変ロ長調の音階をピアノで弾く保育士向け完全ガイド
変ロ長調の音階は、フラットが2つの調なのに、実は白鍵だけの曲より指が転びにくく上達が早い調です。
変ロ長調の音階の構成音と調号を理解する
変ロ長調(B♭ Major・B Dur)は、シ♭(変ロ音)を主音とする長調です。音階の構成音は次の通りで、「シ♭-ド-レ-ミ♭-ファ-ソ-ラ-シ♭」の8音から成り立っています。これを日本語音名で示すと「変ロ・ハ・ニ・変ホ・ヘ・ト・イ・変ロ」となり、英語では「B♭・C・D・E♭・F・G・A・B♭」です。
調号はフラットが2つで、「シ(B)」と「ミ(E)」に付きます。楽譜の先頭でフラットを2か所確認したら、それがすなわち変ロ長調のサインです。保育士試験の筆記科目「保育実習理論」では、♭系の調として「ヘ長調(♭×1)→変ロ長調(♭×2)→変ホ長調(♭×3)」という順番で出題されます。「フラットはへ・ロ・ホ」という語呂合わせで覚えれば、試験本番で迷いません。
| 階名 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 音名(ドレミ) | シ♭ | ド | レ | ミ♭ | ファ | ソ | ラ | シ♭ |
| 英語表記 | B♭ | C | D | E♭ | F | G | A | B♭ |
| 日本語音名 | 変ロ | ハ | ニ | 変ホ | ヘ | ト | イ | 変ロ |
五度圏(サークル・オブ・フィフス)での変ロ長調の位置は「10時の方向」に当たります。近親調には平行調のト短調、属調のヘ長調、下属調の変ホ長調などがあります。つまり変ロ長調が分かると、関連する複数の調への理解も一気に深まります。
長音階の並びかたは「全音-全音-半音-全音-全音-全音-半音」という規則に従っています。シ♭からこの規則で音を並べると、ミに必ず♭が付くことが自然に導き出せます。仕組みを一度理解すれば、暗記だけに頼らずに済みます。
保育士試験の過去問(平成30年度後期)では「変ロ長調の調号は、フラットが3つである→×」という問題が出題されています。正解はフラット2つで、この1点が合否を左右することもあります。「♭2つ=変ロ長調」だけは確実に覚えておきましょう。
変ロ長調の調号・構成音が基礎から学べる解説ページです。
変ロ長調の音階を弾く正しい指番号(運指)の覚え方
変ロ長調の音階練習で、最初に戸惑うポイントが「どの指から弾き始めるか」という問題です。多くの方がハ長調と同じ感覚で親指(1)から始めようとしますが、それは誤りです。黒鍵から始まる音階の場合、右手上行と左手下行は人差し指(2)からスタートするのが正しい運指の原則です。
右手の運指は次のとおりです。シ♭を2で弾き始め、ドを1で受け取ります。レ・ミ♭・ファを2・3・4と続け、ソを1にくぐらせてから、ラ・シ♭を2・3で弾き上がります。
- 🎹 右手上行:2-1-2-3-4-1-2-3(シ♭→ド→レ→ミ♭→ファ→ソ→ラ→シ♭)
- 🎹 右手下行:3-2-1-4-3-2-1-2(シ♭→ラ→ソ→ファ→ミ♭→レ→ド→シ♭)
- 🎹 左手上行:3-2-1-4-3-2-1-2(シ♭→ド→レ→ミ♭→ファ→ソ→ラ→シ♭)
- 🎹 左手下行:2-1-2-3-4-1-2-3(シ♭→ラ→ソ→ファ→ミ♭→レ→ド→シ♭)
上行で指をくぐらせるのは「シ♭→ド」の間、つまり黒鍵から白鍵に移るタイミングです。下行で指をまたがせるのも同じ「ミ♭→レ」付近になります。黒鍵と白鍵の切り替えポイントで指の交差が起きるのが、この音階の特徴です。
「黒鍵→白鍵のときに指を返す」というのが音階運指の基本原則です。鍵盤の黒鍵は白鍵より高い位置にあるため、黒鍵を弾くときは手のひらと鍵盤の間に自然な空間が生まれます。親指がくぐりやすくなるタイミングを利用する、というわけです。
