おさるのかごや歌詞なぜ作られた?意味と保育で歌う理由

おさるのかごや歌詞なぜ作られた

山上武夫が作詞した「おさるのかごや」は、保育者から見れば単なる童謡として子どもたちに歌わせるものと思われがちですが、実は歌詞の掛け声には子どもの精神発達を促す意図が込められています。

この記事のポイント
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歌詞誕生の背景

1938年、作詞者が故郷の猿を思い浮かべながら東京で作詞した童謡

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掛け声の意味

「エッサ」には精神を高める意味があり、子どもの発達を促す効果がある

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保育現場での活用

リズムと情景描写が豊かで、想像力を育む教材として適している

おさるのかごや歌詞が生まれた背景

 

「おさるのかごや」は1938年9月に、作詞者の山上武夫が東京大森の義兄宅で居候していた時期に作られました。その日、山上は美しいオレンジ色の夕焼け空を見ながら、故郷の長野市松代の山道で出会った猿のことを思い出していたそうです。worldfolksong+1

具体的には、松代の東条の奥にある清滝あたりを舞台として想定し、猿が駕籠をかつぐという童話的な世界観を思い描きました。当時の山上は詩人として芽が出ず、すでにレコード2曲を発表していたものの苦しい時期でした。そんな中、故郷への郷愁と猿という身近な動物を組み合わせることで、子どもたちにも親しみやすい歌詞が生まれたのです。wikipedia+1

つまり創作の原点は郷愁です。

参考)お猿のかごや 歌詞の意味 童謡

おさるのかごや掛け声の本当の意味

歌詞の冒頭「エッサ エッサ エッサホイサッサ」という掛け声には、実は深い意味が込められています。「エッサ」は単に持ち上げるという物理的な意味ではなく、精神的な意味を含んでおり、「尊厳あるものに対して気持ちを上げる、目を上げる」という意図があるとされています。

参考)石村真紀の雑記 エッサホイッサッサー

また「サ」の音は前へ進めという意味を持ち、この音を反復することで「おさる」の「さ」が引き出されてくる効果もあります。もともと山上の原詩では「エッサ ホイサ エッサ ホイサ」でしたが、作曲者の海沼實が「メロディに乗りにくく軽快さに欠ける」と助言し、現在の形に改められました。weblio+2

この改変により歯切れよく力強い印象になりました。

参考)おさるのかごやとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書

山上は当初納得できず食い下がりましたが、海沼が曲を付けて歌って見せると「うん、この方がいい」と納得したというエピソードも残っています。保育現場では、この掛け声のリズムが子どもたちの運動意欲を高め、協調性を育む効果があると考えられています。

参考)お猿のかごや – Wikipedia

おさるのかごや歌詞に込められた情景

歌詞の中には「日暮れの山道」「小田原提灯」「木の葉のわらじ」「こん狐」など、具体的な情景描写が豊富に含まれています。特に小田原提灯は、江戸時代の旅人に人気を博したじゃばら構造の折り畳み式提灯で、携帯に便利で丈夫・安価・雨に強いという特徴がありました。

童謡研究家の見崎によれば、提灯の明かりだけで日暮れの山道を走っていくという設定から、先に何かがいるのではないか、後ろから何かに襲われるのではないかというミステリアスな物語性を感じるとされています。三番の歌詞では不安定な身体感覚が表現され、四番でも「まだ遠い」と、最後まで寂しさや不安感が持続されます。weblio+1

これは冒険の緊張感を表現しています。

参考)お猿のかごやとは – わかりやすく解説 Weblio辞書

このような情景描写は、子どもたちの想像力を刺激し、物語の世界に入り込む体験を提供します。保育者がこの歌を選ぶ際には、歌詞の情景を絵本のように語りながら歌うことで、子どもたちの感性を豊かにする効果が期待できます。

おさるのかごや歌詞が保育で選ばれる理由

保育現場で「おさるのかごや」が長年歌われ続けているのには、いくつかの明確な理由があります。まず、歌詞が「あ」行で始まる音が多く、幼児にとって発音しやすい構造になっている点です。

参考)https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/5/56546/20190328154044419818/cted_009_109_123.pdf

次に、架空の生き物(猿や狐)が登場するため、子どもたちの空想の世界を広げやすいという特徴があります。保育の現場では、季節に関する歌と並んで、このような想像力を刺激する歌が重視されています。また、歌は生活の中に現れてくるほど構えず自然なもので、幼児期に覚える曲として歌いやすく、身の回りにある物の名前や生活習慣を知らず知らずのうちに学び身に付けられる内容となっているのです。bga.gakuen-nagano+1

歌は日常と密着しています。

さらに、「エッサ エッサ」という掛け声は、運動会や遠足などの行事で使いやすく、集団での活動意欲を高める効果があります。保育者が多くの子どもの歌の中から選曲する際、こうした実用性と教育効果を兼ね備えた歌は優先的に選ばれる傾向にあります。

参考)http://bga.gakuen-nagano.ac.jp/bga-nagano/wp-content/uploads/2024/02/9b766e5fedb928cf884fa3ce1e02e148.pdf

おさるのかごや作曲時のエピソード

作曲者の海沼實は、山上の詞を持って東京から伊東へ向かう列車の中で作曲しました。列車の窓から大磯の海が見えてくるあたり、列車の「ガターン、ガターン」という揺れでメロディーが浮かんだそうです。

参考)「われは海の子」は終戦後、GHQの指導で文部省唱歌から削るよ…

海沼は、歌の舞台を松代の清滝よりも北にある愛宕山の先の鳥打峠のあたりを想定して作曲したと言われています。このように作詞者と作曲者で想定した場所が異なっていたものの、どちらも山道という共通のイメージがあったため、曲と詞が見事に調和したのです。

列車のリズムが曲想の源でした。

また、当時はレコード童謡の大流行により、商業主義的な童謡が出回っていた時代でしたが、「おさるのかごや」は子どもたちに親しまれるメロディーと歌いやすい歌詞で、長年愛される作品となりました。作曲家の服部公一は、この曲を「小市民性と通俗性に満ちた」レコード童謡の代表として挙げていますが、それは逆に言えば多くの人々に受け入れられやすい要素を持っていたということです。

保育現場で実際にこの歌を活用する際には、作曲時のエピソードを子どもたちに伝えることで、音楽が生まれる過程への興味を引き出すことができます。列車の揺れから曲が生まれたという話は、子どもたちにとっても身近で理解しやすい内容です。

「お猿のかごや」の歌詞全文と詳しい解説が掲載されています(童謡の世界)
「お猿のかごや」の誕生秘話と作者の詳細な情報があります(Wikipedia)

おさるのジョージ おばけ伝説のなぞ (吹替版)