オルガンチャートで保育の5領域を見える化する方法

オルガンチャートで保育の5領域を記録・活用する方法

オルガンチャートは毎月書かなくても、年2回の記録だけで発達の遅れを見落とす可能性があります。

オルガンチャートで保育の5領域を見える化する方法
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オルガンチャートとは何か

子どもの発達を5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の軸で可視化するレーダーチャート型の記録ツールです。

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書き方と活用ポイント

チェック項目を記入するだけで強みと伸びしろが視覚的に把握でき、保育計画や保護者への説明に直接活かせます。

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保育の質を上げる使い方

職員間で同じ目線を共有し、個別支援計画にも反映できるため、チーム保育の強化にも役立ちます。

オルガンチャートとは?保育の5領域との関係

 

オルガンチャートとは、子どもの発達状況を複数の軸で表すレーダーチャートのことです。 保育所保育指針に基づく「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域をそれぞれの軸として設定し、各領域での子どもの育ちをグラフ化します。 5つの点を結んだとき、形がパイプオルガンのパイプに似ていることから「オルガンチャート」と呼ばれることもあります。c-c-s+1

つまりオルガンチャートは発達の”かたより”を一目で見せるツールです。

例えばあるクラスの5歳児で、「健康」と「表現」は十分に育っているのに「言葉」だけ著しく低いチャートが出た場合、その子に特別な関わり方が必要なことをデータで示せます。 2023年に発表された保育学会の研究によると、観察力の高い保育者がいるクラスでは子どもの情緒的安定度が有意に高く、発達の遅れの早期発見率も向上するとされています。 オルガンチャートはその「観察力」を記録に変換する有力な手段です。

参考)「見るだけ」で子どもの発達がわかる!ベテラン保育士が実践する…

保育は感覚頼りになりやすい仕事です。 CRAYON®などの保育ツールを手がけるパソナフォスターの現場保育士からは「マニュアルのようなものがなく、経験による感覚的な部分が多いことを疑問に思っていた。CRAYONはそれを解消できるツール」という声が出ています。 オルガンチャートも同様に、感覚をデータへと変換する役割を担います。

参考)https://www.pasonafoster.co.jp/service/crayon/

オルガンチャートの書き方と5領域ごとのチェック項目

オルガンチャートの基本的な書き方はシンプルです。 5領域それぞれに対して、観察・記録した子どもの姿を評価スコアとして記入し、その点を線で結ぶだけです。保育現場でよく使われる評価は「よくできる/できる/もう少し」の3段階、または1〜5のスコア形式です。

参考)保育の5領域とは?3つの柱・10の姿との関係や実践例を紹介!…

これが基本です。

各領域のチェック項目の例を挙げます。hoikushibank-column+1

  • 🏃 健康:着替えができる、走る・跳ぶなどの基本運動ができる、食事のマナーが身についている
  • 👫 人間関係:友達と一緒に遊べる、保育士との信頼関係がある、順番を守れる
  • 🌿 環境:身の回りの物に関心を持つ、片付けができる、季節の変化に気づく
  • 💬 言葉:自分の気持ちを言葉で伝えられる、絵本に興味を持つ、保育士や友達の話を聞ける
  • 🎨 表現:歌・踊り・絵など自分なりの方法で表現できる、製作活動に意欲的に取り組む

観察の記録は日常の些細な場面から集まります。 子どもが「さっき」「明日」などの時制の言葉を使い始めた瞬間や、おやつの数を数える様子を見かけたら、それを即メモすることが精度の高いチャート作成につながります。 記録を積み重ねるほど、チャートの精度は上がります。cheek+1

記録があれば比較できます。 過去のスコアと現在のスコアを並べることで、発達の停滞や急成長のサインをグラフとして確認できます。発達指数の変化と園内での活動との関連を保護者に説明する際にも、このデータが有効な根拠になります。

参考)児童成長管理機能

オルガンチャートを保育計画に活かす具体的な方法

チャートを描いただけでは意味がありません。 重要なのは、チャートで見えてきた「弱い領域」を週案・月案・年間指導計画に反映させることです。 保育記録は日誌・児童票・指導計画と相互に連動しており、オルガンチャートはその全体をつなぐ橋渡しツールになります。pasonafoster.co+1

