幼稚園教諭免許の更新を問い合わせる前に知っておきたいこと
免許証に有効期限が書いてあっても、今はその期限は無効です。
幼稚園教諭免許の更新制度廃止とはどういうことか
2009年4月1日から始まった教員免許更新制は、約13年間にわたって幼稚園教諭を含む教員全体に適用されてきました。この制度のもとでは、免許に10年間の有効期限が設けられており、期限前に30時間以上の更新講習を受講・修了し、都道府県教育委員会へ申請する必要がありました。しかし、2022年7月1日の法改正によって「発展的解消」という形でこの制度は廃止されています。
廃止の主な理由は3点あります。まず、更新講習の受講に充てる時間の確保が難しいという問題で、文部科学省の調査では全体の84.7%が講習時間に負担を感じていたと報告されています。次に、受講費用についても全体の87.0%が負担に感じていたというデータがあります。現場の実態と制度の実効性に大きなずれがあったわけです。さらに、更新の手続き漏れによる「うっかり失効」が教員不足を深刻化させるリスクも指摘されていました。
つまり廃止ということですね。
2022年7月1日時点で有効な免許状を持っている方は、免許状に有効期限が印字されていても、その期限はもはや効力を持ちません。新卒で取得した保育士資格と幼稚園教諭免許を両方持っているという方も多いと思いますが、保育士証には有効期限がなく更新不要の仕組みと同様に、幼稚園教諭免許も今後は生涯有効になっています。
参考:教員免許更新制廃止の背景や手続きの詳細について
幼稚園教諭免許の有効期限を確認する方法:新免許と旧免許の見分け方
手元にある免許状が「有効」なのか「失効」しているのかを確認するには、まず「新免許状」か「旧免許状」かを判別する必要があります。これが後の手続きで大きく影響するため、まず確認しておきましょう。
2009年4月1日以降に初めて授与された免許が「新免許状」、それ以前に授与された免許が「旧免許状」です。新免許状には免許状の裏面に「有効期間の満了の日」が記載されています。はがきを横向きにしたくらいのサイズの免許状の裏側に、年月日が印字されているイメージです。旧免許状にはこの記載がありません。
有効・失効の確認は次のとおりです。
- ✅ 新免許状で、裏面の有効期間満了日が2022年7月1日以降:手続き不要、生涯有効
- ✅ 旧免許状で、修了確認期限が2022年7月1日以降:手続き不要、生涯有効
- ⚠️ 新免許状で、有効期間満了日が2022年6月30日以前:失効の可能性あり→再授与申請が必要
- ⚠️ 旧免許状で、修了確認期限が2022年6月30日以前かつ現職教員だった:失効の可能性あり→再授与申請が必要
- ✅ 旧免許状で、修了確認期限前に現職教員でなかった(非現職):休眠状態として自動的に有効
旧免許状の「修了確認期限」が分からない場合は、文部科学省のホームページにある確認ツールで生年月日を入力すれば調べられます。これなら問い合わせをする前に自分で確認できます。
参考:有効期限の確認ツールや旧免許状の修了確認期限の調べ方
幼稚園教諭免許の更新・再授与の問い合わせ先はどこか
保育士として働いている方が「幼稚園教諭免許の更新」について問い合わせたい場合、問い合わせ先は各都道府県の教育委員会です。文部科学省が制度の管轄をしていますが、実際の申請受付・手続き対応・証明書の発行はすべて都道府県レベルで行われています。
問い合わせ先が都道府県の教育委員会というのが原則です。
主要な都道府県の問い合わせ先は以下のとおりです。
| 都道府県 | 担当部署 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 北海道 | 教職員局教職員課人事制度・免許係 | 011-204-5718 |
| 東京都 | 人事部選考課免許担当 | 03-5320-6788 |
| 神奈川県 | 行政部教職員企画課 | 045-210-1111(内線8140等) |
| 埼玉県 | 教職員採用課総務・免許担当 | 048-830-6674 |
| 千葉県 | 教育振興部教職員課免許班 | 043-223-4046 |
| 大阪府 | 教職員室教職員企画課免許グループ | 06-6944-6180 |
| 愛知県 | 教職員課教員免許グループ | 052-954-6772 |
| 福岡県 | 教職員課 | 092-643-3894 |
全都道府県の連絡先と担当部署は、文部科学省の「免許状授与手続窓口一覧」ページに一覧でまとめられています。再授与手続きを検討している場合は、電話する前にそちらのページで最新の担当部署名と連絡先を確認するのがスムーズです。
