一時保育・宮古島で保育士として知っておくべき全知識
宮古島の一時預かり施設は定員の5〜6割しか受け入れできていないのに、待機待ちの子どもが増えています。
一時保育・宮古島の施設数が「たった3カ所」しかない理由
宮古島で旅行者や島民が利用できる民営の一時保育・一時預かり施設は、2026年2月現在で実質3カ所しかありません。コロナ禍前には複数の施設が存在していましたが、現在は「しましまきっず」「一時預かり保育所tetote」「キッズステーションルピナス」という顔ぶれに絞られています。
保育士の観点から見ると、この少なさは単なる「島だから少ない」という話ではありません。宮古島市が令和7年7月に発表した資料によると、主要施設であるtetoteは「定員の5〜6割程度しか受け入れられていない」と明記されています。受け入れ枠は存在しているのに、スタッフが確保できないために定員通りに使えていないのです。
しかも、キャンセル待ちは増加する一方です。令和5年度のtetoteのキャンセル待ち数は4,074件、令和6年度は5,671件にまで膨らんでいます。子どもを預けたくても預けられない状況が、年を追うごとに深刻になっているということですね。
なぜスタッフが集まらないのかというと、一時保育施設に勤務する職員は「処遇改善加算」の対象外となっているケースがあり、認可保育所の職員と比べて賃金水準が低くなりやすいという構造的な問題があります。宮古島市もこの課題を重大視しており、令和8年度から一時預かり事業に従事する職員の処遇改善支援を新設する方針を固めました。
つまり一時保育・宮古島の施設が少ない背景には、「スタッフ不足→受け入れ枠が埋まらない→新規参入も難しい」という悪循環が潜んでいます。保育士がこの現状を知っているかどうかで、求職活動の見通しが大きく変わるでしょう。
宮古島市の一時保育事業の現状と支援拡充の詳細についてはこちらに公式資料が掲載されています。
宮古島市「一時預かり事業(一般型)の支援拡充について」(宮古島市公式)
一時保育・宮古島の主要3施設を保育士目線で比較
宮古島の一時保育施設で働くことを検討する場合、まず3カ所の特徴を押さえておくことが大切です。施設ごとに対象年齢・料金体系・営業時間・運営方針が異なるため、自分のライフスタイルに合うかどうかを確認する必要があります。
① しましまきっず
旅行者向けの一時預かりを専門とする施設で、宮古島市平良下里に位置しています。宮古空港から車でわずか9分というアクセスの良さが特徴です。対象年齢は0歳4カ月〜小学校低学年で、7:00〜22:00と営業時間が長いのが目立ちます。料金は7:00〜18:00が1時間1,900円、18:00〜22:00が1時間2,400円です。エイサー体験や貝殻アクセサリー作りなど沖縄の文化に触れる体験プログラムを保育に組み込んでいる点が独自色で、保育士として「ただ預かる」以上の関わりができます。満足度96%(2024年1月現在)という高い評価も得ています。
② 一時預かり保育所 tetote
宮古島市の認可事業として運営されており、宮古島市民専用の施設です。旅行者は利用できません。7:00〜19:00の開所で、1時間単位・30分単位の時間制を採用しています。2歳以上児の8:30〜17:00のパック料金は1日1,600円と比較的手ごろです。市の認可事業であるため、令和8年度からの処遇改善支援の主な対象になる見込みです。保育士・幼稚園教諭などの有資格者に加え、週1回・1日3時間〜という柔軟な勤務形態を設けており、ブランクのある保育士や移住してすぐに働き始めたい人にとって間口が広い施設です。
③ キッズステーションルピナス
宮古島市平良西里に位置する少人数制(最大3名)の託児施設で、旅行者向けにも対応しています。8:00〜19:00の営業で、送迎付きプランも用意されています。少人数制のため一人ひとりの子どもに丁寧に関われる環境が整っており、初めて一時保育を利用する親御さんからの安心感も高いです。
3施設の特徴をまとめると以下のようになります。
| 施設名 | 対象 | 営業時間 | 料金目安 | 勤務スタイル |
|---|---|---|---|---|
| しましまきっず | 旅行者 | 7:00〜22:00 | 1,900〜2,400円/h | 体験プログラムあり |
| tetote | 宮古島市民 | 7:00〜19:00 | 1,600〜1,900円/パック | 週1〜・短時間勤務可 |
| ルピナス | 旅行者・島民 | 8:00〜19:00 | 1,000〜3,000円/h | 少人数制 |
つまり施設によって、求められる保育士像が少しずつ異なります。
一時保育・宮古島で保育士が受けられる移住補助金の全条件
宮古島に移住して保育士として働く際に活用できる補助金制度が複数存在します。これらを知らずに移住を検討すると、費用面で大きく損をする可能性があります。活用できる制度を事前に把握しておくことが重要です。
宮古島市保育士就労渡航費等補助金(最大10万円)
宮古島市が設けているこの補助金は、市外から転入して認可保育施設で働く保育士を対象としています。補助対象となる費用の内訳は、航空運賃・転居先の家賃・敷金礼金・仲介手数料・引越し費用など多岐にわたります。補助上限額は県内・県外問わず10万円以内です。
対象となる主な条件は3つです。
- 宮古島市外に在住し、保育士資格を有すること
- 宮古島市に転居し、認可保育施設に就労すること(転居前に内定を受けていること)
- 採用日から起算して2年以上勤務する意思があること
