末も王子のキスではなく「棺を運ぶ途中に毒が外れて目覚める」という描写になっています。アニメ版のハッピーエンドなキスの場面は、ディズニーが児童向けに大幅に書き換えたものです。つまりディズニーは昔から「原作改変をしてきた映画会社」であるという見方もできます。

比較ポイント グリム童話(原作) アニメ版(1937年) 実写版(2025年)
白雪姫の名前の由来 雪のように白い肌 吹雪の日に生まれたから
王子様の存在 登場するが主役ではない ロマンスの核心 「盗賊の青年ジョナサン」として登場
目覚める理由 棺の衝撃で毒が外れる 王子のキス 愛によるキス(踏襲)
白雪姫の主体性 受動的 能動的・リーダー像
7人のこびとの描写 テキスト描写 実際のキャラクター モーションキャプチャーCGI

子どもが「なんで王子様が出てこないの?」と聞いてきたとき、「今の白雪姫は自分で頑張るお姫様なんだよ」と伝えるだけで、自然と自己肯定感や主体性の大切さについての会話につなげることができます。映画の一場面がきっかけで子どもと深い対話が生まれる。これが保育の現場で映画を活用することの醍醐味です。

なお、実写版に登場するCGIの7人のこびとは、モーションキャプチャー技術で制作されています。映像として「完全にCGで違和感がある」という批判もありましたが、実際のリアクションとしては「それほど気にならなかった」という声も少なくありません。子どもはそもそも「作り物かどうか」よりも「キャラクターが面白いかどうか」で判断する傾向が強いため、こびとの描写は大人が気にするほど子どもには問題にならないケースが多いです。

小学館HugKum「『白雪姫』のあらすじ|グリム版とディズニー版の違いを解説」(子どもへの説明にも役立つ情報)

白雪姫の実写を保育現場で活用する独自の視点|感情教育につなげる方法

この映画を「賛否両論の話題作」として大人が議論するだけでなく、保育士として子どもの感情教育や道徳的な語りかけに活かせないか、という視点はほとんど語られていません。そこが最も実用的な観点です。

実写版の白雪姫には、保育現場で使いやすいテーマが複数含まれています。たとえば「嫉妬」という感情です。邪悪な女王は「白雪姫の方が自分より美しい」という魔法の鏡の言葉に嫉妬し、命まで奪おうとします。この場面は「うらやましいという気持ちはどこから来るの?」「嫉妬してしまったとき、どうすれば良いの?」という問いかけのきっかけになります。保育士が映画を観てから子どもと話し合いの時間を設けると、感情を言語化する力を育む活動につながります。

また「kindness(優しさ)」のテーマも、本作を通じて子どもたちに伝えやすいものです。白雪姫がこびとたちと出会い、信頼を築いていく過程は「助け合い・思いやり」の場面として子どもに印象を残します。「白雪姫はこびとたちにどんなことをしてあげたと思う?」と問いかけるだけで、自然な道徳的対話が生まれます。

🎯 保育現場での活用アイデア

  • 🎨 映画後に「一番好きな場面」を絵に描いてもらい、その理由を聞く(表現・言語化の練習)
  • 🗣️ 「女王はどんな気持ちだったと思う?」と問いかけて感情の言語化を促す(共感力・感情教育)
  • 📖 グリム童話の絵本版と比較しながら「どこが違うかな?」と話し合う(比較・思考力の育成)
  • 🎵 劇中の歌を一緒に歌う(音楽・ことばのリズム体験)

「子どもが映画を嫌いだった」も立派な感想です。なぜ楽しくなかったかを一緒に考えることで、批判的思考力や自己表現力を育む機会になります。子どもが「つまらなかった」と言ったとき、それを否定せずに「どこがつまらなかった?」と返せる保育士のスタンスが、子どもの表現力を伸ばします。

「なんとなく感じた不快感」を言葉にすること自体が、非常に高度な思考活動です。

一方で、実写版の評価を巡る「炎上」や「ポリコレ批判」の話題は、子どもの前では不要です。大人の政治的・社会的文脈の話は子どもには関係がなく、純粋に映画のストーリーや音楽、キャラクターを楽しむ場として設定するのが保育士としての正しいスタンスです。

保育士が事前にあらすじと主なテーマを把握した上で子どもと一緒に視聴することが、この映画を最も豊かに活用する方法といえます。Disney+での配信が開始されているため、保育施設の環境によっては映像保育の場面で活用することも選択肢の一つです(著作権や施設の規程を必ず確認してください)。

映画を「鑑賞」で終わらせず「対話の起点」として使う。それが保育士ならではの映画の楽しみ方です。


白雪姫 (吹替版)