コラール吹奏楽基礎で音程感と響きを磨く方法

コラールで吹奏楽の基礎を磨くポイントと練習法

コラール練習中に「ゆっくり丁寧に吹く」と、かえってハーモニーが崩れて上達が遅くなります。

コラールで吹奏楽の基礎を磨く
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コラールとは何か

吹奏楽の基礎合奏に使われる和声進行の短い楽曲。全パートが「溶け合う響き」を作る訓練として最適です。

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なぜ基礎に効くのか

各自が「根音・第3音・第5音」の役割を意識することで、バンド全体のサウンドが短時間で整います。

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この記事でわかること

コラールの基礎知識・音程の合わせ方・声部別の役割・無料楽譜の活用法まで、実践的な内容を解説します。

コラールとは何か:吹奏楽基礎合奏における定義と役割

 

コラール(Choral)は、もともとキリスト教の合唱曲に由来する、複数の声部が重なる短い楽曲形式です。 吹奏楽の基礎合奏では、この形式を使った「ハーモニー練習曲」として広く活用されています。winds-score+1

吹奏楽がコラール形式の曲を多く取り入れているのには、明確な理由があります。吹奏楽は合唱と同様に「溶け合った響き」を最大の魅力とする形態であり、コラール演奏でその美しさを追求することが、バンド全体のレベルアップに直結するからです。

参考)【教則楽譜】バンドのためのフレキシブル・コラール集: arr…

実際に、コラールでは複数の声部が合わさって響きが作られます。吹奏楽では1つの声部を複数の異なる楽器で重ねるのが一般的で、異なる楽器を溶け合わせて1つの声部を作り、さらにそれらが大きな合奏の響きとなります。 つまりコラールが基礎練習として使われている理由です。

コラール吹奏楽基礎での音程の合わせ方:純正律と平均律の違い

コラール練習で音程を合わせるとき、ピアノと同じ「平均律」で考えるとハーモニーが濁ります。これが原因です。

吹奏楽の和音では「純正律」で音程を調整することが基本で、特に長三和音の第3音は約14セント(ピアノの半音の約7分の1)低く吹くと、うなりのない澄んだ響きになります。 B♭(シ♭)の和音を基準に各パートが音をはめ込んでいくイメージで練習すると効果的です。

参考)https://www.dewa.or.jp/~hatt/oto/kiso-kaisetsu.pdf

純正律での音程調整には段階的なアプローチが有効です。まず根音→第5音→第3音の順に音を積み上げ、それぞれのグループごとに音出し確認を行います。 この「声部ごとの確認」のプロセスを省略すると、どこで音程が崩れているか特定できず練習時間を無駄にします。時間ロスは避けたいですね。

参考)基礎合奏練習で実力を付ける

コラール吹奏楽基礎での声部の役割:根音・第3音・第5音を理解する

コラール練習で上達が早い奏者の共通点は、「自分の音が和音の中でどの役割か」を常に意識していることです。

和音を構成する音は大きく3種類に分けられます。

  • 🔵 根音(ルート):和音の土台。面積が最も広く、音量もやや大きめにするのが基本です
  • 🟡 第5音:根音の上に安定感を作る音。ほぼピアノと同じ音程でOKです
  • 🔴 第3音:和音の明暗を決める最重要音。長調なら平均律より低め・短調なら高めに調整します

よく「ハーモニーはピラミッド型」と言われます。ベースが最も音量の割合が大きく、上に向かうほど細くしていくと、綺麗な響きになります。 これはイメージしやすい構造です。

自分の音が主旋律なのか副旋律なのか内声なのかベースなのかを、楽譜を見た段階で把握する習慣をつけると、コラール練習の質が一段階上がります。 つまり「楽譜の読み方」が音程より先に来るということですね。

コラール吹奏楽基礎の具体的な練習手順:短時間で効果を出す方法

限られた練習時間の中でコラールを効果的に使うには、手順が重要です。これが原則です。

まず、メトロノームをテンポ♩=120前後に設定してから始めます。 その日に合奏する曲の調(キー)に合ったコラールを選ぶと、実際の曲中で出てくるハーモニーの音程感が効率よく強化できます。 B♭管の多い吹奏楽では、B♭・E♭・A♭・F・Cといった調のコラールを用意しておくのが実用的です。winds-score+1

