保育士資格独学テキストの選び方と合格への勉強法

保育士資格を独学で取得するテキストの選び方と勉強法

古いテキストで勉強すると、法改正された範囲が出題されても1点も取れず科目不合格になります。

この記事でわかること
📚

独学向けおすすめテキスト

翔泳社・ユーキャン・桜子先生シリーズなど、合格者に選ばれる定番テキスト・問題集を比較して紹介します。

⚠️

テキスト選びの落とし穴

古いテキストや科目免除期限の失念など、独学者が陥りやすい具体的なミスと回避法を解説します。

🗓️

独学合格への勉強スケジュール

150時間・4〜6カ月を目安に、テキストと過去問を組み合わせた効率的な学習スケジュールの立て方をお伝えします。

保育士資格の独学テキスト選びで最初に確認すること

 

保育士試験は、筆記試験9科目と実技試験で構成される国家資格です。2024年(令和6年)度の合格率は26.3%(受験者数58,767人、合格者数15,475人)という数字が示すとおり、決して簡単な試験ではありません。

合格率が低い理由のひとつに、「テキスト選びのミス」があります。結論は最新年度のテキストを選ぶことが原則です。

保育士試験は法改正や統計データの更新が毎年あり、1〜2年前のテキストを使い続けると「勉強したのに出ない」「覚えた数値が変わっていた」という事態になりかねません。書店やネットで購入する際には、必ず「2026年版」や「令和8年度対応」などの表記を確認してください。

テキストを選ぶ際の基本ポイントは以下のとおりです。

  • 出版年が最新のもの:法改正・統計データに対応した年度版を選ぶ
  • 解説が詳しいもの:初学者でも理解できる、丁寧な説明がある
  • 図表・イラストが豊富なもの:専門用語や福祉六法の暗記に役立つ
  • 巻末に資料集があるもの:重要人物・法令・頻出用語がまとまっていると復習が楽

これが基本です。特に「図表の多さ」は見落とされがちですが、保育原理・子ども家庭福祉などの科目は覚える数字や人名が多く、視覚的に整理されているかどうかで暗記効率が大きく変わります。

また、独学で合格するために必要な勉強時間は、一般的に100〜180時間程度とされています。1日1時間勉強するなら約4〜6カ月、1日2時間ならば2〜3カ月で目安の学習量に到達できます。試験日から逆算してスケジュールを立てることで、どのテキストをいつまでに終わらせるかが見えてきます。

参考:全国保育士養成協議会(保育士試験の公式情報)

一般社団法人 全国保育士養成協議会|保育士試験の公式サイト(試験日程・免除制度などを確認できます)

保育士資格の独学におすすめのテキスト比較と特徴

独学で保育士試験に挑む場合、テキストは1種類で十分なのでしょうか?

実際に合格した人の多くが「テキスト上下巻2冊+問題集1〜2冊」の組み合わせで合格しています。これは使えそうです。3〜4冊に絞ることで、1冊を何周も繰り返すことができ、知識の定着率が上がります。

現在、独学者に特に支持されている主なテキストシリーズをまとめます。

🔴 翔泳社「福祉教科書 保育士 完全合格テキスト 上・下」

10万人以上の受験者に選ばれてきた定番テキストです。上巻は「社会福祉・子ども家庭福祉・保育の心理学・子どもの保健」の4科目、下巻は「子どもの食と栄養・保育原理・教育原理・社会的養護・保育実習理論」の5科目を収録しています。赤シート付きで暗記学習に対応しており、頻出箇所が赤字で強調されているため、「まずよく出るところを押さえたい」という方に向いています。

🟡 ユーキャン「保育士 速習テキスト 上・下」

創刊から21年続くロングセラーシリーズで、全ページフルカラーという点が大きな魅力です。図表やイラストが多用されており、視覚的に理解しやすい構成になっています。重要ポイントの絞り込みが得意な方、カラフルな教材で学ぶのが好きな方に特に人気です。別冊の312問確認テスト付きで、自己採点もしやすいです。

🟢 桜子先生「この1冊で合格!保育士 必修テキスト 上・下」

保育士試験対策サイト「桜子先生の保育士試験合格メソッド」を運営し、5万人以上の受講者を指導してきた桜子先生監修のテキストです。各テーマに先生からのアドバイスが添えられており、まるで講義を受けている感覚で学べます。一問一答が各テーマについているため、インプットとアウトプットを同時進行できます。

🔵 中央法規「ラクラクわかる!保育士試験合格テキスト」

1冊で9科目すべてをカバーする珍しいタイプのテキストです。「1冊にまとまっているから内容が薄い?」と思いがちですが、試験に必要な法令・条文・保育所保育指針もしっかり網羅されています。コンパクトに学びたい方、持ち運びを重視する方に向いています。ただし、文字がやや小さめなので、視力や好みで判断が必要です。

問題集については、翔泳社「福祉教科書 保育士 完全合格問題集」(過去問10年から500問以上厳選)やユーキャン「保育士 過去&予想問題集」が広く使われています。問題集は1冊を最低5〜10周繰り返すことが合格への近道です。つまり、冊数より周回数が大事ということですね。

参考:ユーキャン 保育士試験難易度・合格率ページ

ユーキャン|保育士試験の難易度・合格率(2024年度の最新合格率データが確認できます)

保育士資格独学テキストの「ニコイチ科目」対策で注意すること

保育士試験の9科目の中でも、特に独学者を悩ませるのが「ニコイチ科目」です。

「ニコイチ科目」とは何でしょうか? 「教育原理」と「社会的養護」の2科目を指し、この2科目は1回の試験で両方とも満点の60%以上(各10問中6問正解)を取らないと合格にならないという特別なルールがあります。片方だけ合格しても、もう一方が不合格なら両方とも無効になります。厳しいところですね。

