草競馬とは|楽しみ方と観戦マナー
草競馬は入場無料だと思われがちですが、実は運営費として500円~1,000円の協力金を求められる会場が8割以上あります。
草競馬の基本|地域に根ざした競馬文化
草競馬とは、地方自治体や農協、地域の有志団体が主催する小規模な競馬イベントのことです。JRA(日本中央競馬会)や地方競馬とは異なり、正式な公営ギャンブルではありません。
開催されるのは、主に地方の牧場や河川敷、農地を利用した簡易コースです。東京ドーム1~2個分ほどの広さで、直線500メートル前後のコースが一般的ですね。観客席は設けられておらず、コース脇に立って観戦するスタイルが基本です。
出走する馬は、地元の牧場で飼育されているサラブレッドや軽種馬が中心となります。騎手も地元の乗馬クラブメンバーや牧場関係者が務めることが多く、プロの騎手が参加することは稀です。つまり地域の人々が馬と一緒に楽しむイベントということですね。
レースは1日に5~10レース程度開催され、1レースあたり3~8頭が出走します。距離は300メートルから1,000メートル程度で、短距離の迫力あるレースが楽しめます。賞金は数万円から十数万円程度と、JRAの数千万円規模とは桁違いですが、地域の名誉をかけた真剣勝負が繰り広げられます。
草競馬の最大の魅力は、馬と人との距離の近さです。レース前には馬を間近で見られ、騎手と会話できる機会もあります。子どもたちが馬に触れたり、餌やり体験ができる会場も多く、保育の現場で生き物への興味を育むヒントになるかもしれません。
(草競馬とJRA競馬の違いについて、競馬文化全般を理解する参考として)
草競馬の開催地|全国の主要スポット
草競馬は全国各地で開催されていますが、特に盛んなのは北海道、東北、九州地方です。北海道では帯広市を中心とした十勝地方で、ばんえい競馬とは別に草競馬イベントが年間10回以上開催されています。
代表的な開催地をいくつか紹介しましょう。
北海道・東北地方
- 北海道新冠町:毎年8月に「にいかっぷホロシリ乗馬クラブ草競馬大会」が開催され、約500人の観客が集まります
- 岩手県遠野市:「遠野馬の里」で春と秋に開催され、乗馬体験イベントも同時開催されます
- 青森県十和田市:「駒っこランド」で年3回開催され、地元の子どもたちも多数参加します
関東・中部地方
- 群馬県みなかみ町:「たくみの里」で夏季限定開催、観光客にも人気です
- 長野県木曽町:「木曽馬の里」で乗馬文化継承を目的に年2回開催されます
九州地方
- 宮崎県都城市:「高崎牧場」で毎年5月に大規模な草競馬大会が開催され、1,000人以上が来場します
- 熊本県阿蘇市:阿蘇の草原を利用した草競馬が年4回開催されています
これらの開催地の多くは、もともと馬産地として栄えた地域です。地域の歴史や文化を肌で感じられるイベントですね。
開催日程は各地域の観光協会や役場のホームページで確認できます。ほとんどが週末開催で、春から秋にかけての気候の良い時期に集中しています。
冬季は積雪や凍結の影響で開催されません。
保育士として地域の行事を知っておくと、保護者との会話や子どもたちへの地域文化の紹介に役立ちます。「週末に草競馬があるよ」と話題にすると、意外と盛り上がるかもしれません。
草競馬の楽しみ方|観戦のポイント
草競馬を楽しむには、いくつかのポイントを押さえておくとより満喫できます。まず到着時間ですが、開催1時間前には会場に着いておくことをおすすめします。駐車場が限られているため、遅く到着すると会場から徒歩15分以上離れた場所に停めることになる場合があります。
観戦場所の確保も重要です。コース脇の最前列は早い者勝ちで、人気の位置は開始30分前には埋まってしまいます。ゴール付近とスタート直後のコーナーが特に人気ですね。小さな子ども連れの場合は、馬が興奮して暴れる可能性を考慮し、コースから3メートル以上離れた位置で観戦するのが安全です。
持ち物について、必須なのは以下のアイテムです。
- レジャーシート(地面に座る場合)
- 帽子と日焼け止め(日陰がほとんどない会場が多い)
- 飲み物と軽食(売店がない会場もある)
- 虫除けスプレー(牧場や河川敷は虫が多い)
- 汚れてもいい靴(雨天後は泥だらけになる)
これだけ準備すれば快適に過ごせます。
レースの見どころは、スタート直後の駆け引きとゴール前のラストスパートです。短距離レースが多いため、スタートダッシュで先頭に立った馬がそのまま逃げ切ることもあれば、最後の直線で一気に差すパターンもあり、展開が読めません。どういうことでしょうか?
