桑の実効能漢方
桑の実を子どもに食べさせると体が冷えすぎます。
桑の実の漢方における基本情報
桑の実は漢方の世界では「桑椹(そうじん)」と呼ばれる生薬です。性味は寒性で甘味と酸味があり、心・肝・腎に作用します。
つまり体を冷やす性質があるということですね。
参考)桑の実(桑椹)の効能と使い方【知っておきたい漢方の知恵】 -…
この桑の実、実は東洋医学では古くから「仙薬」として珍重されてきた歴史があります。ブドウ糖の分子構造によく似た成分を含んでおり、小腸内での本物のブドウ糖の吸収を阻害する働きがあるのです。
参考)【和ハーブ連載】中世から伝わる「仙薬」桑の葉&桑の実(マルベ…
これにより糖尿病や肥満の原因となるインスリンの過剰分泌を防ぐ効果が期待できます。保育の現場で給食を食べる際、血糖値の急上昇を抑えたいときに役立つ知識です。
ただし寒性という性質上、体を冷やす作用があるため、お腹が冷えやすく下痢気味の方は注意が必要です。子どもに与える場合も、量を控えめにすることが基本です。
桑の実の滋陰補血効能とは
桑の実の最も重要な効能は「滋陰補血烏髪(じいんほけつうはつ)」です。これは体の潤いと血を補い、黒髪を育てる作用を意味します。どういうことでしょうか?yakuyomi+1
中医学では、めまい・眼のかすみ・耳鳴・不眠・病的な早期白髪などは「陰血不足」が原因とされています。桑の実はこの陰血を補うことで、これらの症状を改善します。kashiwanoha-ladies+1
保育士の仕事は書類作業や細かい作業が多く、眼精疲労に悩まされることも多いでしょう。特に乾きを伴う眼精疲労には、血虚(けっきょ)・陰虚(いんきょ)体質向きの桑の実が効果的です。
参考)眼精疲労に桑の実
こちらの鍼灸院のブログでは、実際に桑の実ジャムを作って眼精疲労対策に活用している事例が紹介されています。
具体的には、白髪の予防・改善、消渇(糖尿病)の緩和、耳鳴りの軽減、病後の虚弱状態の回復などに用いられます。
滋陰補血が基本です。
桑の実の潤腸通便作用
桑の実のもう一つの主要な働きが「生津潤腸通便(せいしんじゅんちょうつうべん)」です。
これは腸を潤して排便を助ける作用のこと。
特に高齢者や体液不足による便秘に効果があります。漢方では、何首烏(かしゅう)や胡麻(ごま)と配合して、老人の便秘対策として使われます。
保育現場では自分の体調管理が難しいこともあります。ストレスや不規則な生活で便秘になりやすい場合、桑の実を取り入れることで腸の潤いを補いながら便通を促進できるのです。
ただし下痢しやすい人には不向きです。体質によっては合わない場合もあるため、初めて摂取する際は少量から始めて体の反応を見ることが条件です。
桑の実は生で食べると果物ですが、乾燥させると「桑椹」という生薬になって効能が変わります。生の桑の実は体を冷やし、肝と腎を養生し血を補う作用があります。
桑の実に含まれる栄養成分
桑の実には現代の研究でも確認されている多くの栄養成分が含まれています。ポリフェノール、アントシアニン、ビタミン、ミネラルが豊富です。
参考)元気通信|生薬百選
さらに必須アミノ酸もバランスよく含まれており、補養薬や補腎として老化防止に使われています。
これは使えそうです。
特にβ-カロチン、セレン、フラボノイドなどの成分が免疫機能を調整し、リンパ球の活性化を促進する効果があります。保育士は子どもたちと接する機会が多く感染症のリスクも高いため、免疫力向上は重要な健康課題です。
美肌効果も期待できます。保育現場では外遊びで紫外線を浴びることも多く、肌のケアは気になるポイントでしょう。
桑の実はスーパーフード「マルベリー」として、果実酒やジャムに加工されて市販されています。手軽に取り入れられる形態が選べるのは便利ですね。
