山の音楽家 歌詞 5番を保育士が深く知る方法

山の音楽家の歌詞5番を保育士が知っておくべきすべて

5番まで全部歌うと、保育士試験では逆に減点対象になります。

📋 この記事でわかること
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歌詞1〜5番の全内容と5番の意味

1番(リス)から5番(山の仲間)まで、各番の登場動物・楽器・擬音をすべて解説。5番が「合唱フィナーレ」である理由とは?

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ドイツ民謡としての背景・原曲との違い

原曲「Ich bin ein Musikante」には動物が1匹も登場しない。水田詩仙が施した大胆なアレンジの全容を解説します。

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保育現場&試験での正しい使い方

2026年保育士試験課題曲としてのルール確認と、年齢別の保育活用アイデアを具体的に紹介します。

山の音楽家の歌詞5番「山の仲間」の内容と意味

 

「山の音楽家」の歌詞は、全部で5番まであります。1番から4番までは、それぞれ特定の動物がソロで楽器を披露する構成ですが、5番だけは少し趣が異なります。5番の主役は「山の仲間」、つまり1〜4番に登場したすべての動物たちが一堂に会したアンサンブルのシーンです。

5番の歌詞はこのようになっています。

  • わたしゃ音楽家 山の仲間
  • 上手にそろえて 弾いてみましょう
  • タタ タン タン タン(×4)
  • いかがです

「タタ タン タン タン」という擬音は、それまでの1〜4番がそれぞれの楽器の特性を活かした音(キュキュ・ポポポロン・ピピ・ポコポン)だったのとは対照的に、複数の楽器が合奏したときのリズムをまとめて表現しています。これは打楽器的でシンプルなリズムで、合奏のダイナミズムをわかりやすく表しているといえるでしょう。

5番が「締めくくり」であることを覚えておけばOKです。

子どもたちにとって、5番は「みんなで一緒に演奏する場面」として非常に直感的に理解できます。1〜4番でそれぞれの動物の個性を楽しんだあと、5番で全員が揃う流れは、音楽的に自然なクライマックスを形成しています。保育の場でも「最後はみんなで合わせよう!」という雰囲気が子どもたちに伝わりやすく、クラス全体で盛り上がれる番です。

なお、5番に登場する「山の仲間」という表現について、一部の資料では「ぼくたちゃ音楽家 山の仲間」という歌詞も確認されています。これは歌い方のバージョンによる違いであり、どちらも正しい日本語版として存在しています。歌詞のバリエーションは複数あることが基本です。

  • 1番:山のこりす → バイオリン(キュキュ キュッキュッキュ)
  • 2番:山のうさぎ → ピアノ(ポポ ポロンポロンポロン)
  • 3番:山の小鳥 → フルート(ピピ ピッピッピ)
  • 4番:山のたぬき → 太鼓(ポコ ポン ポン ポン)
  • 5番:山の仲間 → 合奏(タタ タン タン タン)

この順番を頭に入れておくと、保育のなかで「次は誰が出てくるかな?」という問いかけも自然にできます。


参考:歌詞5番を含む全番の歌詞確認に最適なサイト(うたごえサークルおけら)

山の音楽家 全歌詞(うたごえサークルおけら)

山の音楽家の原曲・ドイツ民謡との違いを知る

「山の音楽家」はドイツ民謡を原曲としていますが、日本語バージョンと原曲のあいだには、実はかなり大きな違いがあります。これは意外ですね。

原曲のドイツ語タイトルは「Ich bin ein Musikante(イッヒ・ビン・アイン・ムジカンテ)」で、直訳すると「私は音楽家」となります。この曲の起源は19世紀前半にさかのぼり、当時プロイセン領だったシレジア地方で採取された民謡とされています。1838年に出版された楽譜集に収録されており、200年近い歴史を持つ曲です。

原曲には動物が1匹も登場しません。かわりに、シュヴァーベン地方出身の音楽家たちが、トランペット・バイオリン・ティンパニ・クラリネット・フルート・ピアノ・トライアングル・ファゴット・ドラムといった楽器を「自分は演奏できる」と披露していく内容で、全9番まであります。

