カンタータ バッハのピアノ編曲を保育の現場で活かす
バッハが生きた時代、「ピアノ」はまだ存在していませんでした。
参考)バッハがいた時代にピアノはなかった!?ピアノができるまでの歴…
カンタータとは何か:バッハが残した200曲以上の声楽作品
カンタータとは、イタリア語の「カンターレ(歌う)」に由来する語で、声楽と器楽伴奏を組み合わせた多楽章の音楽作品のことです。 複数の楽章で構成され、レチタティーヴォ(語り風の唱法)とアリア(旋律的な独唱)を交互に含むことが多く、合唱やコラールが挿入される場合もあります。
参考)カンタータとは何か:バロック期の起源とバッハの到達点、教会と…
バッハはライプツィヒ時代(1723〜1750年)に教会音楽監督として、日曜礼拝や祝祭日のために毎年多数のカンタータを作曲・演奏しました。 現存するだけで200曲以上が確認されており、宗教的な内容の「教会カンタータ」と宮廷や私的な祝宴向けの「世俗カンタータ」の2種類に大別されます。 バッハのカンタータの特徴は、聖書的・讃美歌的なテクストの統合と、器楽・声楽が対位法的に組み合わさった高い完成度にあります。
つまり、カンタータは「歌のための作品」が基本です。
現在ピアノ曲として親しまれているバッハのカンタータ楽曲は、後世の演奏家・編曲家がピアノ独奏用に書き直したものがほとんどです。 このことを知っておくと、楽譜選びや練習の方向性がぐっと明確になります。
参考)ぴあのピアノ♪: ピアノに編曲されたバッハのカン…
カンタータ BWV147「主よ、人の望みの喜びよ」のピアノ版とは
保育士に最もなじみ深いバッハのカンタータといえば、BWV147「心と口と行いと生命もて」の第10曲コラール、通称「主よ、人の望みの喜びよ」です。 全10曲から構成されるカンタータとしてはかなり規模が大きい作品で、1723年のマリアの訪問の祝日のためにバッハがライプツィヒで完成させました。
参考)J.S.バッハ カンタータ 第147番「心と口と行いと生活で…
「主よ、人の望みの喜びよ」というタイトルは、実はバッハがつけたものではありません。 イギリスの女流ピアニスト、マイラ・ヘス(1890〜1965年)がピアノ独奏曲に編曲した際に付けられたものが定着したのです。 これは意外ですね。
現在ピアノ向けに流通している編曲版の中で特に有名なのは、マイラ・ヘス版とヴィルヘルム・ケンプ版の2つです。 ヘス版は和音が厚く手が大きくないと弾きにくい箇所があり、ケンプ版はそれよりもスッキリした編曲として知られています。 全音ピアノピースの楽譜(品番278番)でも販売されており、楽器店やネットで手軽に入手できます。
参考)「心と口と行いと命もて」 コラール「主よ、人の望みの喜びよ」…
- 🎵 マイラ・ヘス版:和音が豊かで演奏会映えする。手の届かない箇所があり中〜上級向け
- 🎵 ヴィルヘルム・ケンプ版:オリジナルに忠実でシンプル。中級者向けで弾きやすい
- 🎵 轟千尋編曲版:「きらきらピアノ こどものピアノ名曲集2」に収録。初〜中級者向けで保育士の練習に最適
ピアノ編曲が最も多いのが BWV147 の第10曲です。 自分のレベルに合った版を選ぶのが原則です。
【参考:ピアノ音楽事典「主よ、人の望みの喜びよ」 – enc.piano.or.jp】BWV147の編曲版一覧やそれぞれの解説が確認できます。楽譜選びの参考に最適です。
バッハのカンタータはピアノ曲ではない:歴史的背景を保育士視点で解説
バッハ(1685〜1750年)が活躍した時代、鍵盤楽器の主役はオルガンとチェンバロでした。 チェンバロは音の強弱をつけることができない楽器で、現代のピアノとは根本的に構造が異なります。 バッハはオルガンとチェンバロの名手でしたが、ピアノのための曲は実質的に作曲していません。lapin-musicschool+1
バッハの時代に「ピアノ(クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ)」が発明されたのは事実ですが、その音色はチェンバロに近く、現代のピアノとは大きく異なるものでした。 バッハが亡くなった後、何度もピアノの改良が重ねられ、現在の形になったのです。 つまり現代のピアノでバッハを弾くこと自体、すでに「編曲」的な行為といえます。
これは使えそうです。
保育士がバッハのカンタータをピアノで弾くとき、この歴史的背景を知っておくと、強弱や音色へのこだわり方が変わります。バッハの音楽はもともとオルガンやチェンバロで鳴らされることを想定して書かれているため、ピアノで表現する際は「響きを豊かに保つ」ことよりも「声部の独立性と対位法的な流れを意識する」ことが重要です。
- 🎹 タッチを均一に:各声部が独立して聴こえるよう、どの指も同じ深さで鍵盤を押す練習が基本
- 🎹 ペダルは控えめに:音がにごりやすいため、バッハはノンペダルまたは最小限が原則
- 🎹 テンポは一定に:バロック音楽はゆらぎより安定を重視。メトロノームを使った練習が有効
【参考:バッハについて – 新高円寺ピアノ教室 ラパン音楽教室】チェンバロとピアノの違い、バッハ時代の鍵盤楽器についての解説。バッハをピアノで弾く際の参考になります。