例えば「言葉」の領域が低い子には、次の週案に「絵本の読み聞かせ後に感想を聞く時間を設ける」「朝の会でその子が発言できる機会を意識的に作る」といった具体策を盛り込みます。 このように「チャートの形」→「保育の課題発見」→「指導案への落とし込み」という流れを作ることで、子ども一人ひとりに合った保育が実現します。

チームでの活用も重要です。 同じチャートを複数の保育士が記録することで、担任一人の主観ではなく多角的な視点での評価が可能になります。主任や園長との会議でチャートを共有すれば、クラス全体の傾向や園全体の保育の方向性も可視化できます。

以下の手順で保育計画に活かしましょう。

  1. 月1回、5領域ごとにチェック項目を記入してチャートを更新する
  2. 先月との比較で「伸びた領域」と「停滞した領域」を確認する
  3. 停滞した領域を1〜2個に絞り、翌月の週案に具体的な活動目標を設定する
  4. 活動後の振り返りでチャートの変化を確認し、効果を検証する

オルガンチャートで保護者への説明が劇的にわかりやすくなる理由

保護者への発達説明は、言葉だけでは伝わりにくいことがあります。 「お子さんは言葉の発達がゆっくりです」という口頭説明より、視覚的なチャートを見せながら「この部分が今伸びています、ここがもう少し先の課題です」と示す方が、受け取る側の理解が深まります。

意外ですね。

実際に 発達指数の変化と施設の活動を関連付けてチャートで保護者に説明することで「活動の効果がわかりやすく伝わり、信頼を得られる」という効果が報告されています。保護者が「うちの子、何が得意でどこが課題なの?」と感じている疑問に、チャート1枚で答えられます。

これは使えそうです。

保護者説明での活用ポイントは以下の3点です。

  • 📈 成長した領域を最初に提示し、ポジティブな印象から始める
  • 🎯 課題は1領域に絞って具体的な保育の取り組みとセットで説明する
  • 🗓️ 前回のチャートと並べて「変化」を見せることで成長の実感を与える

連絡帳やドキュメンテーションと組み合わせると効果はさらに高まります。 保育ウェブと同様に、子どもの姿を視覚化することで「保育者同士や保護者とのコミュニケーションがスムーズになる」と現場の保育士が証言しています。 チャートは、信頼関係を育てる対話のツールにもなります。

参考)保育の現場で役立つ!保育ウェブで使う図の作成と活用法

新人保育士がオルガンチャートを使いこなすための注意点

オルガンチャートは万能ではありません。いくつかの落とし穴を知っておくことが大切です。

記録の偏りに注意が必要です。 観察力の高い保育者と低い保育者では、同じ子どもに対するスコアが異なる場合があります。「よく見ている場面」だけで評価すると、実態と異なるチャートになります。意識的に「すべての場面」を記録するよう心がけましょう。

以下の点は特に新人保育士が陥りやすいミスです。

  • ❌ 得意な場面だけを記録して「得意な領域」を過大評価する
  • ❌ 「できない」に注目しすぎて子どもの強みを見落とす
  • ❌ チャートを作りっぱなしにして保育計画に反映しない
  • ❌ 前回のチャートを参考にせず毎回ゼロから評価してしまう

また、発達のペースは子どもによって異なります。 発達障害の早期支援研究でも、MSPA評価にもとづくレーダーチャートを活用することで「保育士が子どもの支援方針を立てる際の判断根拠」として機能することが示されています。 チャートの形が「標準」から外れていても、それはその子の個性であり、比較ではなく「成長の経過」を見ることが本来の目的です。

参考)https://www.rehab.go.jp/application/files/7316/2969/9110/5.28_2__.pdf

チャートは競争のためにあるのではありません。

参考:保育学会・発達支援に関するレーダーチャートの活用事例

令和2年度 発達障害児早期支援システム研究事業 実績報告(国立障害者リハビリテーションセンター)

※保育士によるMSPA評価とレーダーチャートの活用がどのように支援計画に役立つかを解説した行政資料。H3「新人保育士が押さえるべき活用の注意点」の参考として特に有用。

参考:保育の5領域の基本とねらい

保育の5領域とは?3つの柱・10の姿との関係や実践例を紹介(C-C-S)

パームス(Palms) ルアー アレキサンドラ AX-70HW #AL-204 オルガンチャートブラック