なお、問い合わせの内容によっては「どの都道府県の教育委員会に電話すればよいか」という点で迷うこともあります。基本的には現在住んでいる都道府県、または現在勤務している施設がある都道府県、あるいは免許状を取得した(授与を受けた)都道府県のいずれでも問い合わせが可能です。ただし、再授与として書類の省略などの便宜を受けたい場合は、当初免許を授与された都道府県の教育委員会への問い合わせが推奨されています。
参考:全都道府県の問い合わせ窓口・電話番号・担当部署の一覧
幼稚園教諭免許の失効後に必要な再授与手続きの流れと費用
免許が失効している状態であることが確認できた場合は、再授与申請の手続きに進む必要があります。手続きの流れを整理しておきましょう。
まず「失効確認」を行います。失効していることを確認してから、「再授与申請」の書類を準備します。申請先はどの都道府県でも可能ですが、当初免許を授与された都道府県に申請すれば書類の省略ができる場合があります。免許を授与された都道府県が遠方である場合は、現住所または勤務先がある都道府県の教育委員会に相談してみましょう。
- 📌 Step 1:手元の免許状を確認し、失効しているかどうかを判定する
- 📌 Step 2:申請先の都道府県教育委員会に問い合わせ、必要書類を確認する
- 📌 Step 3:申請書類を準備し、郵送または窓口で申請する(電子申請も対応している都道府県あり)
- 📌 Step 4:申請受理後、約2か月で新しい免許状が発行される
費用面では、申請手数料が1種類あたり3,300円程度(各都道府県の条例による)かかります。コーヒー1杯分より少し高い程度の出費で生涯有効な免許状を取り戻せる計算です。ただし2月から5月にかけては申請が集中するため、発行まで通常の約2か月よりさらに時間がかかる都道府県もあります。転職や就職活動の予定がある方は余裕を持って申請することが大切です。
また、失効している免許状を「失効したまま」教育職に就くことはできません。失効した状態の職員を働かせた幼稚園側には30万円以下の罰金が科せられる場合があります。これは保育士として勤務している方も他人事ではありません。認定こども園への転職を考えている方が幼稚園教諭免許を必要とするケースはよくあるため、早めに状態を確認しておくことが重要です。
参考:再授与申請の要件や手順(文部科学省)
保育士が幼稚園教諭免許の問い合わせをすべきタイミングと活用法
保育士として保育所に勤務している方の中には、「幼稚園教諭免許は持っているけれど今は使っていないから問い合わせは不要」と思っている方もいるかもしれません。しかしそれは損かもしれません。
近年、認定こども園の数は急増しており、幼保連携型認定こども園での勤務には保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方が原則として必要です。つまり、幼稚園教諭免許を有効な状態に保っておくことで、転職や就職の選択肢が大幅に広がります。これが条件です。
問い合わせや手続きを検討すべきタイミングは以下のような場面です。
- 🔔 認定こども園への転職を検討しはじめたとき
- 🔔 現在の保育所が認定こども園に移行する予定があるとき
- 🔔 幼稚園教諭免許を取得していたが長期間使っていないと気づいたとき
- 🔔 育休・産休明けの復職を前に、免許の状態を確認したいとき
免許の状態を整理せずに転職活動を進めると、内定後に「免許が失効していた」と発覚して採用プロセスが止まるというケースもあります。採用してから失効が発覚すると、園側にとっても教員の交代が必要になるため大きな問題です。
また、もし免許が失効していたとしても、現行の手続きでは更新講習の受講が不要です。2022年7月の制度廃止以降、再授与の申請手続きは以前に比べて大幅に簡素化されています。以前の制度では、失効した場合には30時間以上の更新講習を受講し直した上で申請するという負担があったことを考えると、今は格段にハードルが低くなっています。
転職を視野に入れているなら、まず免許の状態を確認することを1つの行動にしておきましょう。確認するだけなら費用はかかりません。
参考:幼稚園教諭免許と保育士資格の関係、認定こども園での活用について
こども家庭庁「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例」

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