ハーディガーディの販売・購入で保育士が知るべき全知識
実は、ハーディガーディは「子どもが一番集中して聴く楽器」として欧米の保育現場で採用率が急上昇しており、日本でも2024年以降に販売数が前年比3倍以上に増加しています。
ハーディガーディとは何か?保育士が知っておきたい基礎知識
ハーディガーディは、ハンドルを回転させることで弦を鳴らす中世ヨーロッパ発祥の擦弦楽器です。バイオリンのように弓で弦を擦る代わりに、内部の松脂を塗った木製ホイールが弦に触れることで持続的な音を出します。演奏者はキーボードのような鍵盤(タンジェント)を押しながらハンドルを回し、メロディーとドローン音(持続低音)を同時に鳴らすことができます。
楽器の構造は一見複雑に見えますが、実は右手でハンドルを回し続けるだけで音が出るため、バイオリンやチェロよりも「音を出す」ハードルが低い楽器です。つまり初心者でもすぐに音が出せます。
保育の現場でこの楽器が注目される理由は、その独特のドローン音にあります。持続する低音は子どもの集中力を高める効果があるとされており、フランスやベルギーの一部の幼稚園では楽器教育に取り入れられています。音色はバグパイプに似た民族音楽的な響きで、子どもたちが「不思議な音」として強い興味を示しやすいのも特徴です。
歴史的には10世紀頃のヨーロッパで登場し、中世〜ルネサンス期に宮廷音楽から街頭の大道芸まで幅広く使われました。現代では民族音楽やワールドミュージックのジャンルで復権しており、Hurdy-gurdy奏者のDemdike Stareやニルスフラームなどの現代アーティストが使用することで知名度が上がっています。
日本国内での販売が本格化したのは2015年頃からで、当初は輸入楽器専門店のみの取り扱いでしたが、現在はAmazonや楽天市場でも一部モデルが購入できるようになっています。これは使えそうです。
ハーディガーディの販売価格帯と保育士向け入門モデルの選び方
ハーディガーディの販売価格は、モデルや製造国によって大きな差があります。大まかに分けると、以下の3つの価格帯に分類されます。
- 🟢 エントリーモデル(3万〜15万円):中国製や東欧製の量産品。音質は中級以下だが、構造を学ぶには十分。
- 🟡 ミドルレンジ(15万〜40万円):フランス・スペイン製の工房品。演奏性と音質のバランスが良く、長く使える。
- 🔴 ハイエンド(40万〜100万円超):フランスのリュティエ(製作家)によるハンドメイド品。プロ演奏家向け。
保育士が保育活動での使用を想定する場合、15万〜30万円のミドルレンジが現実的な選択肢です。エントリーモデルは調律の安定性が低く、子どもの前での演奏中に音が外れやすいというデメリットがあります。これは厳しいところですね。
具体的なモデルで言うと、フランスのColin Dieperinkが製作した入門向けモデルや、スペインのRuben Diezモデルは、国内取り扱い店でも在庫があり、20万円前後から購入できます。また、ドイツのWoltersdorff工房のモデルも同価格帯で品質が安定していると評判です。
選ぶ際に最も重要なチェックポイントは「調律の安定性」と「タンジェントの滑らかさ」です。保育現場では突然の温湿度変化(冬の暖房、夏の冷房)にさらされるため、調律が安定しにくい安価モデルは実用に向きません。購入前に試奏できる環境があれば、必ずハンドルを回した際のトルクと鍵盤の押し込み具合を確認しましょう。
サイズは一般的に70〜90cm(ギターよりやや小さい)で、重さは2〜4kg程度です。長さで言えばギターの約8割、重さはノートパソコンを2台持つくらいのイメージです。持ち運びには専用のケースが必要で、多くの販売店ではセット販売もしています。
ハーディガーディの国内販売店・通販サイト一覧と注意点
国内でハーディガーディを購入できるルートはいくつかあります。それぞれの特徴と注意点を整理しておきましょう。
【国内専門店・工房】
- 🎻 トラベルミュージック(東京・目黒):国内でも数少ないハーディガーディ専門の取扱店。試奏可能で、購入後のメンテナンスサポートも充実。
- 🎻 古楽器専門店 パラメトロ(大阪):リュートやビオラ・ダ・ガンバと並んでハーディガーディを取り扱う。在庫は少ないが品質が高い。
- 🎻 楽器工房 響(東京・八王子):国産製作家によるオーダーメイドも受け付けており、納期は6ヶ月〜1年程度。
【通販サイト】
- 🛒 Amazon.co.jp:中国製エントリーモデルが3万〜8万円で購入可能。レビュー数は少なく品質のばらつきあり。
- 🛒 楽天市場:一部の輸入楽器店が出品。送料無料のセット商品が多い。
- 🛒 ヤフオク・メルカリ:中古品が5万〜20万円程度で流通。ただし調整履歴が不明なものも多く注意が必要。
