保育教諭と保育士の違いを資格・給料・仕事内容で比較

保育教諭と保育士の違いを資格・給料・仕事内容で比較

保育教諭として働くと、保育士のままでいるより月給が約3万円低くなるケースがあります。

この記事でわかること
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保育教諭とは何か

「保育教諭」という独立した資格は存在せず、保育士資格+幼稚園教諭免許状の両方を持つ人が認定こども園で働くときの職名です。

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給料・仕事内容の違い

保育士と保育教諭では月給・仕事範囲・勤務体制が異なります。転職前に両者の違いをしっかり把握しておくことが重要です。

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特例制度の期限と活用法

幼保特例制度は2030年3月31日まで延長済み。8単位程度の学習で、もう一方の資格を短期間・低コストで取得できます。

保育教諭とは?保育士・幼稚園教諭との基本的な違い

 

「保育教諭」という言葉を初めて聞く方の中には、特別な国家資格があると思いこんでいるケースが少なくありません。しかし実際には、「保育教諭」という資格そのものは存在しません。保育士資格幼稚園教諭免許状の両方を取得した人が、幼保連携型認定こども園で働くときに使われる職名が「保育教諭」です。

つまり職名と資格は別物ということですね。

この点は保育士として転職を考えるときに非常に重要で、「保育教諭として採用されるには2つの資格が必要」という認識が前提になります。幼稚園教諭のみ持っている場合は保育園には就職できず、保育士資格のみでは認定こども園の担任として配置されない場合もあります。

3者の基本的な違いをまとめると、以下のようになります。

項目 保育士 幼稚園教諭 保育教諭
必要な資格 保育士資格 幼稚園教諭免許状 保育士資格+幼稚園教諭免許状
主な職場 保育園・託児所など 幼稚園 幼保連携型認定こども園
対象年齢 0〜5歳 満3歳〜就学前 0〜5歳
主な役割 生活・発達のサポート 幼児教育が中心 保育と教育の両方
資格の性格 国家資格 免許状(更新制なし) 職名(資格ではない)

保育士は「保護者の代わりに子どもを養育する」という福祉的な役割が強く、厚生労働省が管轄する国家資格です。一方、幼稚園教諭は「教育を通して子どもの発達を促す」という教育機関の教師にあたり、文部科学省管轄の免許状です。この2つを掛け合わせた存在が保育教諭というわけで、管轄省庁をまたぐ珍しい職種といえます。

認定こども園には「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4種類があります。このうち、保育教諭の配置が法律で義務付けられているのは幼保連携型のみです。他の3タイプでは、保育士資格のみ、または幼稚園教諭免許のみで勤務できるケースもあります。

4タイプある点は覚えておけばOKです。

📌 参考リンク(認定こども園の4タイプについて詳しく解説)
内閣府「認定こども園概要」

保育教諭と保育士の仕事内容の違い|認定こども園での1日

仕事内容の最大の違いは「担う役割の幅」です。保育士は基本的に保育園の保育のみを担当しますが、保育教諭は保育と幼児教育の両方を1人でこなす必要があります。

保育士が主に担うのは、食事・排せつ・着替えなど日常生活のサポートと、遊びを通じた社会性の育成です。対して保育教諭は、これらの保育業務に加えて、運動・音楽・制作などを通じた幼児教育も担当します。子どもの認定区分(1号・2号・3号)によって対応内容も変わるため、1人の先生が異なる生活リズムを持つ子どもたちに対応しなければなりません。

時間帯 業務内容 対象
7:30〜 早朝保育・健康観察 2号・3号認定児
9:00〜 朝の会・主活動(制作・戸外遊び等) 全園児
11:30〜 昼食・排せつ援助・歯みがき 全園児
14:00〜 1号認定児の降園・保護者対応 1号認定児
15:00〜 おやつ・自由遊び 2号・3号認定児
16:00〜 順次降園・延長保育対応 延長保育利用児
18:30〜 日誌記録・明日の準備・清掃

この表を見ると、1号認定の子どもは14時頃に降園するのに対して、2号・3号の子どもは18時30分近くまで在園するケースもあります。同じ教室に在籍しながらも、降園時間が4時間以上ずれる子どもたちに対応することが保育教諭の大きな特徴です。

業務が多いのは確かです。

また、認定こども園は地域の子育て支援拠点としての役割も持ち、育児相談や園庭開放の対応なども保育教諭の業務に含まれることがあります。1つの施設に幼稚園的な教育ニーズと保育園的な福祉ニーズの両方が混在するため、保育士からの転職では「覚えることが多い」と感じる方が多いのも事実です。