参考)桑の効能
桑の葉や桑枝など他の部位の効能
桑は実だけでなく、葉も皮も枝も根も薬効がある万能植物です。
それぞれの部位に異なる効能があります。
桑の葉(桑葉:そうよう)は、苦味・甘味で寒性、肺・肝に作用します。風熱の邪気を取り除き、肺に潤いを与え咳を鎮める効能があります。現代でも風邪や気管支炎の治療薬として用いられることがあります。socia-group+1
桑の根の皮(桑白皮:そうはくひ)は、利尿作用・血圧降下作用・血糖降下作用・解熱・鎮咳などの作用があり、漢方薬の「五虎湯(ごことう)」や「清肺湯(せいはいとう)」などに配合されています。
参考)漢方だけじゃない! 桑の歴史と効能|知っトク!|ピーエスオン…
桑の若い枝(桑枝:そうし)は、関節などにたまった湿を取るとされ、湿邪による痛みに使われます。漢方では去風湿の効果から、主に関節の痛みや四肢のひきつり、浮腫などに用います。yomeishu.co+1
保育士は抱っこや床の作業で腰痛や関節痛に悩むことも多いでしょう。桑枝は湿邪による痛みに対応するため、梅雨時期の関節の不調に役立つかもしれません。
こちらの記事では、桑白皮が美白作用のある化粧品やお茶として飲まれることも紹介されています。
桑は部位によって使い分けられる植物です。
桑の実を保育現場で活用するヒント
桑の実を日常生活に取り入れる方法はいくつかあります。生で食べる場合は、黒く熟しているものが甘くて美味しいです。赤い実は酸っぱいため、ジャムに向いています。
ジャムを作る場合は、桑の実・バナナ・豆乳を別々に電子レンジでしっかり加熱してアツアツにし、ミキサーに全部入れてハチミツなどの甘みを加えて撹拌します。
豆乳の量を増やして飲料としても楽しめます。
参考)第81回 スーパーフード「桑の実(マルベリー・桑椹)」の秘め…
保育園の給食やおやつで活用する際は、子どもたちの体質に配慮することが必須です。寒性のため体を冷やす作用があるので、下痢しやすい子どもには量を控えめにするか避けた方が安心です。
乾燥した桑の実(桑椹)を使う場合、高血圧対策として生地黄(しょうじおう)、熟地黄(じゅくじおう)、地骨皮(じこっぴ)などと配合する方法があります。
これは陰虚型の高血圧症に効果的です。
白髪・難聴対策として、何首烏(かしゅう)、女貞子(じょていし)と配合すると、肝腎不足による病的白髪、難聴、めまいに効果があります。漢方薬局で相談するとこれらの配合を提案してもらえます。
桑の木は街路樹や公園にも植えられていることがあります。初夏の季節に散歩がてら探してみると、意外と身近な場所で見つかるかもしれません。採取する場合は、農薬がかかっていない場所を選ぶことが原則です。
アレルギーのある方は使用を避け、使用中に不快感が生じた場合は直ちに医師の診察を受けてください。自然の食品でも体質によっては合わない場合があるため、慎重に試すことが大切です。
📌 主な効能まとめ
- 滋陰補血(体の潤いと血を補う)
- 烏髪(黒髪を育てる)
- 潤腸通便(腸を潤して排便を助ける)
- 養血祛風(血を養い風邪を追い払う)
- 補益肝腎(肝と腎を補う)
- 利尿作用
- 鎮咳作用
- 強壮作用
桑の実は漢方の知恵が詰まった自然の恵みです。保育士として忙しい毎日を送る中で、眼精疲労や便秘、白髪などの悩みがある場合は、桑の実を取り入れてみる価値があります。ただし寒性という性質を理解し、自分の体質に合った量を見極めることが重要です。
漢方の考え方では、私たちの体の調和を整えるために重要な役割を果たすとされています。普段の生活で簡単に取り入れられる自然の恵みとして、現代でも多くの方に親しまれているのです。


