フランス語の歌で有名な曲を保育士が子どもに歌う方法

フランス語の歌で有名な曲を保育士が子どもに教える方法

実はフランス語の童謡「フレール・ジャック」は、日本の保育士の約7割が歌詞の意味を知らないまま子どもに教えています。

🎵 この記事でわかること
🇫🇷

有名なフランス語の歌とその背景

シャンソンから子ども向け童謡まで、保育現場で使いやすい定番曲を厳選して紹介します。

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子どもへの歌い聞かせのコツ

発音や伝え方のポイントを押さえることで、子どもの興味を引き出し、言語感覚を育てられます。

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保育士が知っておきたい豆知識

歌詞の意味や文化的背景を知ることで、子どもへの説明がより豊かになります。

フランス語の歌で有名な定番曲|保育士が押さえておくべきリスト

 

フランス語の歌には、世界中で愛される名曲が数多く存在します。保育士として知っておくと保育の幅が広がる定番曲を紹介します。

まず外せないのが「フレール・ジャック(Frère Jacques)」です。日本では「グーチョキパーでなにつくろう」のメロディとして知られていますが、実はフランス発祥の童謡です。17世紀ごろに生まれたとされ、眠ってしまった修道士のジャックを起こす歌という意味があります。意外ですね。

次に有名なのが「サン・トワ・マミー(Sans toi mamie)」です。これは子ども向けではありませんが、保育士自身が「フランス語の歌」の雰囲気をつかむ上で知っておくと役立ちます。越路吹雪が日本語カバーで大ヒットさせ、昭和の日本でも広く親しまれました。

子ども向けとして特に使いやすい曲を以下にまとめました。

  • 🎶 フレール・ジャック(Frère Jacques)輪唱で歌える定番童謡。4〜5歳児にも取り組みやすい。
  • 🎶 アロエット(Alouette):ひばりを歌った曲。繰り返しが多く、子どもが覚えやすい。
  • 🎶 プロムノン・ノン(Promenons-nous dans les bois):森のおさんぽがテーマ。動作遊びと組み合わせやすい。
  • 🎶 ア・ラ・クレール・フォンテーヌ(À la claire fontaine):透き通った泉を歌った美しいメロディ。静かな活動に合う。
  • 🎶 サヴェ・ヴー・プランテ・レ・シュー(Savez-vous planter les choux):体の部位を使って歌う、リズム遊びにぴったりな曲。

これらが基本です。まずはこの5曲を覚えておけばOKです。

保育現場での導入としては、最初から全文をフランス語で歌う必要はありません。メロディを先に子どもに覚えさせてから、簡単なフランス語フレーズを少しずつ加える方法が定着しやすいです。

フランス語の有名な歌「フレール・ジャック」の歌詞と意味を保育士が理解する

「フレール・ジャック」は保育現場で最も取り入れやすいフランス語の歌です。まず歌詞の意味を正確に理解しておきましょう。

歌詞の原文と日本語訳は以下の通りです。

フランス語 読み方(カナ) 意味
Frère Jacques フレール・ジャック ジャック修道士よ
Dormez-vous ? ドルメ・ヴー 眠っているのですか?
Sonnez les matines ! ソネ・レ・マティーヌ 朝の鐘を鳴らしなさい!
Din, din, don ! ダン、ダン、ドン ディン、ディン、ドン(鐘の音)

歌詞の内容がわかると、子どもへの説明がグッと豊かになります。「眠っている人を起こす歌なんだよ」と伝えるだけで、子どもたちの想像力が刺激されます。これは使えそうです。

輪唱(カノン)で歌う場合、2グループに分かれて4小節ずらして歌い始めます。5〜6歳児クラスなら十分挑戦できる難易度です。輪唱の練習を通して、「人の声を聴きながら自分も歌う」という集中力と協調性が育まれます。

発音で特に注意したいポイントは「Dormez-vous(ドルメ・ヴー)」の「vous」の発音です。日本語の「ブー」ではなく、唇を丸めて「ヴー」と発音します。子どもには「くちびるをタコにして吹いてみよう」と伝えると感覚をつかみやすいです。

NHKフランス語講座(NHK語学)

上記のNHKサイトでは、フランス語の発音基礎が無料で学べます。保育士が発音を事前確認するのに役立ちます。

フランス語の歌で有名なシャンソン|保育士が子どもに文化背景を伝える方法

シャンソンはフランスを代表する音楽ジャンルで、歌詞の世界観を大切にする文化があります。保育士がシャンソンの背景を知っておくことで、音楽活動の幅が広がります。

シャンソンとは、フランス語で「歌」そのものを意味します。特定のジャンルを指すのではなく、フランス語で歌われる歌全般がシャンソンです。つまり広い意味では童謡もシャンソンに含まれます。

世界的に有名なシャンソン歌手として、エディット・ピアフ(Édith Piaf)が挙げられます。彼女の「愛の讃歌(La Vie en rose)」は1945年に発表され、現在も世界中で歌い継がれています。日本では越路吹雪が「愛の讃歌」として歌い、NHK紅白歌合戦でも複数回披露されました。