保育士出身なら「行事の多さや教育活動の進め方」に戸惑いやすく、幼稚園教諭出身なら「乳児保育(0〜2歳対応)」で苦労するケースが多いようです。これが弱点として残ると、担任業務だけでなく保護者への説明や連絡帳の記載にも支障が出ることがあるため、転職前の心構えとして重要なポイントです。

📌 参考リンク(認定こども園での仕事内容・1日のスケジュール詳細)
保育士しごとナビ「保育教諭とは?仕事内容やなり方、保育士・幼稚園教諭との違いを解説」

保育教諭と保育士の給料の違い|月収・年収を具体的に比較

給料については「保育教諭の方が高いはず」と思っている保育士が多いのですが、実際のデータは少し異なります。

ある調査では保育士(保育園勤務)の月給が約30万円前後なのに対し、保育教諭(認定こども園勤務)の月給は約27〜28万円と、月額で約2〜3万円低いケースも確認されています。年収換算では約24〜36万円の差になります。

これは数字として意外ですね。

ただし、近年は処遇改善の流れが保育業界全体に及んでいます。こども家庭庁のデータをもとにした複数の調査では、2024年時点での平均年収(賞与含む)は概ね以下のような水準です。

職種・勤務先 平均年収の目安(賞与含む)
保育士(保育園) 400〜430万円前後
保育教諭(認定こども園) 380〜410万円前後
幼稚園教諭(幼稚園) 400〜480万円前後

重要なのは、これが統計上の平均であり、公立か私立か、勤続年数、役職の有無によって大きく変わる点です。公立幼稚園の教諭(公務員扱い)は年収が高い傾向があり、私立保育園の保育士は園によって差が大きくなります。

つまり「職種より勤務先の選び方が条件です。」

保育教諭として認定こども園で働くメリットは、処遇改善が進む方向にあることです。2024年度には保育士・幼稚園教諭の給与を10.7%引き上げる処遇改善が実施されており、今後もこの流れが続くと見込まれています。また認定こども園は共働き世帯の増加にともない定員が安定しやすく、少子化の影響を受けにくいという側面もあります。

給料面で考えると、現時点では「保育教諭だから高い」とは言い切れません。ただし、公立の認定こども園や、規模の大きい法人が運営するこども園では、手当や賞与が充実しているケースもあります。転職を検討している場合は、求人票の基本給だけでなく、処遇改善加算の反映状況や昇給実績を必ず確認することが重要です。

📌 参考リンク(施設別の給与データと処遇改善の最新情報)

保育教諭になるには?資格取得と幼保特例制度の活用法

保育教諭になるための最も効率的なルートは、保育士と幼稚園教諭の両方の養成課程がある学校に通い、卒業と同時に2つの資格を取得する方法です。しかし、すでに保育士として働いている人には「幼保特例制度」という、もう一方の資格を短期間・少ない単位数で取得できる制度があります。

特例制度は重要です。

幼保特例制度の期限は、2024年6月の法改正により2030年3月31日まで延長されました(2度目の延長)。2025年3月末に終わると思っていた方は、実は5年間の猶予が追加されています。これは知ってると得する情報ですね。

制度の概要は以下の通りです。

  • 🎓 保育士 → 幼稚園教諭免許状を取得したい場合
    保育士資格があり、3年以上かつ4,320時間以上の実務経験があれば、通信講座などで8単位程度(5科目)を修了するだけで幼稚園教諭免許状を取得できます。取得後は都道府県の教育委員会に申請します。
  • 📚 幼稚園教諭 → 保育士資格を取得したい場合
    幼稚園教諭免許状があり、3年以上かつ4,320時間以上の実務経験があれば、保育士養成施設で8科目程度を履修し、保育士試験の全科目免除を受けて保育士資格を取得できます。

4,320時間という数字は具体的にイメージしにくいですが、1日6時間を週5日勤務すれば、約3年間で達成できる計算です。3年以上勤めていれば、実務経験の条件はほぼ満たしていると考えてよいでしょう。

特例制度を利用する際の費用は、通信講座の場合だとおよそ2〜5万円程度が目安です。保育士修学資金貸付制度のような財政支援はこの特例には直接適用されませんが、園によっては資格取得支援制度として費用を補助してくれるケースもあります。現在の勤務先に制度があるかどうか、まず人事担当に確認してみるのが一番の近道です。

📌 参考リンク(幼保特例制度の詳細・延長についての公式情報)
全国保育士養成協議会「特例制度について(幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例)」

保育士が保育教諭を目指す独自視点|転職タイミングと現場の変化

多くの解説記事では「保育教諭のなり方」を資格面から説明するにとどまっています。しかしここでは、すでに保育士として働いている方が「いつ・どのように動くべきか」という実践的な視点で整理します。

