おいしいともだち絵本を保育士が選ぶ読み聞かせ完全ガイド

おいしいともだち絵本を保育士が読み聞かせで活かす全ガイド

「食べ物をテーマにした絵本は、好き嫌い克服のためだけに読むもの」と思っていると、読み聞かせの効果を7割以上取りこぼしています。

おいしいともだち 絵本 3つのポイント
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食育だけじゃない

「おいしいともだち」は食育絵本として有名ですが、実は「友だちづくり」「感情表現」の導入絵本としても高い効果があります。

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ねらいの設定が鍵

読み聞かせ前にねらいを1つ決めるだけで、子どもの反応と保育記録の質が大きく変わります。

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年齢別の読み方が存在する

2歳児と5歳児では、同じ絵本でも問いかけ方・読むスピード・余韻の作り方がまったく異なります。

おいしいともだち絵本の内容とあらすじを保育士視点で解説

 

「おいしいともだち」は、作・絵を tupera tupera(ツペラツペラ)が手がけた絵本シリーズです。「やさいのともだち」「くだもののともだち」など複数のタイトルが展開されており、食べ物のキャラクターたちが友だちになっていくストーリーが特徴です。

絵のタッチはシンプルで色鮮やか。2〜5歳の子どもが「知っている食べ物」を次々に見つけながら楽しめる構成になっています。これは使えそうです。

登場する食材は、にんじん・ブロッコリー・トマト・バナナなど、子どもの日常の食卓に並ぶものばかりです。「あ、きのう食べた!」という反応が自然に引き出せるのが、保育士にとって最大の強みと言えます。

tupera tuperaは、2016年に「かおノート」で絵本界のアカデミー賞とも呼ばれるブラティスラバ世界絵本原画展(BIB)のゴールデンアップル賞を受賞した実力派ユニットです。日本国内外で高く評価されており、保育現場での信頼性も高い作家です。

つまり、作家としての裏付けがしっかりある絵本ということですね。

おいしいともだち絵本の読み聞かせのねらいと保育計画への組み込み方

保育計画に絵本を組み込む際、「ねらい」を曖昧にしたまま読むと、子どもの学びが散漫になります。「おいしいともだち」を使う場合、ねらいは大きく3つに整理できます。

🥕 食育のねらい:知っている野菜・果物の名前を確認し、食べることへの関心を高める

👥 社会性のねらい:友だちと一緒にいる楽しさ、声をかけ合うことの大切さを伝える

🎨 表現・言語のねらい:キャラクターの感情や行動を言葉で表現する練習をする

ねらいが1つに絞られているほど、読み聞かせ後の問いかけと保育記録が書きやすくなります。これが基本です。

たとえば「食育」をねらいにした日は、読み後に「今日の給食にも出てきそうなお野菜はいた?」と問いかけるだけで子どもが自ら話し始めます。記録欄に「○○ちゃんがにんじんのキャラクターを指さして『きのう食べた』と発言」といった具体的なエピソードが残せます。

保育記録の質が上がると、年度末の保育評価にも直結します。指導計画と絵本の選定がつながっている状態を作ることが、保育の質向上の一歩です。

おいしいともだち絵本を使った年齢別の読み聞かせ方と問いかけ例

同じ絵本でも、年齢によって読み方を変えることで効果が大きく変わります。

2〜3歳(0・1・2歳児クラス)

この年齢では「見る・聞く・反応する」が中心です。ページをゆっくりめくり、各キャラクターを指さしながら「これなあに?」と問いかけると自然に答えてくれます。読むスピードは1ページあたり約10〜15秒を目安にするとよいでしょう。

急いで読まないことが大切です。

子どもが「にんじん!」と声を上げたら、「そうだね、にんじんだね、おいしそうだね」と繰り返すことで語彙の定着が促されます。この「繰り返し応答」は言語発達研究でも効果が確認されており、国立国語研究所の調査でも保育士の応答的なかかわりが幼児語彙数に影響することが示されています。

4〜5歳(3・4・5歳児クラス)

この年齢では「なぜ?どうして?」を引き出す問いかけが有効です。「このにんじんくん、なんで走ってるんだろう?」「どんな気持ちかな?」と聞くと、子どもが自分の言葉でストーリーを補完し始めます。

自分の言葉で語れる体験が、表現力の土台です。

読み聞かせ後に「絵本のキャラクターでどれが好き?」と問いかけ、その理由を言わせる活動を加えると、保育要領でいう「言葉による伝え合い」の領域とも結びつけられます。

おいしいともだち絵本と食育活動を組み合わせた保育アイデア

絵本を読んで終わりにしない工夫が、保育の深みをつくります。「おいしいともだち」は食育活動との親和性が特に高く、読み聞かせを起点にしたアクティビティが豊富です。

🖍 制作活動との連携

絵本を読んだ後に「自分だけの食べ物キャラクター」を描く活動を取り入れると、創造性と表現力の両方を育てられます。2歳児なら画用紙にシール貼りで「顔をつける」だけでも十分な活動になります。5歳児なら「名前・好きなもの・友だちの名前」まで考えさせると、文字への興味につながります。

🥦 給食・おやつとの連動

その日の給食に絵本のキャラクターが出てくる食材を意図的に組み合わせると、子どもが「絵本で見た!」と興奮して食べる姿が見られます。保育士と栄養士が月案段階で連携できると理想的です。食べ物への親しみが増し、好き嫌いが1〜2品減るケースも現場では報告されています。

🎭 ごっこ遊びへの展開

登場キャラクターを段ボールやフェルトで手作りし、ごっこ遊びに使う方法も効果的です。「にんじんくん役」を子どもに演じさせることで、自己表現と役割意識が同時に育ちます。

これが一石二鳥の活用です。

保育士が見落としがちな「おいしいともだち」絵本シリーズ全体の活用戦略

「おいしいともだち」をシリーズとして計画的に使うことで、年間の食育計画に一貫性が生まれます。これは多くの保育士が取り組んでいない独自視点の活用法です。

tupera tuperaの「ともだち」シリーズは、テーマ別に展開されており、季節や行事に合わせて選ぶことができます。たとえば秋の収穫祭の時期には「やさいのともだち」、夏祭りの前後には「くだもののともだち」を意図的にスケジュールに組み込む方法があります。

年間12ヶ月に対してシリーズを割り振っておくと、月案作成の時間が短縮できます。

また、同じシリーズを繰り返し読むことで、子どもの中に「物語の型(フォーマット)」が蓄積されます。これは文部科学省が幼稚園教育要領で示す「言葉の豊かさ」「物語への親しみ」に直結します。1冊だけで終わらせず、シリーズとして計画的に使うことで保育記録にも縦断的な子どもの変化が記録できます。

さらに、保護者向けの「今月の絵本コーナー」に紹介することで、家庭でも同じ絵本を手に取るきっかけになります。家庭と保育施設で同じ絵本を共有することは、保護者との連携という観点でも有効です。保護者アンケートで「家でも読むようになった」という声が増えると、保育の取り組みの可視化にもなります。

文部科学省・幼稚園教育要領(言葉・表現の領域に関する記述)については、以下の公式ページで確認できます。読み聞かせの指導計画を立てる際の根拠として活用してください。

文部科学省:幼稚園教育要領(言葉・表現領域)

tupera tuperaの作品紹介・受賞歴については、絵本ナビの作家ページが信頼性が高くまとまっています。保護者に紹介する際の参考情報としても使えます。

絵本ナビ:tupera tupera 作家ページ

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