秋の夜半 歌詞 意味 保育士 活用法

秋の夜半 歌詞 意味

「秋の夜半」の歌詞は実は童謡ではありません。

この記事のポイント
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明治時代の中学唱歌

佐々木信綱作詞、1910年(明治43年)に発表された中学生向けの唱歌です

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故郷を離れた学生の心情

家族と離れて勉学に励む若者が秋の夜に親を思う切ない気持ちが描かれています

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原曲はオペラの名曲

ドイツの作曲家ウェーバーのオペラ『魔弾の射手』序曲がメロディの元になっています

秋の夜半 歌詞全文と読み方

 

「秋の夜半」の正しい歌詞は以下の通りです。

参考)秋の夜半 あきのよわ 歌詞の意味 ウェーバー 魔弾の射手 明…

  • 秋の夜半(よわ)の み空澄みて
  • 月のひかり 清く白く
  • 雁(かり)の群の 近く来るよ
  • 一つ二つ 五つ七つ
  • 家をはなれ 国を出でて
  • ひとり遠く 学ぶわが身
  • 親を思う 思いしげし
  • 雁の声に 月の影に

「夜半(よわ)」は夜がすっかり更けて人々が寝静まった頃、夜の12時から2時頃を意味します。気象用語では「やはん」と読みますが、この唱歌では古典的な読み方「よわ」が使われているのが特徴です。linderabell+1

「み空」は和歌や俳句で使われる空の美称です。

御空と書き、敬意を込めた表現ですね。

「思いしげし」の「しげし(繁し)」は「たくさんある」または「絶え間がない、しきりである」という意味です。つまり親を思う気持ちが途切れることなく続いているということですね。

「月の影」は月の光、または月の姿を指します。

現代の「影」とは異なる使い方です。

秋の夜半 歌詞の意味と背景

この唱歌は歌人・国文学者の佐々木信綱(1872-1963)が作詞しました。佐々木信綱は全国120以上の学校の校歌を作詞したほか、唱歌『夏は来ぬ』も手掛けた著名な文学者です。

歌詞の内容は、澄んだ秋の夜空に月が白く清らかに輝く中、雁の群が空を舞うのを眺めながら、一人物思いにふける人物の物憂げな心境が描写されています。

具体的には、家を離れ故郷を出て遠い場所で学んでいる学生が、秋の夜に渡り鳥の雁を見て親を思う切ない気持ちを歌っています。明治時代、多くの若者が進学のために故郷を離れ都会へ出ました。電話もない時代、親と離れて暮らす寂しさは現代とは比べ物にならないほど深かったでしょう。

雁は秋頃に北海道宮島沼や宮城県伊豆沼などに飛来する渡り鳥で、秋の季語として俳句や詩歌に使われます。故郷を離れて旅をする雁の姿が、家族と離れて学ぶ学生の境遇と重なっているのです。

メロディの原曲はドイツの作曲家ウェーバーによるオペラ『魔弾の射手』の序曲です。同じメロディで讃美歌『主よ み手もて』も歌われています。

秋の夜半と夜半の秋の違い

「秋の夜半」と「夜半の秋」は似ていますが意味が異なります。

「秋の夜半」は秋の深夜を指す表現です。この唱歌のタイトルとしても使われていますね。

一方「夜半の秋」(よわのあき)は、とっぷりと更けた秋の夜のことを言います。空に輝く美しい月、聞こえてくる虫の声など、風情のある夜を表現する季語です。

参考)夜半の秋(よわのあき) – うまずたゆまず

つまり大きな違いはありません。「秋の夜半」は時間帯を強調し、「夜半の秋」は秋の夜の風情を強調する表現と言えます。

ちなみに「夜半の春」「夜半の夏」「夜半の冬」という表現もあります。夜半の春は微かに花の香りが漂い月がぼんやりかすむ穏やかな夜、夜半の夏は昼間の暑さが落ち着いた過ごしやすい夜、夜半の冬は空気が冷えて澄み渡り星や月が美しい夜を表します。

秋の夜半を保育で活用する方法

保育現場で「秋の夜半」を取り入れるには工夫が必要です。この唱歌は元々中学生向けに作られたため、歌詞が難しく幼児には理解しにくい内容だからです。

ただし秋の保育活動の導入として部分的に活用することは可能です。たとえば秋の自然観察の際、「雁の群の近く来るよ」という歌詞を紹介して、渡り鳥について話すきっかけにできます。hoiku-is+1

秋の製作活動では、歌詞に登場する月や雁をモチーフにした作品作りも良いでしょう。お月見の行事と組み合わせると季節感が出ますね。e-hoikushi+1

年長クラスであれば、歌詞の一部を丁寧に説明しながら歌ってみるのも一つの方法です。「家をはなれ」「親を思う」という部分は、子どもたちにも理解しやすい感情です。

保育士自身が歌詞の意味を深く理解しておくと、秋という季節を子どもたちに伝える際の引き出しが増えます。「ゆめある」のような保育士・教師向けの教材サイトでは、この唱歌の音源や解説が公開されていますので参考になります。

保育士が間違えやすい童謡の歌詞

「秋の夜半」は難しい歌詞ですが、実は他の童謡でも間違えやすい歌詞があります。

桃太郎」の歌詞は「あげましょう」ではなく「やりましょう」が正解です。「あげましょう」は人に対する言葉、「やりましょう」は動物に対する言葉として、ちゃんと使い分けられていました。

参考)その歌詞、本当に正しいですか?②【橋本恵史のちょっと歌噺】

「たき火」の歌詞も間違えやすいポイントがあります。「北風ぴゅうぴゅう」ではなく「北風ぴーぷー」が正しい歌詞です。多くの人が「ぴゅうぴゅう」と歌っていますが、実は違うんですね。

童謡や唱歌は口伝えで広まるうちに、いつの間にか歌詞が変わってしまうことがあります。保育現場で子どもたちに正しい歌詞を伝えるためには、楽譜や信頼できる音源で確認する習慣が大切です。

「どんぐりころころ」には四番まで歌詞があることをご存知でしょうか。三番は一般的に知られていませんが、四番は落語家の桂文枝師匠が作詞したものです。このように童謡や唱歌の背景を知ると、保育での活用の幅が広がりますね。

世界の民謡・童謡サイトには「秋の夜半」の詳しい解説と歌詞が掲載されており、保育の参考資料として役立ちます

秋の午後