シロフォン おもちゃを保育で活かす選び方と使い方
音階が正確なおもちゃシロフォンほど、子どもの音感発達を妨げることがある。
シロフォン おもちゃの種類と素材の違いを徹底比較
保育現場で使われるシロフォンおもちゃには、大きく分けて「木製」「金属製(グロッケンシュピール)」「プラスチック製」の3種類があります。素材によって音色・耐久性・価格帯が大きく異なります。
木製シロフォンは、柔らかく温かみのある音色が特徴です。一般的な木製おもちゃシロフォンの価格は2,000〜8,000円程度で、マレット(バチ)も木製のものが多く、打撃時の音が過度に鋭くなりません。保育士からの評判も高く、特に0〜2歳児クラスでの使用例が多いです。ただし、水分や湿気に弱いため、保管場所に注意が必要です。
金属製のグロッケンシュピール(鉄琴)は、澄んだ高音が出るのが特徴です。余韻が長く響くため、子どもが「音の長さ」を体感しやすいというメリットがあります。価格帯は3,000〜15,000円と幅広く、有名メーカーのものでは日本おもちゃ大賞を受賞したSTAUDTやKOKUYO製品も見受けられます。
プラスチック製は最もリーズナブルで、1,000〜3,000円で入手できます。軽量で扱いやすく、水洗いできるものもあります。ただし音の正確さや音質は木製・金属製に劣る傾向があります。
まとめると、素材選びが保育効果の第一歩です。
| 素材 | 価格帯 | 音色 | 耐久性 | おすすめ年齢 |
|---|---|---|---|---|
| 木製 | 2,000〜8,000円 | 温かみがある | 中〜高(乾燥注意) | 0〜3歳 |
| 金属製 | 3,000〜15,000円 | 澄んだ高音 | 高い | 3〜6歳 |
| プラスチック | 1,000〜3,000円 | やや薄い | 低〜中 | 0〜2歳(入門用) |
シロフォン おもちゃの年齢別おすすめと音板枚数の選び方
シロフォンの「音板(おんばん)の枚数」は、子どもの発達段階に合わせて選ぶのが基本です。枚数が多ければよいわけではありません。
1〜2歳児には、5〜8枚の音板を持つシンプルなモデルが適しています。この時期の子どもは「叩く」という行為自体に喜びを感じており、音階の理解は二次的なものです。音板が多すぎると視覚的な混乱を招き、遊びへの集中が途切れてしまいます。代表的な製品としては、PlanToys(プラントイ)の5音シロフォンやBOJEのミニシロフォンが保育士の間で高評価を得ています。
3〜4歳児には、8〜13枚程度の音板を持つモデルが向いています。ドレミの概念を少しずつ学べる時期で、色分けされた音板と楽譜カードがセットになった製品は、保育士が「曲を教える」活動にも使いやすいです。HOHNER(ホーナー)製の木琴は音程の正確さで定評があり、幼稚園・保育園での採用実績もあります。
5〜6歳児には13枚以上のモデルも選択肢に入ります。これは小学校入学前の音楽的素地を作る目的でも有効です。
つまり、枚数は年齢=少なめから増やすが原則です。
- 🎵 1〜2歳:5〜8音板(シンプル・軽量・口に入らないサイズ)
- 🎶 3〜4歳:8〜13音板(色分け+楽譜カード付きが理想)
- 🎼 5〜6歳:13〜15音板(正確な音程重視)
シロフォン おもちゃの安全基準とSTマークの確認方法
保育士として見落とせないのが、おもちゃの安全基準です。国内で販売される子ども向けシロフォンには「STマーク(玩具安全基準)」の有無を必ず確認してください。
STマークは、一般社団法人日本玩具協会が定める安全基準をクリアした製品に付与されます。物理的・化学的・可燃性の3分野で検査が行われ、特に化学的安全性では音板に使用される塗料の鉛含有量が基準値(90ppm以下)を下回ることが必要です。これは誤飲・舐め行動が多い乳幼児にとって非常に重要な基準です。