子どもへの文化背景の伝え方は、難しい説明より「物語」が効果的です。

  • 🎤 「むかし、フランスという遠い国にね、とても上手な歌手がいたんだよ」
  • 🗼 「その人が歌っていた国には、とっても高いエッフェル塔という塔があるんだよ」
  • 🎵 「その国の言葉で歌う歌をシャンソンって言うんだよ」

このように段階的に話を広げると、3〜4歳児でもフランスへの興味が芽生えます。いいことですね。

保育士向けの参考として、シャンソンを聴ける環境を事前に準備しておくのも有効です。音楽ストリーミングサービスでは「シャンソン 子ども」「フランス語 童謡」で検索すると、保育向けのプレイリストが多数見つかります。

フランス語の歌で有名な「アロエット」|保育士が使える体遊び・リズム活動への応用

「アロエット(Alouette)」は、繰り返し構造と体の部位を指さす動作が組み合わさったフランス語の有名な童謡です。保育活動への応用性が高い曲のひとつです。

「アロエット」は直訳すると「ひばり(小鳥)の一種」を意味します。歌詞は「ひばりよ、羽をむしってやるぞ」という内容で、一見子ども向けには見えない歌詞です。ただし、これはフランスの民間伝承的な表現で、体の部位を順番に歌い上げていく構造が遊び歌として機能しています。

歌詞に登場する体の部位は以下の通りです。

  • 👉 la tête(ラ・テット)=頭
  • 👉 le bec(ル・ベック)=くちばし
  • 👉 le cou(ル・クー)=首
  • 👉 les ailes(レ・ゼル)=翼(腕)
  • 👉 les pattes(レ・パット)=足

それぞれの部位を歌うたびに、体の対応する場所を指さしたり触ったりする動作を加えると、子どもが体を動かしながら覚えられます。身体感覚と音楽が結びつくというのは、言語習得の観点でも効果的な手法です。

保育士としての活用ポイントは「累積式」の構造です。毎回前の歌詞を繰り返しながら新しい部位を追加するため、記憶力トレーニングにもなります。4歳以上のクラスでは、少しずつ難易度を上げていくゲーム感覚で取り組めます。これが条件です。

文部科学省:幼児期の教育と言語発達について(参考)

言語感覚の育成に関する公的資料として、文部科学省のサイトも参考にしてください。外国語の歌を取り入れる根拠として活用できます。

保育士だけが知るフランス語の有名な歌の選び方|他園と差がつく独自視点

多くの記事では取り上げない視点ですが、フランス語の歌を保育で選ぶ際には「音の高さ(音域)」と「テンポの安定性」が非常に重要です。この視点を持つだけで、子どもへの定着率が大きく変わります。

保育士向けのリトミック研究では、子どもが心地よく歌える音域はC4(ド)〜D5(レ)の約9音程度とされています。これはピアノの鍵盤で言うと「真ん中のド」から「1オクターブ上のレ」までの範囲です。はがき横幅くらいの狭い範囲、と覚えておくとイメージしやすいです。

フランス語の有名な歌をこの基準で選ぶと、以下の曲が特に適しています。

  • フレール・ジャック:音域が狭く、テンポも安定。3歳児から対応可。
  • アロエット:繰り返しで音域がほぼ固定。4〜5歳児向き。
  • サヴェ・ヴー・プランテ・レ・シュー:テンポが落ち着いていて発音練習にも使いやすい。
  • ⚠️ 愛の讃歌(La Vie en rose):音域が広く、子ども向けの歌唱には不向き。鑑賞用として活用する。

一方で見落とされがちなのが「歌詞の繰り返し頻度」です。繰り返しが多い曲ほど子どもの記憶に定着しやすく、保育活動の中でも自然に口ずさむようになります。フランス語の童謡はこの点で非常に優秀で、7割以上の曲にサビの繰り返し構造が含まれています。

また、フランス語は「リエゾン(liaison)」という現象があり、単語の末尾の音が次の単語の頭音とつながって発音が変わります。例えば「Les enfants(レ・ザンファン)」は「レ」と「アンファン」ではなく「レ・ザンファン」と発音されます。子どもに教える際は、あらかじめCDや音源で発音を確認してから歌わせるのが確実です。

フランス観光開発機構(公式)|フランスの文化・言語について

フランス語や文化背景を調べる際の信頼性の高い情報源として、フランス観光開発機構の公式サイトも参考になります。

保育の現場でフランス語の歌を取り入れる際は、「楽しさ」を最優先にしましょう。難しい発音を完璧に正確に伝えることよりも、子どもがその言葉の響きを「面白い」「きれい」と感じることの方がずっと大切です。フランス語の歌で遊んだ経験が、将来の語学への興味の種になることもあります。言語への好奇心を育てる第一歩、という意識で気軽に取り組んでみてください。


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