揺籠のうた 保育士 子守唄
子守唄は子どもを泣きやませる歌と思っていませんか?
揺籠のうた 保育士試験課題曲の特徴
揺籠のうたは令和3年度保育士試験の音楽表現課題曲として採用されました。yotsuyagakuin-tsushin+1
保育士試験では「幼児に歌って聴かせることを想定して」弾き歌いすることが求められます。つまり、プロの歌手のような高い歌唱力ではなく、子どもたちが正しく楽しく歌えるような力が評価されるということですね。
参考)令和3年保育士試験の課題曲は「あひるの行列」「揺籃のうた」!…
この曲は1921年(大正10年)に雑誌『小学女生』8月号で発表され、子守唄として広く親しまれてきました。
作詞は北原白秋、作曲は草川信です。
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保育園でもよく歌われている歌なので、聞いたことがある方も多いでしょう。
ただし注意したいのは、親しんでいる曲だからこそ思い込みで間違っているケースがあることです。楽譜どおりに正しく歌うことができていないと、試験では不合格になる可能性もあります。練習を始める前に今一度楽譜をチェックすることが大切です。
揺籠のうた 歌詞の意味と世界観
揺籠のうたの歌詞には自然のものを登場させることで、奥行きのある情景が広がっています。
参考)「揺籃のうた(ゆりかごのうた)」歌詞の意味は?北原白秋が紡い…
1番では黄色い羽色の小鳥「カナリヤ」が登場します。カナリヤは美しい歌声を持つ鳴禽で、音声学習能力もあって様々な歌を覚えて歌う鳥です。「揺籠のうたをカナリヤが歌うよ」という歌詞は、ファンタジーのようでいて事実に基づいたシーンなんです。
2番に出てくる「枇杷の実」は6月の季節を表しています。枇杷の実は3月中旬から4月にかけて大きくなり、5月から6月頃が収穫の時期となります。
つまり、揺籠のうたは6月の子守唄なんですね。
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3番の「木ねずみ」は、ねずみではなくリスのことです。
“木鼠”と書いてリスと読みます。
リスがゆりかごの綱を揺すって、赤ちゃんが心地良く眠れるようにしている風景が想像できますね。note+1
4番では「黄色い月」が登場し、夜のシーンとなります。ゆりかごの中で眠る赤ちゃんの夢を照らすかのように、窓の外から柔らかい月の光が降り注ぎます。
歌詞全体が黄色っぽいモチーフで統一されていて、温かみのあるイメージが伝わってきます。note+1
揺籠のうた 弾き歌いのポイント
揺籠のうたを弾き歌いするときは、ゆりかごが揺れる一定のリズムを守ることが重要です。
参考)童謡「ゆりかごのうた」実は6月の歌だったのね。穏やかな気持ち…
子守唄ですので、心が穏やかになるような優しい声で歌いましょう。強弱もできるだけつけずに、赤ちゃんに刺激を与えないよう心地よい雰囲気を保って歌います。
歌詞ははっきり発音することも大切です。子どもたちは一般的に「耳」で歌詞を聞き取るので、正しい歌詞を覚えられるようにしなければなりません。もし活舌が良くないと感じる場合は、歌詞をローマ字で書いて読んでみることをおすすめします。
子音の発音が意外に重要なんです。
保育士試験では、ミスタッチをしたからといって致命的な減点にはなりません。
それよりも「歌」が重要です。
保育士として必要な歌、伴奏の技術、リズムなど、総合的に豊かな表現ができることが求められます。shimamura.co+1
保育実習理論の音楽問題も保育士試験で毎回5~6問出題されるので、ポイントを押さえておくと確実に点が取れます。JUN音楽教室の保育士試験対策ページでは、保育実習理論(音楽)の詳しい解き方が解説されています。
揺籠のうた 保育現場での活用法
揺籠のうたを保育現場で活用するときは、季節感を意識するとより効果的です。
この歌は6月の子守唄として作られているため、梅雨の時期に歌うと歌詞の世界観が伝わりやすくなります。枇杷の実が揺れる様子を話すと、子どもたちの想像力を刺激できるでしょう。note+1
歌詞に出てくる「ねんねこ」という表現は、江戸時代からわらべ歌などでよく用いられていたフレーズです。眠ることを意味する幼児語で、重ねて使うことで子どもをあやして眠らせる時に使っていました。昔ながらの言葉を知ることで、保育士として日本の伝統文化を伝える役割も果たせますね。
「揺籠」とは赤ちゃんを寝かせてゆらゆらと揺らすカゴのことです。今は見られなくなりましたが、ハイローチェアやバウンサーなど優しく揺れるアイテムは現代の子育てでも使われています。
赤ちゃんは母親のお腹の中で羊水に浮いていたので、優しい揺れは落ち着くのでしょう。最近は「揺さぶられっこ症候群」という言葉をよく耳にしますが、ゆりかごのような優しい穏やかな揺れでは心配ありません。
保育の現場で子どもたちに安心感を与えたい場面では、この曲の持つ温かみのある世界観を活かせます。
揺籠のうた 作者北原白秋の想い
北原白秋が揺籠のうたを書いたのは1921年、白秋が36歳のときでした。
この曲は白秋が小田原の家で作ったもので、庭には枇杷の木がありました。歌詞全体が黄色の色調でまとめられ、五感の刺激に訴えている特徴があります。
白秋は童謡集『祭の笛』のはしがきに、子どもたちのために書く思いを記しています。揺籠のうたは、まさにその「最初の笛の音」だったのでしょう。
この曲をきっかけに、草川信の弟子である海沼實が日本の児童合唱団の草分けである「音羽ゆりかご会」を創設したといっても過言ではありません。草川は合唱団の会歌として「揺籠のうた」をプレゼントし、団名の「ゆりかご」は北原白秋が「揺籠のうた」から取って命名したものです。
童謡歌手の川田正子は生前、「私が音羽ゆりかご会に入会した時、最初に教わったのがこの揺籠のうたでしたので、今でも強く印象に残っています」と語っていました。
NHK「みんなのうた」やNHK教育「おかあさんといっしょ」でも放送され、日本の子守唄として広く親しまれるようになりました。
保育士として揺籠のうたを歌うとき、作者の温かい想いを知っておくと、より深い表現ができるはずです。