輸入品の場合はCEマーク(欧州安全基準)やASTM F963(米国玩具安全基準)が付いていれば国際的な安全水準を満たしています。ただし、日本のSTマークと完全に同一の基準ではないため、注意が必要です。
音板の接着部分やマレットの先端が外れていないか、定期的な点検も必須です。特に金属製音板は使用に伴ってネジが緩むことがあり、週1回の目視確認を習慣化することをおすすめします。
安全確認は購入時だけではありません。
日本玩具協会の公式サイトでSTマーク取得製品を検索できます。
※STマーク取得製品リストや安全基準の詳細が確認できます。
シロフォン おもちゃを使った保育活動へのリトミック的取り入れ方
シロフォンおもちゃを「ただ叩かせる」だけでは、音楽的発達の半分しか引き出せていません。保育の現場では、リトミック的な要素を組み合わせることで効果が大きく変わります。
リトミックとは、スイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズが考案した、音楽と身体運動を結びつける教育法です。シロフォンとの組み合わせでは、たとえば「高い音が鳴ったら手を上げる」「低い音が鳴ったらしゃがむ」といった身体反応を促すゲームが有効です。
3〜5歳児のクラスで実際に効果が報告されている活動例を挙げます。
- 🎵 「音の階段」ゲーム:ドから高いドまで順番に叩き、子どもが階段を上り下りする動きと連動させる
- 🎵 「どんな気持ち?」活動:速いテンポ・遅いテンポで叩き分け、子どもが感情表現する
- 🎵 「お返事シロフォン」:保育士が叩いたリズムを子どもが真似て叩く(2〜3音のパターンから)
2023年に保育士向け専門誌「保育ナビ」(フレーベル館刊)でも報告されたように、音楽遊びを週3回以上取り入れたクラスでは、半年後の語彙数が平均12〜15%向上したという事例があります。これは使えそうですね。
活動の導入で迷ったときは、フレーベル館や音楽之友社の保育音楽テキストが参考になります。楽譜カード付きのシロフォンセットには「かえるのうた」「きらきら星」など定番曲の簡易楽譜が付属しているものも多く、保育士の事前練習なしでも使えます。
保育士だからこそ知りたいシロフォン おもちゃの意外な落とし穴と保管術
現場でよく見落とされるのが「シロフォンの音程狂い」です。特に木製シロフォンは、気温や湿度の変化によって音板が膨張・収縮し、購入時から半音以上ズレることがあります。
実はこれが冒頭の驚きにつながります。音階が正確に調律されたおもちゃシロフォンを長期間使い続けると、狂った音程に慣れた子どもが相対音感ではなく「ズレた音程を正しいと認識する」ケースが報告されています。絶対音感の形成が盛んな2〜6歳の時期には特に注意が必要です。
定期的な点検として、以下を実施することをおすすめします。
- 🔍 月1回、スマートフォンの無料チューナーアプリ(GuitarTunaなど)で音板の音程を確認する
- 💧 木製シロフォンは直射日光と湿気を避け、収納ケースに乾燥剤を入れて保管する
- 🔧 金属製は接合部のネジを週1回確認し、緩みがあれば即日修理する
- 🧹 音板の清掃は固く絞った布で行い、水拭きは音板の反りの原因になるため避ける
保管場所は床から30cm以上の高さが理想です。床置きでは湿気を吸収しやすく、かつ子どもが踏みつけるリスクも生じます。収納は専用ケースか、取り出しやすいオープンラックが現場では好評です。
音程管理も保育士の大切な仕事です。
もし音程が著しく狂ってしまった場合は、メーカーに音板単体での交換を依頼できることがあります。SUZUKI(スズキ楽器)やZENON(ゼノン)などの国内メーカーでは、パーツ単体での販売や修理対応を行っています。
※木琴・鉄琴の音板交換パーツ情報や製品ラインアップが確認できます。


