汽車と電車の違い|保育士が子どもに教える正しい見分け方

汽車と電車の違い

「電車」という言葉を使っても実は汽車のことを指している場合があります。

この記事のポイント
🚂

動力源で見分ける

汽車は蒸気機関、電車は電気モーターで動きます

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子どもへの教え方

煙を出すのが汽車、線路の上の電線から電気をもらうのが電車

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保育現場での活用

絵本や図鑑を使った具体的な指導方法を紹介

汽車と電車の基本的な動力源の違い

 

汽車と電車の最も大きな違いは、動力源にあります。汽車は石炭や木材を燃やして水を沸騰させ、その蒸気の力で動く「蒸気機関車」のことを指します。一方、電車は架線(線路の上に張られた電線)から電気を取り入れて、電気モーターで動く列車です。

保育の現場では、子どもたちが絵本などで「汽車ポッポ」という言葉に触れる機会が多いでしょう。これは実際に煙突から煙を出しながら走る蒸気機関車の様子を表現したものです。

つまり汽車が基本ということですね。

現在、日本の鉄道で実際に営業運転している蒸気機関車は、JR各社が観光目的で運行している数両のみです。大井川鐵道のSLや、JR北海道のSL冬の湿原号などが有名です。子どもたちが普段目にする通勤電車や新幹線は、すべて電車に分類されます。

ただし、ディーゼルエンジンで動く列車は「気動車」と呼ばれ、厳密には電車でも汽車でもありません。軽油を燃料とするエンジンで動くため、電気を使わず、架線も不要です。地方のローカル線でよく見かける列車の多くがこのタイプです。

子どもに説明する際は、「煙をモクモク出して走るのが汽車、上の電線から電気をもらって走るのが電車」という視覚的な違いで教えると理解しやすくなります。

汽車という言葉が今も使われる理由

現代では蒸気機関車がほとんど走っていないにもかかわらず、「汽車」という言葉が日常的に使われ続けている地域があります。特に地方では、電車のことを「汽車」と呼ぶ習慣が残っています。

言語学的には、これは「語の化石化」と呼ばれる現象です。かつて鉄道といえば蒸気機関車だった時代の名残で、実体が変わっても言葉だけが残り続けているのです。東北地方や九州地方の一部では、70代以上の方を中心に今でも電車を「汽車」と呼ぶ人が多く見られます。

保育現場では、祖父母世代と保護者世代で使う言葉が異なることがあります。おじいちゃんおばあちゃんが「汽車に乗って来た」と言っても、実際には電車で来園しているケースがほとんどです。これは誤用ではなく、世代による言葉の違いということですね。

また、童謡や絵本の世界では意図的に「汽車」という言葉が使われ続けています。「いぬのおまわりさん」の歌詞に出てくる「汽車ポッポ」や、「線路は続くよどこまでも」などの歌は、子どもたちにとって親しみやすい響きを持つため、あえて古い表現が残されているのです。

地域によっては「列車」という中立的な言葉を使うことで、動力源を問わずすべての鉄道車両を指す方法もあります。保育士としては、こうした言葉の多様性を理解しておくと、保護者や子どもとのコミュニケーションがスムーズになります。

保育園で子どもに汽車と電車を教える方法

3歳から5歳の子どもに汽車と電車の違いを教える際は、実物の写真や動画を活用するのが最も効果的です。YouTubeなどで「SL 蒸気機関車」と検索すると、煙を出して走る様子を見られます。それと通勤電車の映像を比較することで、視覚的な違いを明確に理解させられます。

具体的な教え方として、以下のステップを推奨します。

  • まず「煙を出すか出さないか」という分かりやすい基準を示す
  • 次に「音の違い」を聞かせる(汽車は「シュッシュッポッポ」、電車は「ウィーン」という感じ)
  • 最後に実物を見に行く機会を設ける(博物館や鉄道イベント)

埼玉県にある鉄道博物館や、京都鉄道博物館には、実際の蒸気機関車が展示されています。遠足や園外保育の行き先として検討する価値があるでしょう。子どもたちは実物を見ることで、絵本の世界と現実が繋がり、理解が深まります。

鉄道博物館(さいたま市)

実際の蒸気機関車D51やC57などが展示されており、汽車と電車の違いを体験的に学べる施設です。

絵本を使った導入も効果的です。『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』や『せんろはつづく』などの絵本には、蒸気機関車が登場します。読み聞かせの後に「この汽車は煙を出しているね」と指摘することで、自然な形で知識を定着させられます。

