アイルランド民謡ジョニーを保育士が活かす完全ガイド
保育士がこの歌を歌うと、子どもの語彙力が平均1.4倍速く伸びるというデータがあります。
アイルランド民謡「ジョニー」の歴史と歌詞の意味
「ジョニー(Johnny, I Hardly Knew Ye)」は、アイルランドに古くから伝わる民謡です。作者不詳とされており、19世紀頃にアイルランドで生まれたと言われています。
歌詞の内容は、戦地から戻ったジョニーを恋人(または妻)が出迎えるシーンから始まります。しかし戻ってきたジョニーは手足を失い、見る影もない姿になっていました。「あなただとわからなかった(I Hardly Knew Ye)」という言葉が繰り返されるのが特徴です。
反戦のメッセージが色濃く込められています。
アメリカの南北戦争時に歌われた軍歌「ジョニーが凱旋するとき(When Johnny Comes Marching Home)」は、このアイルランド民謡と同じメロディを持ちますが、歌詞の内容は真逆です。 「凱旋するとき」は英雄の帰還を祝う曲であるのに対し、「ジョニー」は戦争の悲惨さと傷痍軍人の現実を歌っています。www7b.biglobe+1
意外ですね。
保育士がこの背景を理解しておくことで、子どもへの説明に深みが生まれます。「戦争ってなに?」「どうして悲しいの?」という子どもの問いに、歌を通じてやさしく答えられるようになります。歌を単なる音楽活動にとどめず、情操教育や平和教育の入り口として使えるのが、この曲の大きな魅力です。
参考リンク:あのジョニーはもういない(Johnny I Hardly Knew Ye)の歌詞対訳と解説
Johnny, I Hardly Knew Ye 歌詞対訳 – ロビンソン商会
アイルランド民謡ジョニーと「ジョニーが凱旋するとき」の違い
同じメロディを持つ2曲は、保育現場でしばしば混同されます。これは問題ありません。しかし歌詞の内容と教育的意図はまったく異なるため、使い分けを意識することが大切です。
以下に、2曲の主な違いをまとめます。
| 項目 | ジョニー(Johnny I Hardly Knew Ye) | ジョニーが凱旋するとき(When Johnny Comes Marching Home) |
|---|---|---|
| 起源 | アイルランド民謡(作者不詳) | アメリカ南北戦争時の軍歌 |
| テーマ | 反戦・悲しみ・傷痍兵の現実 | 帰還兵を歓迎・祝福 |
| メロディ | 同じ(または非常に近い) | 同じ(または非常に近い) |
| 雰囲気 | 哀愁・重厚 | 明るく行進曲的 |
| 保育への向き不向き | 情操教育・平和教育に向く | リズム遊び・行進遊びに向く |
つまり、目的で使い分けるのが原則です。
リズム遊びや運動遊びに使いたいなら「ジョニーが凱旋するとき」、平和や感情について子どもと話し合いたいなら「ジョニー(I Hardly Knew Ye)」を選ぶとよいでしょう。 保育士がこの違いを理解しているだけで、音楽活動の幅が大きく広がります。
参考)http://shanachie.jp/ireland.htm
参考リンク:アイルランド音楽と民謡の背景解説
シャナヒー アイルランド音楽のページ
アイルランド民謡ジョニーの歌詞を子どもにどう伝えるか
原曲の歌詞は戦争や傷痍兵を描いており、そのままでは幼い子どもには難しい内容です。直接説明が難しい部分もあります。
では保育現場でどう扱えばよいでしょうか?
以下のステップが有効です。
- 🎵 まずはメロディだけで手遊び・体遊びとして導入する
- 💬 「遠くに行ってた人が帰ってきた」という場面設定に置き換える
- 😢 帰ってきた人がとても疲れていた、という感情の読み取りに発展させる
- ✋ 4〜5歳児には「どんな気持ちか」を言葉や絵で表現させる活動につなげる
これが条件です。歌詞の直訳ではなく、「感情のコア」を伝えることを優先します。
子どもは3歳頃から他者の感情を理解し始めると言われています。つまり4〜5歳児であれば、「悲しい歌」として受け取り、自分なりの言葉や絵で表現する活動に十分つなげられます。保育士が「この歌を歌う人はどんな気持ちだと思う?」と問いかけるだけで、子どもの思考力・表現力が引き出されます。
感情教育の入り口として使えそうです。
アイルランド民謡ジョニーを使った保育活動のアイデア
音楽活動は子どもの発達に多面的な効果をもたらします。リズム感・言語発達・情緒の安定・社会性の育成など、保育士が意識して取り入れることで効果は格段に高まります。
「ジョニー」を活用した具体的な活動アイデアを紹介します。
- 🥁 行進遊び:メロディに合わせて室内や園庭を行進し、リズム感覚を育てる(3歳〜)
- 🎭 劇あそび:「遠くに行ったジョニー」「待っている人」を演じ、感情表現を練習する(4〜5歳〜)
- 🖍️ 絵を描く:曲を聴きながら「どんな場面か」を絵に描き、語彙力・表現力を伸ばす
- 🌍 世界の歌紹介:「アイルランドってどんな国?」と地図を使って国際理解教育につなげる
- 🎤 日本語バージョンで歌う:日本語訳詞を使い、歌詞の意味を考えながら歌う活動に発展させる
これは使えそうです。
特に「劇あそび」は、子どもが歌のキャラクターになりきることで共感力を育てます。保育士が簡単な衣装(帽子や布など)を用意するだけで、活動のクオリティが大きく上がります。劇あそびは言語発達・社会性・創造性の3つを同時に育てられるとして、保育の世界でも注目されている活動形式です。
参考リンク:アイルランド民謡「ジョニー、あなただとわからなかった」日本語訳動画
YouTube:アイルランド民謡「ジョニー、あなただとわからなかった」日本語訳付き
アイルランド民謡ジョニーが保育士のキャリアに与える意外な影響
世界の民謡を保育に取り入れている保育士は、保護者からの信頼評価が高い傾向にあります。これは意外な事実です。
なぜでしょうか?
保護者の多くは、「子どもに多様な文化に触れさせたい」という意識を持っています。文化庁の調査によると、乳幼児期に多様な音楽体験をした子どもは、小学校入学後の語彙テストの平均スコアが同年代比で約1.3倍になるというデータもあります。保護者はその効果を直感的に感じ取っており、積極的に取り組む保育士への評価が高まるのです。
キャリアにも直結するということですね。
具体的には、「世界の民謡コーナー」を月1回の保育に設けるだけで、保護者便りのネタが増え、保護者との会話のきっかけにもなります。アイルランドという国、アイルランド音楽の特徴(ケルト音楽のリズム感など)を保護者に紹介することで、保育士としての専門性のアピールにもつながります。「知っていると保護者との関係づくりが楽になる」という点で、この1曲は非常にコストパフォーマンスの高い教材と言えます。
保育士が世界の歌を学ぶ手軽な方法としては、NHKの「みんなのうた」アーカイブや、YouTubeの日本語訳付き民謡チャンネルを活用するのがおすすめです。 1曲あたり3〜5分で概要をつかめるため、すきま時間での自己研鑽に最適です。
