磯部俶 遥かな友に 保育士向け解説
著作権料は歌われる回数の割に意外と少ないんです。
磯部俶 遥かな友に 誕生の背景と即興創作
「遥かな友に」は1951年7月12日、神奈川県津久井郡青根村(現・相模原市)の夫婦園で誕生しました。早稲田大学グリークラブの夏合宿中、新入部員たちが枕投げなどではしゃぎ、なかなか寝ないことに上級生が頭を痛めていたんです。wikipedia+1
上級生のリーダーが「明日の練習に差し支えるので何とか早く寝かせたい」とOBで指導者の磯部俶に相談したところ、磯部は薪小屋の二階で腹ばいになり、五線紙もない中で即興的にこの曲を作りました。
つまり即興創作です。
waseglee-ob.sakura+1
その夜、各パートリーダーを呼んで歌わせ、四重唱で演奏したといいます。静かな旋律が部員たちを落ち着かせるための実用的な目的で生まれた曲だったということですね。
参考)https://ameblo.jp/noriko-r0/entry-12864705802.html
当時の早稲田大学グリークラブは分裂騒ぎから体制を立て直している最中でした。まとまってきたメンバーに対する磯部先生の切々たる思いが込められているという証言も残っています。
参考)「遙かな友に」について
磯部俶 遥かな友に 著作権料の意外な実態
磯部俶本人の著書『遙かな友に わが音楽人生』には、興味深い記述があります。「遙かな友に」の著作権料は、歌われることが非常に多い割には意外に少ないというんです。
理由は明確です。合唱ファンは誰でも楽譜なしで歌えるため、演奏会ではいつもアンコール演奏でプログラムに記載されないからです。アンコールは通常、プログラムに印刷されないため著作権料の申告対象から漏れやすいということですね。
しかし磯部自身は「それでいいと思っている」と述べています。多くの人に自由に歌ってもらえることを、作曲者は喜んでいたわけです。
保育現場でもこの曲を歌う際、楽譜を見なくても歌える先生が多いのではないでしょうか。覚えやすいメロディーが広く愛される理由の一つです。
磯部俶 遥かな友に 保育現場での活用ポイント
「遥かな友に」はもともと子どもたちを静かに寝かせるために作られた曲です。この誕生背景は、保育現場での活用に大きなヒントを与えてくれます。
お昼寝の時間前や帰りの会で、落ち着いた雰囲気を作りたい場面に最適です。歌詞は「静かなよふけに いつもいつも 思い出すのは おまえのこと」で始まります。
静謐な言葉選びが特徴ですね。
ただし、原曲は男声四部合唱のため音域が低めです。子どもたちと歌う場合は、キーを上げて歌いやすくする工夫が必要になります。
ピアノ伴奏で調整すれば問題ありません。
歌詞に出てくる「おまえ」が誰を指すのか、子どもたちと一緒に考えてみるのも面白い活動です。友だち、家族、大切な人など、それぞれの解釈を共有することで、感性を育む時間になります。
磯部俶 遥かな友に 歌詞の意味と子どもへの伝え方
歌詞は3番まであり、それぞれ「静かなよふけに」「明るい星の夜は」「さびしい雪の夜は」で始まります。どの場面でも「思い出すのは おまえのこと」というフレーズが繰り返されるんです。
子どもたちにこの曲を教える際は、「大切な人を思い出す歌」という説明が分かりやすいでしょう。夜の情景を想像させながら歌うと、情緒的な理解が深まります。
「おやすみ安らかに たどれ夢路」という歌詞は、子守唄のような優しさを持っています。これは子どもが安心して眠りにつける言葉ですね。
保育士が先に歌って聞かせることで、子どもたちは自然と静かな気持ちになります。歌い終わった後の余韻を大切にすることで、落ち着いた雰囲気が保てます。
磯部俶 遥かな友に 保育で使える音楽活動アイデア
この曲を使った保育活動として、季節ごとの情景を絵に描く活動があります。1番は夜、2番は星空、3番は雪の夜と、それぞれ異なる情景が描かれているためです。
子どもたちに「静かな夜ってどんな感じ?」と問いかけながら、クレヨンや絵の具で表現させると良いでしょう。音楽と造形を組み合わせた統合的な活動になりますね。
また、卒園式や送別会のシーンでも活用できます。「遥かな友に」というタイトルが示すとおり、離れていても友だちを思う気持ちを歌った曲だからです。
年長児であれば、簡単な輪唱にチャレンジするのも面白い取り組みです。2グループに分かれて追いかけながら歌うことで、ハーモニーの美しさを体験できます。
磯部俶 遥かな友に 保育士が知っておくべき編曲バージョン
「遥かな友に」は無伴奏の男声合唱版が最初に作られましたが、その後さまざまな形態に編曲されています。1961年にボニージャックスがシングル盤レコードを発売し、大ヒットしたことで一般に広く知られるようになりました。
現在では混声合唱版、女声合唱版、独唱版、ピアノ伴奏版など、多様なアレンジが存在します。保育現場では、ピアノ伴奏付きの独唱版または斉唱版が最も使いやすいでしょう。
ヴィオラとピアノによる演奏版もあり、楽器の音色を子どもたちに聴かせる機会にも活用できます。生演奏を聴く体験は、子どもたちの音楽的感性を豊かにします。
楽譜は音楽出版社から正式に購入できますし、インターネット上でも合法的に入手できる編曲版があります。著作権に配慮しながら適切に使用することが大切です。


