お山の杉の子 歌詞 意味
「お山の杉の子」の5番以降の歌詞は戦後に全面改訂され、あなたが歌っている歌詞は2代目です。
お山の杉の子の歌詞全文と基本構成
「お山の杉の子」は全6番まである童謡で、むかし話風の語り口で展開します。1番から3番までは、禿山に小さな杉の子が芽を出し、椎の木に笑われながらも「大きくなって皆のため お役に立ってみせまする」と決意する場面です。asahi-net+1
4番では「ラジオ体操 ほがらかに 子供は元気で伸びてゆく」と続き、昔の禿山が立派な杉山になったことが描かれます。この部分は子どもの成長を杉の木の成長に重ね合わせた表現です。
参考)https://www.asahi-net.or.jp/~cp7t-mrt/music/radio/suginoko.html
5番と6番では、大きくなった杉が「お舟の帆柱」「本箱 お机 下駄 足駄」「鉛筆 筆入れ」など様々な形で役に立つ様子が具体的に語られます。最後は「明るい楽しい このお国 わが日本をつくりましょう」という前向きな結びとなっています。
参考)https://userweb.shikoku.ne.jp/k-omoto/nemo/kaiho.120/120_12.html
つまり成長物語です。
お山の杉の子 歌詞の意味と教育的メッセージ
この歌の核心は「小さくても諦めずに努力すれば、いつか大きく成長できる」という普遍的なメッセージにあります。椎の木に「こんなチビ助 何になる」と笑われた杉の子が、「何の負けるか いまにみろ」と奮起する場面は、子どもの挫折と成長を象徴的に表現しています。uta-net+2
保育現場では、この物語性が子どもの自己肯定感を育む教材として活用されています。実際に多くの保育園が「杉の子保育園」という名称を採用しているのは、「杉の木のように伸び伸びと成長してほしい」という願いからです。
参考)当園のご紹介 – 社会福祉法人 観行会 杉の子保…
歌詞中の「お日さまニコニコ 声かけた」という表現は、大人の温かい見守りを示唆しています。杉の子が成長できたのは、お日様という存在が常に応援していたからこそです。
これは保育者の役割そのものですね。
また、杉の木が最終的に「皆のため」に役立つという結末は、社会性や貢献の精神を自然に教える構成になっています。
参考)沓間京子・ひばり児童合唱団 お山の杉の子 歌詞 – 歌ネット
お山の杉の子の歴史的背景と戦時中の歌詞
「お山の杉の子」は1944年(昭和19年)、少国民文化協会の懸賞募集で入賞した吉田テフ子の作詞に、サトウハチローが補作して発表されました。当初は戦死した父を持つ子どもを励ます戦意高揚歌として制作されたのです。emuzu-2.cocolog-nifty+1
戦時中の原曲では、5番の歌詞が「大きな杉は何になる 兵隊さんを運ぶ船 傷痍の勇士の寝るお家」となっていました。さらに6番は「さあさ負けるな 杉の木に 勇士の遺児なら なお強い」「今に立派な兵隊さん」「この日本を護りましょう」という戦時色の強い内容でした。
参考)時代に翻弄された唱歌「お山の杉の子」: エムズの片割れ
終戦後、戦意高揚の歌として一時封印されましたが、1946年にニッチクのディレクター足羽章が連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に交渉し、サトウハチローによる歌詞改訂で復活を果たしました。この時、戦時色のある部分が平和的な表現に変更されたのです。wikipedia+2
3番の「大きくなって 国のため」が「大きくなって 皆のため」に変わったのは象徴的な改訂例です。
参考)戦中・戦後で歌詞変更された歌 │ お山の杉の子|野ばら子
お山の杉の子を保育で活用する際の注意点
保育現場でこの歌を扱う際は、歌詞の歴史的背景を保育者自身が理解しておくことが重要です。現在歌われているのは戦後改訂版であり、平和と成長を願う内容になっています。
