メドレー曲人気選び方と構成
人気曲ばかり選ぶと子どもが飽きます
メドレー曲で保育現場が盛り上がる理由
保育現場でメドレー曲が人気なのは、短時間で多くの曲を楽しめるからです。子どもたちの集中力は年齢によって異なりますが、0〜2歳児で約3〜5分、3〜5歳児でも10分程度が限界と言われています。
つまり短いですね。
メドレー形式なら、1曲あたり1〜2分に短縮できるため、飽きる前に次の曲へ移れます。
これは集中力の維持に効果的です。
さらに、運動会や発表会などの行事では、限られた時間内で多くの曲を披露する必要があります。メドレーなら5分間で3〜5曲を組み込めるため、プログラムの時間調整がしやすくなります。
効率的ということですね。
また、季節の歌を次々と歌うメドレーは、子どもたちの記憶定着にも役立ちます。「次はあの曲だ!」という期待感が、歌への興味を高めるからです。
メドレー曲の人気ランキングと選曲基準
保育現場で実際に使われているメドレー曲の人気ランキングを見ると、以下のような傾向があります。
年間を通じて人気の定番曲
これらは世代を超えて愛される曲です。子どもだけでなく保護者も知っているため、行事での一体感が生まれやすくなります。
季節別の人気メドレー構成
春(4〜6月):「チューリップ」→「ちょうちょう」→「さんぽ」
夏(7〜8月):「うみ」→「アイスクリームの歌」→「南の島のハメハメハ大王」
秋(9〜11月):「どんぐりころころ」→「まつぼっくり」→「大きな栗の木の下で」
冬(12〜2月):「あわてんぼうのサンタクロース」→「雪」→「豆まき」
季節感を出すことで、子どもたちの生活体験と音楽がつながります。どういうことでしょうか?例えば「どんぐりころころ」を歌った後に実際にどんぐり拾いをすると、歌詞の意味がより深く理解できるのです。
選曲で重要なのは、子どもたちが「知っている曲」と「新しい曲」のバランスです。全て知っている曲だと新鮮味がなく、全て新しい曲だと不安になります。知っている曲7割、新しい曲3割が黄金比です。
また、テンポの変化も意識しましょう。ゆっくりな曲→速い曲→中くらいの曲、という流れを作ると、子どもたちの気持ちにメリハリが生まれます。ずっと同じテンポだと単調になり、集中力が途切れてしまうからです。
保育雑誌「PriPri」の調査によると、メドレー曲を選ぶ際に保育士が最も重視するのは「子どもが歌いやすいか」(82%)、次いで「動きをつけやすいか」(68%)という結果が出ています。
参考:世界文化社「PriPri 2024年春号」保育現場の音楽活動に関する特集
メドレー曲の最適な時間と曲数の決め方
メドレー全体の長さは、場面と年齢によって調整します。
基本は5分以内です。
年齢別の推奨時間
- 0〜1歳児:2〜3分(曲数2〜3曲)
- 2〜3歳児:3〜5分(曲数3〜4曲)
- 4〜5歳児:5〜7分(曲数4〜6曲)
0〜1歳児は言葉の理解が発達途中なので、同じフレーズを繰り返す曲を短めにつなぐのがコツです。例えば「いないいないばあ」→「むすんでひらいて」→「おもちゃのチャチャチャ」のように、各曲を30秒〜1分程度に短縮します。
1曲あたりの長さは、フルコーラスではなく1番だけ、またはサビだけに絞ります。どういうことでしょうか?保育現場では、子どもたちが覚えやすい「一番盛り上がる部分」だけを歌うことが多いのです。
発表会や運動会の場合は、保護者の観覧時間も考慮して7〜10分まで延ばすことがあります。ただし、10分を超えると子どもの疲労が見えてくるため、途中に動きの少ない曲を入れて休憩タイムを作るなどの工夫が必要です。
曲と曲の間の「つなぎ」も重要です。無音のまま次の曲が始まると、子どもたちの集中が途切れます。ピアノやCDの場合は、前の曲の最後の音を伸ばしながら次の曲のイントロにつなぐと、スムーズに移行できます。
つまり途切れさせないということですね。
実際に某保育園で実施した調査では、5分以内のメドレーは子どもの8割以上が最後まで集中して参加できたのに対し、10分を超えると集中力が保てたのは5割以下でした。
時間設定は慎重に行いましょう。
メドレー曲編集の具体的な手順と注意点
メドレー曲を自作する場合、無料アプリで簡単に編集できます。保育士に人気なのは「Audacity」(PC用)や「Audio Editor」(スマホ用)です。
基本的な編集手順
- 使いたい曲の音源を用意する(CDやダウンロード音源)
- 編集アプリで曲を読み込む
- 各曲の使いたい部分(サビや1番)を切り出す
- 曲の最後をフェードアウト、次の曲の始まりをフェードインに設定
- 曲同士をつなげて1つのファイルとして保存
