喜びの歌 歌詞 日本語で知っておきたい保育士のための完全ガイド
「喜びの歌」の歌詞は”喜び”ではなく、元々”自由”の歌として書かれた詩が原型です。
喜びの歌の日本語歌詞は「岩佐東一郎版」と「小見山葉子版」の2種類がある
保育の現場で「喜びの歌」と言うとき、実は2つまったく異なる歌詞を指していることがあります。混同したまま使っていると、卒園式の選曲で大きく方向性がずれてしまうため、まず整理が必要です。
1つ目は、詩人・岩佐東一郎が1947年(昭和22年)に作詞した文部省唱歌の「よろこびの歌」です。ベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章、いわゆる「歓喜の歌」のメロディーに、日本の子どもたちが歌いやすいよう日本語歌詞を乗せたものです。歌詞は「晴れたる青空 ただよう雲よ / 小鳥は歌えり 林に森に / こころはほがらか よろこびみちて / 見かわす われらの明るき笑顔」で始まり、自然の美しさと人々の幸せを素直に表現しています。原曲の宗教的・政治的な要素は一切含まれておらず、昭和22年から約40年以上にわたって小中学校の音楽教科書に掲載されていました。1995年(平成7年)の学習指導要領改訂による共通教材廃止に伴い教科書からは姿を消しましたが、現在も各種曲集に収録されています。
2つ目は、幼稚園教諭だった小見山葉子さんが作詞・作曲した「よろこびのうた」です。こちらはベートーヴェンとは別の完全オリジナル曲で、卒園式の定番ソングとして保育園・幼稚園で広く歌われています。歌詞の構成が子ども・保護者・保育者の3パートに分かれており、それぞれの立場から卒園する子どもへのメッセージが込められている点が最大の特徴です。「おかあさんたち みてみて きょうはうれし うれしい そつえんしき / こんなに おおきく なりました / もうすぐ いちねんせい」という子どもパートの歌詞から始まり、保護者・保育者の呼びかけへと続く構成で、会場全体が涙に包まれる感動作です。
2種類ということですね。選曲の際にはどちらの「よろこびのうた」かを事前に明確にしておくことが、保育の現場での混乱を防ぐ基本です。
参考:「よろこびの歌」岩佐東一郎訳詞の歌詞と歴史的な背景について詳しく紹介されています。
歓喜の歌(喜びの歌) 合唱の歌詞と意味 ドイツ語の読み方 | WorldFolkSong
喜びの歌 歌詞の原点:シラーの「自由賛歌」から「歓喜の歌」への変遷
「喜びの歌(歓喜の歌)」の日本語歌詞の意味を深く理解するには、原曲が生まれた背景を知っておくことが欠かせません。これを知ると、歌詞の持つ重さが変わります。
この歌のドイツ語歌詞のもとになったのは、ドイツの詩人フリードリヒ・シラーが1785年に書いた詩「歓喜に寄す(An die Freude)」です。しかし実は、この詩の原題は「歓喜(Freude)」ではなく「自由(Freiheit)」だったとされています。シラーが書いたのは「自由賛歌(Ode An die Freiheit)」という作品で、フランス革命の直前という時代背景のもと、封建的な専制主義への抵抗と自由・平等への願いを込めたものでした。当時の検閲を恐れたシラーが「自由(Freiheit)」という言葉を「歓喜(Freude)」に書き換えたという説が、現在も語り継がれています。
ベートーヴェンがこの詩に出会ったのは学生時代のことで、生涯にわたってシラーの詩を愛読し続けました。そして晩年、すでに聴力をほぼ完全に失っていた状態で交響曲第9番を完成させ、第4楽章でこの詩を用いた合唱を組み込みました。「フロイデ(Freude)、シェーナー・ゲッターフンケン(Götterfunken)」——「歓喜よ、神々の美しき霊感よ」という冒頭の歌詞は、人類の友愛と平等を高らかに謳い上げるものです。そして「アッレ・メンシェン・ヴェァデン・ブリュダー(Alle Menschen werden Brüder)」、すなわち「すべての人々は兄弟になる」という言葉は、現在もEUの欧州連合の賛歌として採用されるほど普遍的なメッセージを持っています。
意外ですね。子どもたちに「みんなで仲良く歌おう」と教えるこの歌が、元々は社会への強い異議申し立てとして生まれた詩だったわけです。