日本語版は5番構成で、全9番の原曲から5番分を抜粋・翻案した形です。さらに、水田詩仙(みずたしせん)による日本語詞では、演奏者がすべて「山の動物」に置き換えられました。リスがバイオリン、うさぎがピアノ、小鳥がフルート、たぬきが太鼓という設定は、子どもたちが親しみやすいよう意図的に変更されたものです。つまり、「山の」という要素そのものが水田詩仙の創作です。

これは使えそうな情報ですね。

日本では1964年4月〜5月にNHKの音楽番組「みんなのうた」で初放送されました。編曲を服部克久、歌唱をダークダックスが担当し、映像はグループクレアードが制作した人形アニメが使われました。その後、1947年(昭和22年)の国定教科書への採択もあり(戦前から日本語歌詞が存在していたとの記録もあります)、今日に至るまで幼稚園・保育園で広く歌われる定番曲として定着しています。

また、原曲の「Ich bin ein Musikante」からは英語版「I Am The Music Man」や、スウェーデン夏至祭で使われるフォークダンス曲「Vi äro musikanter」などにも派生曲が存在します。一つの民謡が国境を越えてさまざまな形に変化していったことは、音楽の普遍的な力を示しているといえるでしょう。


参考:原曲「Ich bin ein Musikante」の歌詞と歴史的背景の詳細

山の音楽家 原曲 Ich bin ein musikante|世界の民謡・童謡

山の音楽家の歌詞5番を使った保育活動のアイデア

「山の音楽家」は2歳児から5歳児まで幅広い年齢層で活用できる歌です。特に5番の「山の仲間」は、クラス全体で動く活動のフィナーレとして使うと非常に効果的です。

年齢ごとの活用アイデアは以下の通りです。

  • 2〜3歳児:1番のリスのキュキュキュをまねするだけでOK。全番を通す必要はなく、擬音だけで十分楽しめます。5番に向けて「みんなで合わせる」という概念の芽生えになります。
  • 4歳児:各番の動物になりきって動作をつける。リスなら弓を持つしぐさ、うさぎなら鍵盤を弾くしぐさなど、身体全体で楽器を表現させます。5番では全員が好きな楽器ポーズを取りながら合奏するシーンを再現できます。
  • 5歳児:「自分だけの6番を考えよう」という発展活動が有効です。「やまのきつね じょうずに〇〇 ひいてみましょう」のように、動物と楽器と擬音をセットで子ども自身が考えます。

5番を活用した「合奏ごっこ」は、特に4〜5歳児クラスで人気の活動です。

1番から4番まで各動物グループに分かれて演奏ごっこをしたあと、5番で全員が集まってアンサンブルするという流れを作ると、協調性の育成という観点からも非常に効果的です。「みんなで一緒に演奏するとどんな音になるか」という問いかけは、子どもたちの想像力を大きく刺激します。

楽器の擬音を声で表現する活動は、言語発達の観点からも有益です。擬音語(オノマトペ)を豊富に使うことで、日本語の表現力が育まれます。「キュキュ」「ポロン」「タタタン」といった音の多様性に気づかせることも、保育者の重要な役割です。

さらに、この曲は「秋」との相性が特に良い曲です。10〜11月の落ち葉の季節に、山の動物たちが音楽会を開くというイメージは、季節感のある絵本の読み聞かせや制作活動とも連動しやすくなっています。たとえば、動物の絵を描いてペープサートを作り、歌に合わせて登場させるという活動は、表現・言語・音楽の3つの領域を同時に育てられる優れた複合活動です。


参考:年齢別のねらい・導入の仕方の詳細

やまのおんがくか|年齢別ねらいと振り付き動画(ほいくnote)

山の音楽家の歌詞5番と2026年保育士試験の注意点

「山の音楽家」は、2026年(令和8年度)保育士試験の実技試験「音楽に関する技術」の課題曲の1つに指定されています。もう1曲は「うれしいひなまつり」です。これは保育士を目指す人にとって、見逃せない情報です。