各10問しか出ない分、1問の重みが非常に大きい科目です。10問中4問以上ミスするとアウトになる計算であり、ミスが許されない緊張感があります。

通常のテキスト(上下巻)では、教育原理・社会的養護のページ数がやや少ない場合があります。その理由は、他の科目(保育原理・社会福祉など)と比べてページ配分が圧縮されがちだからです。そのため、ニコイチ科目については以下のような補強策を取ることが有効です。

  • テキストを読んだ後、この2科目だけ「過去問を先に確認する」習慣をつける
  • 保育所保育指針」「児童福祉法」「教育基本法」などの原典の重要条文を赤シートで繰り返し確認する
  • 出題頻度の高い人名(フレーベル、コメニウス、モンテッソーリなど)と理論のセットを語呂合わせで覚える

独学でニコイチ科目の弱点補強をしたい場合は、四谷学院やアガルートなどの通信講座が「ニコイチ特化の単科受講」を提供しています。独学をベースにしながら、苦手な科目だけ通信講座を活用するというハイブリッド戦略が、時間のない社会人や育児中の方には特に効果的です。

参考:アガルートアカデミー 保育士試験科目解説

アガルートアカデミー|保育士試験の科目解説・ニコイチ科目の難易度について(具体的な科目別の対策情報が載っています)

保育士資格の独学テキスト学習スケジュールの組み方

独学合格を目指すうえで、最も失敗しやすいのが「スケジュール管理」です。

保育士試験は年2回(前期:4月・後期:10月ごろ)実施されます。どちらを受けるかによって、準備期間の長さが変わります。スケジュールは試験日から逆算して立てるのが基本です。

以下に、4〜6カ月で独学一発合格を目指す場合の目安スケジュールを示します。

期間 学習内容
最初の1〜2カ月 テキスト(上下巻)を1周。科目ごとに読み進め、重要語句に線を引く
3〜4カ月目 問題集を開始。テキストに戻りながら弱点科目を補強する
5カ月目 問題集を繰り返す(最低5周)。過去問で時間感覚をつかむ
試験1カ月前 苦手科目集中対策。ニコイチ科目は最後にもう一度確認

このスケジュールで週10時間の勉強を確保できれば、4〜5カ月で150時間に到達します。仕事や育児と両立する場合は、通勤時間・昼休み・寝る前の20分など、スキマ時間を活用することが現実的です。

スキマ時間の活用には、スマートフォンのアプリが力を発揮します。「保育士試験対策」アプリは複数リリースされており、一問一答を繰り返すのに向いています。テキストでインプット→問題集でアウトプット→アプリで隙間時間に確認、というサイクルを回すことが効果的です。これは使えそうです。

また、科目合格制度を活用する方は、合格した科目の有効期限が「合格した年を含めて3年間」である点を必ず把握しておく必要があります。たとえば令和7年後期試験で合格した科目は、令和9年後期まで免除が有効です。3年以内に全科目をそろえるよう、余裕を持った計画を立てましょう。

参考:全国保育士養成協議会 免除制度ページ

全国保育士養成協議会|免除制度について(科目合格の有効期間・免除の条件が正式に記載されています)

独学テキストだけでは補えない保育士資格の実技試験対策

筆記試験9科目を突破しても、まだ関門が残っています。それが実技試験です。意外ですね。

実技試験は「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3分野から2分野を選択して受験します。独学者が最もつまずきやすいのがこのステップです。なぜなら、筆記試験対策のテキストには実技の内容がほとんど含まれていないからです。

各分野について独学でどう対策するか、ポイントを整理します。

🎵 音楽表現(弾き歌い

課題曲を2曲、ピアノ・アコーディオン・ギターのいずれかで弾き歌いします。楽器経験がない場合でも、テキストに付属する「実物大紙鍵盤」で運指練習ができます。ユーキャン「保育士 実技試験 合格ナビ」には紙鍵盤が付属しており、楽器がない環境での練習に役立ちます。

🎨 造形表現(絵画)

試験当日に示される場面を45分で描き上げます。人物・背景・色彩のバランスが重要で、短時間でそれなりの絵が描けるかどうかが合否を左右します。構図・色の塗り方・人物の描き方を解説した実技テキストで繰り返し練習することが必要です。

📖 言語表現(素話)

4つのお話(桃太郎・3匹のこぶた・3匹のやぎのがらがらどん・おおきなかぶ)から1つを選び、3分間で子どもに語りかけるように話します。表情・声のトーン・視線の向け方など、「話し方」の技術を磨くことが求められます。独学では鏡の前やスマートフォンの録画機能を使って練習するのが効果的です。

実技試験専用のテキストとして、翔泳社「保育士実技試験完全攻略」やユーキャン「保育士 実技試験 合格ナビ」が広く使われています。実技は筆記試験の合格後に受験するため、筆記の学習と並行して早めに準備を始めることで余裕を持って臨めます。

実技対策が遅れると「筆記は合格したのに実技で落ちた」という悔しい結果につながるリスクがあります。実技は直前対策が難しいため、筆記の学習が軌道に乗った段階(2〜3カ月目以降)から並行して実技テキストも確認しておくことをおすすめします。実技は早めの準備が条件です。

参考:アガルートアカデミー 保育士試験独学テキスト解説

アガルートアカデミー|2026年保育士試験の独学におすすめのテキスト・問題集9選(実技対策テキストの選び方も含む詳細な比較記事)

この1冊で合格! 桜子先生の保育士 必修テキスト 上 2026年版