子どもたちには、歌詞のストーリーを絵本や劇遊びと組み合わせて伝えると理解が深まります。「小さな杉の子がどうやって大きくなったのかな?」と問いかけることで、子どもたち自身の成長体験と重ね合わせることができます。
また、実際に杉の木や植物の成長を観察する活動と連動させると、歌詞の意味がより具体的に伝わります。保育園の園庭に杉の木がある場合は、実物を見せながら歌うのも効果的ですね。
歌詞中の「ラジオ体操」は現代の子どもにとって馴染みが薄いかもしれません。その場合は「体操」や「運動」と言い換えるなど、子どもの理解に合わせた工夫も考えられます。ただし、歌詞を大幅に変更するのではなく、説明を加える形が望ましいでしょう。
全6番は長いので、保育場面では1番から4番までを中心に歌うのが一般的です。
お山の杉の子の作詞者と楽曲の特徴
作詞者の吉田テフ子は徳島県穴吹町に住んでおり、彼女の家の周辺には杉山が広がり、山にシイノキがあったといいます。つまりこの歌詞は、実際の風景から着想を得て書かれた作品なのです。
作曲は佐々木すぐるが担当しました。明るく軽快なメロディーは、昔話風の歌詞と相まって子どもたちに親しまれる要因となっています。「むかしむかしの そのむかし」という歌い出しは、『浦島太郎』のような昔ばなし風で、子どもの興味を引く工夫が施されています。worldfolksong+2
リズムの特徴として、「あったとさ あったとさ」「声かけた 声かけた」のように同じフレーズを繰り返す構成があります。この反復は子どもが覚えやすく、歌いやすくする効果があります。uta-net+1
また「ニョッキリ芽が出る」「アッハハのアッハハと」といった擬音語・擬態語が多用されており、場面をイメージしやすい言葉選びがなされています。これらは子どもの言語発達にも良い影響を与える表現です。
この曲の制作背景や歴史的変遷について、詳細な情報が記載されています。
お山の杉の子が保育現場で愛される理由
この歌が現在も保育現場で歌い継がれている理由は、成長のプロセスを分かりやすく描いているためです。1番から6番にかけて、芽が出る→笑われる→成長を決意する→大きくなる→役に立つという明確なストーリーラインがあります。
参考)お山の杉の子 童謡・唱歌
子どもたちは自分自身を「小さな杉の子」に投影しやすく、「いまにみろ」という前向きな気持ちに共感します。特に年少から年長へと成長する過程で、この歌の意味がより深く理解されていきます。
保育者にとっても、子どもの成長を見守る姿勢を「お日さま」の役割として捉えることができます。温かく声をかけ、成長を待つという保育の基本姿勢と歌詞の内容が一致しているのです。
さらに、復興の歌として全国各地で植樹祭が行われた歴史もあり、自然や環境教育とも結びつけやすい教材となっています。実際に木を植える体験活動と組み合わせることで、生命の尊さや成長の喜びを実感させることができます。weblio+1
明るいメロディーと希望に満ちた歌詞は、卒園式や発表会でも頻繁に使用されています。
お山の杉の子から学ぶ子育ての視点
この歌が保護者にも伝えたいメッセージは、「小さな存在を笑わず、温かく見守る」ことの大切さです。椎の木のように子どもを笑うのではなく、お日さまのように声をかけ続ける姿勢が、子どもの成長を支えます。
「何の負けるか いまにみろ」という杉の子の決意は、子ども自身の内発的な成長意欲を示しています。大人が無理に引っ張るのではなく、子どもが自ら「大きくなりたい」と思える環境を整えることが重要だという示唆が含まれています。
また、最終的に杉の木が様々な形で「役に立つ」という結末は、子どもの多様な可能性を認める視点を教えてくれます。
お舟になる子もいれば、本箱になる子もいる。
それぞれの形で社会に貢献できるという多様性の尊重です。
保育参観や保護者会でこの歌を取り上げる際は、歌詞の意味を共有することで、家庭と園が同じ子育て観を持つきっかけになります。子どもの成長を焦らず、長い目で見守る姿勢が大切ですね。
この歌の戦時中と戦後の歌詞の違いについて、詳細な比較が記載されています。歴史的背景を深く理解したい方に参考になるリンクです。