まず、現場の変化として押さえておきたいのが認定こども園の急増です。2024年4月時点で全国の認定こども園数は10,483園に達し、前年から661園増加しました。特に幼保連携型が7,136園と全体の約68%を占めています。在園児数のデータでは、2023年度に初めて幼保連携型認定こども園の在園者数が幼稚園を上回りました。

この数字は無視できません。

保育園の数は約23,500園と認定こども園の倍以上ありますが、少子化の影響で定員割れによる閉園リスクが高まっています。一方、認定こども園は1号〜3号の認定区分により幅広い家庭環境の子どもを受け入れられるため、閉園リスクが相対的に低い傾向があります。長期的なキャリアを考えるなら、認定こども園・保育教諭という選択肢は安定性の観点からも有力です。

転職タイミングとしては以下の2点がポイントになります。

  • 特例制度の期限(2030年3月)を逆算する
    実務経験3年以上+8単位修了が条件なので、今から特例制度の学習を始めても、2030年3月31日の期限に十分間に合います。ただし受講できる施設や定員には限りがあるため、早めに情報収集を始めることが重要です。
  • 💼 現在の園が認定こども園へ移行する可能性を確認する
    少子化を背景に、保育園から認定こども園へ移行を検討している園は少なくありません。勤務先の園が将来こども園に移行した場合、保育教諭の資格(=幼稚園教諭免許状)がないと担任配置の条件を満たせなくなる可能性があります。すでに園側が移行を検討しているかどうか、早めに把握しておきましょう。

保育士として認定こども園に転職した場合、幼稚園出身の同僚と保育観が異なりぶつかるケースもよくあります。これは仕事の質に関わる問題です。保育士は「生活の場として保育する」視点が強く、幼稚園教諭は「学びの場として教育する」視点が強いため、クラス運営や保護者対応の方針で意見が割れることがあります。

この文化的な違いを事前に理解しておくことで、実際に転職した際のギャップを小さくすることができます。保育教諭として活躍するためには、資格取得だけでなく、幼稚園的な教育観を学ぶ姿勢が求められます。転職前に認定こども園の見学・実習の機会を作ることが、ミスマッチを防ぐ上で非常に有効です。

📌 参考リンク(認定こども園の最新統計・増加動向)
行政情報ポータル「幼稚園・保育所・認定こども園の連携強化」

保育教諭として働くメリット・デメリットを正直に整理

保育教諭という働き方には、保育士のままではできない独自の強みがある一方で、見過ごしてはいけない課題もあります。メリットだけを並べた情報は多いですが、実際にはデメリットも現場で語られています。ここで両面を正直に整理します。

まずメリットから見ていきましょう。

  • 🌱 スキルの幅が広がる
    保育と教育の両方を担うことで、0歳〜5歳全年齢のプロとして成長できます。保育士資格だけでは接しにくかった幼児教育のメソッドを実践で学べるのは大きな強みです。
  • 🔄 転職の選択肢が増える
    保育士資格のみの場合は保育園や託児所が主な職場ですが、幼稚園教諭免許状を加えることで認定こども園・幼稚園・民間のキッズスクールなど就職先の幅が広がります。
  • 🏛️ 職場の安定性が高い
    認定こども園は1号〜3号認定の幅広い子どもを受け入れられるため、少子化の影響を受けにくい構造があります。保育園の閉園リスクが高まる今、職場選びの安定性という観点で有力です。

一方、デメリットも正直に見ておく必要があります。

  • ⚠️ 業務量が多い
    保育と教育の両方を担うため、指導案・行事の企画・保護者対応が重なりやすく、残業になるケースがあります。特に幼稚園的な行事(発表会運動会など)の準備は、保育士出身者にとって慣れるまでの負担になりやすいです。
  • 💸 月給が保育園より低い場合がある
    前述の通り、統計上は認定こども園の保育教諭より保育園の保育士のほうが月給が高いケースがあります。「資格を増やしたのに給与が下がった」という事態を防ぐためにも、転職先の処遇をしっかり確認することが重要です。
  • 🤝 職員間の方針の違いによる摩擦
    保育士出身者と幼稚園教諭出身者が混在する現場では、保育方針や子どもへの関わり方の違いから意見が対立することがあります。これは数字には表れにくいですが、現場の声として広く聞かれます。

厳しいところですね。

こうしたデメリットを念頭に置いた上で転職を検討するには、面接時に「職員の出身(保育士・幼稚園教諭)の割合」「残業時間の実態」「処遇改善加算の給与への反映方法」を具体的に聞くことが大切です。これらを1回の面接で確認する行動をとるだけで、入職後のミスマッチを大幅に減らすことができます。

📌 参考リンク(認定こども園で働くメリット・デメリットの現場視点)
マイナビ保育士「保育教諭とは?保育士との違い・仕事内容・働くメリットデメリットを解説」

保育士・幼稚園教諭 採用試験問題集 2024年度版