プロの騎手ではないため、技術差が大きく、予想外の結果になることが頻繁にあります。
この予測不能さが草競馬の魅力です。
真剣に予想を楽しむファンもいれば、のんびり雰囲気を楽しむ人もいて、各自のスタイルで楽しめます。
会場では地元の特産品を販売する出店が並ぶことも多く、レース以外の楽しみもあります。焼きそば、たこ焼きといった定番から、地元の農産物直売まで、お祭り気分を味わえますね。
子どもと一緒に行く場合、レース以外の時間にポニー乗馬体験や餌やり体験ができる会場を選ぶと、飽きずに楽しめます。保育の視点で見ると、子どもたちが生き物と触れ合う貴重な機会になります。
草競馬観戦の注意点|マナーと費用
草競馬観戦にはいくつかの注意点があります。まず費用面ですが、冒頭でお伝えした通り、入場料として協力金を求められる会場が多数あります。金額は500円から1,000円程度で、会場運営費や賞金の一部に充てられます。
「無料だと思って行ったら、受付で協力金を求められて戸惑った」という声は少なくありません。現金のみの対応が基本なので、小銭を準備しておくことが必要です。協力金が不要な会場もありますが、事前に確認しておくと安心ですね。
駐車場も有料の場合があります。1台500円程度が相場で、会場によっては駐車可能台数が50台以下と限られています。公共交通機関でのアクセスが困難な地域が多いため、乗り合わせて行くことも検討しましょう。
観戦マナーとして、以下の点に気をつけてください。
- コースに勝手に入らない(レース前後も危険)
- 馬に無断で触らない(騎手や馬主の許可が必要)
- フラッシュ撮影は控える(馬が驚く可能性あり)
- ゴミは必ず持ち帰る(ゴミ箱がない会場も多い)
- 大声で騒がない(馬が興奮する原因になる)
これらは基本ですが、守られていないケースも見受けられます。
子ども連れの場合は、さらに注意が必要です。小さな子どもは予測不能な動きをするため、目を離さないことが大前提となります。馬は体重500キロ以上の大型動物で、驚いて暴れた場合、近くにいる人が怪我をするリスクがあります。実際に、子どもが馬に近づきすぎて蹴られそうになった事例も報告されています。
「子どもが馬を怖がる場合はどうなりますか?」無理に近づけず、遠くから観戦するだけでも十分です。馬の迫力を感じるだけで、子どもにとっては貴重な体験になります。
天候による開催可否も確認しておきましょう。小雨程度なら決行されますが、大雨や強風の場合は中止になります。中止情報は当日朝に主催者のSNSや電話で確認できる場合が多いです。レインコートを持参しておくと、急な雨でも対応できますね。
保育士として、こうしたイベントでの子どもの安全管理の視点は、普段の保育現場でも活かせます。大型動物との距離感、不測の事態への備え、といった考え方は共通しています。
草競馬と地域文化|保育への活用アイデア
草競馬は単なる競馬イベントではなく、地域の歴史や文化が凝縮された行事です。保育の現場でこの文化をどう活用できるか、いくつかのアイデアを紹介します。
まず、地域学習の題材としての活用です。草競馬が開催される地域の多くは、かつて馬が農耕や運搬に使われていた歴史を持ちます。子どもたちに「昔はトラックじゃなくて馬が荷物を運んでいたんだよ」と話すだけで、興味を引くことができます。
絵本や図鑑を使った導入も効果的です。馬をテーマにした絵本は数多くあり、「ばばばあちゃん」シリーズの『おばけのバーバパパ たからさがし』や『ばんえい十勝』など、草競馬や馬文化を扱った作品もあります。読み聞かせの後に「近くで本物の馬が走るイベントがあるよ」と紹介すれば、子どもたちの関心が高まるでしょう。
制作活動への展開も可能です。馬のお面を作ったり、段ボールで簡易的な「馬」を作って園庭で「ミニ競馬ごっこ」をしたりすると、楽しみながら草競馬への理解が深まります。実際に草競馬を見学した後なら、子どもたちの表現がより具体的になります。
保護者との連携という面でも、草競馬は有効なテーマです。「週末に草競馬があります」とお便りで紹介すると、実際に足を運ぶ家庭も出てきます。月曜日に「行ってきました」という報告を受けて、クラスで共有する時間を設けると、子どもたちの経験が広がりますね。
地域の高齢者との交流にも活用できます。草競馬に詳しい地域のお年寄りを園に招き、昔の馬の話を聞く機会を設けることで、世代間交流が生まれます。「おじいちゃんが子どもの頃は、馬で学校に通っていた」といった話は、子どもたちにとって新鮮な驚きです。
注意点として、競馬という言葉から「ギャンブル」を連想する保護者もいるかもしれません。草競馬は公営ギャンブルではなく、地域の文化イベントであることを明確に伝えることが大切です。「馬と触れ合える地域行事」という位置づけで紹介すれば、誤解を避けられます。
保育指針の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の中には「社会生活との関わり」が含まれています。草競馬のような地域行事を通じて、子どもたちが自分の住む地域に興味を持ち、地域社会の一員としての意識を育むことができます。
厳しいところですね。
実際に草競馬を保育に取り入れた事例として、北海道のある保育園では、年長クラスが草競馬見学を遠足の一環として実施しています。事前学習で馬について調べ、当日は馬を間近で見て、帰園後に絵を描いたり感想を発表したりする活動を行っています。この一連の流れが、子どもたちの探究心を刺激し、表現力を育てる機会になっているそうです。
草競馬という素材を通じて、子どもたちに「地域には面白いことがたくさんある」と気づかせることができます。
それが保育士としての役割の一つですね。