具体的な練習の流れは以下の通りです。

  1. 全員でユニゾンロングトーン(1つの音を全員で合わせる)
  2. 声部ごとのグループ(根音・第5音・第3音)に分かれて音出し確認
  3. 下からベース→内声→上声の順で積み上げながら和音を作る
  4. コラール全体を通し、各フレーズの終止感(カデンツ)を意識しながら演奏する
  5. 問題のある箇所を声部分けして再確認し修正する

コラール楽譜の入手について、予算がない場合でも選択肢があります。 吹奏楽指導者の堀江龍太郎氏が作曲した基礎合奏用コラール3曲分の楽譜が無料でダウンロード可能です。 著作権は保持されていますが、自分のバンドで自由に使えるとのことで、予算ゼロでも始められます。

参考として、コラール楽譜の無料公開元。

吹奏楽のためのコラール集 vol.1(堀江龍太郎 作曲・無料DL)

※コラール楽譜を無料で入手したい方向けのリンクです。

保育士が吹奏楽コラール基礎練習に取り組む際の独自視点:音楽経験が保育現場で活きる理由

保育士がコラール練習で身につく「耳を使う習慣」は、保育現場での子どもの音楽指導に直接転用できます。意外ですね。

保育士として就職する前後に吹奏楽経験を持つ方は、コラール練習で培った「複数の音を同時に聴き分ける力」を、子どものリズム感・音程感の指導にそのまま活かせます。 洗足学園音楽大学のように、幼稚園教諭・保育士を目指す学生が吹奏楽(ウィンド・バンド)を演習科目として履修するカリキュラムも存在します。 これは使えそうです。

参考)2017年ウィンド・バンドコンサートの動画

また、コラールの練習で重視される「互いの音を聴き合う姿勢」は、合唱の指導にも直結します。 保育の場で子どもたちに「みんなで声を合わせる楽しさ」を伝えるための土台として、コラールを通じた合奏体験は非常に有効です。音楽の授業や発表会準備でその経験が活きる場面は、1年に複数回あります。

さらに、コラール練習で学ぶ「長調は明るく・短調は深く哀愁がある」という調性の感覚は、保育で子どもに音楽の感情表現を教える際の言語化に役立ちます。 抽象的な「明るい曲・暗い曲」の説明が、より具体的にできるようになります。調性の感覚は財産です。

コラール吹奏楽基礎に使える楽譜と教材の選び方

コラール練習の効果は、楽譜の選び方でも大きく変わります。この点は見落とされがちです。

市販の主要な教材としては「吹奏楽基礎合奏 スーパー・サウンド・トレーニング コラール集」(ウィンズスコア)があります。 全国で累計10万部以上を売り上げた教則本「スーパー・サウンド・トレーニング」から派生した新コラール集で、B♭・E♭・A♭・F・Cおよびその平行短調で計21曲を収載しています。 有名作曲家が書き下ろしており、各コラールに何の和声機能かが視覚的にわかる表記もあります。

参考)吹奏楽基礎合奏 スーパー・サウンド・トレーニング コラール集

フレキシブル対応の楽譜も選択肢の1つです。フォスターミュージックから発売されている「バンドのためのフレキシブル・コラール集」(後藤洋 編)は、様々な編成のバンドで使えるよう設計されています。 人数が少ないバンドや、特定の楽器が揃っていない場合でも活用できます。

教材名 特徴 対象 価格帯
スーパー・サウンド・トレーニング コラール集 21曲収録・和声機能表記あり・各調対応 初心者〜上級 有料(市販)
バンドのためのフレキシブル・コラール集 少人数・変則編成対応 小〜中規模バンド 有料(市販)
堀江龍太郎作曲コラール集 vol.1 無料DL・著作権あり・自由使用可 予算のないバンド 無料

楽譜を選ぶ際の基準は「自分のバンドの調編成に合っているか」「和声機能が視覚的にわかるか」の2点です。この2点が条件です。

参考として、基礎合奏の全体的な進め方を解説したサイト。

音楽隊長の吹奏楽ブログ(基礎合奏練習メニューの解説)

※コラール練習の手順・ポイントが体系的に整理されており、指導者にも参考になります。


バッハ, J. S.: 371の四声コラール集 BWV 253-438/ブライトコップ & ヘルテル社/オルガン譜