日本語版では岩佐東一郎による訳詞が「晴れたる青空」という明るく平和な内容に置き換えられており、原詩の政治的意図は薄められています。しかし、保育士として歌詞の背景を理解した上で子どもたちに教えると、歌への向き合い方が変わります。歌は単なるメロディーではなく、時代の想いを乗せた表現であることを、保育士自身が感じていることが、子どもへの歌の指導にも自然と深みを与えます。
参考:シラーの詩の背景とベートーヴェンが伝えたかったことについて、詳しく解説されています。
シラーの詩に熱狂したベートーヴェンが、第九で伝えたかったこととは|家庭画報.com
喜びの歌 歌詞 日本語版の全文と構成:小見山葉子「よろこびのうた」の読み解き
卒園式に向けて、小見山葉子版「よろこびのうた」の歌詞を正確に把握しておくことは、指導する保育士にとって最優先事項です。歌詞の意味をしっかり捉えてから子どもたちに教えることで、ただ歌詞を暗記させる以上の感動が生まれます。
この曲の大きな特徴は、3者のパートが明確に分かれていることです。ひらがな部分(子どもたちが歌う部分)と漢字・大人の言葉(保護者・先生が歌う部分)が交互に現れ、会場全体が一体となって卒園を祝う構成になっています。
子どもたちのパートは「おかあさんたち みてみて きょうは うれし うれしい そつえんしき / こんなに おおきく なりました / もうすぐ いちねんせい」と始まります。子どもたちが成長を誇らしく報告する言葉です。これに続いて保護者・先生パートが「本当にこんなに大きくなって / 入園した頃思い出す / 小さかったあなたが もうすぐ一年生」と受け止め、感慨を歌い上げます。
中盤の呼びかけ部分は特に感動的です。「おかあさん / なあに / ありがとう」「せんせい / なあに / ありがとう」という掛け合いが続き、親と先生への感謝が素直な言葉で表現されています。そして大人から子どもへのメッセージとして「あのね / これからもずっと 元気に大きくなってね / 先生たちも忘れない / 元気なかわいいあなたたち / いつまでも いつまでも 心の中に」と続きます。
クライマックスでは子どもたちが「おおきくなっても あそびにくるね / まっていて せんせい」と歌い、保育士・先生への想いを届けます。そしてフィナーレの「さあ 喜びの笑顔を見せて / お祝いの言葉を贈ります / おめでとう 本当に うれしい日です / さあ 大きく 大きく 歩き始めて下さい」という言葉で締めくくられます。
この歌詞の魅力は、3者の立場を丁寧に描き分けているところです。歌詞の意味を捉えて感謝の気持ちを込めて歌えるようにすることが、指導の大前提です。子どもたちが歌詞の意味を理解した上で歌えるよう、保育士が先に歌詞の内容をかみ砕いて伝える工夫が求められます。
| パート | 歌う人 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ひらがな部分 | 子どもたち | 成長の報告・感謝 |
| 漢字・大人の言葉 | 保護者・先生 | 感慨・見守りのメッセージ |
| フィナーレ | 全員 | 祝福・旅立ちへの激励 |
歌詞の構造が原則です。1月頃から練習を始め、子どもたちが3月の本番までに歌詞をしっかり覚えられるよう、余裕を持ったスケジュールで取り組みましょう。
参考:「よろこびのうた」の解説と卒園式での活用ポイントが保育士の視点から紹介されています。
【よろこびのうた】保育園の卒園式で保護者と保育者も歌える名曲 | ゆきかざ
保育士が直面する「喜びの歌」の歌い方と声の悩みの解決策
保育士は日々、大声で子どもたちに呼びかけ、歌い、ピアノを弾きながら声を使い続けます。卒園式が近づくにつれ練習量も増し、喉のトラブルに悩む先生も少なくありません。ここでは、実際の現場で役立つ発声とボイスケアのポイントを紹介します。
まず「音程が外れてしまう」という悩みについて。これには2つのパターンがあります。1つ目は「そもそも出すべき音がわからない」ケースで、この場合はハミング(「ラ」の音だけで歌う)で音程にだけ集中する練習が効果的です。片耳を軽く押さえながらハミングすると自分の声が聞こえやすくなり、音程のズレに気づきやすくなります。2つ目は「出すべき音はわかるが声に乗せられない」ケースで、この場合は腹式呼吸の習得が先決です。腹式呼吸ができると体の筋肉全体で声を支えられるため、発声器官への負担が減り、安定した音程が出せるようになります。