工作活動と組み合わせる方法もあります。牛乳パックや段ボールで汽車を作る際、煙突を付けて黒い煙を表現させると、汽車の特徴が印象に残ります。電車を作る場合は、パンタグラフ(屋根の上の集電装置)を付けることで、電気で動く仕組みを意識させられます。

子どもから「なんで汽車は今ないの?」と質問されたら、「電気の方が煙が出なくてきれいだから、電車に変わったんだよ」と環境面から説明すると分かりやすいでしょう。

これは環境教育にも繋がる視点です。

汽車と電車を見分けるポイントと例外

実際の列車を見て汽車か電車かを判断する際、いくつかの外見上のポイントがあります。

最も確実な方法は、屋根の上を見ることです。

電車には必ずパンタグラフという菱形の集電装置が付いています。

これが電線から電気を取り入れる部品です。

煙突の有無も重要な判断基準になります。蒸気機関車には、石炭を燃やした煙を逃がすための大きな煙突が前方に付いています。ただし、煙突のような形状があっても、それが排気管である場合は気動車(ディーゼル列車)の可能性があります。

音の違いも見分けるポイントです。汽車は「シュッシュッ」という蒸気を吐き出す音と、「ポーッ」という汽笛が特徴的です。電車は「ウィーン」というモーター音と、「プシュー」というブレーキ音が聞こえます。気動車はエンジン音が「ブルルル」と低く響きます。

ここで注意が必要なのは、見た目が古風でも実は電車という場合があることです。江ノ島電鉄の一部車両や、路面電車の多くは、レトロな外観をしていますが、架線から電気を取って動く正真正銘の電車です。外観だけで判断せず、パンタグラフの有無を確認するのが確実ということですね。

また、新幹線はすべて電車です。時速300km以上で走る新幹線を蒸気機関で動かすことは技術的に不可能なため、すべて電気モーターで駆動しています。屋根の上のパンタグラフが、高速で移動しながら電気を取り込む仕組みになっています。

子どもと一緒に駅や踏切で列車を観察する際は、「屋根の上に菱形のものがあるか」を探すゲームにすると、楽しみながら学べます。実際に見分けられたとき、子どもたちは大きな達成感を得られるでしょう。

保育現場で活用できる汽車と電車の教材

汽車と電車の違いを教えるために、保育現場で活用できる教材は数多くあります。まず絵本では、『しゅっぱつしんこう!』(山本忠敬作)が、様々な列車の違いを分かりやすく描いています。この絵本には蒸気機関車、電車、新幹線が登場し、それぞれの特徴が視覚的に表現されています。

図鑑も有効な教材です。小学館の『NEO 鉄道』や、講談社の『動く図鑑MOVE 鉄道』には、詳細な写真と解説が載っています。特にMOVEシリーズはDVDが付属しており、実際に走る様子を動画で確認できるため、子どもの理解を深めるのに役立ちます。

小学館の図鑑NEO 鉄道

蒸気機関車から最新の電車まで、動力源の違いを写真付きで詳しく解説している図鑑です。

手作り教材として、フラッシュカードを作成する方法もあります。A4サイズの厚紙に汽車と電車の写真を貼り、裏面に「汽車(蒸気)」「電車(電気)」と書いておきます。朝の会帰りの会で、カードを見せながら「これは何で動くかな?」とクイズ形式で問いかけると、繰り返し学習できます。

実物を見る機会を作ることも大切です。前述の鉄道博物館以外にも、地域の鉄道会社が開催する車両基地見学イベントに参加する方法があります。JR東日本、JR西日本などは、年に数回、一般向けの見学会を開催しています。事前申込制のことが多いため、園だよりなどで保護者に情報提供すると喜ばれるでしょう。

デジタル教材としては、NHK for Schoolの「ストレッチマン・ゴールド」や「ピタゴラスイッチ」などの番組で、乗り物の仕組みを扱った回があります。これらは無料で視聴でき、保育の時間に活用しやすい長さ(5〜10分)に編集されています。

音を使った活動も効果的です。汽車の「シュッシュッポッポ」という音を手拍子で再現したり、電車の「ウィーン」という音を声で真似したりすることで、聴覚からも違いを学べます。リトミックの活動に取り入れると、体を動かしながら楽しく学習できます。

保護者向けには、家庭でできる学習方法を園だよりで紹介すると良いでしょう。例えば、散歩中に見かけた列車について「あれは汽車かな、電車かな?」と親子で会話するだけでも、学びの機会になります。


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