試験に関して特に重要なのは、歌唱は1番のみとするというルールです。5番の歌詞を知っていても、試験で全番歌うことは規定違反になりますので注意が必要です。島村楽器の公式情報によれば、試験の規定には以下が記載されています。

  • ⚠️ 歌詞は1番のみとする
  • ⚠️ 移調してもよい(ハ長調ト長調ヘ長調など)
  • ⚠️ 前奏・後奏をつけてもよい
  • ⚠️ 採点は50点満点・30点以上で合格
  • ⚠️ 伴奏のみ・歌のみ・メロディーラインのみの演奏は採点対象外

つまり、「弾き歌い」として成立していることが必須条件です。「伴奏だけで歌わない」「歌うだけでピアノを弾かない」というやり方は、たとえ上手くても採点されません。これが条件です。

ピアノ楽譜についても選択肢が豊富にあります。初級(ハ長調・単音)、中級(ヘ長調・ト長調)、上級(服部克久編曲のオリジナル版に近いもの)など、複数のグレードが市販されています。ピアスコア(Piascore)やat-elise、kokomuなどのオンライン楽譜ストアで購入できるため、自分のレベルに合ったものを選ぶとよいでしょう。

また、「山の音楽家」の旋律上の難所として挙げられるのが、1番の「キュキュ キュッキュッキュ」と続く速いフレーズ部分です。指が混乱しやすい箇所で、4指から1指への指替えが必要になります。楽譜選びの際は、指番号が記載されているものを選ぶと練習効率が上がります。

試験勉強の観点から見ても、5番までの歌詞全体を理解しておくことは意味があります。試験に出るのは1番のみですが、曲全体の流れを知っていることで、1番の演奏にも深みが出ます。また、合格後に実際の保育現場で子どもたちに教える際には、5番まで含めた全体の構成を把握していることが確実に役に立ちます。


参考:2026年保育士試験 実技・音楽の規定と課題曲情報

山の音楽家の歌詞5番にみる「独自の保育観」への発展的考察

ここからは、検索上位の記事にはあまり書かれていない視点を掘り下げます。5番の「山の仲間」が合奏のシーンであることには、保育の哲学としての深みがあります。

「山の音楽家」は基本的に、1番から4番まで各動物が「じょうずに〇〇、ひいてみましょう」と自信満々に宣言して演奏を披露する構成です。それぞれが異なる楽器を使い、異なる音を出します。そして最後の5番では「山の仲間、じょうずにそろえてひいてみましょう」と、全員が一緒に演奏します。

この構造は、保育における「個の尊重」と「集団での協調」という2つの価値観を、音楽的に見事に表現しています。1〜4番で各自の得意なことを発揮し、5番で全員が協力して一つの音楽を作り上げるという流れは、保育所保育指針が掲げる「自立と協調の育成」にも通じます。

5番は「個」から「集団」へ向かうストーリーの完結です。

また、5番の擬音「タタ タン タン タン」は、実は個別の楽器音ではなく、複数の音が重なった際の「トータルなリズム」を表しています。この「合わさった音はひとつのリズムになる」という体験は、子どもたちが「一緒にやると何かが生まれる」という感覚を身体で理解する最初の機会になり得ます。

さらに発展させると、5番を使ってグループ別「合奏発表会」を企画することもできます。各グループが1〜4番のいずれかの動物を担当し、最後に5番は全グループが合流してパフォーマンスするという舞台形式です。楽器のおもちゃや手作り打楽器(紙コップ・ペットボトルなど)を使えば、費用をほぼかけずに実施できます。紙コップ1個約5円前後のコストで、本格的な合奏体験が作れます。これは使えそうです。

このように「山の音楽家」の5番は、ただ「歌詞の最後の番」というだけでなく、保育の哲学そのものを映しているといっても過言ではありません。歌詞全体を通して理解することで、保育者としての活用の幅が確実に広がります。


参考:保育所保育指針における音楽表現と協調性の育成

子どもが夢中になるリズム遊び。保育に役立つ楽器やゲームを紹介|保育士バンクコラム

山の時刻(とき)