また、親指(1)は黒鍵に乗せないことも重要なルールです。親指はもともと短く低い位置にあるため、黒鍵を弾くには不向きな指とされています。中指や薬指の方が自然に黒鍵に届く構造になっているので、その性質を活かした指使いを覚えることがカギです。
指番号を覚える前に鍵盤から離れて、指だけを動かしてシミュレーションするのも有効です。「2-1-2-3-4-1-2-3」と口で言いながら指を動かすと、感覚が定着しやすくなります。これは実際のレッスンでも使われている方法です。
変ロ長調を含む各音階の詳しい指使いの原則が学べます。
Phonim Music:ピアノで音階を極める!様々な音階と指使いを知ろう
変ロ長調の音階練習を保育士がスムーズに習得するコツ
変ロ長調は、フラットが2つという見た目の複雑さから「難しそう」と感じてしまう人が多い調です。ところが実際には、黒鍵を有効に使うことで指の動きがむしろ安定しやすく、正しく練習すれば上達が早い調でもあります。保育士として現場で弾き歌いをする際にも、比較的安定したタッチで演奏できるという利点があります。
まず習得ステップを整理すると、次のような順序が効果的です。
- 📌 ステップ1:指番号の確認 鍵盤に触れる前に「2-1-2-3-4-1-2-3」を頭と指で覚える
- 📌 ステップ2:片手ずつゆっくり 右手→左手の順で、1音ずつ丁寧に音を確認しながら弾く
- 📌 ステップ3:ミスゼロで1オクターブ 止まっても良いので、正しい指番号のまま1オクターブを通す
- 📌 ステップ4:2オクターブへ拡大 1オクターブが安定してきたら2オクターブに伸ばす
- 📌 ステップ5:両手合わせ テンポを落とした状態で両手を揃え、ズレを確認しながら合わせる
「止まらずに弾く」ことよりも「正しい指番号で弾く」ことを優先しましょう。焦ってテンポを上げると、間違った運指が体に染みついてしまうリスクがあります。スローテンポでの正確な練習が最短ルートです。
手の甲が傾かないよう、なるべく水平に保つことも意識したいポイントです。黒鍵を弾くときに手首が内側に傾きがちですが、この状態では次の音に移りにくくなります。手の甲を天井に向けるイメージで平行を保つと、指の動きが安定します。
練習時間については、1日20〜30分の集中した練習を毎日続けることが、週に1〜2時間まとめて練習するよりも効果的とされています。忙しい保育士の日常でも、朝の10分と夜の10分を確保するだけで継続的な進歩が感じられます。毎日続けることが条件です。
片手ずつの練習をしっかり行った後に両手合わせを始めることも重要です。片手の運指が完全に身についていない段階で両手を合わせようとすると、両方の精度が落ちてしまいます。右手と左手それぞれで「無意識に弾けるレベル」まで仕上げることが、効率良い習得の鍵です。
変ロ長調音階の具体的な運指を楽譜と鍵盤図で確認できます。
変ロ長調の音階が保育士試験の筆記と実技の両方で役立つ理由
変ロ長調は保育士にとって「ただのピアノ練習」ではありません。筆記試験と実技試験の両面で直結する知識だという点が、この調を優先的に学ぶ大きな理由です。
筆記試験(保育実習理論)では、毎年「調に関する問題」が出題されています。特に問6では「〇長調の階名〇は、音名〇である」「〇長調の調号は♭が〇つである」という形式の正誤問題が定番です。変ロ長調は♭系の7調(ヘ長調・変ロ長調・変ホ長調)の中の1つとして確実に出題範囲に含まれており、「変ロ長調=♭2つ(シ♭とミ♭)」という事実は確実に押さえておく必要があります。
- 📋 筆記(保育実習理論)での出題例:「変ロ長調の調号は、フラットが3つである→×(正解は2つ)」(平成30年後期実際出題)