喉を傷めやすい問題も保育士に多い悩みです。「大声で呼びかけていたら喉が限界になった」という話は現場でもよく聞きます。喉への負担を減らすには、声を響かせる共鳴のポジションを見つけることが重要です。口を軽く閉じた状態で高めの「ラ」の音でハミングしたとき、眉間の辺りがビリビリと振動する感覚を覚えると、声帯への直接的な負担が軽減されます。声を共鳴させるポジションを体で覚えることが条件です。
「喜びの歌」のメロディーは比較的音域が広く、5歳児クラスの子どもたちに教える際にも音域への配慮が必要です。4〜5歳児の平均的な音域はおおよそ1オクターブ(ドからドまで)とされており、子どもによってはラからレまで出せることもあります。曲の高い音域の部分では無理に力むよう指示せず、自然に声が出る範囲で気持ちよく歌えるよう環境を整えることが大切です。「大きな声で」ではなく「お口をしっかり開けてね」という声かけに変えるだけで、子どもたちは喉を傷めにくい歌い方ができるようになります。
これは使えそうです。ピアノを弾きながら歌う場面では、ピアノの音量が歌声を邪魔しないよう「優しく弾く」ことを意識しましょう。ペダルを使う際は踏みすぎると音が濁るため、練習の録音を聴き返して確認するのがおすすめです。
参考:ボイストレーナー監修による保育士向けの発声と音程の悩み解決策が解説されています。
保育士の歌の悩みをズバッと解決!ボイストレーナーが練習のコツを伝授 | ほいくis
「喜びの歌」を卒園式で使う前に知っておきたい:著作権と保護者連携の実務
感動的な卒園式を成功させるために、保育士が事前に押さえておくべき実務的なポイントがあります。歌の練習だけに集中していると見落としがちな、著作権と保護者対応の2点について解説します。
まず著作権についてです。岩佐東一郎版「よろこびの歌」のメロディー(ベートーヴェン作曲)は、作曲者の死後70年以上が経過しているため著作権は消滅しており、パブリックドメインとして自由に使用できます。一方で、小見山葉子版「よろこびのうた」は現存する作曲者による著作物であり、楽譜のコピーには著作権法上の注意が必要です。保育現場では非営利・無料のイベントでの演奏は著作権法第38条により許容される場合が多いとされていますが、楽譜を人数分コピーして全員に配布する行為は「本来の流通を妨げる」として問題になる可能性があります。
具体的にどうすればよいのでしょうか?各保育士・保護者用に楽譜を準備する場合は、「CD付き 思い出に残る卒園ソング・ベスト31(ナツメ社保育シリーズ)」や「年中使える!先生と園児のためのこどものうた130+20(ヤマハミュージックメディア)」のような正規楽譜集を購入し、掲載されている歌を利用するのが安心です。楽譜集1冊を購入して施設で使用する分には問題なく、かつCDで演奏を確認しながら練習できるため、効率的です。楽譜は有料です。この点はきちんと予算化しておきましょう。
保護者連携についても見落とせません。小見山葉子版「よろこびのうた」は保護者にも重要な役割があります。保護者パートを本番で自信を持って歌ってもらうには、早めの協力依頼が欠かせません。保護者は保育園での合同練習に参加できないため、歌詞と楽譜、可能であれば演奏CDやYouTube動画のURL(著作権処理済の正規配信)をお知らせで案内し、自宅での自主練習をお願いする必要があります。
遅くとも2月初旬には保護者への連絡を完了させておくことが理想的です。卒園式の1か月前を切ってからの依頼では、保護者が十分に練習できないまま本番を迎えてしまうリスクがあります。知らないと損します。早め早めの準備が、当日の感動につながります。
参考:保育現場での著作権法の適用範囲と注意点について、わかりやすく解説されています。
【著作権法に注意】学童や保育園で知らないとヤバい違反行為 | 学童クラブ運営ブログ

福島精肉店 極上スパイス 喜 瓶入り 80g×3本