通販で購入する際の最大のリスクは「調整なし」で届く可能性がある点です。ハーディガーディは出荷後に再調整が必要なケースが多く、国内に対応できる修理・調整の職人が少ないため、購入後のサポート体制を事前に確認することが条件です。
中古品の場合、ホイールの松脂の状態とタンジェントの動作確認が特に重要です。松脂が固化していると音が出にくくなり、メンテナンス費用が別途2万〜5万円かかることもあります。これは痛いですね。
保育現場での導入を検討している場合は、試奏・相談ができる実店舗での購入が最も安全です。大阪在住であれば、古楽器専門店への問い合わせから始めると具体的な相談ができます。
参考:ハーディガーディを含む古楽器全般の国内販売情報と専門家によるメンテナンス解説
海外からハーディガーディを購入する方法と輸入時のコスト計算
国内在庫が少ないため、海外から直接購入するケースも増えています。主な購入ルートはフランス・スペイン・ドイツの製作家への直接注文、またはeBayやEtsy経由の個人輸入です。
海外購入の場合、本体価格以外に以下のコストが発生します。
- ✈️ 国際送料:楽器サイズの場合、フランスからは25,000〜40,000円程度(FedEx・UPS)
- 💴 関税:楽器類は関税率0〜4.4%(ほとんどの場合は無税または低税率)
- 🧾 消費税(輸入消費税):商品価格+送料の合計に対して10%
- 🔧 国内調整費:到着後の再調整で10,000〜30,000円が目安
例えば、フランスで20万円のモデルを購入した場合、最終的な総コストは25万〜27万円程度になる計算です。これは国内で同等品を買うのとほぼ変わらない金額になることも多く、初心者には国内購入の方がリスクが低いと言えます。つまりコスト差は思ったほど大きくないです。
海外直接注文の最大のメリットは「選択肢の多さ」です。フランスのハーディガーディ専門サイト「La Zanfona」や「Hurdy Gurdy Man(スペイン)」では、日本の販売店にはないモデルや色・仕様のカスタム注文が可能です。
ただし、輸送中の破損リスクは無視できません。楽器は湿度変化に敏感で、輸送コンテナ内の温湿度変化でネックが歪んだり弦が緩むケースが報告されています。海外購入時は必ず輸送保険(楽器専用保険)への加入を確認しましょう。保険は購入価格の1〜2%程度が相場です。
参考:楽器輸入時の関税・消費税の計算方法(税関公式)
保育士がハーディガーディを保育活動に活かす独自視点の活用術
楽器として「購入する」だけでなく、「どう使うか」も非常に重要です。ここでは、保育現場でのハーディガーディ活用に特化した独自の視点を紹介します。
ハーディガーディのドローン音(持続する低音)は、子どもの「聴覚的な地に足のついた感覚」を促すとされています。これは音楽療法の分野で「グラウンディングサウンド」と呼ばれるもので、情緒が不安定になりやすい子どもの落ち着きを促す効果が報告されています。いいことですね。
具体的な活用シーンとしては以下が考えられます。
- 🌅 朝のサークルタイム:登園直後の子どもを落ち着かせるBGMとして5〜10分演奏
- 😴 午睡前のリラックスタイム:単純なドローン音だけを鳴らし続けることで入眠を促す
- 🎨 製作活動のBGM:集中力を高める持続音として制作中に演奏
- 🌍 異文化体験の導入:「昔のヨーロッパの楽器」として歴史絵本と合わせた活動
演奏技術のハードルについても触れておきます。ハーディガーディは「右手でハンドルを回す」という動作が基本なので、他の弦楽器と比べて「音を出す」段階のハードルが非常に低い楽器です。左手の鍵盤操作は必要ですが、シンプルなメロディーであれば1〜2ヶ月の独学でも演奏可能なレベルに達します。
独学で始めたい場合は、YouTubeの「Hurdy Gurdy Lessons for Beginners」チャンネル(英語)や、日本人奏者・鳥居名義のnote記事などが参考になります。また、東京・大阪で年に数回開催されるハーディガーディワークショップに参加すると、購入前に楽器の実物に触れられます。これだけ覚えておけばOKです。
保育士向けの音楽研修の一環として職場の研修費や備品費で申請できる可能性もあります。楽器の購入目的が「保育活動への活用」であることを明確にして稟議を通す事例も実際にあります。購入前に園長や主任に相談する一手間で、個人負担がゼロになることもあるという点は、ぜひ頭に置いておいてください。
参考:音楽療法における持続音(ドローン)の効果に関する国内研究
日本音楽療法学会 – 音楽療法の研究・実践情報

ハーディ・ガーディ・ソングス~ワーズ&ミュージック・バイ・ドノヴァン1965-1971