保育士がカンタータ バッハのピアノ編曲を卒園式・行事で使う方法
「主よ、人の望みの喜びよ」は卒園式のBGMとして特に人気があります。 天国へ誘うような穏やかで美しいメロディが聴く人の心を捉えて離さない名曲として、保育現場でも広く活用されています。 ただし、弾き方を間違えると場の雰囲気を壊してしまうため、目的別の弾き方を理解しておくことが大切です。
参考)卒園式のBGMはこれで決まり!入場曲から謝恩会まで使える感動…
| 場面 | 活用法 | ポイント |
|---|---|---|
| 卒園式 入場BGM | ゆっくりめのテンポで演奏 | 子どもが歩くテンポに合わせる(♩=60〜70程度) |
| 卒園式 退場BGM | 少し明るめのテンポ | 雰囲気が締まるよう、音を途切れさせない |
| 保育参観・発表会 | 演奏披露または子ども向け鑑賞 | 「音楽ってきれいだね」と感じさせる導入に |
| お昼寝BGM | 録音または生演奏 | 規則正しいリズムが入眠を促す効果がある |
BGMとして流すだけでなく、生演奏で聴かせることができれば子どもたちへの音楽教育の観点でも大きな効果があります。保育士自身がピアノを弾けることは、現場での信頼感にもつながります。これが条件です。
練習時間が取れない保育士には、まず轟千尋編曲版など初〜中級向けの楽譜から始めることをおすすめします。 難しいヘス版に最初から挑戦して挫折するより、弾ける版で形にしてから上を目指すほうが、結果的に早く演奏できるようになります。
参考)J.S.バッハ(轟 千尋編曲)/「カンタータ 第147番」よ…
カンタータ BWV147以外に保育士が弾けるバッハのピアノ編曲曲一覧
「主よ、人の望みの喜びよ」以外にも、ピアノ編曲が存在するバッハのカンタータは多数あります。 中でもBWV106「神の時こそいと良き時」(通称「哀悼行事」)は1707〜1708年頃に作曲された教会カンタータで、草創期の素朴な作品として今も人気が高い1曲です。 ピアノ編曲版も複数存在し、ソナティーナの部分は中級者でも挑戦できます。pacem.web.fc2+1
- 🎵 BWV147「主よ、人の望みの喜びよ」:ピアノ編曲が最も多く、保育・結婚式・卒園式に広く使われる定番曲
- 🎵 BWV106「神の時こそいと良き時」:ソナティーナが美しく、ピアノ連弾版も存在。落ち着いた場面に合う
- 🎵 BWV140「目覚めよと呼ぶ声あり」:コラール部分のピアノ編曲が特に有名。ケンプ自身の録音も残っている
- 🎵 BWV68 第2曲アリア「信ずる心よ」:BWV147に次いでピアノ編曲が多い隠れた名曲
- 🎵 BWV208「楽しき狩こそ我が喜び」:世俗カンタータの中でピアノ編曲が最も多い作品
これらの曲を知っておくと、発表会や保育参観での選曲の幅が広がります。
【参考:ピアノに編曲されたバッハのカンタータ – ぴあのピアノ】バッハの教会カンタータ・世俗カンタータのピアノ編曲が存在する作品一覧と、各曲のYouTube音源まとめ。選曲に役立ちます。
保育士がバッハのカンタータ ピアノを独学で練習する際の注意点【独自視点】
保育士の多くは、日々の業務が忙しい中でピアノの練習時間を確保しています。バッハのカンタータ編曲は「クラシックらしい格調高さ」から一見難しそうに見えますが、正しいアプローチを取れば独学でも十分に弾けるようになります。難しいと感じたら、まず編曲版を変えることを試してください。
保育士試験の音楽実技でも、50点満点中30点以上が合格基準とされており、「完璧な演奏」は求められていません。 音楽表現の実技では、伴奏しながら子どもに歌って聴かせる想定で採点されるため、「子どもが一緒に楽しく歌える演奏」が重要視されます。 バッハのカンタータを行事やBGMで弾く場合も同じ感覚で捉えてよく、「止まらずに最後まで弾ける」ことを最初の目標にするのが基本です。hoikushibank-column+1
- 📌 STEP1:自分のレベルに合った編曲版を選ぶ(初級:轟千尋版、中級:ケンプ版、上級:ヘス版)
- 📌 STEP2:右手メロディ→左手伴奏→両手の順で練習する(合わせるのは最後)
- 📌 STEP3:通し練習ではなく、難しい小節を分解して繰り返す「部分練習」を行う
- 📌 STEP4:メトロノームで一定テンポを身体に覚えさせる(バッハはゆらぎより安定が原則)
- 📌 STEP5:最終仕上げとして録音して聴き返し、音の抜けや強弱のムラを確認する
練習時間が限られている場合、1日15〜20分でも毎日続けることが最も効果的です。 週に1〜2回まとめて練習するより、短時間の毎日練習のほうが指が覚えやすく、忙しい保育士の日常にも組み込みやすいです。これだけ覚えておけばOKです。
参考)【2026年版】保育士試験の実技・ピアノ対策。課題曲・合格基…
バッハのカンタータ編曲曲は、一度弾けるようになると発表会・卒園式・保育参観など多様な場面で繰り返し活用できる「一生ものの財産」になります。ぜひ少しずつ挑戦してみてください。

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