フェードアウト・フェードインは各1〜2秒程度が自然です。これで曲が急に切れたり始まったりする違和感がなくなります。
ただし、著作権には注意が必要です。保育園内で使用する分には問題ありませんが、YouTubeなど公開する場合は権利処理が必要になります。JASRACに申請する、または著作権フリーの楽曲を使うのが基本です。
市販のCDには「保育園・幼稚園での使用OK」と明記されているものもあります。キングレコードの「すく♪いく」シリーズや、コロムビアの「保育園・幼稚園・こども園でうたう歌」シリーズなどは、施設内利用が許諾されています。
安心ですね。
編集時間を短縮したい場合は、既製のメドレーCDを活用する方法もあります。ただし、自園の行事に合わせた曲順や長さにカスタマイズしたいなら、やはり自作が便利です。
参考:JASRAC「学校その他の教育機関での音楽利用」保育施設での音楽使用に関する基本情報
メドレー曲に動きをつけて子どもの参加度を上げる方法
メドレー曲は、ただ歌うだけでなく動きをつけることで、子どもたちの参加意欲が格段に高まります。
動きをつけるメリットは3つあります。
まず、体を動かすことで記憶に残りやすくなります。「手を叩く」「ジャンプする」など体の動きと一緒に覚えた歌は、長期記憶に定着しやすいという研究結果があります。
次に、恥ずかしがりな子でも参加しやすくなります。歌だけだと声を出すのをためらう子も、体を動かす活動なら自然に入っていけます。
最後に、運動能力の発達にもつながります。リズムに合わせて体を動かすことは、協調運動やバランス感覚の向上に効果的です。
年齢別の動きの例
0〜2歳児向け。
3〜5歳児向け。
- ジャンプ
- 回転
- 列を作って行進
- 二人組での動き(手をつなぐ、向かい合ってお辞儀など)
- 簡単な振り付け(腕を広げる、しゃがむ、立つなど)
ただし、複雑な振り付けは避けましょう。メドレーは曲が次々変わるため、それぞれに複雑な動きをつけると子どもが混乱します。
各曲2〜3種類の動きに絞るのがコツです。
また、全ての曲に激しい動きをつけると疲れてしまいます。「動きが多い曲」と「動きが少ない曲」を交互に配置し、休憩タイムを作りましょう。例えば、1曲目は走り回る系、2曲目は座って手遊び、3曲目はまた立って踊る、という構成です。
保育現場では、保育士が前に立って見本を見せながら進めることが多いです。しかし、メドレーの場合は曲が次々変わるため、事前に子どもたちと練習しておくとスムーズです。
最低3回は通し練習をしておくと安心ですね。
動きをつける際は、怪我のリスクも考慮します。室内であれば床にマットを敷く、屋外であれば平らな場所を選ぶなど、安全確保を優先しましょう。
保育現場で避けたいメドレー曲の失敗パターン
メドレー曲の構成でよくある失敗パターンを知っておくと、準備の手間が省けます。
失敗パターン1:テンポが極端に違う曲を続ける
ゆっくりなバラード曲の直後に、アップテンポの曲を入れると、子どもたちが気持ちの切り替えに戸惑います。
テンポは段階的に変化させるのが基本です。
例えば「ゆっくり→中くらい→速い」という流れです。
失敗パターン2:知らない曲ばかり選ぶ
新しい曲ばかりのメドレーは、子どもたちが不安になります。特に発表会など保護者の前で披露する場面では、子どもが自信を持って歌える曲を中心にしましょう。
新曲は1〜2曲程度に抑えるのが原則です。
失敗パターン3:歌詞が長くて難しい曲を入れる
メドレーは短時間で多くの曲を歌うため、1曲ごとの歌詞が長いと覚えきれません。特に3歳未満児の場合、繰り返しの多いシンプルな歌詞の曲を選びましょう。「♪あ、あ、あ、パン、パン、パン〜」のような擬音語中心の曲は覚えやすいです。
失敗パターン4:全て座って歌う、または全て立って歌う
同じ姿勢のまま複数の曲を歌い続けると、子どもたちは疲れます。「座る曲」「立つ曲」「動き回る曲」を混ぜることで、体への負担を分散できます。
変化があるということですね。
失敗パターン5:季節外れの曲を入れる
運動会シーズン(秋)に「雪」や「サンタクロース」の曲を入れると、季節感がずれて違和感があります。特に保護者が見る行事では、時期に合った選曲を心がけましょう。
これらの失敗を避けるには、メドレーを作った後に必ず通しで聴いてみることです。実際に歌ってみると、紙の上では良さそうでも実際には歌いにくい部分が見つかります。
保育士同士で確認し合うのも有効です。
また、子どもたちの反応を見ながら柔軟に修正する姿勢も大切です。練習中に「ここで飽きてる」「この曲は盛り上がらない」と気づいたら、本番前に差し替えましょう。完璧を目指すより、子どもが楽しめることが最優先です。