- 📋 移調問題への応用:「ある曲をハ長調から変ロ長調に移調すると調号はどう変わるか」といった形式でも出題される
- 📋 階名と音名の変換:「変ロ長調の階名ファは、音名変ホ(ミ♭)である→○」という問題も過去に出題
試験で出る7つの調は「ハ・ト・ニ・イ(♯系)」と「ヘ・変ロ・変ホ(♭系)」です。この7つを覚えれば、音楽問題の大半に対応できます。
実技試験(音楽)では、ピアノ・ギター・アコーディオンのいずれかで課題曲2曲を演奏します。現行の試験では指定された調での演奏が求められ、保育現場での弾き歌いでも変ロ長調の曲は実際に登場します。変ロ長調は、トランペットやクラリネットなどB♭管の管楽器の基本調であるため、合奏の場面でも多く使われます。現場でそのまま役立つ知識です。
また、保育士が現場で求められるピアノスキルは「バイエル修了程度」が一般的な目安とされています。バイエル教則本の後半(99番あたり)にも変ロ長調の音階練習が登場しており、変ロ長調の習得はバイエル修了のゴールに直結しています。つまり変ロ長調が弾けることは、採用基準をクリアする証にもなります。
保育士試験に出る7つの調の調号と覚え方が詳しく解説されています。
変ロ長調の音階を活かした弾き歌いへの独自応用法
ここからは、検索上位にはあまり出てこない実践的な視点をお伝えします。変ロ長調の音階練習を、単なる「技術トレーニング」で終わらせず、保育現場での弾き歌いに直接つなげる応用方法があります。これを知ることで、練習の目的意識が高まり、習得スピードも上がります。
変ロ長調の音階を習得すると、同じ調のコード(和音)への理解が深まります。変ロ長調の基本コードは「B♭(シ♭・レ・ファ)」「F(ファ・ラ・ド)」「E♭(ミ♭・ソ・シ♭)」の3つです。これがⅠ・Ⅴ・Ⅳというコード進行の基礎になっており、この3コードだけで多くの保育歌の伴奏が成立します。
- 🎵 Ⅰ(B♭):シ♭・レ・ファ → 曲の中心となる「ホーム」の和音
- 🎵 Ⅴ(F):ファ・ラ・ド → 緊張感を与えてⅠに戻りたくなる和音
- 🎵 Ⅳ(E♭):ミ♭・ソ・シ♭ → 曲に広がりと安定感を加える和音
音階を弾くときに「このラがⅥコードの根音になる」などと意識しながら練習すると、音と和音の関係が身体に染みついていきます。これは応用が広い知識です。
もう一つの応用として、「移調」の練習への足がかりにするという方法があります。保育現場では、楽譜通りの調が子どもたちの声域に合わない場合に、別の調に変えて弾くことがよくあります。変ロ長調を習得しておくと、「この曲をハ長調から変ロ長調に移して弾いてみよう」という移調奏の練習がスムーズにできるようになります。保育士の実際の働き方に直結するスキルです。
また、変ロ長調の音階は「ヘ長調の音階と共通する音が多い」という特徴があります。ヘ長調の調号はシ♭のみで、変ロ長調はシ♭とミ♭の2つです。つまり変ロ長調の音階は「ヘ長調に♭をもう1つ加えた形」とも言えます。ヘ長調が弾けている方なら、追加のミ♭を意識するだけで変ロ長調に入りやすくなります。つまり順序として「ハ長調→ヘ長調→変ロ長調」と段階的に練習することが、最も無駄のない習得経路です。
このような構造への理解が深まると、楽譜を見た瞬間に「シ♭とミ♭が付いているから変ロ長調だ」と識別できるようになります。楽譜が速く読めると、弾き歌いの準備時間が大幅に短縮されます。忙しい保育士の現場で、1曲でも早く仕上げられるのは大きな時短メリットです。
変ロ長調の音階を起点にコード・カデンツまで体系的に学べる解説記事です。
けんばんとくらす:変ロ長調の徹底解説(コード・近親調まで)

オイレンブルクスコア シューマン 交響曲第1番 変ロ長調 作品38 《春》 (オイレンブルク・スコア)