注意点があります。この補助金は「認可保育施設」への就労が条件であるため、しましまきっずやルピナスなどの認可外施設で働く場合は対象外となる可能性があります。tetoteは市の認可事業として運営されているため対象になりやすいですが、必ず事前に宮古島市の子育て支援課に確認することをおすすめします。
沖縄県保育士就職準備金貸付(最大40万円・無利子)
沖縄県全体の制度で、認可保育施設等への新規就職・転職をする保育士が利用できます。貸付額は40万円以内で無利子。沖縄県内の保育所等において2年間勤務した場合、返還が免除されます。実質的に40万円の補助に相当する制度です。引越し代・内見のための旅費・通勤用の自動車購入代金なども対象になります。
これらの2制度を組み合わせれば、最大50万円相当の支援を受けながら宮古島への移住を実現できる可能性があります。これは使えそうです。
宮古島市「保育士就労渡航費等補助金交付事業」詳細(宮古島市公式)
一時保育・宮古島で保育士が働く「現実的なメリット・デメリット」
宮古島で一時保育に携わる保育士として働くことには、都市部の保育園とは明らかに異なる魅力があります。ただし、島暮らし特有のデメリットも正直に把握しておく必要があります。
メリット①:フレキシブルな勤務形態が選べる
tetoteでは「週1回・1日3時間〜」という勤務形態が可能です。育児中の保育士、他の仕事との掛け持ちを希望する保育士、移住直後でまずは少しずつ仕事を始めたい保育士にとって、この柔軟さは大きな魅力です。認可保育所のようにフルタイムが前提ではないため、ライフスタイルに合わせた働き方が実現しやすい環境です。
メリット②:観光地ならではの保育体験が積める
しましまきっずでは全国各地から来島する家族の子どもたちを預かります。エイサー体験・シーサー工作・足形アートなどのプログラムを保育に組み込むため、通常の認可保育所では経験しにくい文化体験型の保育スキルが身につきます。また、旅行中の子どもたちは不安を感じやすいため、「初対面の子どもをすぐに安心させる技術」が自然と磨かれます。
デメリット①:宮古島の家賃は想像より高い
宮古島市内のワンルームや1LDKの物件は5〜7万円程度が相場です。観光業の発展や人口増加により物件不足が続いており、単身者向けの物件が少ないため、ファミリー向けの広さの物件に住まざるを得ないケースも珍しくありません。沖縄県の保育士の平均年収は約289万円と全国でも低い水準のため、家賃負担は重くなりやすいです。厳しいところですね。
デメリット②:島外への移動コストが大きい
宮古島は沖縄本島から飛行機でしかアクセスできません。本土との往復費用は2〜4万円程度かかるため、家族の行事や急病などのタイミングで予想外の出費が発生します。この点は都市部の保育士と比べて圧倒的に不利な条件です。
デメリット③:台風シーズンは生活に影響が出やすい
毎年夏から秋にかけて台風が直撃することが多く、航空便の欠航や物流の停滞が起こります。台風時は野菜や食料品の価格が高騰します。一方、スーパーのお惣菜や弁当は比較的安価なことも多いため、日常の食費の工夫で補うことは可能です。
沖縄に移住したい保育士必見!市町村別補助金まとめ(保育求人ガイド)
一時保育・宮古島で保育士が知るべき「令和8年度以降の変化」と独自視点
宮古島市は「日本一子育てのしやすい島」を目標として掲げており、一時保育を取り巻く環境は今まさに変わろうとしています。この変化のタイミングを把握しておくことが、今後のキャリア選択において大きなアドバイザンテージになります。
令和8年度(2026年度)から処遇改善支援が新設される
前述の通り、宮古島市は令和8年度から一時保育施設職員の処遇改善支援制度を新設します。これはtetoteを中心とした民営施設の職員を対象とした支援で、スタッフの賃金水準の底上げを目指すものです。現時点では具体的な金額は非公表ですが、制度開始後は給与面での改善が期待できます。
令和9年度以降には「緊急時(体調不良・冠婚葬祭など)の突発的利用を可能にする対策」の導入も検討されています。これが実現すると、一時保育施設の利用者が大幅に増加することが予想されます。つまり保育スタッフの需要がさらに高まるタイミングが、数年以内に到来するということです。
宮古島の出生率は全国的に見ても高い
沖縄県は全国でも出生率が高い地域として知られていますが、宮古島市はその沖縄県の中でも特に「子どもに優しい島」として注目されています。転入者の増加(年間約2,700人の転入)が続いており、子育て世代の需要は今後も堅調に推移すると見込まれます。
一時保育の担い手としての「移住保育士」が鍵になる
宮古島市は島外からの保育士確保に積極的です。求人サイトには「移住希望の保育士さんも大歓迎♪ 宿泊場所の提供あり!1日2,000円で利用できます♪」という求人も存在します。tetoteのInstagramには「お預かり人数拡充のため急募」という投稿が継続的に掲載されており、慢性的なスタッフ不足が続いていることがわかります。
宮古島に移住して一時保育で働く選択は、「今すぐ求人倍率が高い市場に入る」ことを意味します。さらに令和8年度以降の処遇改善によって給与水準が上がるタイミングに乗れる可能性があります。この流れをつかんでおくことが、長期的なキャリア形成において重要です。
沖縄への保育士移住・求人の最新情報は、沖縄県が配信する無料スマホアプリ「おき保(沖縄県保育士・保育所総合支援センター)」で随時チェックできます。求職登録・求人検索・補助金情報の確認がワンストップで行えるため、まずはアプリをインストールして情報収集を始めることをおすすめします。
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